2015-11-28 03:56:48 更新

概要

いろは「家族旅行?」のまたまた続編みたいなものです


前書き

最初はいろは視点の過去編的な何かで始まります
あとは前作同様、続編というかまた日常系です
小ネタをいくつか書きます
恋愛はほぼないです




いろは「家族旅行?」


↑前々作です。こちらを先に読まないと意味わかんないかもです




八幡「俺が家族を守るから」


↑前作です。読まなくてもいけそうですか。一応繋がってるので読んでいただいた方がわかりやすいかもです








あの日は、真冬の夜のこと

雪が降り積もってて、すっごく寒かったことをよく覚えている


私達はその日、もう何度目かもわからないデートをして

さあ、帰ろうかという時に




彼は突然、私に小さな箱を渡してきた




いろは「……これ………なんですか?」



心臓の鼓動が一気に早くなった

バックンバックン鳴ってる

本当はわかっていた、これがなんなのか

なのに私はつい聞いてしまった




八幡「開けてみてくれ」




私は、震えた手でその小さな箱を開けた



そこには、小さなダイヤの指輪があった



八幡「あ、あんまいいもんじゃねえけど…」



申し訳なさそうに、震えた声で彼はそう言った



いろは「ふふっ……100カラットの…ダイヤがよかったなあ」



八幡「バ、バカ。無理に決まってんだろ。すまん…今の俺にはそれが精一杯だ。き、気に入らなかったら…その、捨てて…くれても…」グッ



頭を下げ、拳を強く握る彼

もうこの人は…冗談に決まってるじゃないですか


値段なんて関係ない、ダイヤの大きさなんて関係ない


私にはこの指輪が眩しくて眩しくて仕方なかった


あれ?

視界が滲んでてよく前が見えないや




いろは「冗談ですよ。頭上げてください」


八幡「お、おう…」




私が、これまでどれだけ待ち焦がれたことか


彼との付き合いも長い


私から言うこともできた。言いたかった

なにしろこの男は超ヘタレだから

でも私は待った

いや待っていて欲しいと言われた気がした


直接言われたわけじゃない


でも彼の男としてプライドか

これだけは俺から言わせてほしい

ちゃんと言うから

だから待っててくれと

そう言われた気がした


だから私は待った

待って待って待ち続けた

このヘタレ男のことを



いろは「さっきまで…ラーメン食べてたんですよ」


八幡「そ、そうだな」


いろは「しかも、ここはただの公園ですし」


八幡「おう…」


いろは「最悪です。ポイント低すぎです。ロマンチックもあったもんじゃないですよ」


八幡「ほ、星とか綺麗だぞ」


いろは「…」ジトー


八幡「すまん…」


いろは「はぁ…まあ先輩ですからね。許してあげます」



こんなことで怒ってたら、先輩の彼女なんてやってられない

もう随分前からそう思い知らされた




いろは「それで…これはどういう、意味ですか?」




もうわかっていた

お互い答えは出ていたから

それだけもう私達の心は強く繋がっていたから


ただ彼から言われるたった一言の言葉

私達が前に進むためのその言葉を私は待ち続けていた


わかってるんだけど

こうして面と向かって言われるのはやっぱり恥ずかしいな

ほら、私の心臓も、そんな早く動かないでよ

バックンバックンうるさいよ




八幡「ああ…ずっと…ずっと待たせてすまなかった。えっと…だな…えっと…」



いろは「……」



まったく、ダメな男ですね

早く言ってくださいよ



八幡「お、俺と…その…」



はぁ…仕方ないですね



いろは「先輩」ギュ



八幡「…っ」



彼の冷たくなっていた両手を持ち上げ、自分の両手で包み込んだ

先輩は少し驚いていたけど、振り払うことはしなかった



八幡「……あったかいな…お前の手は」


いろは「なんですか口説いてるんですか待っていた言葉じゃないんでそれではダメですあと一歩なんで頑張ってくださいごめんなさい」


八幡「こんな時までフるなよ…」


いろは「大丈夫ですよ…先輩。自分を、私を、信じてください」



八幡「……………ああ」



相変わらず腐った目だけど

確かにそこに強い意志を感じた

覚悟を決めたみたいだ


私も、さっきまでポロポロと涙が出ていたけどその時だけは耐えて

彼の目をしっかりと見て


彼の言葉を待った





八幡「ーーーーー結婚しよう。いろは」




いろは「ーーーーーはい」




………


………


………



私達は歩き始めた

新たな一歩を踏むために

でも、これは私達だけの問題ではないことを改めて知った


今まで避けていたけどさすがに挨拶しなければならない


私の両親だ


先輩、本当に不審者どころじゃないやばすぎな顔してたな…



八幡「お願いします!娘さんを僕にください!認めてもらえるまで絶対に諦めません!」


いろは父「お前のようなヒヨッコに何ができる。とても娘を守れるようには見えんな」


いろは「お、お父さん…!」


いろは母「待って、いろは。少しこっちにおいで」


いろは「でも!私も先輩と一緒にお父さんを…」


いろは母「いいから」


いろは「…なに?」


いろは母「このまま見守っててあげて」


いろは「そんな無理だよ!お父さんわからずやすぎるよ!私も説得に…」


いろは母「いえ、お父さんはもうわかっているわ。あなた達のことを」


いろは「えっ…」


いろは母「私達はずっとあなたを見てきたのよ。わかるわ。あなたにとって、彼の存在がどれほどのものか」


いろは「…じゃあどうして」


いろは母「わかっていても、あなたは大切な娘なのよ。簡単に渡せるものじゃないのよ。あの人は素直な人ではないしね…」


いろは「…」


いろは母「八幡君…だったわね。大丈夫よ、彼なら。だから信じてあげて」


いろは「…うん」



数日かけた末、ついに父は先輩を認めた



いろは父「八幡君。……わがままな娘だが……よろしく頼む」


八幡「はい。必ず…幸せにしてみせます」


そう言った

もう泣かないでよ。お父さん

恥ずかしいなあ


でも…ありがとう

今まで私を愛してくれてありがとう

ここまで育てきてくれて本当にありがとう


大好きだよ、お父さん




先輩のお父様とお母様には快く認めてもらえた


先輩のご両親は私達が付き合ってたことをずいぶん前から知っていたし、よく食事もしていた

結婚の話をすると「やっとか」という反応をされた




八幡父「こんなバカでバカな息子にはもったいないよ本当に」


八幡母「本当にこのバカでいいの?こいつバカだよ?」


八幡「バカバカ言い過ぎだろ」


いろは「あはは…」


八幡父「いろはさん」


いろは「は、はい」


八幡父「ありがとう。息子を選んでくれて。こんな子でも俺たちにとっては大事な息子だ。よろしく頼むよ」


いろは「……はい!」


あの時は泣きそうになっちゃったよ…

すごく嬉しかった。本当に



でもまだ、泣いてはいられない



先輩の家族はご両親だけじゃない

もう一人、忘れてはいけない子がいる


この時に私は…

決意し、覚悟し、改めて誓った



小町「そっか…」


八幡「…」


いろは「…」


小町「あ〜あ…ついにお兄ちゃんも結婚かあ〜」


八幡「ああ…」


小町「…えっと……ちゃんとお仕事するんだよ?」


八幡「おう」


小町「でも、お仕事ばっかじゃなくていろはさんとの時間も大事にしてね?」


八幡「もちろんだ」


小町「あと浮気は絶対しちゃダメだよ!いろはさん悲しませたら私かなり怒るよ?」


八幡「言われなくてもわかってるよ。絶対しない」


小町「絶対だからね」


八幡「ああ、絶対だ」


小町「あと……あと……あ、あれ…?」ポロ


八幡「小町…」


小町「そ、そう、だ。お祝い、しなきゃね…おめでとう。お兄ちゃん………おめ、おめで…と…ぅえ…うぐ……ぐすっ」ポロポロ


八幡「いろは…すまん。ちょっと出ててくれるか」


いろは「うん…」



兄弟、姉妹が結婚する時の心情というのはどんなものだろうか


私は一人っ子だからよくわかんないけど


特に感じることもなく「へー結婚するの?おめでとー」で終わるところもあるだろうし


仲が悪いから、結婚とか勝手してどうぞで終わるところもありそう



じゃあ小町ちゃんは?



小町ちゃんは兄が大好きだ

誰よりも兄を理解し、応援し、助けてきたのは、小町ちゃんだと私は思う


兄である先輩も、もちろん小町ちゃんを愛している

小町ちゃんが困っているなら、どんな時でも先輩は助けに行くんだろうな



小町「お兄ちゃん…お兄ちゃああん。うえ、ぅえええええん」ボロボロ


八幡「ほらもう泣くなって…」ナデナデ


小町「…ぐすっ…遠くへ行くわけじゃないよね?他人になっちゃうわけじゃないよね?」」


八幡「ああ。当たり前だ。なにも変わらないよ。だから心配するな」


小町「でも…」


八幡「結婚しても変わらねえよ。俺たちは。そりゃあ毎日会うことはできないが…。たまには実家にも帰るし。電話だってする。俺は…ゴミいちゃんだからな。小町がいてくれないとダメなんだよ」


小町「…」


八幡「またわからなくなったら…相談に乗ってくれないか?…」


小町「お兄ちゃん………。えへへ…そっか…そっか………いつでも相談に乗るよ!私はいつだってお兄ちゃんの味方だから」ニコ


八幡「ポイント高いな」アハハ


小町「高いでしょ」エヘヘ



ちょっと聞こえちゃった…


…羨ましいなあ


先輩と小町ちゃんの兄妹としての、家族としての絆は本当に深く強い



小町「私が結婚する時は泣かないでよ。キモいから」


八幡「な、泣かねえよ。てか結婚ってなんだ。まさかあのクソガキじゃねえだろうな。挨拶にでも来たら絶対殴り飛ばすぞ」


小町「もうー、なんでそんな嫌うかなー。あ、そうだお兄ちゃん…あのさ…」


私はそんな仲良し兄妹に割って入って兄を奪おうとしている

小町ちゃんから、ずっと一緒に暮らしていた、最愛の兄である先輩を奪おうとしている



ドア ガチャ



八幡「いろは、もう大丈夫だ。その…小町が2人で話したいそうだ」


いろは「え?は、はい…わかりました」



あの時は、なせだか先輩のご両親に会う時より緊張してたかもしれない



いろは「小町ちゃん…」


小町「すいません。お見苦しい所見せてしまって…」


いろは「いいよ、そんな、気にしないで…」


小町「わかってたはずなんですけどね…いつかはこの時が来るって…。それに妹としてこの時が来ることをどれだけ待ち望んでいたか…」


いろは「…」


小町「でも…いざお兄ちゃんが小町から離れていくと思うと……」


いろは「…」


謝るなんてことはできなかった

そうするのは違う気がしたから


小町「ダメですね〜私。兄離れしないといけないのに。笑顔で見送らなきゃいけないのに…泣きついちゃうなんて…」


いろは「…」


彼女は俯いた

また泣きそうになっているんだろうか


私はこの家族から、この子から、先輩をとることの重さを改めて思い知った


私は何も言えなかった



小町「ふぅ………いろはさん。聞いてください」



小町ちゃんは顔あげた

今までにないくらい真剣な顔

さっきまで泣いていた女の子とは思えないほどの強い眼差しだった



いろは「なに?」


小町「私はずっと兄を見てきました。本当に兄はダメダメのゴミいちゃんです!女心が全然わかってないオタンコナスです!クズです!ほんっとうにダメダメです!!」


そ、そこまで言わなくても…


小町「でも…それでも私の兄です。大好きな…私のお兄ちゃんです」


いろはさん「うん…」


小町「やっぱり正直、寂しいです…。でも」


小町「私は、兄を誰よりも応援しています。誰よりも兄の幸せを願っています」


小町「だから、いろはさん」



小町「兄をよろしくお願いします。兄を支えてあげてください。幸せにしてあげてください。もし……もしもこの先、兄を悲しませるようなことがあれば……」




小町「私はあなたを絶対に許しません」




敵わないなあ…この子には

私は今でも小町ちゃんに言われた言葉が忘れられない

忘れられるわけがない



小町「逆にお兄ちゃんがいろはさんを悲しませるようなことがあればいつでも私を呼んでくださいね!私がガツンとぶん殴ってやりますから!」



いろは「ふふっ……うん。その時はお願いしようかな」



ありがとう…本当にありがとう小町ちゃん


そうだ

私は誰になんて言われようとも、どんなことがあっても先輩と結婚するって

先輩の隣を歩いて、先輩を私が支えて、先輩と共にこれからの人生を生きていくんだって


そう誓ったんだ


私は、私達はこれからなんだ



いろは「任せて。私が絶対、先輩を幸せにしてみせるから」



………


………


………


それから数ヶ月が過ぎた

ちゃんと式を挙げるために準備やらなんやらでやることが多くて大変だった



そしてついに今日、結婚式の日がやってきた



いろは母「ベール、降ろすわよ」


いろは「うん」


いろは母「うん、とっても綺麗よ。いろは」



純白のウエディングドレスを着た私を見て、母は本当に嬉しそうに言った




コンコンッ




いろは父「入ってもいいか?」


いろは母「いいですよ!……いろは…まあいろいろ言いたいことはあるけれど、一つだけにするわ」


いろは「…?」


いろは「これからも元気よく、健康に生きてちょうだいね」


いろは「…うん。わかった。ありがとう…お母さん」







いろは父「そろそろ時間だぞ」


いろは「うん………ねえ、お父さん」


いろは父「なんだ?」


いろは「今までありがとうございました。私、お父さんの娘でよかったよ」


いろは父「………ふん、そういうのは親孝行の一つでもしてから言いなさい」



そう言いながら、父は顔を隠した

本当に素直じゃないなお父さんは

誰かさんによく似てるね



いろは父「行くぞ」


いろは「…うん」


いろは父「いろは」


いろは「なに?」


いろは父「俺も母さんも…お前を愛しているよ。これからもずっと」


いろは「………はい。私もです」




バタンッ



大きな扉が開くと、盛大な拍手と、見知った人達が出迎えてくれた



戸部「べっー!いろはすやばすぎっしょー!」パチパチ


三浦「へえ…めっちゃ綺麗じゃん」パチパチ


葉山「比企谷ー!ちゃんとしろよー!」パチパチ


八幡「う、うっせ」ドキドキ


海老名「はやはちの結婚式…ぐへへ…」パチパチ


戸塚「あはは…八幡。すごい緊張してるね」パチパチ


川崎「まったくこういう時は本当ダメな男だね」パチパチ


材木座「八幡ー!我を置いて行くとは…うぐっ……ぐすっ……おめでとおおおおお!!!」


折本「比企谷の顔wwwwww緊張しすぎマジウケるんだけどwwww」パチパチ


玉縄「ん〜〜〜ハッピィイイイイイウェンディグ!!コングラッチュレェエエイション!!!ブレインストーミング!!!」クネクネ


陽乃「いや〜先越されちゃったね〜静ちゃん」パチパチ


平塚「かはっ!?(血反吐)それは…言うなよ…(血涙)」パチ…パチ…



雪乃「おめでとう。比企谷くん…いろはさん…本当に…」パチパチ


結衣「ヒッキー!!!いろはちゃん泣かせたら許さないよー!!」パチパチ



多くの人達が私達を祝福してくれた

本当に、本当に感謝の気持ちでいっぱいになった


父にエスコートされながら

ゆっくりゆっくり、一歩一歩、歩いて行く


お父さん緊張でカチカチになっちゃってるよ

練習ではあんなドヤ顔だったのにな

たぶん頭真っ白になっちゃってるなこれ


ねえ?お父さん。知ってた?

私達が歩いてるこのヴァージンロードの一歩一歩は

花嫁である私が生まれてきた日から今日までの道のりを表してるんだって

だから私は頭が真っ白どころじゃないよ


一歩、また一歩進む

その度に私は思い出していた


母さんとお父さんに支えられてきたこと

いろんな人に出会っていろんなことをしたこと

喜んだり、怒ったり、哀しんだり、笑ったりしたこと

先輩に…出会ったこと

初めて本物の恋をしたこと


今まで過ごしてきた日々をゆっくり思い出していった



すでに泣きそうになってるのを必死に耐えながら


もう涙でぐちゃぐちゃなお父さんは席に戻り

私は先輩が待つ場所までたどり着いた



いろは「意外と似合ってるじゃないですか。かっこいいですよ。先輩」


八幡「意外とは余計だ。……いろは。その……すごく綺麗だよ」


いろは「…ありがとうございます」





「汝、比企谷八幡は健やかなるときも、病めるときも…」


ああ

私、結婚するんだなあ、この人と

今更そんなことを思ってしまった

先輩と過ごしてきて楽しい時があった分、辛い時もいっぱいあった

というか辛いことの方が多かったかも

それはこれからも続くのだろうな

いやもしかしたら今までにないくらい辛いことも待ってるかも


でも先輩となら乗り越えれるはずだ

どんなことがあっても

私たちならきっと



「…その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか」


八幡「はい、誓います」



「汝、一色いろはは健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか」



いろは「はい………誓います」



先輩、私は先輩と出会えて



「指輪の交換を」



先輩を好きになれて本当に良かったです




「それでは、ベールを上げて…」



八幡「いろは」


いろは「はい」


八幡「ありがとう」


いろは「…先に言わないでくださいよ」



「……誓いのキスを」



いろは「先輩。ありがとうございます」



ありがとう


私を、好きになってくれて





ー完ー





奉仕部は永遠に







〜とある居酒屋〜



いろは「りゃかりゃ〜、なしゃけないでしゅよ!うちの夫は〜ヒック」


結衣「わきゃる!わきゃるよ〜ヒック」


八幡「なんだよわきゃるって。てかんな飲んでねえだろお前らやめろその演技」


いろは「雰囲気作りですよ〜ノリ悪いですね〜」


結衣「そうだそうだ!」


八幡「うぜえ…」


いろは「それであの、なんか普通に飲んじゃってますが…本当によかったんですかね?私までお呼ばれされちゃって…奉仕部の同窓会ですよね?」


雪乃「今更ね。正式ではなかったものの、あなたも部員だったようなものじゃない」


いろは「雪乃先輩…私のこと部員だと思ってくれていたんですね…!」ウルウル


雪乃「せ、正式ではないけれどね…///」


結衣「はい、ヒッキー。ビール注いであげる」


八幡「おお、すまん。……なあ、結衣。いつまでそのヒッキーって呼び方する気なんだよ」


結衣「えーいいじゃん。いや?」


八幡「い、いやじゃないが…この歳だとさすがに恥ずかしいだろ…」


雪乃「ついでに、ゆきのんもやめて欲しいところね」


結衣「ゆきのんはゆきのんだからダメ!」


雪乃「即答ね…」


結衣「それじゃあ…ヒッキーのことは八幡って呼ぼうか?」ズイ


八幡「へ?」


結衣「八幡…///」ウワメヅカイ


八幡「お、おう///」



( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン



八幡「へぶっ!?」


いろは「来て正解でした」


結衣「あははっ!ヒッキー怒られたー!ざまーみろー!」


雪乃「はぁ…結衣さん。あまりはしゃぐのはやめなさい。あなたのそのいつまでも変わらない明るさと元気さは長所だけれど、少しは落ち着きも持つことよ。あなた今何歳だと思ってるの?」


結衣「うっ……ごめんなさい」


八幡「ばかへ…おひょられへひゃんの(馬鹿め…怒られてやんの)」


いろは「あなたも子供ですね…。それどころか言葉もまともに喋れないなんて…」


八幡「お前のグーパンのせいだよ…ちょっとは手加減しろよ…」


いろは「だって…あなたが結衣先輩とイチャつくから…」


八幡「イチャつくって……あのなあ、今更んなことでいちいち嫉妬すんなよ。めんどくさい」


いろは「…ごめんなさい……」シュン


八幡「………お、俺はどんなことがあってもお前を愛し続けるって言っただろ?」


いろは「あなた…!そうですよね…///」ダキ


八幡「わ、わかればいいんだよ…///」ナデナデ


雪乃「完全に2人の世界ね…」


結衣「もう!今日は同窓会なんだよ2人とも!」


いろは「あはは…すいません、つい」


八幡「わ、悪かったよ」


雪乃「あなた達のイチャつきようも変わらないわね…まさか40にもなってまでやってるとは思わなかったわ…。子供達の前でやってないでしょうね?」


結衣「まったくー見てるこっちが恥ずかしくなるよー」


雪乃「まあ、もうあなた達の反吐が出るイチャつきぶりには慣れたわ。学生時代の頃からね」


結衣「確かにね〜」


いろは「えーそんなにしてました?私達」


八幡「反吐が出るって…」


雪乃「覚えてないのかしら?あなた達は付き合い始めてからというもの……」





ーーーー回想ーーーー




雪乃「…」ペラ


結衣「…」ピポパポ


八幡「…」


いろは「…」ペラ


八幡「おい、こら。勝手にめくるなよ。まだ読んでないんだから」


いろは「先輩が読むの遅すぎるんですよ〜」


八幡「ばっかお前、速く読めばいいってもんじゃねえんだよ。てか、お前いつまでくっついてんだよ。いい加減離れろよ」


いろは「先輩が本ばっか読んでて私のことかまってくれないからですよ〜」ツンツン


八幡「ほっぺたツンツンすんな。うざったい」


いろは「そんなこと言って…耳真っ赤ですよ〜?可愛い後輩の彼女に後ろから抱きつかれて照れちゃってます〜?せんぱい可愛いー!」ムギュウ


八幡「お、おい!やめろ…そ、その…当たってるから///」


いろは「うふふ…当ててるんですよ」ボソ


八幡「み、耳元で囁くな///」


雪乃「…」ピクピク


結衣「…」プルプル


八幡「と、とにかく離れろ!」バッ


いろは「もう…先輩のいけず…。あと私のことは♡いろは♡って呼んでくださいといつも言ってるじゃないですか」


八幡「なんでそんなハートマークついてそうな呼び方なんだよ…。そ、それはその…まだ恥ずかしいというか…」


いろは「私…彼女なのに…ずっと名前も呼んでもらえないんですね…シュン」


八幡「うっ……わ、わかったよ。………い、いろ……いろ…………よく考えたらお前も俺のこと名前で呼んだことないだろ」


いろは「あっ気づいちゃいました?でも先輩は先輩なんで私は先輩と呼びまーす!もしくは、あ・な・た?」


八幡「す、すっ飛ばしすぎだろその呼び方/// 」


雪乃「…」ビキビキ


結衣「…」バキバキ


いろは「せーんぱい!部活終わったらどこか寄りませんか?」


八幡「いや、帰って勉強しねえといけねえから無理」


いろは「むぅ…また勉強ですか…」


八幡「3年生はいろいろと忙しいんだよ。お前もまだ2年生だからとか言って勉強怠ってたら後で後悔するぞ」


いろは「それは…そうですけど〜…」ウツムキ


八幡「………ま、まあ、でも、息抜きも必要か」


いろは「せんぱい…!」パア


八幡「ちょ、ちょっとだけだぞ。すぐ帰るからな」


いろは「せんぱい大好き!!」ダキ


八幡「だから!くっつくなっての!」


いろは「…いつも私のわがままを聞いてくれてありがとうございます…先輩が忙しいのはわかってるんですけど…どうしても…」


八幡「……当たり前だろ。俺はお前の彼氏なんだから。その…今は勉強とかで何かと忙しいけどさ…全部終わったら。今度はゆっくりと…デ、デートにでも行こうか///」


いろは「先輩……!はい。私、それまで我慢してます///」


八幡「…」


いろは「…」


八幡「いろは…」スッ


いろは「先輩…」スッ


…ちゅ


結衣「ちょっーーーと待ったあああああああああああああああ!!!!」


雪乃「ちょ、ちょっと待ちなさいあなた達!!!」


八幡「わっ!なんだよ急に」


いろは「チッ…」


結衣「やりすぎだよ!ここ部室なんだけど!?しかも私達いるのに!なんでキスまでいこうとしてるのさ!!!てか今、いろはちゃん舌打ちしなかった!?」


雪乃「いい加減にしなさい。毎日毎日…イ、イチャつくなら外でしてくれないかしら?」


八幡「す、すまん。確かに場をわきまえないとな…」


いろは「それより先輩、昨日の夜は…激しかったですね///先輩、獣みたいでしたよ///」


八幡「何言ってんのお前!?!?」


結衣「は、はげし!?は、はげ、はげし、ひ、ヒッキーの変態ー!最低ッ!」


雪乃「こ、後輩の女の子を獣のように襲うなんてあなた本当のクズね!ごみ虫!八幡!」


八幡「なんで俺がこんな目に…」


いろは「あ、もうこんな時間!先輩!帰りますよ!それでは先輩方!私達これからいーっぱい愛しあってくるのでさよならでーす♫」


八幡「お、おい引っ張るな!」


雪乃「ちょ、ちょっと待ちなさい。まだ話は終わってないわ!」


結衣「ヒッキーのバカー!!」




ーーーーーーーーーーーーーーー





雪乃「本当に毎日毎日…」


結衣「私達のことすぐ忘れて2人の世界に入ってたよね〜」


八幡「そ、そんなこともあったような…なかったような…」


いろは「いや〜あはは…若かったですね…私達…」


雪乃「でも、それもいい思い出でね…。あの時は本当に…賑やかで…みんな、笑っていたわ…」


結衣「そうなるまでの…特に2年生の時の私達はいろいろありすぎたね…」


八幡「そうだな…本当に…いろいろあったな」


いろは「はい……」


結衣「ちょ、ちょっと辛気くさくなっちゃったね!飲み直そうよ!」


八幡「そ、そうだな。せっかくの同窓会なんだしな。すいませーん!生ビール4つ!」


ハイヨー!


雪乃「あの比企谷くんが店員さんを呼びかけて注文するなんて…!」


八幡「いや昔の俺ならともかく、いつまで俺のことコミュ障だと思ってんだよ」


結衣「そういえば、いろはちゃん。呼んでおいていうのもアレなんだけど、さとはちゃん達大丈夫かな?寂しがってないかな?」


いろは「八郎のことが少し心配ですけど、あの子達も高校生ですから。一晩くらい大丈夫ですよ。むしろ親がいないからって男連れ込んでるまであります」


八幡「すまん、用事思い出した。帰る。いろは、日本刀って近くで売ってたっけ?」


いろは「冗談にきまってるじゃないですか。我が家を殺人現場にしようとしないでください」ガシ


雪乃「あの子達もう高校生なのよね…時が経つのは早いわね…」


八幡「お前んとこのクソガキもだろ」


結衣「秋人くんすっごいイケメンだよねー!」


いろは「私の学生時代に秋人くんいたら狙ってましたね」


八幡「おい」


雪乃「私の遺伝子なのだから容姿がいいのは仕方ないわね。でも容姿だけよ。まだまだ中身はお子様だわ」


結衣「相変わらず子供に厳しいね…」


八幡「(ちゃっかり自分は容姿がいいって言ったぞこいつ)」


雪乃「だいたい夫が甘やかしすぎなのよ。今度、夫婦会議するわ」


結衣「旦那にはもっと厳しいね…」


いろは「葉山先輩も雪乃先輩には敵わないですね〜」









結衣「秋人くんがイケメンといえば、逆にヒッキー家の姉妹は美少女姉妹だよね!」


八幡「俺の遺伝子なのだから容姿がいいのは仕方ないな。でも容姿だけだ。まだまだ中身はお子様だ」


雪乃「それはないわ。その腐った目で言わないで気持ち悪い」


結衣「それはないよ。ヒッキーきも」


いろは「それはないです。それにあなたも時々お子様な時ありますよ。キモいです」


八幡「あのー、もう俺、若くないんですよ。もうちょっと控えめにお願いできませんかね…」


雪乃「でも確かにあの姉妹は世間一般で言うと美少女ね。それに外見だけでなく、この前会った時もとてもいい子達だったわ。父親はアレだけど、母親のおかげね。いろはさんに感謝しなさい」


八幡「アレってなんだよ…そりゃあしてるけども…」


いろは「どうぞどうぞ、どんどん感謝してください。ついでにバックと靴が欲しいです。買ってください」


八幡「いろは」ダキヨセ


いろは「へ?」


八幡「いつもありがとう…愛してる」


いろは「あ、あなた…///私もです///」ギュウ


八幡「これからも俺の側にいてくれ」


いろは「はい…永遠に///」


結衣「また始まった…」


雪乃「はぁ…」


いろは「それでバックと靴の件ですが」


八幡「(くそー!回避できなかったー!)」


結衣「あ、あとさ。ハチローはまだちっちゃいけど、唯一の男の子だよね〜。きっとイケメンになるね!」


いろは「私もこれからが楽しみです。外見が夫に似ないことを強く願います。いえそれ以外でも似て欲しくないですね」


八幡「お前本当に俺のこと愛してる?」








八幡「そういえば雪乃、この前、俺ら家族旅行に行ったんだけさ」


結衣「あ、知ってるよー!いいよねー温泉でしょ?どうだった?」


いろは「露天風呂がすごかったんですよ!海とか見えて!あと、混浴…」


八幡「それは言わんでいいから!!」


雪乃「それで、なにかしら?」


八幡「ああ、さとはのことなんだけどな」


雪乃「さとはさん?」


八幡「ああ、あいつ、実はパンさん大好きらしいよ」


雪乃「なんですって!!」ガタッ


結衣「(ゆきのんまだパンさん好きだったんだ…)」


いろは「(アラフォーが…パンさん…)」


八幡「お、おう。それに猫も好きだしなあいつ。お前と気が合うかもn


雪乃「私の娘にしていいかしら。いえ、さとはさんももう私の娘よ」


八幡「落ち着けよ。ダメに決まってるだろ」


雪乃「猫は…息子が嫌がるのよね…」ハア


八幡「………なんで嫌がるんだ」


雪乃「わからないわ。猫を好きになってもらうために秋人が小さい頃から何度も猫と遊ばせてみたり、あらゆる持ち物を猫イラストの物にしてみたり…」


八幡「いや、もういい。言わんでいい」









雪乃「結衣さんのところは最近どうなのかしら?」


結衣「私のとこ?ん〜うちの子達はまだ小学生だからね〜。大変な時もあるけど、兄妹喧嘩はほぼないし、けっこう言うこと聞いてくれるし、楽といえば楽かな」


いろは「喧嘩が少ないのはいいですね〜。うちのちっちゃい時の姉妹はもう最悪でしたよ…」


結衣「愛と勇気は妙に仲良いからね〜」


いろは「結衣先輩か旦那さんかで親子喧嘩することはないんですか?」


結衣「ん〜喧嘩っていう喧嘩はしたことないなあ。私が言うのもあれだけど、良くも悪くも素直な子達でね、少し喧嘩っぽくなってもすぐ謝ってすぐ仲直りって感じかな」


いろは「へえ〜」


結衣「特に2人はパパっ子だからね」


八幡「あいつ子供には好かれそうだしな」


結衣「でもこれからかもしれないなあ。反抗期がいつか来るのかな…」


八幡「子供が中学生の時は特に気をつけろよ。あれだ。2人の成績表とかしっかり見とけよ」


結衣「なんの話?」


いろは「いや〜…あはは…うちもいろいろありまして」


雪乃「そういえばあなたの旦那さんの本、この前初めて読んだわ」


結衣「え!?」


いろは「へ〜どうだったんですか?」


雪乃「あまり…面白いとは思わなかったわ。個人の感想だけれどね」


結衣「ありゃりゃ…残念」


八幡「そりゃあラノベだからな。雪乃には合わないだろ。てかよく読む気になったな」


雪乃「高校時代に依頼でよく彼の作品を読んでいたから…今の、本屋に並ぶ彼の作品がどんなものか読んでみたくなったのよ」


八幡「あいつもよく雪乃の毒舌な感想耐え抜いたよな…」


雪乃「ただ驚いたわ」


いろは「え、なんでですか?」


雪乃「ちゃんと小説家してるんだとわかる作品だったからよ。昔のような自分勝手な作品ではなく、しっかりと読者を惹きつけれるように、楽しませれるように考えてる作品だったわ」


結衣「うわあ…ゆきのんが褒めてたって知ったら義輝さん喜ぶだろうな〜」


雪乃「いえ、調子に乗りそうだから言わないでちょうだい。だいたい彼の作品、ヒロイン達が主人公に恋するスピードが尋常じゃないわ。出会って数分で恋に落ちるなんてどこのビッチなのかしら。それに…」


結衣「ちょちょ待って!私に言わないでよ!」


八幡「仕事はいいんだが、あいつちゃんと家のことしてんのか?」


結衣「あ、うん。よく手伝ってくれるよ。特にご飯の時はいつも一緒に台所に立ってくれるよ。そして私の動作一つ一つをすごい見てるんだよね〜あれはなんでだろ?」


雪乃「(子供達の安全と自らが生きるためね)」


八幡「(結衣も熱心に練習してたみたいだし、たぶんもう料理も普通だろうが…まあ怖いわな。何歳でもこいつを絶対1人で台所に立たせたくねえわ)」


結衣「2人とも…なんか酷いこと考えてない?」








結衣「ヒッキー、義輝さんと会わないの?この前、会いたいって泣いてたよ」


八幡「なんで泣くんだよ。会わねえよ。うざそうだから」


雪乃「うちの旦那もあなたに会いたいと言っていたわよ」


八幡「あいつ俺にどんだけ会いたいんだよ。なに、ホモなの?」


雪乃「仮にも私の夫よ。ホモ呼ばわりするのはやめなさい。あなたといっしょにしないでもらえるかしら。変態クズホモ企谷くん」


八幡「おい、なんで俺がホモになってんだよ。あと変態とクズはどっからきたんだ」


いろは「私も久しぶりに葉山先輩に会いたいなあ」


八幡「…なんだよ。あんな奴に会ってもいいことないぞ」


いろは「あら、嫉妬ですか?」ニヤニヤ


八幡「ち、違う」プイ


いろは「心配しないでください。私が愛してるのはあなただけですよ///」


八幡「そ、そうか…///」


結衣「なんですぐこうなるの…」


雪乃「アルコール入ってなかったらそろそろキレていたわ私」


いろは「お二人は誰か高校時代の友達と会ったりしてるんですか?」


結衣「優美子や姫菜、戸部っちかなあ。やっぱり」


八幡「ああ…そのへん最近見ねえなあ」


結衣「まあやっぱり引越ししたりとかでみんな近くないからなかなか会えないんだよね〜」


いろは「会えてはないですけど、年賀状は毎年届きますね」


八幡「ああ、10年ぐらい前だったか年賀状での海老名さんの結婚宣言は驚いたわ。でもまあなんか安心したな…」


いろは「戸部先輩も年賀状ではないですけど手紙で「結婚しますー、的な?wwwべっー!」ってなんかウザい結婚宣言が書いてあった時は本当にビックリしましたよ」


八幡「高校時代はもうチャラチャラのチャラチャラ男だったからな」


結衣「あはは…戸部っちも今じゃ立派なパパだよ〜」


雪乃「優美子も立派な母をやっているわよ」


八幡「優美子……?お前がさん付けでもないとは…ずいぶん親しそうだな」


雪乃「ええ…まあ、よく2人でお茶したりしてるわね」


結衣「え!?そうだったの?ていうか私にはさん付けだよね!?なんか負けた気するんだけど!私も結衣って呼んでよ!」


雪乃「それは…なんだか恥ずかしいわ///」


結衣「ええ〜!なんでさー!優美子だけずるい!」


いろは「意外ですね〜」


八幡「高校時代ではとても考えれんな…」


雪乃「彼女とはいろいろ会ったけれど今ではその…友達だと思っているわ。時々、泣かせてしまうのだけれど」


八幡「(友達だと思いながら泣かせるのか)」


結衣「そっか…なんか嬉しいな」


八幡「てか葉山グループってあと2人ほどいなかったか?でかいのとちっさいの」


結衣「あー戸部っちとはまだ絡んでるらしいけど私はもう会ってないなあ。ちょっと顔も忘れてきちゃった…」


八幡「まあ普通そんなもんだよな。むしろ三浦たちとは今でも絡んでいられてることがすごいと思うぞ」


結衣「確かになんだかんだ長く付き合えてるね〜。優美子たち以外の知り合いはもう会ってなさすぎて顔も思い出せなくなってきたよ」


いろは「学生時代にどんだけ仲良くても疎遠になることは多いですからね」


雪乃「比企谷くんのように疎遠どころか存在を忘れられてるまであるわね」


八幡「おい、やめろ。古傷えぐるな」


雪乃「冗談のつもりだったのだけれど…」


いろは「ですからすごいですよね〜……奉仕部も、今でもこうして一緒に飲んでるって」


雪乃「私も…誰かとこんなに長い関係を築くことができるなんて思いもしなかったわ…」


結衣「私は…ずっと願ってたよ…。こうして何年たっても何十年たっても…奉仕部は集まってこうやってみんなで笑えることを」


八幡「簡単に……切れるような関係じゃねえからな…俺たちは」


雪乃「ふふふ…あなたがそれを言うのね」


八幡「うるせ」プイ


いろは「奉仕部は永遠に不滅!ですね」









いろは「あ、そうだ…昨日の夜ことなのでたぶんみんなまだ知らないと思うのでここで言っとこうと思います………焦らずよく聞いてください…」


八幡「な、なんだよ。そんな真剣な顔で…」


結衣「なに?いろはちゃん」


いろは「先生が……平塚先生が……倒れたらしいです」


八幡「なっ…!」ガタッ


結衣「ええ!?先生が!?なんで!どうして!?大丈夫なの?」ガタガタッ


雪乃「お、落ち着いて結衣さん。それで…今は入院しているの?原因はなに?」


いろは「入院しています………原因は……」


結衣「いろはちゃん!黙ってちゃわからないよ!もしかして…重い病気なの…?」


八幡「そういえば先生はヘビースモーカーだよな…」


雪乃「そうね…。たばこ……肺……それにもう先生の歳から考えると…やっぱり…ガン!?」


いろは「いえ、ギックリ腰です」


3人「「「紛らわしい!!!」」」


いろは「いや〜。昨日、連絡ありましてね。先生曰く…」




平塚『いや〜まいったまいった。ご近所さんとゲートボールしてたら急に痛くなってな!別に来なくてもいいが、私のことが心配で心配でどうしてもと言うならお見舞いに来てくれてもいいぞ。フルーツはりんごがいいな。来てください』




いろは「…だそうです」


八幡「かまってちゃんかよ、平塚お婆ちゃん。絶対行かんが」


いろは「行ってあげた方がいいですよ〜。泣いちゃいますよ絶対」


八幡「めんどくせえ…」


雪乃「なんだかんだ元気な方よね…」


結衣「あ〜よかった〜」ホッ


雪乃「冷静に思い出すと、先生はずいぶん前にタバコをやめていたわね…」


八幡「よくやめれたよな…」


結衣「まあギックリ腰でもなんでも、身体には気をつけて欲しいよね…歳も歳だから…」


八幡「…………そうだな」



………


……





店員「すいませーん!そろそろラストオーダーになりまーす!」


雪乃「あら、もうそんな時間かしら」


結衣「さすがにちょっと飲み過ぎちゃったよ。私はあったかいお茶で終わろうかな」


雪乃「私もそうするわ」


八幡「俺はもう一杯ビールを…」


いろは「ダメです。飲みすぎです。今日は特別でしたから少しは見逃してましたけどそろそろ控えてください」


八幡「うっ……わかったよ。よし、じゃあ最後はマックスコーヒーにするか!」


雪乃「はぁ…居酒屋にあるわけないでしょう…」


八幡「ははは、冗談だy


マスター「あるよ」


みんな「あるの!?!?!?」


マスター「あるよ」



…………


………


……






いろは「今日はありがとうございます!楽しかったです!」


雪乃「ええ、私も楽しかったわ」


結衣「このまま二次会行っちゃう?」


八幡「馬鹿だろ。勘弁してくれ。もう若くねえからそんな体力ねえよ」


いろは「今でも昔でも二次会なんて絶対行かないでしょう、あなたは。というか今日も私達じゃなかったら同窓会なんてイベント絶対行きそうにないですね」


結衣「そういえば高校の同窓会にヒッキーいなかったね」


雪乃「結衣さん、やめてあげなさい。この男は行かなかったんじゃないのよ、呼ばれなかったのよ」


八幡「やめなさい。呼ばれたから。ちゃんと呼ばれたから。まあ絶対行かねえけどな」


雪乃「懸命な判断ね。行っても誰もあなたのことを覚えてないことをあなたは知り、絶望で禿げていたでしょうね」


八幡「マジでありそうだからそれ以上言わないでくれ…」


いろは「あなた、そろそろ帰らないと」


八幡「お、そうだな」


雪乃「また…いつか集まりましょうか」


結衣「うん!」


いろは「そうですね!」


八幡「おう」


雪乃「別にあなたは呼んでないわよ」


八幡「おい、マジでもうメンタルやべえから。おじさん泣くよ?」


雪乃「ふふっ…冗談よ。同窓会でなくてもまた2人で会ってもいいわよ」


八幡「あっ」


いろは「え?また?2人?」


八幡「よし、帰るぞ。いろは。そうだ、帰りにバックと靴買ってやるよ」スタスタ


いろは「待ってください、あなた」ガシ


八幡「なんでしょうか」


いろは「そういえば…この前、帰るのが遅い時ありましたね…。ねえ、あなた?」


八幡「はい」


いろは「 な に し て た ん で す か ? 」


八幡「」


雪乃「あら、確かメールしておいたと言っていたけれど、私に会ってることは言ってなかったのかしら?」


いろは「雪乃先輩と会ってたんですね〜。それならそうと言ってくれればいいのになんで言わなかったんですか〜?」ニコニコ


雪乃「」ニヤ


八幡「ちょっと会うだけだったし言わなくてもいいだろ。そんなやましいことしてたわけじゃねえんだし。てかさっきも言ったろ、今更いちいちそんなことで…」


雪乃「……あの日は、いけないことだとわかっていたけれど、なにもかも忘れてしまう…そんな激しい夜だったわね///」


いろは「」


八幡「いやいやいやいやいや!お前!この状況楽しんでるだろ!この悪魔!」


雪乃「さあ、結衣さん帰りましょう。血が飛び散るかもしれないわ」


結衣「あはは…頑張ってねヒッキー」


八幡「お、おい!待ってくれ!」


いろは「あなた…」ユラ


八幡「い、い、いやあああああああ!!」





【奉仕部は永遠に】 ー完ー





今日は2人っきりだね






さとは「お父さんとお母さんが?」


おとは「うん、今日は同窓会だから帰るの遅くなるってさ」


さとは「同窓会って……お母さんはともかく、お父さんが行くなんて……」


おとは「あれだよ、奉仕部の」


さとは「ああ、それなら納得」


おとは「ほんと仲良いよね〜」


さとは「そうか…じゃあ今日は2人っきりだね。おとは」キリ


おとは「ハチローもいるよー」シラー


さとは「八郎…妹が冷たいよ…反抗期だよ…」


八郎「あぶー」


おとは「あ〜あ、パパがいないと寂しいよ〜」


さとは「高校生にもなって何言ってるのさ」


おとは「でもパパとママの両方が家にいない夜なんてめったにないからなんかワクワクするね!」


さとは「でもそれなら私達だけで家のことしないと…」


おとは「ああ…そうか…。でもいつもママにほとんど任せっきりだったしこういう時ぐらいちゃんとしないとね!よし!じゃあ私はお風呂掃除してくるね!」


さとは「わかった。じゃあ私は寝てるね」


おとは「わかった!………いや!なんで寝るのさ!お姉ちゃん手伝ってよ!」


さとは「ダメか…。洗濯でもするか…」


おとは「まったくもう」プクー











さとは「そろそろご飯の時間だね」


おとは「私が作るよ!」


さとは「え……大丈夫なの?チョコとかはともかく、おとはの普通の料理食べたことないんだけど」


おとは「チッチッチッ、私を甘く見ないことだよ、お姉ちゃん。昔、家庭科で作った料理を男子たちに食べさせてあげたらみんな喜んでくれたんだよ!」


さとは「…そ、そう」


おとは「お姉ちゃんはハチローのご飯でも作ってて!」


さとは「大丈夫かなあ…」










おとは「さあ!おあがりよ!」


さとは「……なんでしょうか、これは」


おとは「カレーだよ!ポイント高いでしょ!」


さとは「なんのポイントなのさ……(カレーってこんな禍々しかったっけ…なんかぐつぐついってるし)」


さとは「……い、いただき………ます」


・・・・モグモグ ( ̄〜 ̄)


おとは「どう?」


さとは「あっ…けっこう…美味しい。いやすごく美味しい」


おとは「ほらね!だから言ったでしょ!大丈夫だって!」


さとは「うん、これなら食べりゃ……へ…あえ……あれ…な、ん……で…暗い……暗くなって…く…………」バタン


おとは「お、お姉ちゃん!?!?」




〜数時間後〜



さとは「もう一回作ろうか。今度は私も手伝うね。カレーの基本的な作り方から見直していこう」フラフラ


おとは「だ、大丈夫?目がなんか虚ろだよ?」


さとは「大丈夫」ウツロウツロ


おとは「うう…ごめんね…お姉ちゃん」


さとは「(上手いとか不味いとかじゃなかった。見た目の恐ろしさに反して食べてみると実はかなり美味しい。超絶美味。だがそれは最初だけ。後味でじわじわと絶望の闇のどん底に堕ちていくようだった…天国と地獄だ。おとはのあざとさに負けて男子達は我慢して食べたんだろうな…よく耐えたね…)」


さとは「…私が教えるから、これからできるようになろう。おとはは頑張り屋さんだから、できるはずだよ」


おとは「お姉ちゃん…ありがとう!」













さとは「そう、玉ねぎとお肉はしっかり炒めてね」


おとは「う、うん」


さとは「そうそう、うまいうまい」


おとは「次は?」


さとは「あとは他の食材も鍋に突っ込んで煮て時々アク取りして、野菜が柔らかくなったらルー入れて」


おとは「わかった」


さとは「ふぅ…とりあえず落ち着いたね」


おとは「はぁ…」


さとは「どうしたの?」


おとは「お姉ちゃんって私と歳一つしか違わないのにほんと何でもできるなあって」


さとは「(カレーの作り方教えただけだけど…)」


さとは「何でもはできないよ。できることだけだよ」


おとは「なんか聞いたことある言い方だね……」


さとは「…………ねえ、おとは…もしかしてまだ…」


おとは「ち、違うよ!中学の時のようなあーゆうのじゃ…ないよ」


さとは「そう…」


おとは「お姉ちゃんは私の自慢のお姉ちゃんだよ」


さとは「そ、そう///」


おとは「成績はいいし、ぼっちで休みの日とかいっつもゴロゴロにしてるくせになぜか運動神経もいいし、ぼっちで捻くれてて目が腐りかけてて病人みたいな顔してるくせにスタイルよくて美人だし、あとぼっちのくせに…」


さとは「ちょっと待って。ねえ今、お姉ちゃん褒められてるんだよね?攻撃されてるわけじゃないよね?おとは私のこと恨んでないよね?」


おとは「あ!アク取りしなきゃ!」


さとは「露骨にスルーされた…」


おとは「私は尊敬しているよ。お姉ちゃんのこと」


さとは「本当かなあ…」


おとは「だから…」


さとは「…?」


おとは「お姉ちゃんには幸せになってもらいたいな。お姉ちゃんが一人ぼっちなのは…嫌だな…」


さとは「……………私のことを心配する暇があるなら自分のことを考えなよ」


おとは「あはは…そうだね…お互い様か…」


さとは「…」


おとは「よし!そろそろ野菜も柔らかくなったみたいだね!」


さとは「そうだね。じゃあルー入れて後は煮込むだけ…」


おとは「よ〜し!じゃあ隠し味だ!」バッ


さとは「えっ」


おとは「えーと…さっきは適当に入れすぎたのが原因だよね…だから今度はちゃんとカレーの定番隠し味で……チョコとコチュジャンとにんにくとジャムと唐辛子と…りんご入れると美味しいって聞くし丸ごと入れてみようかな…あ、りんご今ないや…スイカでいいかな?あ、あとトマトも入れよう。蜂蜜も捨てがたいね…それと…」ブツブツ


さとは「待って。お願いします待ってください。そんな多くなくていいから。なんでそんなら活き活きしてるのさ」


おとは「え〜いろいろ試したいじゃん」


さとは「(ああこういうタイプね。いるいる。野菜を切ったり炒めたりは普通にできてたのになんであんな禍々しいカレーができたのかと思ったけど原因はこれか…。手際はいいのに無駄なことするタイプか。てかさっきのは適当に入れすぎたとか言ったよねこの子。私が食べたやつには一体何が入ってたの…)」


さとは「お願いだから、一つに絞って。辛くするか、甘くするかのどっちかにして」


おとは「ん〜じゃあ甘くしよう!」


さとは「はぁ…」














〜夜ご飯〜



おとは「お姉ちゃん………今、付き合ってる人って……いるの?」キラキラ


さとは「え、なに急に。お姉ちゃんのこと好きなの?結婚する?」


おとは「待って。そこまでの反応は期待してなかったよ」ヒキ


さとは「冗談だよ。半分は。……でなにそれ」


おとは「もう半分が怖いよ………今のどう?グッときたでしょ!」


さとは「……ま、まあ(グッっとこないことはないですねうん。ていうかグッっときました)」


おとは「ママから教わった言い方だよ!アピールだよアピール!」


さとは「はあ…(娘になに教えてるのお母さん…)」


おとは「角度はこう!そして目をウルウルさせて…」


さとは「いや説明しなくていいから。黙ってカレー食べてなさい」


おとは「えー、これをお姉ちゃんが男子にやればイチコロだよ!試してみたr」


さとは「絶対いやだ」


おとは「即答ですか……。でもあのパパもこれをママにやられて負けたらしいよ」


さとは「へ、へー…お父さん案外チョロいね…」


おとは「試しにパパにやってみれば?」


さとは「そ、それは……ちょっと…恥ずかしい…///」


おとは「パパだとすぐ否定しないんだね…」













さとは・おとは「ごちそうさまでした」



おとは「カレー美味しかった〜。隠し味一つでも美味しいんだね」


さとは「そうだね。できればこれからも一つにしてほしいかなお願いしますから。むしろ隠し味いらないから」


おとは「何事もチャレンジだよ!」


さとは「はぁ……んく」ゴク


おとは「またマックスコーヒー…毎日毎日よく太らないよね」


さとは「食後のマッ缶は千葉民の常識だよ。ソースは


おとは「パパでしょ…お姉ちゃんパパの言うことに対してもっと疑うことを覚えようよ」


さとは「だって美味しいし…おとはも飲んでみなよ」


おとは「ん〜……じゃあちょっとだけ」ゴク


おとは「…うぇぇ…あまぁ…」


さとは「人生苦いんだからコーヒーぐらい甘くていいと思わない?」ドヤ


おとは「人生もコーヒーもあまあまよりちょっと苦い方がちょうどいいよ私は」


さとは「(な、なんかかっこよさげなこと言われた)」


おとは「んく……やっぱ甘すぎだよ…なんでお姉ちゃん太らないの…」












おとは「あ、ドラマやってる」


さとは「ああ…あの恋愛ドロドロの」


おとは「あんまり私はドロドロしたの好きじゃないなあ」


さとは「私は好きだけど。お父さんとよく見るよ」


おとは「ああー…好きそうだね…2人とも。最低な意味で」


さとは「メシウマだからね。リア充たちにはドロドロがよく似合う」


おとは「なんでそんな捻くれてるのさ…」


さとは「お父さんの影響…と言いたいところだけど実際はなんでかわかんない。いつの間にか自分でそういう風に考えるようになった」


おとは「でもほんとパパ似だよね。お姉ちゃんは」


さとは「おとははお母さん似だね完全に。お父さんは小町おばさんの血もよく流れてるとか言ってたけど」


おとは「ママと小町お姉ちゃんの血を色濃くもつなんて私最強だね♫」キャルン


さとは「男の人にとっては最強かもね…。でもみんな知らないけど…おとはも、お父さんに似てるところあるんだよね…」


おとは「え?どこどこ?私、目腐ってないよ?」


さとは「おとはは………自分のこと女子力高いと思う?」


おとは「ふふふ…自慢ではないけどそれなりだと思ってるよ。なんたってママの娘だからね!」


さとは「…じゃあ、お腹すいたなちょっとそこらで食べようかなと思った時はどこで食べる?」


おとは「サイゼかな。安いしおいしいし」


さとは「……」


おとは「え、サイゼおいしいでしょ?」


さとは「……サイゼは友達とよく行くの?」


おとは「いや1人の時が多いかなあ」


さとは「もしかして………サイゼのメニュー全部覚えてる?」


おとは「何言ってんのお姉ちゃん…。もちろんだよ!新作も期間限定もぬかりないよ!」


さとは「はあ…」


おとは「で、私のどこがパパに似てるの?」


さとは「いやもういいや…(男子にはモテるし、基本、女子力高いというか今時の女子高生って感じなのにどこか欠落してるんだよなあ…)」


おとは「えー。気になるなあ。まあいいやドラマつまんないし、チャンネル変えよ!」ピッ


おとは「あ、猫特集だって!」


さとは「おお…」キラキラ


おとは「可愛いなあ…うちも猫飼えばいいのに」


さとは「私もそれとなく伝えたことあるけどお父さんが…」





八幡「猫か……」





さとは「ってなんか寂しげな顔されたんだよね」


おとは「ん〜…昔、猫でも飼ってたのかな…?」


さとは「まあ私達が強く頼めば飼ってくれそうだけどね」


おとは「お、これは心霊番組かな」ピッ


さとは「えっ」ササ


おとは「わっとと…お姉ちゃん…なんで私の後ろに隠れるのさ」


さとは「ご、ごめんつい」


おとは「本当に幽霊とかダメだよねお姉ちゃん」


さとは「小さい頃からだしよくわかんないけど本当に無理…」


おとは「……小さい頃からか……」


さとは「そうだけど…どうかした?」





ーーーー突然の回想ーーーー






おとは「おねえちゃん…おといれ行きたい…暗くてこわいよぉ…」


さとは「…う、うん。任せて。お、お、おおおおおおおねえちゃんについておいで」


おとは「おねえちゃん大丈夫?」


さとは「だ、大丈夫だよ」


おとは「おてて繋ぎたい」


さとは「いいね!それ!」ガシ


おとは「……おねえちゃん。汗すごいよ?あとなんかプルプルしてるよ?」


さとは「いや、これは、ちょっと死にそうなだけだよ」


おとは「おねえちゃん死にそうなの!?」


さとは「いいから。ほ、ほら。着いたよ」


おとは「うん!おねえちゃんどこにもいかないでね?ここにいてね?」


さとは「……ここでしない?」


おとは「いやしないよ!?おといれでするよ!!」





ーーーーーーーーーーーー



おとは「(あの後、3秒に一回ぐらいちゃんと私がいるかどうか聞かれたっけ…普通逆でしょって感じだったなあ…)」


さとは「おとは?」


おとは「あ、いやなんでもないよ。お姉ちゃんは優しくてかっこいいなあと思っただけ」


さとは「???」












おとは「お姉ちゃん!そろそろお風呂入ろ!いっしょに!」


さとは「いや私は1人で入るから」


おとは「もう!いいじゃんか姉妹なんだし!」


さとは「いや姉妹関係ないでしょ」


八郎「あぶー。ばぶー」


おとは「あ、ハチローもお風呂入れなきゃ」


さとは「ああ…忘れてた。いつもはお母さんが入れてたよね」


おとは「ママっていっつもどうやって入れてたっけ…?」


さとは「わかんない…」


おとは「…」


さとは「…」












八郎「オギャアアアアアアアアア!!めが!めがあああああああアァァァ!!!」


おとは「お、お姉ちゃん!シャンプーが目に入っちゃってるよ!」


さとは「うわわ、えっとえっと」


おとは「と、とりあえず洗い流さないと!」バシャア‼︎


さとは「あ、そんな勢いよくやったら…」


八郎「ウオギャアアア!グギャアアアアアアアア!」


さとは「なにやってるの!もっと泣いちゃったでしょ!」


おとは「お、お姉ちゃんだって、シャンプー雑すぎだよ!」


八郎「オギャアアアアアアアアアア!!!!」












おとは「今までの人生の入浴の中で一番疲れたよ…」


さとは「同じく…」


おとは「ママは確か普通に入れてたよね…ハチロー泣いてなかったし…」


さとは「改めて母の凄さを知ったよ…」


おとは「とりあえずハチローは寝てくれたみたい」


さとは「疲れた…」


おとは「お姉ちゃん、これからなにする?」


さとは「寝る」


おとは「なんですぐ寝ようとするのさ…」


さとは「いややることないし」


おとは「ねえ…おねえちゃあん」ギュ


さとは「(流れるように裾を掴むさすがビッチ。嫌な予感しかしない)」


おとは「おとは、お願いがあるんだけどぉ…」ウワメヅカイ


さとは「な、なに…(くやしい…でも可愛い……!)」


おとは「勉強教えて♡」


さとは「えーーーー(´Д` )」


おとは「うわあ…嫌そうな顔」


さとは「まあ…暇だからいいけど」


おとは「それでも最後はお願いを聞いてくれるお姉ちゃんポイント高いよ!大好き!」


さとは「はいはい…」











さとは「かのギリシャの英雄アキレスも、最強の僧兵武蔵坊弁慶も敗れた。なぜ敗れたか。弱点があったから敗れたんだよ。きっと彼らは弱点さえなければ歴史に勝利者として名を刻んだはずだよ」


おとは「ふむふむ」


さとは「その弱点とはなにか。守るべきものがあったことだよ。守るべきもの、それは言い換えれば弱点にほかならないんだ」


おとは「う、うん?」


さとは「つまり孤高であることは強いことなんだよ。繋がりを持たないということは守るべきものを持たないということだからね。したがって弱点のない、守るべきものを持たない、人との繋がりを持たない者こそは最強。ぼっちは最強。つまり、私、最強ということになる。ここテストに出るよ」


おとは「出ないよ!なんの話してるのさ!ちょっと真面目に聞いちゃったじゃんか!」


さとは「あれ?間違ってる?昔お父さんに教えてもらったんだけど…」


おとは「歴史はもういいよ…数学お願いします!」


さとは「数学は無理。マジ無理」


おとは「数学学年5位がなに言ってるのさ…」


さとは「人に教えるのなんか難しい」


おとは「ああ…なるほど。それにしてもパパでも数学は絶望的だったって聞いたけど、お姉ちゃんはできるしもう天才だね」


さとは「お父さんは数学できないんじゃなくて捨ててただけでしょ」


おとは「国語や英語に関しては2位か1位だし」


さとは「まあそれは…なんとなく」


おとは「やっぱり国語だね!国語教えてください!」


さとは「はぁ…はいはい」










おとは「ああ〜やっと終わった〜」


さとは「おとは…よく総武高入れたね…」


おとは「むぅ〜勉強はちょっと苦手なの〜」


さとは「(ちょっとじゃないよ…正直なかなかのアホだよ…)」


おとは「さて!宿題も終わったしなにしよっか?」


さとは「寝よう」


おとは「もう!夜はまだまだ長いよ!今夜は寝かせないよお姉ちゃん!」


さとは「そうですか…」


おとは「せっかくママもパパもいないんだし、なんかいつもはできないことしたくない?」


さとは「そう言われても…なにするの?」


おとは「ん〜……………………あっ、いいこと思いついちゃった♫」


さとは「…なに?男でも連れ込む気?勘弁して」


おとは「私のことなんだと思ってるのさ…」


さとは「ビッチ」


おとは「直球すぎじゃない!?そんなことしないってば私は!」


さとは「はあ……じゃあなに?」


おとは「お姉ちゃん、パパの部屋に入ったことある?」


さとは「…ないね」


おとは「私もだよ。でも今はパパもいない。チャンスだねこれは」


さとは「いや別に私はお父さんの部屋とか興味ないんだけど…」


おとは「でもずっとこの家に住んでるのに、パパの部屋だけ入ったことないんだよ?どんな部屋か気にならない?」


さとは「…」












おとは「お邪魔しま〜す(小声)」


ガチャリ


さとは「けっこう…片付いてるね」


おとは「エロ本はどこかな〜」


さとは「いやないでしょ。そんなものあったらお母さん絶対火祭りにするよ、お父さんごと」


おとは「ママを怒らせたら怖いもんね…」


さとは「ベッドは寝室だからないとして…本棚にクローゼット、仕事の書類かなにかが山盛りの机があるだけか…」キョロキョロ


おとは「なんだかんだ興味津々だねお姉ちゃん」


さとは「そ、そういうわけじゃないけど。本いっぱい持ってるなあ。今度貸してもらおうかな」ペラペラ


おとは「2人とも本好きだね〜。私読んでたらすぐ眠くなっちゃうよ」


さとは「……あれ、これ本じゃないな…写真?」


おとは「それ…アルバムじゃない?」


さとは「アルバム…私達がちっちゃい頃のかな」


おとは「いやこれ…私たちじゃないね。もっと古い…あ、もしかしてこの制服の女の子、ママ!?」


さとは「本当だ。若いけどお母さんだ」


おとは「すっごい若いよ!しかもちょー可愛い!」


さとは「というかよく見たら…雪乃おばさんや結衣おばさんもいる」


おとは「本当だ!やっば!みんなすごい美人だ!」


さとは「お母さん達が高校生の時のか…」ペラペラ


おとは「すごいの発掘しちゃったね」


さとは「写ってるのはクラスメイトかな」


おとは「うわ!なにこのすごいイケメン!笑顔輝きすぎでしょ!」


さとは「……本当だ。イケメンだねこの人。でも金髪じゃなくて黒髪でしょ。それに別に笑ってなくない?むしろめんどくさそうな顔してるけど」


おとは「えっ……」


さとは「ん?」


おとは「この人のことだよね?金髪で爽やかそうな」


さとは「え、この黒髪の人じゃないの?」


おとは「いやそれ…パパじゃない?」


さとは「……」


おとは「若いし、体格も若干違うし、わかりにくいけど…この目の腐り加減とかどう見てもパパだよ」


さとは「…」


おとは「へ〜〜〜、なるほど〜〜〜やっぱりね〜〜〜〜〜まあ、薄々わかってたけどね〜〜〜〜〜〜」ニヤニヤ


さとは「…な、なに」


おとは「お姉ちゃんのタイプはパパだったんだね〜。そりゃあ葉山先輩も苦労するn


さとは「おとは」ガシ


おとは「ほえ」


さとは「忘れなさい」ゴゴゴ


おとは「え、あの」


さとは「 忘 れ な さ い 」ゴゴゴッ


おとは「は、はひ!」












おとは「それにしても数十年前の総武高って言ってもあんま変わんないね」


さとは「そうだね」


おとは「というか美人多くない?この人とかすっごい可愛いんだけど!」


さとは「…」


おとは「どうしたの?」


さとは「この人、男らしいよ」


おとは「えっ…いやいやいや!…………マジで?」


さとは「マジで」


おとは「世界って理不尽だなあ…」


さとは「あ、沙希おばさんだ」


おとは「本当だ!若いなあ、美人だし。でもなんか不良っぽいね」


さとは「私達の知ってる沙希おばさんは子供にものすごく優しい人だけど…高校の時は違ったのかな?」


おとは「わっ!わっ!見てこれ!小町お姉ちゃんじゃない!やっばいすごい可愛い!」


さとは「今よりもザ・妹って感じだね。なんか雰囲気がおとはに似てるなあ…」


おとは「おお?それは私が超かわいいってことかな?」


さとは「せかいちかわいいよー」


おとは「適当すぎるよ…」













おとは「ん〜…やっぱりこの3人の写真が多いね」


さとは「お父さんと雪乃おばさんと結衣おばさんか…」


おとは「奉仕部かあ〜本当に変な部活だよね」


さとは「私としてはなんでそんな部活を学校が許可してたのが謎で仕方ないけどね」


おとは「確かに謎だ…」


さとは「最後のページ……卒業式のか…」


おとは「おお…あのパパが…笑顔だ」


さとは「うん…」


おとは「パパだけじゃない。ママも、周りの人もみんな笑ってるね。それに、なんだろう…今までのと違って笑顔がみんなスッキリしてるというか本当に純粋で……本物の笑顔…って感じする」


さとは「本物…」ボソ


おとは「どうかした?」


さとは「い、いや…写真だけでよくわかるね」


おとは「なんとなくだよ。なんとなく。パパのこんな笑顔初めて見たもん」


さとは「……お父さんもこんな風に笑えたんだね。不審者風の笑みしかできないのかと思ってたよ」


おとは「……笑えるように、なったんじゃないかな」


さとは「…」


おとは「私もいつかこんな風に笑えるかなあ…」


さとは「……ねえ、おとは」


おとは「なに?」


さとは「本物ってなんだと思u




いろは「ただいま〜」




おとは「や、やば!ママ達帰ってきた!お姉ちゃん片付けて!ずらかるよ!」


さとは「泥棒みたいな言い方しないでくれるかな」












おとは「お、おかえりー」アセアセ


さとは「おかえり」


いろは「あら、二階にいたのね。ちゃんと八郎見てくれたんでしょうね」


おとは「も、もちろんだよ!お風呂も入れてあげたんだよ!」


いろは「あら、すごいじゃない。大変だったでしょう」


さとは「お父さん…なんでそんなボロボロなの。飲みに行っただけだよね?」


八幡「さとは、お前にも忠告しておく。くれぐれも、いろは様の機嫌を損ねるようなことはするなよ」ボロボロ


さとは「いきなりなに怖いよ。なんで様付けなの」


おとは「けっこう早かったね〜。せっかく夜に2人で出かけたんだからホテルでも寄ってくればよかったのに」ニヤニヤ


いろは「おー、なるほど」ポン


八幡「なるほどじゃねえよ。もうそんな体力ねえから」


いろは「ダメですね〜。昔のあなたは激しくて獣みたいでしたのに///」ポッ


おとは「きゃーっ!パパこわーい!」


八幡「おまっ…娘の前でなに言ってるんだ///おとはもからかうな!」


さとは「家族揃うとすぐ騒がしくなるなあ…」ハァ


おとは「あ、お姉ちゃん。さっき写真見てた時最後何か言いかけなかった?」


さとは「いや……なんでもないよ」


おとは「…?…ならいいけど」


八幡「ん?写真?なんのことだ?」


おとは「な、なな、なんでもないよ!盗み聞きしないでよ!パパ最低!キモい!臭い!」


八幡「」_| ̄|○


いろは「そういえば2人ともご飯はどうしたの?」


おとは「お姉ちゃんと一緒にカレー作ったんだー!」ドヤア


八幡「ほーん。おとはも料理できたんだな」


おとは「え?うーん……ま、まあ少しだけ」


八幡「やるじゃないか。お、これか。……なんか禍々しくないか?まあいいや。どれどれどんな味だ?」パク


さとは「あっ…お父さんそっちはちが…」


八幡「おお!美味い!めちゃくちゃ美味いじゃないか!…………あれ?誰か電気消したか?真っ暗で何も見…え……………あれ……堕ち…… る……あ……」



バタンッ


おとは「きゃあああああっ!!パパが倒れたー!」


いろは「あなた!どうしたのあなた!あれ?息してますかこれ?あなた!あなたあああああ!!!」


おとは「パパアアアアアア!死んじゃいやだよおおおおおお」




さとは「あーもう……………寝よ」





【今日は2人っきりだね】 ー完ー






私は、頑張るって決めたから




……せんぱーい!起きてくださいよー!


……もう!たまにはお外に出ましょうよ〜


……天気いいですよ!だから


おとは「起きてよ〜!パパ〜!」


八幡「ん……いろは……?」


おとは「なに寝ぼけてるのさふぁ!?」ボフ


八幡「外…暑いだろ…一緒に寝よう……」ダキ


おとは「わわわっ///パ、パパ!パパ!私ママじゃないよ!娘だよ!寝ぼけすぎだよ!」


八幡「……………………ん?おと…おとは。なんで抱きついてるの?俺のこと大好きなのはわかるが限度ってものがあるぞ」


おとは「はぁ…やっと起きた…」










八幡「いやーすまんすまん。まああれだ。お前が母さんに似てるのが悪い」


おとは「理不尽だよ…でもパパってあれだね。寝ぼけてる時は肉食系なんだね!私あのまま、大事な物失っちゃうかと思ったよ!」


八幡「シャレにならんこと言うなよ…」


おとは「まあ私はどんなパパでも好きになれるかなー!あ、今のおとは的にポイントたっかいー♫」


八幡「朝から元気だな…お前」


おとは「テンションあげあげだよ!」


八幡「んでなんで起こしたの?なんで俺の休日の睡眠妨げたの?お?あ?」


おとは「こ、怖いってば…。今日はパパとデートしようかなっと思


八幡「おやすみ」


おとは「早いよ!?待って待って寝ないで!」


八幡「なんだよ…(´Д` )」


おとは「なんて嫌そうな顔……いいじゃんか

〜こーんな可愛い娘とデートできるんだよ?」


八幡「確かにおとはは、可愛い天使マジでラブリーマイエンジェルおとはたんだけど」


おとは「そこまで言ってないよ…パパ私のことどんな目で見てるのさ…」


八幡「どうせ買い物だろ。俺じゃなくていいだろ。さとはでも連れてけよ」


おとは「お姉ちゃん寝てる時に無理矢理起こしたらすっごく不機嫌になるんだもん。それにいつも超爆睡だからちょっとやそっと呼びかけても起きないよ」


八幡「前に俺が起こした時は特に不機嫌でもなく普通に起きたぞ?」


おとは「パパだからだよ…」


八幡「?」


おとは「とにかく!行こうよ!」


八幡「男子でもパシリに連れてけよ。ママも適当に男子と遊んでたりしてたぞ。戸部とかいう男はボロ雑巾のように扱われてたぞ」


おとは「ボロ雑巾って…。パパは私が男子と休日に遊んでてもいいの?」


八幡「……よくねえな。殴り飛ばして殴り飛ばすわ」


おとは「ほら、じゃあパパしかいないよ!パシリ…デート行けるのは!」


八幡「今思いっきりパシリって言わなかった?ねえ?」


おとは「気にしない気にしない♫」


八幡「はあ…まあしょうがねえ。可愛い娘の頼みだと思って行くか」


おとは「さっすがー!ポイント高いよ!」


八幡「へいへい…」












おとは「さて、どこ行こっか」


八幡「決めてなかったのかよ…」


おとは「デートなんだから男のパパがエスコートしてよ!」


八幡「よし、じゃあとりあえず家に帰r


おとは「服見に行こうー!」


八幡「聞いてないし…」










おとは「この服とこの服どっちがいいかな?」


八幡「どっちでもい

おとは「どっちがいいかな!」


八幡「……青い方で」


おとは「え〜……」


八幡「…じゃあピンクの方で」


おとは「さっすがパパ!センスあるね♫」


八幡「俺が選ぶ意味ねえだろ…」


おとは「ねえ…パパぁ…」キラキラ


八幡「…はいはい。早くレジ持ってけ。買ってやるから」


おとは「さっすがパパ!大好き!」


八幡「はぁ…俺も甘くなったな…」


おとは「次はカバン!あと靴!あとあと…とにかくいろいろ!」


八幡「おい俺の財布どんだけ搾り取る気だよ…」










おとは「ん〜満足満足!」


八幡「金が…なんで女物っていちいち高いんだよ…」


おとは「ありがとう!パパ!」ニッコー


八幡「はいはい(まあ娘の笑顔が見られるなら……とか思うようになってしまった時点で諦めるしかねえな…)」


おとは「ちょっと休憩する?あそこ座ろっか」


八幡「そうだな…」


おとは「いや〜久しぶりにハジけた〜」


八幡「ふぅ…やっと座れた…ハジけすぎだわ。アラフォーおじさんにはキツイですよ」


おとは「肩もんであげるよ!」


八幡「い、いやそういうのは家でしてくれ。恥ずかしい」


おとは「そう?遠慮しなくてい…


??「あれ?おとはちゃんじゃないか!」


おとは「あ……、先輩!」


先輩「やっ!おとはちゃん」


おとは「やっはろーです!偶然ですね!」


先輩「ああ、ちょっと暇つぶしにぶらぶらとね。あ、えっと…そちらは…」


八幡「…」


おとは「ああ、パ…父です!」


先輩「お父様でしたか!お若くみえたのでおとはちゃんの彼氏かと思ちゃったよ!」アハハ


おとは「あははっ!それはないですよ〜!」


先輩「あ、すみません。申し遅れました。私、総武高校2年生でサッカー部の部長を務めさていただいております。先輩といいます。おとはさんにはサッカー部のマネージャーとして大変お世話になっております」ニコ


八幡「(こいつ…)」


八幡「ああ。丁寧な挨拶ありがとな。おとはの父だ」


先輩「おとはさんはいつも我が部に尽力を尽くしてくれております。元気が良く活発で部員達もよく励まされていますよ」


八幡「…ずいぶん娘を褒めてくれるんだな。嬉しいよ」


先輩「いえいえ。本当のことですので」


八幡「君もサッカー部の部長といえばなかなか大変だろ。すごいな」


先輩「自分なんてまだまだですよ。ですが、自分としても部長としてサッカー部が恥じることのないよう責任を持って務めております」


八幡「立派だな。君みたいな子がいれば、娘も安心して部活させられるかな。サッカー部はマネージャーでもハードに見えるからな、心配なんだよ」


おとは「重いものとか先輩がよく持ってくれるよ〜」


八幡「へえ、優しいんだな。これからもよろしく頼むよ」


先輩「ありがとうございます!お任せください!僕が必ずおとはさんを守ります!」ニコ


おとは「も、もう先輩〜なんかそれプロポーズみたいですよ〜」


先輩「あ、す、すいません!つい」アハハ


八幡「いや…いいよ」


先輩「それでは僕はここで。せっかくの親子水入らずでしたのにお邪魔してすいませんでした。いろはちゃんまたね」


八幡「おう」


おとは「また学校で〜!」












八幡「わかりやすいな…」


おとは「え、なにが?」


八幡「いや。ずいぶん先輩くんと仲がよさそうだな」


おとは「うん!すごく優しい人だよ!」


八幡「そうか、おとはにも春がきたか」


おとは「えっ///なにいってるのさ///そんなじゃないってば///」


八幡「(…伝えるべきか…あの男のこと…)」


八幡「彼、イケメンじゃないか。それに礼儀正しいし」


おとは「た、確かにかっこいいけど///」


八幡「だが…あのな、おとは。……悪いこと言わないからあいつは…


おとは「でもあの男はダメだよ」


八幡「……え?」


おとは「先輩はスポーツ万能、成績もいい。人当たりが良くて、女子にはとにかく優しく、男子にも人気がある。みんなに慕われ敬われている。まさに女子からしたら彼氏にしたいランキング最上位の理想の男だよ」


おとは「でも、理想は理想だよ。現実じゃない。だから…どこか嘘くさいんだよね〜。話しててもあの人の笑顔は…なんだか気味が悪い…」


おとは「てか私のこと会ったその日からいきなり下の名前でちゃん付けだったし。妙に絡んでくるし。どう見ても私贔屓してるし。女子の嫉妬が多くてめんどくさいんだよね」


おとは「だいたい先輩って絶対、葉山先輩に対抗してるよ。勝てるわけないと思うけどね〜」


八幡「お前…」


おとは「どうしたの?」


八幡「いや…嫌なところ…似ちまったなあってな……」ナデナデ


おとは「な、なんで頭撫でるのさ///」


八幡「(さとははともかく、おとはまでそういう考えを持つとはな…)」


おとは「もう///いつまで撫でてるのさ!そろそろ動くよ!」


八幡「おう(こりゃあ2人とも苦労するな)」












おとは「およ?あれは」


愛「えっと…」


勇気「あっちかな…」


八幡「おお、結衣のとこの仲良し双子じゃないか。大っきくなったな」


愛「あ、ヒッキーとおとはおねえちゃんだ!やっはろーでござる!」


勇気「やっはろーでござる!」


おとは「やっはろーでござるー!」


八幡「なんかさらにバカっぽくなってるなその挨拶…」


おとは「2人ともどうしたの?ママかパパは?」


愛「2人でおつかいにきたの!」


勇気「おつかい!」


おとは「2人だけで!?すごいじゃん!」


八幡「意外に結衣もそういうことやらせるんだな…」


おとは「えらいえらい!ご褒美にまた今度いっぱい遊んであげるね!」ナデナデ


愛「ほんと?やったー!おねえちゃん花の王冠のつくり方教えて!」


勇気「ボール遊び!サッカーやりたい!」


おとは「おーなんでもやっちゃうよー!」


八幡「なんだお前、こいつらとよく会うのか」


おとは「時々ね!」ニコニコ


八幡「へー……。それよりお前らなんかさっき困ってなかったか?」


愛「あ……道がわからないの…」


勇気「わからない…」


おとは「え、大変じゃん。どこに行きたいの?」


愛「お花屋さん」


おとは「あ、それなら、そこの角を右に曲がったところにあるよ!」


勇気「わあ!ありがとうおねえちゃん!」


おとは「心配だなあ…一緒に行こうか?」


愛「大丈夫だよ!」


勇気「大丈夫だよ!」


おとは「そう?…でも〜」


八幡「まああいつらも2人で頑張りたいんだろ。おつかい。見守ってやれ」


おとは「ん〜……そうだね。2人とも気をつけるんだよ〜」


愛「うん!」


勇気「わかった!」








八幡「なあ、おとは。お前って子供好きなのか?」


おとは「え?なんで?」


八幡「いや双子と話してるときのお前活き活きしていたから」


おとは「そう?まあ確かに好きかな!純粋で可愛いし!」


八幡「純粋か……確かにな」


おとは「女の子もそうだけど、年下の男の子も可愛いんだよね〜」


八幡「なるほど、ショタコンか」


おとは「ち、違うよ!そういんじゃないから!」


八幡「年下の男…じゃあ小町の息子の元気もそんな感じなのか?」


おとは「あ、そうだね。あいつはいいパシ…可愛い弟みたいなものだよ!」


八幡「つまり自分に従順で奴隷のように扱える人間が好きなんだな」


おとは「なんか言い方が酷すぎるんだけど…」


八幡「ママはよくわからんがたぶん年上好きだったがなあ…お前は年下なんだな」


おとは「ん〜そうだけど恋愛対象としてはよくわかんないよ〜」


八幡「なんか気になる人とかいねえのか?」


おとは「え、パパが恋愛トークを振ってくるなんて!熱でもあるの!?」


八幡「いやまあ確かにそういうキャラじゃねえけど。娘の恋愛事情は気になってしまうんだよ。全国のパパ達は」


おとは「そ、そうなんだ…。ん〜正直、いないかなあ…」


八幡「1人もいないのか。ママなんか恋愛恋愛のビッチだったぞ」


おとは「ひ、酷い言い様だね…。でもいないね。私に告白してくれる人は多いけど」


八幡「ああ?誰だそいつら呼んでこい」ギロ


おとは「嫌だよ怖いよ…」


八幡「どうして告白受けないんだ。(まあ…だいたいわかるけど)」


おとは「さっきの先輩のこともそうだけど…私、なぜか人の好意の裏を探ろうとしちゃうんだ…」


八幡「…」


おとは「私、人付き合いはいい方だけど。正直、今、信用できてるのは家族だけかな」


八幡「そうか…(おとはも1人か…)」


おとは「でもね」


八幡「?」


おとは「家族旅行の時に海で話したこと覚えてる?」


八幡「ああ。覚えてる」


おとは「あの時に私、頑張るって決めたから」


八幡「?…よくわからんぞ?」


おとは「まあ、とにかく心配しなくていいよ!」


八幡「そ、そうか…まあなんだ。頑張れよ」


おとは「うん!」












おとは「そろそろご飯にしようか!おなかすいたよ!」


八幡「そうだな。何食べたい?」


おとは「なんでもいいよ!」


八幡「……(この流れ…)」


おとは「ん?」


八幡「いや…じゃあパスタ?アラビアータ?それともタリアータ?」


おとは「アラブ?アブラカタブラ…?タリ…?なにそれ?」


八幡「そうだ…おとははアホだった…」


おとは「ええ!?なんで急に貶されたの!?」


八幡「いや昔、ママとこういう会話をしたことがあってな。ちなみにタリアータはパスタじゃないぞ」


おとは「よ、よくわかんないけど。本当になんでもいいよ?」


八幡「マジで?パスタとかアボカドとかなくていいの?」


おとは「私のことなんだと思ってるのさ…」


八幡「ん〜でも、せっかくだ。好きなもん食わせてやるから、おとはが決めろよ」


おとは「いいの?本当にいいの?」


八幡「おお、いいぞ」


おとは「じゃあ…パパと行きたいところあったんだよね。いつもは1人で行ってたけど」


八幡「ほう?どこだ?」


おとは「けっこうメジャーなところだけどね……着いてからのお楽しみだよ!」












ラーメン屋『なりたけ』





八幡「マジか…」


おとは「ここがすっごいおいしいんだよね〜!」


八幡「おとは」スッ


おとは「なに?もしかして…嫌だった?」


八幡「さすが俺の娘だ。感動したよ」ダキ


おとは「うわわっ///なんでいきなり抱きつくの!離れてってば///」


八幡「ここはな、俺が子供の頃から好きだった店なんだよ」


おとは「そうなの!?」


八幡「ああ…懐かしいな。ママともよく来てたんだぞ」


おとは「へ〜そうだったんだ」


八幡「にしても驚いた。めちゃくちゃ女子力高そうなところ連れて行かれると思ってたから」


おとは「私、こういう店が好きなんだよね〜。でも友達はなんか誘いにくいから1人で来てたの」


八幡「(おまえ女子高生だろうに…1人でラーメン屋で食べてもへっちゃらとは…なかなか図太い精神だな…血は争えないのね)」


おとは「ささ!早く食べよ!」


八幡「おう」




「はい、らっせ!!」



八幡「おっ」


おとは「やった!今日はらっせの人がいる!」


八幡「(マジか…いやもうあの人はさすがに歳が…ってことは息子さんか?はあー時代を感じるな)」


八幡「んじゃ頼むか」


おとは「うん」



「「ギタギタ」」


おとは「おお!パパわかってるう♫」


八幡「(こいつは完全いろは似だと思ってたんだが…俺の変な血もいろいろ流れてたんだな…。まあ、あれだ。なんか嬉しい)」










おとは「ねえ、パパ。相談があるんだけど」


八幡「なんだ、藪からスティックに」


おとは「……お姉ちゃんのことだよ」


八幡「さとは?」


おとは「学校でのお姉ちゃんがすごく心配なの…」


八幡「学校でどうお前らが過ごしてるのかは知らんが…まあ言いたいことはだいたいわかる。…………ぼっちなんだな。完全に」


おとは「うん…。すぐ人を避けるの。お姉ちゃんは学校こそ来るけど…友達も作らない恋愛なんてもってのほかって感じで…」


八幡「…」


おとは「私はね。さっきも言ったけど。頑張るって決めたの。前に進むって…決めたの。今はわからないけどその先に私が求めてるものがあるはずだと私は思うから」


おとは「自分のことをよく考えるようになったよ。でも自分のことだけじゃない。私はお姉ちゃんにも前を向いて欲しいと思ってるの…。それをそれとなくお姉ちゃんに伝えたことあるけどはぐらかされちゃって」


おとは「お姉ちゃんは誰にも頼らない…家族すら頼らないから…。心配なの。お姉ちゃんはこのままずっと1人でいようとしてるんじゃないかって」


おとは「ねえ、パパ。パパもお姉ちゃんみたいに1人だったんでしょ?最初は」


八幡「……そうだな」


おとは「教えてよ、パパ…。パパはどうやって変わったの?なにを求めたの?それをどうやって手に入れたの?それをお姉ちゃんに教えれば…少しは…」


八幡「……それは……人それぞれだ。自分で考えるんだ。自分で見つけるんだ」


おとは「…そんな……」


八幡「あいつは確かに俺の学生時代に似てるよ。でも、さとはには別に俺のような過去のトラウマとかがあるわけじゃない。形が違うんだよ。だから変わり方も違うだろう」


おとは「でも…」


八幡「俺の人生を参考になんかしたらマジで目も心も腐っちまうぞ」


八幡「お前といい、おとはといい。俺やママに確かによく似てるがやっぱどこか違うものを持ってる」


おとは「…」


八幡「さとはは俺とは違う。難しいかもしれんが簡単でもあると思う。あいつはただ逃げてるだけだ…。あいつが…たった一歩。一歩でも踏み出せればたぶん答えに辿り着けると思う。自分が欲しいものに」


おとは「欲しいもの…たぶん私と一緒だね…」


八幡「お前たちのことは親でも全部わかってやることなんてできねえけど。でも、さとはも考えてると思うぞ。今は迷ってるがだんだん前を向こうとしてると思うぞ。パパの勘だ」


おとは「あはは…信用できないなあ…その勘」


八幡「俺の勘はよく当たるんだぞ?悪い方にだが」


おとは「ええ…ダメじゃんかそれじゃ…」


八幡「まあ…なんだ、お前たちには俺がついているから。心配すんな。言っとくけど俺の人生のトラウマに比べたらお前らの問題など屁の河童だぞ。……マジで困った時があればいつでも、絶対に助けてやる。だから安心しろ」


おとは「パパ……うん。ありがとう!」


八幡「にしても、おとははお姉ちゃん想いだな〜。本当に好きなんだな、お姉ちゃんのこと」


おとは「べ、別にそんなんじゃないよ…///」



「らっせ!らっせ!」ドン



八幡「お、ラーメンきたな。んじゃいただきますか」


おとは「うん!いただきます!」


八幡「おとは、そういう話もいいが楽しい話も聞かせてくれよ」


おとは「そうだよね…。わかった!この前学校でお姉ちゃんとね!………」










八幡「ふぅー食った食った」


おとは「満足♫満足♫」


八幡「まさか娘となりたけで食える日がくるとはな…」


おとは「あははっ!私もパパと食べれて嬉しかったよ!」


八幡「さて、どうする帰るか?それとも帰るか?」


おとは「帰る選択肢しかないじゃんかあ…」


八幡「ええ…じゃあどこ行くんだよ…」


おとは「パパって本当よくママに嫌われなかったね…」


八幡「ばっか。ラブラブだったぞ。自慢だが」


おとは「はいはい…。それじゃあね…ゲーセン行こ!プリ撮りたい!」


八幡「えっ……プリってあのリア充共の大好きなキャピキャピとみんなで撮影してバカみたいに落書きしまくっていくっていうアレ?」


おとは「なんか言い方酷いけど…それそれ!てかママと昔撮ったりしなかったの?」


八幡「拒否しまくってたな…あれ撮ったら補正とかで顔が別人みたいになって酷ければ化け物みたいになるんだろ?俺の綺麗なお顔が化け物になるなんて勘弁だわ」


おとは「どこの腐った目が口にしてるのさ…。そりゃあ多少、目が大きくなったりケバケバしたりするけどそんな酷くないやつならいいでしょ?」


八幡「いや写真なら携帯の写メでいいだろ」


おとは「写メとプリだとまた違うの!ね?私…パパと撮りたいの…ダメ?」ウルウル


八幡「ぬぅ…わかったよ…」


おとは「やった!」









<それでは可愛いくポーズをとってみよー!




おとは「ほらほら!もっとくっついて!」


八幡「なんでこんな範囲狭いんだよ…」



<次は両手で小顔ポーズだよ!



八幡「はあ?何言ってんのこいつ?なんでそんなことしなきゃならんのだ」


おとは「もう!機械に怒ってどうすんのさ!いいから早く早く!両手でこうだよ!こう!」


八幡「え?マジでやんなきゃダメなの?マジでマジなの?」



< 3!2! ……


おとは「早くして!」


八幡「あーくそ!」バッ



パシャ!



おとは「うわあ!パパの小顔ポーズ!超レアだよ!」


八幡「今すぐデータ消してくれ…」



<さあ、どんどんいくよー!次は…


おとは「パパ!次!次!」


八幡「まだあんのかよ…」










おとは「落書き完了っと…!パパできたよ!」


八幡「はぁ…なんか制限時間でいちいち撮るのに焦らすわ。変なポーズばっかさせるわ…なんて悪魔な撮影機だ…もう二度と撮りたくねえ…」


おとは「はい、プリ切ったよ!」⊃プリ


八幡「いやいらねえよ…見たくねえよ…」


おとは「えっ…私との写真…そんなに……嫌だったの…ぐすんっ…」ウルウル


八幡「お、おい。悪かったって」


おとは「だってえ…」


八幡「楽しかったから。ちゃんと受け取るから。その嘘泣きやめろ」


おとは「あ、バレてた?さすがだねパパ!」


八幡「はあ…」


おとは「それにしてもパパのもう一生見れないかもしれないポーズの数々!レアすぎるねこれは!………ママに売れるかな?」


八幡「おい、やめろ」


おとは「ふふふ…携帯にも保存したし。待ち受けにしようかな♫」


八幡「なにそれ恥ずかしすぎるわ。やめてくれ」


おとは「だってめったにツーショットなんて撮らないじゃんパパと!もう感動だよ!永遠保存だよ!」


八幡「そんな大袈裟な…」


おとは「パパも捨てないでよ?プリ」


八幡「…そうだな。冷蔵庫にでも貼っとくか」


おとは「それはそれで恥ずかしいと思うんだけど…」











おとは「…今日は大満足だったよ!ありがとうパパ。そろそろ帰ろっか。」


八幡「やっとか…まあ満足したんならよかったよ」


おとは「パパも楽しかった…?」


八幡「…まあな。お前の知らなかった一面も見れたしな。楽しかったよ」ニコ


おとは「お!パパが笑った!気持ち悪い!」


八幡「酷くね?いや酷くね?」


おとは「えへへ…パパを笑わせれたならデートは大成功かな」


八幡「にしても疲れたわ。当分家に出たくな…



??「八幡…?もしかして八幡じゃない!?」


八幡「え?…お前……」


??「僕のこと忘れたの?」


八幡「マジかよ……忘れるわけないだろ!戸塚!」


戸塚「久しぶり!八幡!」キラキラ


八幡「おお…相変わらず眩しいぜ…」


戸塚「あれ…そちらはもしかして…」


八幡「ああ、娘のおとはだ」


おとは「初めまして。比企谷おとはです」


戸塚「わあ!年賀状で見たことはあったけど実際見ると本当に可愛い子だね!」


おとは「ど、どうもです」


八幡「おとは、こいつは戸塚彩加。俺の高校時代からの旧友で天使だ」


戸塚「て、天使は余計だよ…」アハハ


おとは「ああ!あの写真の可愛い子!」


八幡「ん?写真?」


おとは「あ、い、いやなんでもないよ。へーなんというか…本当にパパと同級生?とても40には見えないよ」


八幡「当たり前だ。戸塚は永遠の17歳だからな」


戸塚「いやいや!何言ってるのさ!」


おとは「(さすがにアルバムで見たような女の子のような可愛いらしさはないけど…すっごい美形だ…17歳は言い過ぎだけど20後半あたりでもいけそう…女装されたら絶対女だと思っちゃうよ…)」


八幡「それにしてもいつこっちに戻ってきてたんだ?」


戸塚「実は今さっきなんだ」


八幡「マジか。でもどうして?ちょっと帰省したとかでもないだろ?」


戸塚「いろいろあってね。こっちでまた仕事することになったんだ」


八幡「おお!本当か!」


戸塚「うん!またみんなに会えると思ってワクワクしてたんだけどまさか帰っていきなり八幡に会えるとは思わなかったよ!」


八幡「やっぱり俺たちは運命の赤い糸で繋がってるんだな!」


おとは「えっ……パ、パパ…何言ってるの……?」ドンビキ


戸塚「は、八幡…子供もいるし…もうその歳でそういうのはやめたほうがいいよ…」


八幡「ああ俺も今言って後悔してるよ…」


??「お父さーん!なにやってるの!そろそろ帰らないと!」


戸塚「ああ!ごめんごめん!」


??「もう…。あれ?お父さんの知り合い?」


戸塚「うん。昔からの僕の友達だよ」


八幡「えっと…戸塚。もしかして」


戸塚「会うのは初めてだよね。紹介するよ。僕の息子、彩香だよ」


彩香「初めまして。戸塚彩香です」


八幡「やっぱ子供か。おう、初めまして。比企谷八幡だ。こっちは娘のおとはだ」


おとは「初めまして!おとはです!」


彩香「は、初めまして!彩香です!」


おとは「あやかって…女の子みたいな名前だね。あ、気を悪くしたらごめんなさい」


彩香「いえいえよく言われますし気にしないですよ。それに気に入ってるんです。自分の名前」ニコニコ


おとは「な、ならよかったよ!(え、笑顔が眩しいよこの人…)」


八幡「戸塚……息子…なんだよな?」


戸塚「ん?息子だよ?」


八幡「(娘にしか見えん…)」


おとは「(女の子にしか見えないよ…しかも美少女だ…)」


彩香「?」


八幡「子供がいるのは知ってたが…えっと……よく考えたらけっこううちの子と歳近いんじゃないか?」


戸塚「おとはちゃんとは近いね。今は中三だから」


八幡「おお、おとはより一つ年下になるのか」


彩香「年上だったんですね。すいません。馴れ馴れしくしちゃってましたよね…」


おとは「いいよ!いいよ!気にしなくて!一つ違うだけなんだし!」


八幡「ってことはもう受験だよな…こっちに帰ってきたってことは…もしかして」


戸塚「うん。彩香は総武高を目指して勉強中だよ!」


八幡「そうか…じゃあ、後輩ができるなおとは」


おとは「おお…後輩かあ…」


彩香「比企谷さんも総武高なんですね」


おとは「おとはでいいよ?あ…やっぱり、おとは先輩で!」


彩香「はい!おとは先輩!」


おとは「ああ…先輩…いい響き…」


戸塚「おとはちゃん。もしこの子が受かったら良ければ彩香と仲良くしてあげてほしいな」


おとは「はい!いいですよ!その時はよろしくね彩香くん」


彩香「よろしくお願いします!」ペコペコ


おとは「もうそんな硬くならなくていいんだよ〜ほらほらリラックスリラックス♫」ギュ


八幡「(さりげなく相手の両手を包み込むボディタッチ…さすがあざといですね。おとはさん)」


彩香「は、はい!ありがとうございます!」ニコ


八幡「ほう…」


おとは「……」


彩香「どうかしましたか?」


おとは「い、いやなんでもないよ。(初めて見た…こんなに純粋で綺麗な笑顔をする歳の近い男子…)」


八幡「(さすが戸塚の子供だな)」


戸塚「よかったね彩香。こんな可愛い先輩ができて。これは絶対受からなきゃね」


彩香「う、うん。まだまだ勉強しないとだけど…頑張るよ!」


おとは「頑張ってね!応援してるよ!あ、私が勉強教えてあげようか?」


彩香「本当ですか!ぜひ!」


八幡「彩香くんそれはやめときなさい。悪いことは言わないから」


おとは「も、もう!私だってちょっとぐらい教えられるよ!」


八幡「いやいや…」


彩香「あ、お父さん!時間!バスきちゃうよ!」


戸塚「ほんとだ!ごめん八幡もう行くね!」


八幡「ああ、また今度ゆっくりな」


戸塚「うん!」


彩香「あ、あの。おとは先輩…」


おとは「なに?」


彩香「れ、連絡先…交換しませんか…?」ウワメヅカイ


おとは「おお…(なんですかこの完璧な上目遣いは)」


彩香「ダメ…ですか?」


おとは「もちろんいいよ!交換しよ!」


彩香「ありがとうございます!あの…今度よければ勉強教えてください」


おとは「えっ…私でいいの?」


彩香「はい!ぜひ!」


おとは「そ、そっか。わかった!私に任せて!」


彩香「ありがとうございます!」


戸塚「彩香ー!はやくー!」


彩香「うん!…それでは!また!」


おとは「パパ!どうしよ!!私バカだよ!?教えれるかな!?!」


八幡「…勉強しろ……」











おとは「……」


八幡「よかったな可愛い後輩ができて」


おとは「そうだね…」


八幡「どうしたんだ?急に静かになって」


おとは「あ、いや!なんでもないよ!大丈夫大丈夫!さ、帰ろ!パパ」グイ


八幡「お、おい。引っ張るなって」


おとは「(……なんでだろう…彩香くんのあの笑顔が…頭から離れないや…)」




……………


…………


………


……





おとは「ただいまー!」


八幡「ただいま」


いろは「お帰りなさい!今日は楽しかった?」


おとは「うん!すっごく楽しかったよ!ほら見てママこれ」


いろは「こ、これは……あ、あのパパがプリクラ…!?」ピシャーン


八幡「おい、見せるなよ…」



ゲシッ!



八幡「っいて………おい、さとは。なんで今俺は蹴られたの?」


さとは「……おとはと2人でデート楽しかった?」


八幡「そりゃあまあ楽しかったな」



ゲシッ!ゲシッ!



八幡「お、おい。蹴るな。す、脛はやめろ!なんだってんだ!」


さとは「別に…なんでもないよ」


八幡「なんでもないなら蹴るなよ…」


さとは「(私も…朝ちゃんと起きればよかった…)」


おとは「お姉ちゃん!」


さとは「ん?なに?」


おとは「お互い…頑張ろうね!」


さとは「……………なんの話?」


おとは「なんでもなーい!」


さとは「……?」



この前アルバムを見て

パパとママの卒業式の笑顔をみて

私もこんな風笑えるようになりたいと思った


今の私には誰かとあんな風には笑えない

だって…偽物だらけだから…今の私は…私の周りは…


わからない

どんな関係が友達なのか

どんな恋が…本物なのか


でも、わからないからってそこで立ち止まりたくはなかった


諦めたくなかった


だって私はパパとママのようになりたいから


でもパパやママのようになりたいからって

なにもかも同じように真似たって駄目だ


自分で考え、自分で見つけろ…


そうだよね


私は私なんだ

私にしかできないことだってあるはずだ


だからパパ


私は私のやり方で手に入れてみせるよ



私が求める



本物を





【私は、頑張るって決めたから】 -完-






私は、もう逃げないって決めたから






昔から勉強も運動も人並み以上にできた

みんなから尊敬されることは多かった


昔の私は、そうやってみんなに期待されることが嬉しかった


だが嫉妬も多かった


イジメられることはなかったが陰口をたくさん言われてることには気づいていた


でもそんなこといちいち気にしない

気にしないように過ごしていたはずだ


だけどいつの日か私は変わっていた


いつからそうなったのか

なぜそうなったのかはわからない


人に頼ることが怖くなっていた


家族以外と関係を、繋がりを持つことが怖くなっていた


私は、友達という関係をくだらない物だと思うようになっていた

表面上だけで偽者だらけのくだらない関係だと思っていた

そんな関係いつか傷つくだけじゃないかと思っていた

自分が傷つくのも相手を傷つけてしまうのも嫌だった




1人がよかった


1人だととても楽だった


そのはずだった