「提督に構ってもらいたい霧島」
いつも真面目な霧島だが、たまには1人の女性として見てもらいたいらしく・・・
注:超短編です。
「今日の任務資料はこちらです・・・後は今日の作戦ですが・・・」
秘書艦の仕事は忙しい・・・霧島は提督の補佐を欠かさず行う。
「見事だ霧島! 流石は艦隊の頭脳だな! この調子でこれからも補佐を頼むぞ!」
「はい! お任せください!」
霧島は元気よく返事をした。
・・・・・・
「はぁ~・・・」
霧島の口から大きなため息が出る。
「確かに頼って下さるのは嬉しいのですが・・・」
霧島はぼそっと呟く。
「何と言うのですか・・・私をこう、艦娘ではなく・・・1人の女性として扱って欲しいものです。」
いつも秘書艦に従事し、提督を支えていた霧島。 他の鎮守府のように執務中に執務以外の行為や、
違う部屋に隠れての愛の交わし等を一切やった事が無い・・・
「それは・・・確かに、執務中に破廉恥な事をするのはどうかと思いますが・・・」
霧島は悩んで、
「でも・・・たまには・・・それもアリですかなぁ・・・って思うのですが・・・」
普段真面目でつかみどころがない霧島だが、やはり女性・・・イチャイチャの1つや2つをやってみたいようだ。
「でも・・・司令が根が真面目ですからね・・・さて、どうしたものか。」
霧島が考えていると横から、
「どうしたんですか、霧島さん?」
村雨だった。
「きゃっ!? ・・・あら、村雨さん。」
「・・・どうしたんですか? そんな乙女みたいな叫び声しちゃって・・・」
「・・・・・・」
「悩みでもあるんですか? 良ければこの村雨、相談に乗りますが・・・」
「・・・・・・」
霧島は悩んだ末、村雨に悩みを打ち明けた。
・・・・・・
「なるほど~、提督に艦娘としてではなく女として見て欲しいと。」
「ええ・・・でも、イメージが崩れて軽蔑されるのが嫌で・・・」
「そんなことないですよ、提督はきっと喜ぶと思いますよ!」
「そ、そうですかね。」
「はい♪ 霧島さんの新しい一面が見られて喜ぶかもしれませんよ!」
「・・・・・・」
新しい一面・・・なるほど・・・普段と違う行動をすればいいのね。
「よし、ではこの霧島・・・司令にアタックしてみます!」
「そうです、その意気ですよ!」
霧島はやる気満々であるが・・・
「具体的には、一体何をしたらいいのでしょう?」
そこでまた壁が立ちはだかる、
「そうですね~・・・」
村雨が少し考えて、
「例えば・・・語尾を付けてみるのはどうですか?」
「語尾・・・ですか?」
霧島は首を傾げる。
「夕立みたいに「っぽい」っと何か付け加えるのはどうでしょう?」
「いやいやいや・・・それは流石に恥ずかしいわ!」
「え~・・・でも霧島さんが語尾付けたら何か可愛いかもです。」
「・・・私が可愛い?」
「はい♪」
悩む霧島・・・
「わかりました・・・参考にしてみます・・・後は何をすれば?」
「そうですね・・・」
村雨は再び考え、
「甘え言葉を言ってみるとか・・・」
「甘え言葉ですか?」
「はい、例えば・・・「提督、私今日は夜が寂しいのぉ、一緒に寝てくれませんかぁ?」とかとか♡」
「・・・・・・」
「無理!!」と思った霧島。
「他の案は無いですか?」
「却下ですか・・・つまんないです・・・後は・・・」
村雨は必死に考え、
「思いつきませんね・・・男を堕とすならこの2つがお勧めなのですが・・・」
「・・・・・・」
また霧島は悩む。
「それじゃあ頑張って下さい・・・村雨は陰で応援してますから♡」
そう言って、村雨はその場から去った。
・・・・・・
「語尾を付ける・・・甘え言葉ねぇ・・・」
今まで言った事が無い霧島にとってはこれ以上の難題は無かった。
「夕立さんみたいに「っぽい」かぁ・・・後は甘え言葉・・・う~ん・・・どうしましょう・・・」
霧島は休憩中にいつも読んでいる女性雑誌に目を向ける。
「なになに・・・甘え言葉の一例・・・と。 ふむふむ・・・」
霧島は読んでいき・・・
「これは・・・私には厳しいかな・・・この言葉なら・・・司令と2人でいる時なら・・・可能かもしれません。」
霧島は色々参考にして・・・
「後は・・・語尾ですね・・・なになに・・・男は猫語でときめく事もある・・・なるほど、参考になりました!」
霧島は納得したようで、
「よし! 実行は今夜の執務作業が終わった直後! 司令に甘えて見せます!」
霧島は作戦を立てた。
・・・・・・
・・・
・
「以上が明日向かう海域の敵部隊の情報です。」
「ふむ・・・敵部隊も空母や戦艦と火力編成で襲来か・・・明日の戦闘は激戦となる、皆気締めて取り掛かるように伝えろ!」
「了解しました、司令!」
夜になっても忙しい・・・霧島は付きっきりで提督の補佐を行う。
・・・・・・
「23時・・・今日の秘書艦は終了します、司令・・・ご苦労様です!」
「ああ、毎日悪いな! 明日も秘書艦をよろしく頼むぞ!」
「はい、司令!」
「明日も早い! 今日は部屋に戻って体を休ませろ。」
「はい! ・・・あの、司令!」
「? どうした霧島?」
「・・・・・・」
霧島の作戦が決行されようとしていた。
「あの・・・司令・・・その・・・」
「・・・・・・」
提督は首を傾げ、
「・・・・・・」
霧島は大きな深呼吸をして・・・言った。
司令ぃ~ん・・・今夜は一緒にぃ~夜戦してくださいませんかにゃあ~♪
「・・・・・・」
「・・・・・・」
執務室内の時間が一瞬止まり・・・
「あ、あ・・・あの、司令(恥)」
「霧島・・・お前・・・今何と?」
「ご、ご、ご、ごめんなさい! 申し訳ありませんでした! 忘れてください!」
顔から火が出る程熱くなり、執務室から出ようとした霧島。
「おい、霧島! 待て!」
提督に呼ばれて、立ちすくむ霧島・・・
「お前・・・」
「・・・・・・」
流石に引かれてしまったかな・・・私的には上手く行ったと思ったのですが・・・ああ、恥ずかしい!!
「お前も・・・可愛いこと言うんだなw」
「ほえっ!?」
「わかったよ、今夜夜戦な・・・時間があるから入浴でもしてこい。」
「は、はい・・・では・・・」
そう言って、霧島は執務室から出た。
・・・・・・
入浴後、再び執務室へ・・・
その後、滅茶苦茶夜戦したwww
・・・・・・
翌日、
「おはようございます、司令!」
「ああ、おはよう。」
「今日も1日頑張って行きましょう!」
今日も忙しい・・・霧島は頑張って補佐をする。
「・・・霧島。」
「はい、何でしょう?」
「昨日言った言葉・・・もう一度言ってみてよw」
「!? いやいやいや、無理です! 忘れてください!」
「そんなこと言わずにさぁ・・・ほら、もう一回!」
「嫌です、許してください! 恥ずかしいんですよぉ!」
提督からの必死のお願いに、また言った霧島・・・
「し、司令ぃ~・・・こ、今夜は・・・い、一緒にぃ・・・夜戦してくださいませんか・・・」
「・・・くださいませんか?」
「・・・く、くださいませんかにゃあ~。」
提督は「うん、うん」と呟き、
「霧島にも、乙女な一面があったんだな・・・いいことだ。」
提督は満足げだ。
「・・・・・・」
当の霧島は、早朝から顔から火が出る程恥ずかしかったのは言うまでもない。
「提督に構ってもらいたい霧島」 終
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