2018-03-28 13:58:37 更新

概要

図書委員の男と園芸委員の幼馴染み
新学期に植えたノースポールが花開く時
訪れるのは冬の足音か
それとも春の足音なのか・・・
男「この花は幼に良く似合う。綺麗でそして誠実だ」
幼「ねぇ男。ノースポールの花言葉を他にも知ってる?」




新学期


幼「やった!男また同じクラスになれたね!」

男「ホントだな!今年も一年よろしくな幼」

幼「うん!高校生活最後の年も一緒で良かったよ!」

男「本当にな。他に誰が同じクラスだろ?」

男友「俺と女友も同じクラスだぜ!」

女友「3人ともよろしくね!」

幼「やった!女友ちゃんと一緒って嬉しいな」

男「男友とも同じか。今年もよろしく頼むわ」

男友「よろしく頼まれた。そろそろクラス入らないと始業式に遅れるぞ」




担任「始業式お疲れ様。3年にもなって自己紹介は不要だと思うから省くので今日は委員会を決めたら終わりにするからさっさと決めてくれ」

ガヤガヤ オマエハナニスル?


幼「ねぇ男は何するか決めてるの?」


男「んーやっぱり図書委員かな。なんやかんや今までずっとそうだったし。幼はどうするの?」


幼「私もやっぱり園芸委員かな。今年は育てたい花もあるし」


男「そうか。まぁお互いいつも通りだな」


女友「なになに?男くん図書委員入るの?それなら私と一緒にやろ」


男「おぉ女友と一緒なら助かるよ。男女1人ずつだから知らない女の子だと少し辛いからな」


女友「ふふん♪いいでしょー幼」


幼「いいよ!私と男の絆はその程度で揺るがないし私は男友くんと一緒にするもん!」


男友「えっ俺!?まぁ幼ちゃんがいいならいいけど」チラッ


男「こっちを見るな。別に委員会ぐらいいいだろ?」


女友「ほほぅ?なら何はダメなの?」ニヤニヤ


男「そりゃ・・・って言えるか!幼はただの幼馴染みだよ!」


女友「はいはい。それじゃさっさと立候補して帰りましょ」


幼「・・・・・・ただの幼馴染か」ボソッ


男「幼どうした?」


幼「ううんなんでもないよ!」


男「ほらっ一緒に帰るぞ」


幼「うん!」


男友「なんであの二人はまだ付き合わないんだろな」


女友「二人とも臆病だからね・・・。お互いが自分以上に相手の事を分かってるのに今の関係が崩れるのが怖がってるもんね」


男友「あいつらは難し考えすぎなんだよな。どう考えてもその辺のカップルよりいいのに」


女友「ほうほう?それは私達よりもいいと?」


男友「はははっそんなことあるわけないだろ」ギュー


女友「だよねー」ギュー




男「今日幼の両親二人とも居ないだろ?うちに来る?」


幼「うん!家に帰って着替え持って行くね!」

男「おけ!待ってるわ」


幼「まぁどうせ家は隣だし着替えもほとんど男の家にあるんだけどね」アハハ


男「幼の着替えどころか二階の一室はほとんどお前の部屋みたいなもんだけどな」


幼「いやーありがたいね!男のご両親には感謝してもしきれないよ」


男「俺も幼の両親にはお世話になってるお互い様だろ」


幼「さて着いたしすぐそっち行くからね」


男「あいよー」



幼「男来たよー!」


男「いらっしゃい」


男母「幼ちゃんいらっしゃい」


幼「あっおばさんこんにちは!いつもありがとうございます」


男母「いつでも来てくれていいからね。なんなら嫁に来てくれてもいいんだからね」


男「ちょっ!お母さん何言ってるの!///」


幼「アハハ///」


男母「この調子だとまだまだ先になりそうね」


男「幼二階行こうか」


幼「そうだね!///」


男母「まぁ焦る必要はないか。幼ちゃんの両親との提携は結んだしあとはきっかけさえあれば二人の将来と私たちの老後は約束される」フフフ



幼「ねぇ男この映画見たいから持ってきたんだけど見てもいい?」


男「いいけどそれならお菓子と飲み物持ってくるから待ってて」


幼「はーい準備しておくね」




男「月並みだけどいい映画だったな」


幼「うん私思わず泣いちゃったもん」


男「幼もあんなふうに恋愛がしてみたい?」


幼「んー私は普通に恋愛して、今みたいに楽しい毎日を過ごす方がいいかな」


男「そうだよなぁ・・・。実際に考えると当事者は大変だよな」


幼「男は女優さんみたいな綺麗な人と付き合ったりしてみたいものなの?」


男「いやそれはないかな見る分にはいいけど付き合うなら気心の知れた人の方がいいよ」


幼「そーそうなんだ!えいっ!」ギュッ


男「急に抱きつくなよ危ないだろ?」ナデナデ


幼「そう言いながらも受け止め頭を撫でてくれるよね男は」


男「幼の髪の毛さらさらで気持ちいいし落ち着くいい匂いするからな」


幼「そっか」ギュー


コンコン


男母「お母さんそろそろ仕事行くから夕飯は温めたら出来るから?

幼ちゃんはゆっくりしていっていいからね」


男「はーい」


幼「ありがとうございます!」


男母「それじゃ行ってきます」


男、幼「「行ってらっしゃい」」



幼「やっぱり男のお母さん料理上手いよね」


男「幼のお母さんも上手だろ?」


幼「んーそうだけど私は男のお母さんの料理好きだよ?」


男「そうか?それはきっと母さんも喜ぶよ」


幼「うん!だから私は男のお母さんに料理習いたいな」


男「うちの母さんは喜ぶけど幼のお母さんは泣くよ」


幼「まぁそこはちゃんとお母さんも分かってくれるよ」


男「まぁだといいかな。さて洗い物するからちょっと待ってて」


幼「あっいいよ!悪いから私がやるから男はお風呂沸かしてくれない?」


男「気にしなくていいんだけどな」


幼「私は気にするの!ほらいったいった」



男「さてお風呂も入ったしそろそろ寝る?」


幼「そうだね。そろそろ寝ようか」


男「布団はいつものところにあるからな」


幼「ありがとー。それじゃおやすみー」


男「んーおやすみ」




幼「ふぁ〜おはよう」


男「おはよう。朝ごはんもうすぐ出来るから顔洗って待ってな」


幼「んーそうする」


男「さてちゃっちゃと作ってしまうか」


幼「あー!コーヒーとパンのいい匂い」


男「朝からテンション高ぇな・・・」


幼「何かコーヒーとパンの匂いって男の家にいるなって感じですごくテンション上がるの!」


男「???よくわからんがありがとう」


幼「私の中で男の匂いはコーヒーの匂いだからね!」


男「えっ何かそれやだな」


幼「えぇー安心するいい匂いだし私は好きだよ」


男「そ、そうか・・・///」


幼「顔真っ赤だけど風邪でも引いた?」


男「大丈夫!大丈夫だから食べて学校行くぞ」


幼「はーい!」




幼「あっ女友ちゃんおはよう!」


女友「おはよう。今日も仲良く二人で登校なのね」


幼「そうだよ!そういえば男友くんは?」


女友「寝坊で遅刻だってさ」


幼「あーこの時期は眠いから仕方ないよね」


女友「そんな理由で寝過ごすのはアンタと男友ぐらいだよ」


幼「えー!私は男が起こしてくれるから大丈夫だもん!」


女友「朝から惚気けてくれるねぇ」


幼「惚気なんかじゃないよ///」


女友「なんであんたらがまだ付き合ってないのか本当に謎だわ」


幼「そんなこと私が聞きたいよ!」


女友「いつまでものんびりしてるとすぐに夏が来て卒業もあっという間だよ」


幼「あはは!まさかー」




幼「そんなこと言ったら本当に夏になっちゃたよ!女友ちゃんのバカ!」


女友「メタギリギリの発言と私のせいにするのは辞めなさい!ってかこの3ヶ月何してたのよ!?」


幼「えーといつも通り映画やカラオケ行ったり男の家で泊まったりかな!」


女友「なんでそこまでして付き合わないの!

まさか付き合ってもないのにキスとかしてるんじゃないでしょうね!?」


幼「キスなんてしないよ!///

それに男といたら話が尽きないし幸せですぐ時間が経っちゃうの!」


女友「幼が可愛いけどウザくて仕方ない」


幼「可愛いなんて///」


女友「都合のいいところだけ聞くな!

あっほら旦那さん来たよ」


男「幼ー!一緒に昼飯食べようぜ」


幼「あっ男!うん食べよ!」


女友「ねぇ男?男友は一緒じゃないの?」


男「ん?あいつさっき教室でたからトイレじゃない?」


幼「あっ!今日園芸委員で種蒔だった!

ごめん男!ちょっと行ってくる」


男「まって幼!俺も行くよ!」



男友「でなんだかんだで全員来たと?」


女友「そうよ愛しの女友ちゃんが来てくれたんだからもっと嬉しそうにしなさい」


男友「はいはい。大好きだよ」


女友「えへへ///」


男&幼「「チッ!早くしろ」」


女友「なんであんた達に切られるのよ!」


男友「お前らも相当だろ!」


男「ほらさっさとやろうぜ」


幼「そうだね!今日撒くのはノースポールって言って冬頃に咲く綺麗な花だよ」


男「ほぇーそうなんだ」


男友「それじゃさっさとやってしまうか」


「「「はーい!」」」



幼「うー・・・男ここどうやってやるの?」


男「おいおい受験生大丈夫か?

センターまであと3ヶ月ぐらいだぞ」


幼「大丈夫じゃないから男の委員会中に勉強してるんじゃんか」


男「まぁ図書委員の仕事はほとんどないしいいか・・・。

どこだ見せてみ?」


幼「ここなんだけどさ・・・」


男「あーここはこの公式を使ってだな」


幼「おーさすがに男ありがとう!」


男「それじゃ少し仕事に戻るから分からなかったらまた言ってくれ」


幼「はーい」


女友「とか言いながら仕事なんてないし本読んでるだけじゃん」


男「まぁ何でもかんでも教える訳にはいかないだろ。センターには俺は隣に居ないんだから」


女友「もったいないねぇ・・・

あんたの成績は私たちの中でも一番なのに」


男「んーまぁでも進学してまでやりたいことはないからな」


女友「ほー?ところで何読んでるの?」


男「んー秘密」


幼「男ー助けて~」


男「んー今いく」


女友「何見てるんだろ?」ペラッ


花言葉事典


女友「乙女か!あれ?栞が挟んである」


女友「そういえばみんなで植えた花も芽が出て成長してきたねぇ」


男友「よっ!女友!」


女友「あっ来たんだ」


男友「そろそろ終わりだろ?一緒に帰ろ」


女友「んーそうだね。あの二人とも帰らせて帰ろうか。

二人ともそろそろ閉めるから帰るよー」


幼「あっはーい!男帰ったら家行くから教えてね!」


男「おけおけ」



男「カフェオレ淹れたけど飲む?」


幼「一息つきたいしそうする」


男「うん。休憩も大事だぜ」


幼「ありがとう。ねぇ男・・・」


男「ん?どうした?」


幼「私はさ、バカだから男に迷惑かけてごめんね・・・」


男「いきなりどうしたんだよ?幼が迷惑なんて思ったことないからな」ナデナデ


幼「私さ・・・ううん何でもない。もう少しだけそうしててくれる?」


男「お安い御用だ。勉強ばかりも疲れるし少しゆっくりしな」ナデナデ


幼「うん・・・ありがとう」


男「いいってことよ。今日は勉強はもう辞めて寝ようか」


幼「そうする。男は本当に優しいね」ボソッ


男「ん?何か言った?悪い聞こえなかった」


幼「何にもないから大丈夫だよ。いつもありがとね男」


男「こちらこそありがとな幼」ギュー


幼「うん」ギュー




男「さていよいよセンターだな

ここまで来たらもう慌てても仕方ないし死ぬ訳じゃないんだから落ち着いてな」


幼「ふふっありがとう!

それじゃ行ってきます!」


男「あぁ行ってらしゃい!」



幼「うーやっぱり緊張するな・・・

でも頑張らないと!」


幼「あっそうだ!いいもの持ってきてたんだった」


幼「んふふっ男が淹れてくれたコーヒー!

冷えた体で飲んでトイレ近くなるのも嫌だし匂いだけで我慢しよ」スーハー、スーハー


幼「あぁ・・・男の匂いがする」


試験管「それではそろそろ開始するので準備してください!」


幼「男・・・私頑張るからね」




男「幼お疲れ様」


幼「はぁ・・・本当に疲れたよ」


男「センター、大学入試に期末だもんな」


幼「まぁあとは結果と卒業だけだしちょっとゆっくりするよ」


男「そうし」ナデナデ


幼「んーありがとう」


男「そういえばみんなで植えたノースポールの花がもうすぐ開花するみたいだぞ」


幼「あっそうか・・・もうそんな時期なんだね」


男「そうだな。この1年間早かったよな」


幼「こないだまで春だと思ってたのに」


男「まったくだ」


幼「ねぇ男?来週の金曜日って空いてる?」


男「うん?大丈夫だけど」


幼「やった!それじゃさちょっと私と付き合って!」


男「あぁもちろんだよ」


幼「ありがとう!」ギュー


男「いいよ」ギュー



男「というがあってだな明日デート何だけど、どうしたらいいと思う?」


男友「いや知らねえよ。今さらデートとか何でもないだろ」


男「そうなんだけどそろそろ俺達も高校を卒業して別々になる訳じゃん?その前に付き合いたいわけよ」


男友「いやむしろなんで今まで付き合ってなかったんだよ」


男「んーなんて言うか一緒にいるのが当たり前すぎたし」


男友「本当にか?」


男「本当はフラれるのが怖かったんです・・・」


男友「幼ちゃんの事はお前が一番よく知ってるだろ?ならなんで不安になるんだ?」


男「だって今までずっと一緒にいて来て思ったんだけど幼が俺のことを異性と思ってくれてるのかすら不安になるんだよ」


男友「例えば?」


男「幼は風呂上がりとかでもバスタオル1枚でその辺にいたりするし夜中にいきなり部屋に来て布団に入ってきたりするだぞ!何かもう兄弟ぐらいの感覚じゃないのかしか思えないよ」


男友「いや兄弟でもないわ。まぁ不安なのは分かるけどこのままでいい事ないし、いい加減ぬるま湯から上がる時だろ」


男「そうだよなぁ・・・。よし!ありがとう」


男友「上手く行けばダブルデートしようぜ!ダメならダメで慰めてやるからさ!」


男「本当にありがとう。お前と友達でよかったわ」


男友「よせよ照れるだろ?それより今度のデートは楽しんでこいよ」


男「あぁ!」




幼「おはよう!男!」


男「早くないか幼?おはよう」


幼「楽しみで早く起きちゃったの!」エヘヘ


男「用意するから上げれよ?ところでなんで制服なんだ?もう学校は卒業式まで休みだろ?」


幼「お邪魔します。んーそうだけどJK最後の制服デートをしたいかなと思ってさ」


男「なるほどなら俺も制服にするわ」


幼「ほら!早く用意して男!」


男「分かった分かった」



幼「ほら男!次はあそこいこ!」


男「はいはい」


幼「あっあそこもいいね!」


男「おぉ!いいな」


幼「ねぇ一緒に写真撮ろ!」


男「いいけどインスタ上げるなよ?」


幼「あっそれ一口ちょうだい」


男「んじゃそれと交換な」アーン


幼「それじゃ最後はあそこ行こうか」


男「ん?どこ」


幼「ついて来たら分かるよ」


男「そっか」




男「で最後はここか?」


幼「うん!私たちの学校」


男「だから制服にしたんだな」


幼「そうだよ!」


男「まぁいいや。それでなんでここに来たんだ?」


幼「んふふーそれは見てのお楽しみ」




幼「ほら見て綺麗に咲いたでしょ」


男「おぉ!みんなで植えたやつだな」


幼「そう。ノースポールだよ」


男「そうか。綺麗な花だな」


幼「うん!」


男「この花は幼にぴったりだな」


幼「うん?というと?」


男「ノースポールって見た目も綺麗で何色にも染まっていない白だし花言葉が無邪気と寛容って幼みたいだなと思ってさ」


幼「ねぇ男?ノースポールの花言葉を他にも知ってる?」


男「いやすまん。俺が覚えているのは無邪気、寛容だけだ」


幼「そうなんだ。なら教えてあげる」


幼「ノースポールの花言葉はね」









幼「貴方をお慕いしています」









幼「私が男のために植えた花だよ」


男「幼・・・」


幼「あのね・・・私バカだからさ毎日男と笑って楽しく過ごせると思ってたの。けどさやっぱり現実はそうじゃないよね」


男「・・・・・・・・・」


幼「ねぇ男・・・。私は男のことが好き!もう幼馴染みじゃ我慢だけ出来ないの!」


幼「ノースポールが何色にも染まってない純白なら私を男の好みの色に染めてよ!」


男「幼・・・」


男「俺もだ幼!お前がずっと好きだった!

今日もずっとドキドキしてたし幼が隣に居ないなんて考えられない!ずっと俺の側で居てくれ」


幼「・・・本当に?」ポロポロ


男「あぁ本当だ。だから泣かないで笑ってくれ」


幼「泣いてないもん・・・」グスン


男「ちょっと締まらないけど、今までもこれからもずっと大好きだよ。だから俺と付き合ってください」


幼「私も男のことが大好きだよ」


幼「本当に良かった・・・。ノースポールはお慕いしていますって言葉よりも冬の訪れの方が有名だから私の気持ちに冬が来たらどうしよと思ったけど冬じゃなくて春が来てくれたよ」


男「俺も実は不安でいっぱいだったんだ。もし幼に告白してフラれたらどうしようって」


幼「男もなんだ・・・。私もとても怖かった!でも勇気を出してよかったよ」


幼「ねぇ男?もう1度好きって言って」


男「何度でも言ってやるさ」


男「幼の事が好きだ。誰よりも何よりも大好きで愛してる」


幼「うん!私も男の事を愛してるよ」



ノースポール

キク科フランスギク属

株全体を覆う白い花を咲かせる事から北極を連想させ名付けられた。

花言葉は誠実、高潔、冬の訪れ、愛情、お慕いしています

また英語圏ではデイジーの一種とされ花言葉は美人、希望、無邪気。フランス圏ではマーガレットの一種とされ花言葉は真実の愛、恋占い。日本では菊されており上記の花言葉を持つ。


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