第1巻 第53話 ナワバリ
楽と千棘の目に入って来たのは
ギャングA 「おい!集英組のあんちゃん、ここは俺らのシマじゃないのかぁ?
勝手に店を出して貰っちゃあ困るぜ!」
ヤクザC 「そんなシマしらんなぁ!お前らこそ俺らの商売の邪魔だから別の場所で商売してくれねーかぁ?」
ドンッ! ドンッ!
ザンッ
千棘 「……………」
楽 「……………」
楽・千棘 「ええ〜〜ー!?」
ビーハイブ(ギャング)と集英組(ヤクザ)が縁日の屋台を出すシマを巡って争いをしていた
千棘 「ちょっと、アレどーゆう事よ?」
楽 「俺も知らねーよ!俺がガキの頃からあいつらは毎年この縁日に屋台を出して来たけど、あんなん初めて見たぞ?」
プルルルル………
そう言い合っていると、千棘のiPhoneが鳴った
ガチャ
クロード 「ああお嬢、突然すいません。
今日、凡矢理の縁日に行かれているのですか?
実は一つ伝え損ねた事が………」
千棘 「ちょっとクロード!何あのナワバリ争い?私、あんなの聞いてないんだけど!?」
クロード 「ああ、やはり行かれているのですね。
実は、私達ビーハイブも今年は縁日に屋台を出す事になりまして。」
千棘 「何でよ?」
クロード 「実は誠士朗がお嬢の付き添いでLABに入学し、貴重な星神戦力の蒼也も一条楽の教育係に出してしまったので、稼ぎが7割程度になってしまいましてね。
もともと持っていた神社付近での縁日のシマを使い少しでも稼ぐ事にしたのです。」
千棘 「でもなんか、集英組の皆んなと喧嘩してるわよ?」
クロード 「ああ、伝え損ねたと言うのはその事でして、実は前からシマは持っていましたがギャング活動の稼ぎだけで今までは充分でしたので滅多に屋台など出さなかったのです。
ですから集英組の連中が勝手に本来我々のナワバリまで使い屋台を出して商売していまして。」
楽 「なっ!?聞いてねぇぞ、そんな話!?」
クロード 「それ故、縁日ではおきおつけ下さい。
では、」
プッ
プーーープーーープーーー………………
楽 「…….…………」
千棘 「ちょっ、どうすんのよ楽?」
楽 「バカヤロウ!俺たちがニセモノの恋人だった頃、何の為にそうなったのか忘れたのか?」
ギャーギャー
ギャングB 「おい!これ以上俺らの商売の邪魔をするようなら………」
楽 ・千棘 「ちょっと待ってよ皆んな〜〜」
ギャングC 「ん?あっ、お嬢!」
ヤクザD 「坊ちゃん!?」
楽 「屋台なら仲良く別々の場所に出せばいいだろ〜〜〜?」
千棘 「私達、せっかく恋人同士で縁日を楽しんでるんだから、喧嘩しないで欲しいな〜〜〜?」
ヤクザ&ギャング 「………………………」
ヤクザE 「こりゃあすいやせん坊ちゃん、そうですね。あっしらは元々勝手に店を出してたんですから、別の場所に屋台を写しやさぁ、」
ギャングE 「そうですね………俺らもシマを荒らされなきゃ、それでいいですお嬢。」
楽・千棘 ホッ
そして2人は人波を乗り越えて神社の方向へ
千棘 クスッ
楽 「?どうしたんだよお前?いきなり笑ったりして」
千棘 「いやなんだか、懐かしいねさっきの。」
楽 「え?」
千棘 「ほら、私が日本に戻ってからはあんたと同棲までして本当に付き合い出してお互い素直に気持ちを出し合って来たじゃない?
ああやって、お互いの家の為に恋人である事を利用するの、久し振りにじゃない?」
楽 「ああ、そういやあそうだな。」
千棘 「まあ私は、今の方が昔よりずっと楽しいけどね!」
ニコッ
楽 ドキッ
楽と千棘は高校の時のニセモノの恋人時代の恋愛を思い出しながら、また神社に向かい出した
第53話 完
このSSへのコメント