第1巻 第253話 カマキリ
2017年10月31日(火) 13:00
凡矢理会館
バッ
小咲に連れられた楽と千棘は、
大急ぎで凡矢理会館に戻って、
戸を開けた。
楽 「ハァハァ………。」
千棘 「ね、ねえ小咲ちゃん。
一体何があったの?」
小咲 「見てよ!」
楽&千棘 「え?」
ズバッ
楽&千棘 「!」
客A 「うわーー!
また、テーブルが裂けたぞ?」
客B 「一体、何なんだーー?」
星獣 「カカカ………!」
テーブルを切り裂いたのは、
緑色の光をまとった星獣(せいじゅう)だった。
楽 「あっ、星獣だ!」
千棘 「ホントだわ!
よく見たら、私達の星匣(ほしはこ)も光ってるわよ?」
千棘の言う通り、楽と千棘の星匣(ほしはこ)は、木製属性を示す緑色に光っていた。
レオン 「アレは、木星カマキリだよ。」
楽 「あっ、レオン!」
シルフ 「まったく………
千棘も楽も、走るのに夢中で、
星匣(ほしはこ)が光ってるのに気が付かなかったのね。」
千棘 「シルフ、
あの星獣はどんな星獣なの?」
シルフ 「木星カマキリは、
あの鋭い鎌で物を切り裂いて、
木星の光の元である、
「快楽」の感情を奪う星獣よ。
いきなり物が切れたりしたら、楽しい気分が損なわれるでしょ?」
千棘 「そんな………
みんなで楽しく、ハロウィンパーティーしてたのに、
その楽しい気持ちをエサにするなんて………
許せない!」
集 「楽、桐崎さん、
早く何とかしてくれ〜〜。
俺じゃあ、姿は見えても戦えないんだよ〜〜。」
楽 「よし、行くぞ千棘!」
千棘 「うん!」
スッ
スッ
楽と千棘は、星匣を構えた。
楽 「九愛太陽(きゅうあいたいよう) レオン」
千棘 「三日月銀兎(みかづきぎんと) シルフ」
シュンッ
シュンッ
楽と千棘は、レオンと千棘を召喚した。
バンッ
鶫 「ハァハァ………。」
千棘 「あっ、つぐみ!」
楽と千棘がレオンとシルフを召喚した直後に、
鶫が息を切らして現れた。
鶫 「お嬢、一条楽、
この会場に、星獣が出たと言うのは本当か?」
楽 「ああ、ホントだ。
ほれ、あのカマキリだ!」
スッ
楽は、木星カマキリを指差した。
鶫 「木星属性か………
よし。」
スッ
鶫は、星匣を出した。
鶫 「金星機械王(きんせいきかいおう) メガオン」
シュンッ
鶫は、メガオンを召喚した。
メガオン 「久々の戦闘だな、誠士郎!
今回の相手は木星属性かぁ?」
鶫 「ああ、頼むぞメガオン。」
楽 「よーし………
千棘、鶫、行くぞ!」
千棘 「いつでも、準備OK(オーケー)よ!」
鶫 「なぜ貴様が仕切る、一条楽。」
タンッ
草鹿(くさか) 「………まさか、
俺の開いたパーティーが、こんな事になるとはね。」
千棘 「あっ!
草鹿(くさか)くん?」
楽 「おい、表!
ここは俺たちに任せて………。」
スッ
楽&千棘&鶫 「え?」
表は、ポケットから緑色の南瓜(カボチャ)の紋章が描かれた星匣(ほしはこ)を出した。
楽 「表、
お前まさか………?」
草鹿 「参加者のみなさんがハロウィンを楽しんでるのに、
許せないな、この星獣………。」
第1巻 第253話 完[link_ssmatome: SSまとめ速報作品URL ]
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