第1巻 第193話 オバケノ
2017年10月16日(月) PM:16:00
凡矢理大学 体育館 バドミントン部の練習場
その日、楽はその日の自分の講義が終わった後に、蛍(ほたる)のバドミントン部の大学祭での出し物の、カップル同士限定のイベントの準備の手伝いに来ていた。
楽 「なー、そう言えば蛍(ほたる)、
このイベントって、名前は何かあるのか?」
蛍(ほたる) 「ああ、このイベントは、
「LRT」っていう名前なんだ。」
楽 「LRT?」
蛍(ほたる) 「LOVE REAL TEST(ラブ リアル テスト)の略だよ。
つまり、「愛が本物かのテスト」
って意味。」
楽 (「愛が本物かのてすと」かぁ………
高校時代はニセモノの恋人だった、
俺と千棘が、本物になれたかどうか試すには絶好のイベントだな………
よーし、絶対に千棘と2人でクリアするぞーー!)
冬吾 「よーし楽、今日はイベントの第一関門のオバケ屋敷の準備をするから、手伝ってくれ。」
楽 「おう。」
冬吾は、10数種類にも及ぶ、オバケの着ぐるみや衣装を用意して来た。
楽 「スゲーな冬吾………
これも全部、お前が用意したのか?」
冬吾 「まあな。
実際に作ってくれたのは俺の手芸部員の友達で、俺はオバケのアイデアとデザインを出しただけなんだがな。」
楽 (ますます冬吾が、集に見えて来たな………。)
冬吾 「じゃあ楽、さっそく着ぐるみを来て、お客を驚かす練習をするから、
お前はコレを着てくれ。」
楽 「ん?コレ………狼男か。」
冬吾 「そうだ。」
オバケ役は、楽が狼男で、冬吾がミイラ男、蛍がドラキュラ役だった。
冬吾 「蛍、お前ドラキュラ似合ってるな!」
蛍 「冬吾こそ、そのミイラ男キマってるじゃん!」
楽 (もし、この関門に俺が千棘と2人で参加したら………。)
楽の回想
狼男 「ガォーー!」
千棘 「キャァー〜!」
ギュウウッ
楽 「わわっ!
ち、千棘、あんまりくっつくなって!」
千棘 「だ、だって、こうしてないと怖いんだもん………」
ウルウル………
楽 キュンッ
ドラキュラ 「血を吸うぞーー!」
千棘 「キャアーー!
ら、楽〜〜、怖いよぉ〜(泣)」
ブルブル
楽 「大丈夫だ!
仮に狼男やドラキュラが相手だろうが、
俺がレオンと、必ずお前を守ってやる!」
千棘 「楽………ありがとう。」
回想終わり
楽 (………って、)
デレ〜〜
楽 (やっぱ、千棘は怯えてるところが可愛いよな。
普段の強気さからまるで別人になり、
いきなり女の子らしくなるギャップがたまんなくて、いじらしいよな〜〜。)
蛍 「楽、なに1人でニヤニヤしてるの?」
楽 「!な、何でもねーよ!」
千棘とのオバケ屋敷を妄想しながら、
楽、冬吾、蛍(ほたる)の3人は、LRTの第一関門のオバケ屋敷の準備を進めました。
第1巻 第193話 完
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