2018-02-05 01:05:29 更新

楽 「え?」


千棘 「え?」


レオン 「ニコッ」


楽 千 「えぇーーーーーー!?」


楽 「何だコレはぁ?オレンジ色のトラ猫が喋ってるう?俺は夢でも見てんのか?」


千棘 「いや楽、私にも見えてるわよ。

この子、現実にいるわ……………って、ええ?」


楽父 「どうだ?驚いたろう?」


楽 「!親父!こりゃあ一体?」


楽父 「楽、そいつはお前の星獣(セイジュウ)だ。」


楽 「星獣(セイジュウ)?」


楽父 「ああ、俺も師から18の時に最初に教わった時は、今のおめーみたいにビビったわ。」


楽父 「ヤクザ、ギャング、マフィアの世界じゃあ、別に珍しいものでも無い。」


楽父 「そいつぁあ、星の力の化身なんだよ。」


楽 「星の?」


楽父 「ああ」


楽父 「星っつーのは、お前らが思っている以上の力を持っている。」


楽父 「地球だってそうだ、長い時をかけたけたが、大量の生命や海、地面、自然現象、それらは全て地球が作ったんだ。」


楽 「まあ、確かに言われてみれば………」


千棘 「確かにそうよねぇ………」


楽父 「この宇宙にはその地球の何倍、何十倍の質量を持った星が幾つもある。

それなら、この地球の常識なんか軽く覆しても不思議じゃ無い。そうは思わねぇか?」


楽 「確かに考えてみたらそうかもしれねぇが………こんな事、この目で見てもまだ信じらんねぇ!」


楽父 「楽、おめーにはこれから4年間、嬢ちゃんを守る力を付ける為に、星神(ホシガミ)としての訓練を積んでもらう。」


楽 「星神?」


楽父 「ああ、星獣を自分の星の光(ほしのひかり)で操って、自在に使役する人間のことだ。


楽 「そんな力を俺が?」


楽父 「ああ、さっき飲んだ星錠(せいじょう)を飲んで星獣と星の光(ほしのひかり)が発現した時点で、おめーにはやっぱり素養があったって事だ。

まあ、俺の息子だしな。」


楽 「まだ、信じらんねぇ………」


楽父 「ヤクザやギャングの上位の人間は、殆ど星神だぜ?」


楽 「は?殆どォ?」


千棘 「ちょっと、私子供の頃からクロードやつぐみを見てきたけど、そんな事初耳よ?」


楽父 「そりゃそうだぜお嬢ちゃん、この世界の暗黙の了解(オルメテ)だからな。」


楽 「暗黙の了解(オルメテ)?」


楽父 「ああ、星獣や星神、星の光の事は、18歳未満の者には決して教えちゃらなねぇ」


楽 「何でそんな掟が?」


楽父 「星神の力は絶大だ。上手く使いこなせば、どれほど優れた銃も毒もただの玩具(オモチャ)さ、そんな力を未成熟な子供が持ったらどんな使い方をするかわからねぇ。

だからさ。」


楽 「な…なるほど。」


楽父 「説明はこの辺にして、おーい双神の、楽にアレを。」


双神 「はい。組長」


蒼也 「一条君、コレを」


蒼也は黒いカードデッキの様なものを楽に差し出した。


楽 「あ、今度は何だよコレは………」


レオン ピカー「シュンッ」


楽 「は?えぇ?」


レオンはそのカードデッキに光となり、あっという間に吸い込まれた。


楽 「何がどうなって……え?」


さっきまで真っ黒だったカードデッキは、レオンと同じオレンジ色になり、豹の顔のマークと、220という数字が刻まれていた。


蒼也 「それは星匣(ほしばこ)、星神の必須アイテムの一つです。」


楽 「星匣ぉ?」


蒼也 「ええ、自分の中の星のエネルギー、星の力とその化身の星獣(セイジュウ)を制御する為の物です。

しかし、太陽の属性だけじゃあなく、星の光の最大容量も最初から220とは………

普通の奴は100前後なのにやはりヤクザの組長の血筋か………」


楽 「星の光?太陽の属性?ソレ、一体何なんだ?」


蒼也 「ああ、この話はまた今度にしよう。

これ以上今の君に話し過ぎると飲み込めなくなりそうだからぬな。」


楽 「ん?あぁ………もう頭が信じ切れねぇ事ばかりでパンクしそうだぜ。」


蒼也 「明日からは俺と黒虎(ブラックタイガー)が君の教育係をして行くから、その時教えるよ。」


楽 「あんたも星神なのか?蒼也」


蒼也 「まあね、俺の星神と星匣は次の「授業」の時に見せてあげるよ。」


楽父 「んじゃあ、そういう訳だ。楽、これからはこれまでより大分大変になるがまあ、頑張んな!」


ガハハハハハ……………


PM:17:00 集英組の門の前


楽・千棘・つぐみ・蒼也


楽 「まさか、この世にあんな力があるとはなぁ………しかも、俺がその力を」


千棘 「あんたにあんな素養があったとはねぇ、しかしあんな力があるなんで、私もスッゴく驚いたわ」


つぐみ 「まあ、仕方ないですよお嬢。私も半年前の18歳の誕生日にクロード様に覚醒させて頂いた時はビックリしましたから。」


千棘 「つぐみもあの、「星獣」って子を出せるの?」


つぐみ 「ええ。最初は戸惑いましたが、半年の訓練のお陰で大分使いこなせる様になりました。」


つぐみ 「その内、見せますよ。さっきの一条楽の星獣が見えたという事は、お嬢にも素養があるという事ですから………」


つぐみ 「ところで、パーティーの方はいいのですか?」


楽 「え?あっヤベ……もう17:15じゃねーか!」


千棘 「楽、パーティーはどこでやるの?」


楽 「沖縄料理店 残波(ざんぱ)の凡矢理店だ!つぐみ、お前も来るよな?いそごーぜ。」


つぐみ 「ん?ああ……蒼也、お前はどうする?」


蒼也 「俺はいいよ、表の人間と馴れ合うのは柄じゃあ無い。」


つぐみ 「相変わらずだな……」


蒼也 「それじゃあお嬢、一条君、俺はこれで失礼するよ。」


楽 「ん?ああ、じゃーな!」


楽 「しっかしあいつの顔、どっかで見覚えがあるんだよな…………ん?双神?」


(俺の名は双神 紅介、今度は裏の世界であお………)


楽 「あ!」


千棘 「ん?どうしたの楽?」


楽 「え?あ、いや何でも……」


楽 (………………………………)


それから俺たちは、このかつてない非日常感満載の出来事を後に、集たちの待つ沖縄料理店へと向かった


第5話 完


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