第1巻 第25話 ゲンカク
ドシュッ ドシュッ
ヒュンッ
楽 「あー、畜生!撃っても撃っても水面に潜られて躱されちまう!」
レオン 「しょうがないよ。楽はまだ星獣との戦いはまだ3度目だし、射撃の訓練もまだ受けてないんだから。」
海王イカ 「オギャァ!」
シュンッ
楽 「わわっ!」
ドゴーン!
千棘 「キャアッ」
楽 「くそー、一体どうすれば…今度こそ。」
海王イカ 「オギャァッ!」
海王イカは3本の足でボートを襲って来た
楽 「よし!」
楽は左手の籠手を海王イカの触手に向けた
楽 (何とか一本ずつ足を撃っていくしか無いな)
楽 「紅炎(プロミネンス)!」
ドシュッ ヒュンッ
楽は海王イカに向けてオレンジの炎を放った。しかし、足に当たらずにすり抜けてしまった。
楽 「え!?」
ドゴンッ
楽 「わわっ!」
千棘 「うぅっ!」
足が当たり、ボートは再び揺れた。
しかし何故か当たった足は一本だけだった。
楽 「ど…どういう事だよアレ?」
レオン 「幻覚だよ。」
楽 「幻覚?」
レオン 「海王星の光の特徴は「幻覚」。ありもしないものを視覚だけで見せる。
海王イカの場合、本物の足の中に幻覚の足を混ぜて困惑するんだよ。」
楽 「なっ、何だよそれ?そんな奴相手にどうすれば…」
シュンッ
楽 「!わわっ!?」
千棘 「?」
海王イカ 「オギャァ〜〜ッ!」
海王イカは、楽達が乗ったスワンボートに触手を一気に4,5本絡めて来た。
おそらく、このまま潰してしまう気だろう。
楽 「ヤバっ………」
千棘 「ちょっ、楽どうしよう?」
楽 「そんな事言ったって……………!」
回想
レオン 「星体技(せいたいぎ)は体に星の光を移してその部分を強化するんだ………」
楽 「………そうだ!」
千棘 「え?」
ボウッ
楽は星の光をありったけ、両腕に集めた。
千棘 「え?楽、何をする気?」
ガジッ
海王イカ 「オギャァッ!?」
楽は海王イカの足を掴んだ
楽 「ていっ!」
ブチッ
海王イカ 「オギャアァァッ!」
海王イカの足は楽が引っ張ると、あっさり引きちぎられてしまった
シュンッ
足を二本失った海王イカはたまらず海中に隠れ直した
千棘 「す…すごい!」
楽 「スゲ………俺今、星獣を素手で引きちぎった!」
レオン 「海王属性は幻覚を使って惑わすのが基本的な戦い方だからねぇ。
星の光の密度は低いから星体技(せいたいぎ)を受ければ大体バラバラだよ。」
海王イカ 「オギャァッ!」
楽 「わわっ!?」
グラッ
海王イカは海面に出るのが危ないと思うが否か、水中からスワンボートを揺らして来た。
千棘 「どうしよう楽……このままじゃこのボート沈んじゃうよ!」
楽 「あ、そうだ!」
ガジッ
楽はボートの両側を力一杯掴んだ
ピタッ
千棘 「え?止まった?」
楽 「やっぱり………レオンの話だとこのイカは力は余り無いから星体技(せいたいぎ)で強化した握力で十分支えれる!」
海王イカ 「オギ…………」
第25話 完
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