第1巻 第218話 タマイレ
2017年10月21日(土) PM:17:00
凡矢理ウォーターパーク
25m競泳用プール
係員A 「はーい。
ただ今、17:00になりましたー。
当ウォーターパークでは、毎日午後5時に、
水中玉入れ大会を実施していまーす。
参加したい方は、集まって下さーい。」
千棘 「へーー、ここそんなものもあるんだ!」
楽 「玉入れなんて、
小学校以来だな。」
千棘 「よーし………。」
タタタッ
楽 「お、おいっ」
千棘 「はいはーい。
私、参加しまーす!」
楽 「行動早えーな………。」
係員A 「はーい。
お嬢さん、パートナーはいますか?」
千棘 「パートナー?」
係員A 「当イベントは、2人一組で参加して貰い、
2人が入れた玉の数の合計が1番多いチームが優勝でーす。」
千棘 「なるほど………。」
チラッ
千棘は、楽の方を見た。
楽 「へいへい。
やらして貰いますよ。」
千棘 「そうこなくっちゃ!
やるからには、優勝を目指すわよ、楽!」
楽 「やれやれ………。」
そして、水中玉入れ大会は始まり………
係員A 「それでは参加者の皆さん、
準備はよろしいですか?
よーい………ドンッ!」
ピーー
千棘 「そーら、行くわよ楽!
ほら、さっさと水の中の玉を拾う!」
チャパッ
タッ タッ タッ
千棘は、すごいスピードでプールの中のお手玉を拾い、
籠(カゴ)に投げていった。
係員B 「おーっと!
今回初参加の大学生のカップルペア、
すごい勢いで玉を籠(カゴ)に入れて行きます!
とても、初参加とは思えない!」
楽 「ホント、運動ならなんでも出来るよな、コイツ………。」
係員B 「大学生ペア、現在2位です!」
千棘 「えっ!?
それじゃあ、1位は?」
係員B 「1位は、前回優勝のペアです!
今回も、抜群のコンビネーションで、
玉を次々と籠(カゴ)の中に入れて行きます!」
前回チャンピオンA 「俺はプールの右側の玉を拾って入れるから、お前は左っ側をやってくれ!」
前回チャンピオンB 「分かった!」
ポイ ポイ ポイッ
楽 (コンビネーション………。)
千棘 (それなら、私達も………。)
楽&千棘 (それなら、俺(私)達も……………。)
千棘 「楽!
あんたはプールの中のお手玉を、出来るだけたくさん拾って私に渡して!
私はそれを、籠(カゴ)に入れるは!」
楽 「分かった!」
バシャ バシャ バシャ
楽は、必死になって水中のお手玉を拾い出した。
楽 「ホレ!千棘!」
ポーイ
楽は千棘に、拾ったお手玉を纏めて投げて渡した。
千棘 「オッケー!」
パシッ
千棘は、楽からのお手玉を受け取った。
千棘 「てやっ!」
ポーイ
千棘は、固まったままのお手玉を、
そのまま籠(カゴ)に投げた。
バシッ
楽&千棘 「やったぜ(わ)!」
前回チャンピオンペア 「なっ!?
こんな作戦があったなんて………!」
そして、玉入れは進み………
係員B 「終了ーー!
優勝は、大学生のカップルペア!
なんと、初参加で前回チャンピオンを破ってしまいました!」
楽&千棘 「やったぁっ!」
パンッ
楽と千棘は、ハイタッチして、
お互いの優勝の喜びを称えあった。
前回チャンピオンA 「なんでだ?
初参加なのに、あんなコンビネーション………。」
楽 「俺たちは、高校の時から
もう3年以上、ずっと一緒にいるんだ、
水中玉入れだけで組んでるあんたらとは、
コンビネーションの年季が違うって事だぜ。」
第1巻 第218話 完
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