2019-05-19 10:01:08 更新

2017年10月21日(土) PM:17:00


凡矢理ウォーターパーク


25m競泳用プール


係員A 「はーい。

ただ今、17:00になりましたー。

当ウォーターパークでは、毎日午後5時に、

水中玉入れ大会を実施していまーす。

参加したい方は、集まって下さーい。」


千棘 「へーー、ここそんなものもあるんだ!」


楽 「玉入れなんて、

小学校以来だな。」


千棘 「よーし………。」


タタタッ


楽 「お、おいっ」


千棘 「はいはーい。

私、参加しまーす!」


楽 「行動早えーな………。」


係員A 「はーい。

お嬢さん、パートナーはいますか?」


千棘 「パートナー?」


係員A 「当イベントは、2人一組で参加して貰い、

2人が入れた玉の数の合計が1番多いチームが優勝でーす。」


千棘 「なるほど………。」


チラッ



千棘は、楽の方を見た。


楽 「へいへい。

やらして貰いますよ。」


千棘 「そうこなくっちゃ!

やるからには、優勝を目指すわよ、楽!」


楽 「やれやれ………。」



そして、水中玉入れ大会は始まり………



係員A 「それでは参加者の皆さん、

準備はよろしいですか?

よーい………ドンッ!」


ピーー


千棘 「そーら、行くわよ楽!

ほら、さっさと水の中の玉を拾う!」


チャパッ


タッ タッ タッ


千棘は、すごいスピードでプールの中のお手玉を拾い、

籠(カゴ)に投げていった。


係員B 「おーっと!

今回初参加の大学生のカップルペア、

すごい勢いで玉を籠(カゴ)に入れて行きます!

とても、初参加とは思えない!」


楽 「ホント、運動ならなんでも出来るよな、コイツ………。」


係員B 「大学生ペア、現在2位です!」


千棘 「えっ!?

それじゃあ、1位は?」


係員B 「1位は、前回優勝のペアです!

今回も、抜群のコンビネーションで、

玉を次々と籠(カゴ)の中に入れて行きます!」



前回チャンピオンA 「俺はプールの右側の玉を拾って入れるから、お前は左っ側をやってくれ!」


前回チャンピオンB 「分かった!」


ポイ ポイ ポイッ



楽 (コンビネーション………。)


千棘 (それなら、私達も………。)



楽&千棘 (それなら、俺(私)達も……………。)



千棘 「楽!

あんたはプールの中のお手玉を、出来るだけたくさん拾って私に渡して!

私はそれを、籠(カゴ)に入れるは!」


楽 「分かった!」


バシャ バシャ バシャ



楽は、必死になって水中のお手玉を拾い出した。


楽 「ホレ!千棘!」


ポーイ



楽は千棘に、拾ったお手玉を纏めて投げて渡した。


千棘 「オッケー!」


パシッ


千棘は、楽からのお手玉を受け取った。


千棘 「てやっ!」


ポーイ


千棘は、固まったままのお手玉を、

そのまま籠(カゴ)に投げた。


バシッ



楽&千棘 「やったぜ(わ)!」



前回チャンピオンペア 「なっ!?

こんな作戦があったなんて………!」



そして、玉入れは進み………


係員B 「終了ーー!

優勝は、大学生のカップルペア!

なんと、初参加で前回チャンピオンを破ってしまいました!」


楽&千棘 「やったぁっ!」


パンッ


楽と千棘は、ハイタッチして、

お互いの優勝の喜びを称えあった。


前回チャンピオンA 「なんでだ?

初参加なのに、あんなコンビネーション………。」


楽 「俺たちは、高校の時から

もう3年以上、ずっと一緒にいるんだ、

水中玉入れだけで組んでるあんたらとは、

コンビネーションの年季が違うって事だぜ。」


第1巻 第218話 完





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