2019-06-19 01:51:26 更新

2017年10月31日(火) 10:00


凡矢理会館


草鹿 「えーー。

それでは、一昨日と昨日で交換するお菓子と、オバケの仮装の衣装合わせは終わったので、

今日はいよいよ、お待ちかねの近所の家訪問で、お菓子集めをやりまーす。」


客A 「来た来たーー!」


客B 「待ってましたー!」


楽 「やっと来たか………。

まあ、これでようやく、普通のハロウィンパーティーっぽくなるよな。」


千棘 「まあまあ。

いいじゃない楽、楽しそうだし♪」


楽 「お前はホントに、こういう事が好きだよな………。」


千棘 「とーぜん!

お友達と皆んなで集まって、

ワイワイやるのは何でも大好き♪」


ニコッ



千棘は、無邪気な笑顔を楽に見せた。



楽 (………でも、こうやって友達と何かを楽しんでる時の千棘、ホントに楽しそうで、

可愛いよな………。)


草鹿 「はいはい、一条ちゃん〜〜、

早く、自分が昨日選んだ衣装に着替えて来なよ。」


楽 「おう。

あ、そうだ表。

菓子を集めてくるって、

普通に俺たちが用意したお菓子と交換してくれば良いのか?」


草鹿 「いや、そこはね、

玄関のチャイムを鳴らして、

普通のハロウィンの訪問と同じように、

「お菓子をくれないと、イタズラしちゃうぞ〜〜。」

って、言って、

その後で、「このお菓子と交換です。」

って、言えばいいんだよ。」


楽 「なるほどな………。」


表 「参加者の皆さんが、一昨日それぞれ試作品を作ってくれたお菓子は、

集ちゃんの呼んでくれた料理人や菓子職人(パティシエ)の皆さんにお願いして、

量産してあるから、

奥の部屋から必要分を持って行ってね。」


楽 「随分、準備がいいな………。」



そして、着替えて準備して………。



千棘 「着替え完了〜〜!

さあ、お菓子も持ったし、

今日は張り切って行くわよ!」



ドサッ



千棘は、昨日選んだ魔女の格好に再び着替えて、お菓子をたくさん詰めた袋をサンタクロースの様に背負っていた。



小咲 「やっぱり、このネコ耳恥ずかしいよ………。」


鶫 「うう………。

訪問した家の子供が、

包帯を1本でも引っ張ったらそれで、

脱げてしまいそうでは無いか………。」


万里花 「あらあら、

桐崎さんったら、随分と張り切ってますわね………。

どちらが多くのお菓子を集められるか、

私(わたくし)と勝負しますか?」


千棘 「望むところよ!

負けないわよ、万里花!」


楽 「おいおいお前ら、

何かあるたびに張り合うなよ………。」


千棘 「でも、楽………。」


楽 「このイベントは、皆んなで楽しむ為のものだろ?

だったら競争なんてしないで、

純粋に楽しもうぜ。」


千棘 「う、うん………。

そうだね………。」



そして、お菓子集めは始まり………。



千棘 「楽ーー!

私と一緒に家を回ろうよーー!」


千棘 「ああ、いいぜ。」


タタッ



ピンポーン



千棘は、まずは最初の家の玄関のチャイムを鳴らした。



主婦A 「はいはい、どなた………。」


千棘 「お菓子をくれないと、イタズラしちゃうぞ〜〜!」


楽 「ど、どうも………。」


主婦A 「あら、ハロウィンのイベントか何かですか?」


楽 「まあ、そんなトコです。

タダでは無いです。

このお菓子と交換で。」


スッ



楽は、一昨日に千棘が試作品を作った、

パンプキンパイの入った袋を差し出した。



主婦A 「どれどれ………。

あら!とっても美味しそうなパンプキンパイ!

こんないい品との交換なら全然良いですよ。

ほら、どうぞ。」


スッ


スッ



主婦は、楽からパンプキンパイの袋を受け取って、

板チョコを差し出した。



楽 「どうも、ありがとうございます。」


子供A 「ママ〜〜、何か貰ったの?」


主婦A 「ああ、マサル。

このお兄ちゃん達から、パンプキンパイを頂いたのよ。」


マサル君 「わぁ〜〜、美味しそう!

魔女のお姉ちゃんも、スッゴく可愛いよ!」


千棘 「そ、そう………?

ありがとね、ボク。」


カァァァ………



千棘は、頬を赤らめて照れながら子供に礼を言った。



千棘 「それじゃあ、お邪魔しましたー!」


主婦 「はい。

パンプキンパイありがとうね。

ほらマサル、お兄ちゃんとお姉ちゃんにさよならして。」


マサル 「お兄ちゃん、お姉ちゃん、またねー〜!」


ブンブン



スタスタ………



千棘 「くぅ〜〜。

ハロウィンって、やっぱり楽しいわね、楽!」


楽 「そうだな………。」


楽 (やっぱり、何かを楽しんでる時のこいつの笑顔、スッゲー可愛いなぁ………。

無邪気で、まるで小さい子供みたいに純粋に楽しんで………。

こんな子が、自分の彼女ってだけで、

スゲー幸せだなぁ………。)


第1巻 第251話 完


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