第1巻 第124話 アンマリ
小咲 「やったね、弥柳くん!」
春 「ふーぅ………何とか、助かったです〜〜」
弥柳 「ああ。」
ザッ
弥柳はエレキテルの方に視線を戻した。
弥柳 「さあ、どうするんだ?今度はあんた本人がやんのか?」
エレキテル 「それは遠慮してオクネ!
ユーの土星属性とミーの金星属性は相性が悪いからね。」
スッ
カシャンッ
エレキテルの星匣 「獣の札(ケモノノフダ)」
ヒュンッ
エレキテルはボルトの背中にまたがった。
エレキテル 「バーイ!」
タンッ
そのままボルトに乗り、エレキテルは走り去って行った
小咲 「行っちゃったね………」
弥柳 「ま、これ以上戦わなくて済むなら、それに越した事はねぇよ。」
春 「あ!それよりお姉ちゃん、弥柳さん、
何なんですか?
あの光るカニやシカやゾウは?」
弥柳 「ああ、春ちゃんにも見えてたんだよな。
実はな………」
楽 「おーい、小野寺ーー!」
タタタ
小咲 「あ!一条くん!」
千棘 「大丈夫だったぁ、小咲ちゃん?」
蒼也 「もう、星の光の気配は消えてる様だが………」
楽、千棘、小咲の3人が、「和菓子屋おのでら」に駆け付けて来た。
蒼也 「小野寺さん、何があったんだ?金星属性の星の光の気配が、この店から大分したんだが。
それも、野良星獣のものじゃ無い。
星神クラスのが。」
小咲 「それがね………」
小咲は蒼也と楽に、一部始終を話した。
楽 「マジかよ!?あの電撃オッさん、小野寺ん家まで狙ったのかよ?」
千棘 「やっぱりパピヨンコクーンは、星の光が高い人の星の光を狙ってるみたいね………」
楽 「大丈夫だったのかよ小野寺?」
小咲 「大丈夫だよ一条くん。
お店の中は少しだけ壊されちゃったけど、
御柳くんが星獣を倒してくれたお陰で。」
御柳 「………まあ、あのオッさんには俺個人的に頭に来た事あったしな。」
楽 「あんたも、星神って事はヤクザやギャングなのか?」
御柳 「いや、俺は普通の大学生だぜ。
星神はなにも、マフィア界や裏社会の人間だけじゃ無い。
俺の場合は………親から叩き込まれた。」
楽 「あんた、蒼也や紅介と同じ代々星神の家系なのか?」
御柳 「まあな。」
蒼也 「御柳?そんな名前の「純血」の星神の家系は聞いた事無いけど………」
楽 「とにかく、小野寺を助けてくれてありがとうな!」
御柳 「まあ、俺はあんたらとは違って、余りこの力を使いたく無いんだけどな。」
楽 「?何でだよ?」
御柳 「それは余り………初対面の奴には話したく無いな。」
春 「あのー一条先輩、お取り込み中悪いんですけど、そろそろ私にもあの光る動物さんの事、説明してくれません?」
楽 「ああ、春ちゃんにも星獣は見えてたんだよな。
実はな………」
春 「びっくりしました。
一条先輩の家がヤクザさんとは知っていましたが、まさかそんな超能力まであるなんて………」
楽 「まあ、驚くのも無理ねーわな。」
小咲 「でも何で、春にも見えたんだろう?」
蒼也 「ひょっとしたら、あんたの星の光の素養が、楽の太陽の光で育ったからかもしれないな。」
小咲 「え?それって………」
蒼也 「1つしか年の違わない姉妹なら十分あり得る話だ。
俺も兄貴との「双子座共鳴」で、お互いの星の光を高めあった。」
御柳 「まあとにかく、俺は帰るぜ。
久々にバオを召喚したから疲れたし、そろそろ帰って寝てえんだ。」
小咲 「御柳くん!今日は本当にありがとうね!」
楽と千棘の半年記念日まで、あと7日(なのか)
第124話 完
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