第1巻 第35話 バイソン
千棘 「じゃあ、私たちはそろそろ帰るから、楽をよろしくね。蒼也くん!」
小咲 「お願いします。双神くん。」
蒼也 「はいお嬢、小野寺さん。楽は俺が………!」
ドゴンッ
千棘・小咲 「キャッ!?」
突然、砂けむりと何かが衝突して来たような音がした。
通行人 「な…なんだぁ!?」
通行人B 「いきなり、建物に大きな穴が開いたぞ?」
千棘 「こ…これは?」
蒼也 「お嬢、小野寺さん、下がってて下さい。狙いは恐らく俺です。」
小咲 「え?」
ドガァンッ
再び、3人の近くに何かが舞い降りた
グルルルルルル………
フシューー
千棘 「え?何?アレも星獣?」
小咲 「え?牛?」
そこに現れたのは、茶色い光を纏った牛だった
蒼也 「土星バイソンですよ。」
千棘 「土星バイソン?」
蒼也 「はい。土星属性の星獣で、怒りの感情が元になっているので自分の姿が一般人に見えないのを良い事に無差別突進します。」
小咲 「そんな星獣もいるんだ。」
蒼也 「土星属性の星獣は水のエネルギーを求める特性があるので、水星や海王星の星獣や星神をよく襲います。
海王星属性の私を狙って来たのでしょう。」
千棘 「え?蒼也くんもあのイカと同じ属性なの?」
蒼也 「はい。だからここは、俺がやります。」
スッ
蒼也は紫色で梟(ふくろう)の顔が書かれた星匣を取り出した。
蒼也 「海王霧梟(かいおうむきょう) ブウロ」
バサッ
ブウロ 「蒼也、また土星の星獣ですか。
やはりあなたは大分土星の獣達に狙われますね。」
紫色の光を纏った、梟が現れ蒼也の肩に止まった
千棘 「あ、あれが蒼也くんの星獣………」
蒼也 「あいつは俺が目当てでしょう。2人は巻き込まれない様に俺から距離を置いて下さい。
スッ カシャンッ
蒼也の星匣 「幻の札(マボロシノフダ)」
スーーー
千棘 「わわっ!?」
小咲 「え?コレ、霧?」
蒼也が札を星匣に刺すと、辺り一帯が紫色の霧に覆われた
土星バイソン 「フシュゥゥゥ……」
蒼也 「さて、ここからどうしたものか………」
第35話 完
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