第1巻 第177話 ガクサイ
2017年10月9日(月) AM:7:30
スペクトル凡矢理 705号室
千棘 「楽ーー、そろそろ電車の時間よ、
行きましょーー!」
楽 「おう。あ、千棘!
手繋いで行こーぜ!」
ガシッ
交際半年記念の京都旅行と、
凡矢理 ホテル・ラフレシアでの一夜を終えて、楽達は7ヶ月目の交際を始めた。
2人が住んでいるスペクトル凡矢理の705号室、変わったのは、
千棘が女の嗜(たしな)みとして練習する為の茶道と華道のセットが置かれたのと、
「ザクシャインラブ」と、黒い筆で描かれた紅葉(モミジ)の額縁(がくぶち)が壁に飾られたのと、
楽が蒼也からの交際半年記念のプレゼントで京都の刀屋で買って貰った日本刀が一本、置かれた事。
そして………
千棘 「あんたのペンダントに入れる思い出、これからもじゃんじゃん2人で作って行きましょうね!」
楽 「おう!」
楽と千棘のペンダントには、2人の恋の思い出を星の光の記憶の映像として、貯める術(すべ)が備わった事。
電車の中
楽 「先週は、京都旅行とホテルで1週間大学を休んじまったからな、今日から気を取り直して頑張らねーと!」
千棘 「私もよ、LAB(ラボ)も今週から学祭の準備が始まるから、忙しくなるわよ!」
楽 「へーー、お前の専門ももうすぐ学祭なのか。
凡矢理大もだ。」
そして、凡矢理大学
冬吾 「おーす、楽!」
楽 「おう、冬吾。」
冬吾 「楽、お前大学を1週間も休んで、
彼女と半年記念の旅行に行ったんだって?」
楽 「なっ!なんでお前がそれを………」
冬吾 「星物書き(ほしものかき)をナメるなよ?
その程度の情報、俺には簡単に集められるんだよ。」
楽 (なんか、冬吾が集に見えて来た………)
冬吾 「ところで楽、お前、凡矢理大学祭の出し物、何かやるのか?」
楽 「え?でも出し物って、部活やサークルやゼミが出すんだろ?
俺、部活やサークルも特に入って無いし、
ゼミもまだ1回生だから何も入って無いぞ。」
冬吾 「それなら都合が良いな。
楽、俺と2人で蛍(ほたる)の出し物の手伝いをしないか?」
楽 「蛍(ほたる)の?」
冬吾 「ああ、蛍はバドミントン部だろ?
でも、大学祭の出し物に人手不足らしいから、俺に手伝いを頼んで来たんだ。」
楽 「なるほど………
ああ、いいぜ!
どうせ大学祭の店を見て回るだけじゃあ、なんか物足りないと思ってたんだ!」
冬吾 「流石楽!お前ならそう言ってくれると思ってたぜ!
お前はそういう奴だもんな!」
その夜、スペクトル凡矢理 705号室
楽 「そういう訳で………俺、大学の友達の大学祭の出し物を手伝う事になりました。」
千棘 「相変わらず、お節介(せっかい)でお人好しなもやし君ねえ。」
楽 「うるせえな。
お前は何か、学祭で何か出し物を出すのか?」
千棘 「あたしは、LAB(ラボ)のファッション科の同じクラスの子達と、アパレル店をやるわよ。」
楽 「アパレル店?服を売るのか?」
千棘 「うん。まあ、服だけじ無いんだけどね。」
楽 「何日だ?」
千棘 「11月4日と5日よ。」
楽 「へーー、ウチの大学の大学祭は11月の6日と7日だ。」
千棘 「ちょうど、1日違いの日なんだ!
ねえねえ、それなら私とあんたで、両方の学校の学祭を回らない?」
楽 「ああ、いいなそれ!
ちょうど11月の第1週は大学祭期間で講義は休みだし。」
千棘 「あ!ねえ楽、それならいっそ………」
楽 「ん?」
それから、10数分後
楽 「千棘、集と宮本の中央大学の大学祭、
11月の1日だってさ。」
千棘 「小咲ちゃんの佐張(さはり)大学の大学祭は、11月の2日と3日の2日間だって!」
楽 「なら、決まりだな。」
千棘 「うん、小咲ちゃんとるりちゃんにも話をしてOK貰ったし、2人の大学も11月の第1週は大学祭だからお休みらしいし。」
楽・千棘 「凡高時代のいつものメンバーで、4つの大学と専門の学祭を回るぞ(わよ)!」
第1巻 第177話 完
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