第1巻 第210話 ミズアビ
2017年10月21日(土) AM:9:00
凡矢理ウォーターパーク
楽と千棘は、今週末の土日デートは凡矢理市内のウォーターパークに来ていた。
楽 「千棘のやつ、おせーな。
女子更衣室に行ってから、もう結構経つのに………。」
千棘 「楽ーー、お待たせ〜〜。」
楽 「おう、やっと着たか………!」
女子更衣室から着替えて出て来た千棘は、
卵色に黄緑の霧の様な模様が描かれたビキニを着て、
浮き輪とピーチボールを持っていた。
楽 (千棘のビキニ姿………
今までも何度か見て来たけど、
今日のもスッゲー可愛い………
ホントの恋人になってから、
水着だけじゃなくてこいつの色んな私服も見て来たけど、
流石、ファッションデザイナーを目指してる女の子だけあって、
男が喜ぶ格好(かっこう)、ちゃんと分かってる………。)
千棘 「ん?どーしたの楽、顔を赤くして人の方じろじろ見て………
あ!分かった、私のビキニ姿に見とれてたんでしょ?」
楽 「な!ちげーよ、別にそんなんじゃねーって!」
楽 (ホントは、その通りだけど………。)
千棘 「で、まずはどのアトラクションから行くの?」
楽 「そうだな………
ここにはたくさんのアトラクションがあるけど、
俺は別に、お前が行きたいところでいいぞ。」
千棘 「そっかあ、ありがとう楽。
それなら………。」
25m競泳用プール
楽 「ウォーターパークに来てまで普通に競泳用のプールって………
今日は別に、宮本の水泳部の手伝いに来たんじゃねーぞ。」
千棘 「いいじゃない。
私、久々にタイムを計ってみたいもの。
私、体動かすの好きだもの。」
係員A 「では、参加者の皆さん位置について、よーい……………ドン!」
ザバッ
千棘はスタートダッシュと同時に、綺麗なフォームで泳ぎ出した。
千棘 (くぅ〜〜、気持ちいい〜〜………。
やっぱ、泳ぐのって楽しいわ〜〜。)
係員A 「ゴール!」
千棘 「やったーー!一位だー!」
ザワザワ
客A 「スゲーなあの女の子、
スッゲー速かったぜ………。」
客B 「それに、スッゲー可愛いし、
スタイルもいいな〜〜。」
係員A 「スゴい………
今までの最短タイムを10秒以上も更新してる………。」
楽 「やっぱ、めっちゃはえーなあいつ………。」
千棘 「楽、どうだった?
私の泳ぎ。」
楽 「おう。めっちゃ速かったぜ。
流石としか言いようがねーよ。」
千棘 「そりゃありがとう。
あんたはやってみないの?」
楽 「俺は遠慮しとくは。」
千棘 「なによ、ノリ悪いわねー………。
あんたもヤクザの若頭(わかがしら)なら、
そのうち水中戦とかもやるんじゃ無いの?」
楽 「蒼也から、まだ水中戦のやり方は教わってねーんだよ。」
千棘 「そうなんだ………
で、次はどこ行こっか?」
楽 「そうだなぁ………
お、アレなんかどうだ?」
千棘 「?」
5分後、50cm浅瀬プール
千棘 「一体どうしたのよ、楽。
こんな浅いプールで、私とピーチボールがしたいなんて。」
楽 「いや、なんだかいきなり無性にやりたくなってな。」
楽 (ホントは、
ウォーターパークで水着姿の千棘とピーチボールなんて、
恋人っぽくてやってみたかったんだけどな。)
千棘 「そーれー、
行くわよ楽ーー!」
ポーン
楽 「お、やったな!
お返しだーー!」
ポーン
楽 (………なんか、スッゲー楽しいな。
やっぱり、こんな可愛い子が俺の彼女だなんて、
それだけで幸せだな。)
第1巻 第210話 完
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