第1巻 第163話 ヨイドレ
2017年10月4日 PM:18:00
守山 黒百合旅館(もりやまくろゆりりょかん)
食堂
舞子さんA 「はーいそーりゃさ、ほーいやさ♪」
集 「いや~~、やっぱり本場京都の舞子さんの踊りはサイコーですなあ~~。」
るり 「集くん、浮気は許さないって、
行ったはずよね?
舞子が舞子さんに浮気するなんて、
下手なシャレだわ………」
羽(ユイ) 「いや~~、今日も楽しかったね~~、小咲ちゃん。」
小咲 「そうですね………。
この夕飯の京都料理もとても美味しいし、
舞子さん達の踊りも、凄く上手ですね。」
蒼也 「………これが日本酒の味か………
度は多少強いが、まあ味は悪く無いな。」
グビッ
鶫 「ああ。」
千棘 「はい、ダーリン。
またお酌してあげるわよ~~♪」
楽 「ああ、ありがと。」
トクトク………
グビッ
楽 「ふぅ~~、日本酒も結構いいもんだな。」
そして、約10分後………
パチッ
楽 「ふわっ?」
楽は目を覚ました。
楽 「やべー、慣れない日本酒を飲んだから、意識が飛んでた………」
千棘 「………ねえ、ダーリン。」
楽 「ん?千棘か。どうかしたか?」
千棘 「あんた、私の事好き?」
楽 「ハァ?何だよ今更………そんなの、好きに決まってるじゃねーか!」
千棘 「そう……なら………」
ダキッ
楽 「なっ!?」
グイッ ムニュ
千棘は楽に抱きつき、体を押し付けて来た
千棘 「なら、もっと2人でイチャイチャしよ〜よ〜、あんたも私を抱いたりしてよ〜〜」
楽 「いや、ここじゃあダメだって!
みんなの前だし、部屋に戻って2人きりになったら………って、アレ?」
楽は、千棘の顔が真っ赤な事に気が付いた。
千棘 「えへへ………えへへへへ………」
楽 「千棘、お前顔赤くないか?
もしかして………酔ってんのか?」
ハッ
楽 「そ…そうだ、確か親父が、日本酒って大分アルコールの度が強いって言ってた、そんな強い酒なら、いくらコイツが高校の時より酒に強くなったって言っても………」
千棘 「別にいいじゃん〜〜、みんなにも私たちのラブラブっぷりを見せつけてやろーよ〜〜♪
キスしよ〜よ〜♪」
楽 「だから、ここじゃあダメだって!」
レオン 「また、千棘ねえが酔っちゃったみたいだね、楽。」
楽 「あっ、レオン!
ちょうどいいところに出て来てくれた。
どーにかならねーか?」
レオン 「いや、ここまで酔っちゃうと、この前みたいに口移しで水から星の光を与える程度じゃあ………」
楽 「じゃあ一体、どうするんだよ?
あ!そうだ蒼也は?
あいつ、確か麻酔針持ってただろ?」
レオン 「蒼也兄(そうやにい)なら、今はトイレだよ。」
楽 「なにぃ〜〜?こんな時に………
集は?」
集 「グーー、グーー」
スヤスヤ………
楽 「集も酔って寝てるし〜〜。」
千棘 「楽ぅ〜〜〜。」
楽 「わわっ!お…落ち着けって千棘!
とりあえずは、水を飲んで………」
万里花 「らっくん〜〜!」
楽 「わっ!?橘?」
万里花も、千棘と同じく顔を真っ赤にして、楽に寄り添って来た。
万里花 「らっくん〜〜〜、千棘しゃんより、ウチの方がらっくんを大好きとよ〜〜、
千棘しゃんから、ウチに乗り換えるばい〜〜。」
楽 「そ…そうだ………
すっかり忘れてたけど、千棘は弱いお酒なら酔わなくなったけど、他の女子はめっちゃお酒に弱いまんまだったんだ!」
千棘 「あ〜〜、万里花ずるい〜〜。
楽は髪の長い女の子が好きなのよ〜〜、
あんたは短いじゃない〜〜。」
万里花 「でも、ウチの方が千棘しゃんより、料理も上手いし、家事も出来るばい〜〜。」
スリスリ ムニュ〜〜
楽 「ひい〜〜」
楽は千棘と万里花に、胸やお尻を押し付けられた
楽 (千棘の体………スッゲー柔らかい………
普段から、「スタイルがいいな〜」くらいにしか考えて無かったけど、コイツのお尻、
スッゲー引き締まってて柔らかい………」
楽 (橘も………胸は千棘より大きいし、弾力もある………)
楽 「ダ…ダメだ!こんな事されたら、理性が持ちそうにね〜〜」
ダッ
千棘 「あっ、楽ぅ〜〜〜。」
万里花 「らっくん、待つばい〜〜。」
楽は千棘と万里花を振り切って、廊下に逃げた。
楽 「とりあえず、蒼也を探して、アイツに酔い覚めの針を打ってもらわねーと………」
小咲 「一条君〜〜〜。」
楽 「げっ!」
廊下に出た楽の前に、今度は廊下に座って、
着物のはだけて、胸を露出させた小咲が現れた
楽 「小野寺ぁ〜〜、やっぱりお前も………
てか、またそんなに服をはだけて………」
小咲 「だって、暑いんだもん〜〜。
一条君、もっと脱がして〜〜。」
ダキッ
楽 「ひいっ!」
小咲は楽に抱きつき、露出した胸を押し付けて来た。
楽 (お…小野寺まで、しかしやっぱり甘えてくる小野寺、かわいいな〜〜。
そりゃ、千棘には悪いけど………)
? 「一条楽………」
楽 ビクッ
カタカタカタ………
楽が聞き覚えのある声に振り返った先にいたのは………
鶫 「お前の唇を奪いに来た。」
やはり、鶫だった
楽 「ひい〜〜、やっぱり〜〜!」
ボウッ
ダッ
楽は星体技(せいたいぎ)を全開にして、小咲と鶫から逃げた。
楽 「ったく………蒼也は一体どこに………」
羽(ユイ) 「楽ちゃん〜〜。」
今度は顔を赤らめた羽(ユイ)が現れた。
楽 「羽姉(ユイねえ)?やっぱり羽姉も………」
羽(ユイ) 「ちょっとそこに座りなさい!
千棘ちゃんとの事で話があります!」
楽 「は…はいぃ!?」
楽は羽(ユイ)の前に正座した。
羽(ユイ) 「いいれすか〜、楽ちゃん。
千棘ちゃんは自分からは素直になりずらい、不器用な子だから、もっと楽ちゃんの方から………」
クドクド
楽 (あ〜〜もう、また始まっちまった〜〜)
千棘 「楽ぅ〜〜〜。」
万里花 「らっくん〜〜」
楽 「げっ!」
小咲 「一条君〜〜。」
鶫 「一条楽ぅ〜〜〜。」
羽(ユイ)の説教を聞いている楽の前に、千棘、万里花、小咲、鶫が現れた。
楽 「ちょ、お前ら落ち着け〜〜!」
カシャンッ
? 「弓の札(ユミノフダ)」
スッ スッ スッ スッ スッ
千棘 「ふぇ?」
万里花 「あれ?」
小咲 「ふにゃ?」
鶫 「ん?」
羽(ユイ) 「あれ〜〜?」
ドサッ ドササッ
弓の札を受けて、5人は倒れてしまった
楽 「こ…これは………」
蒼也 「ふぅ〜〜、何とか間に合った。
しかし楽、今回は随分と苦労したようだね。」
楽 「あ!蒼也。」
弓の札を打ったのは蒼也だった。
楽 「探してたんだぜ〜〜。
またみんなに打ったの、酔い覚めの薬か?」
蒼也 「ああ。
それに今回のは、麻酔薬も混ぜて無いから、
10分もすれば目を覚ます。
これから風呂もあるから、
まだ寝てもらっては困るからな。」
楽 「良かった〜〜。
助かったぜ、蒼也。」
蒼也 「………しかし、楽お前、随分色んな女子に好かれているんだな。」
楽 「え?」
蒼也 「酒に酔っても、理性がユルんで本音が出るだけで、心にも無い言動をする事は無い。
お前はお嬢以外の女子にも、随分と思われてる証拠だ。」
楽 「………そりゃ、みんなが俺を好いてくれるのは嬉しいけど、
俺はその中から千棘1人を選んだんだ。
だから、千棘以外の女の子と、そんな事、
する気はねーよ!」
蒼也 「………よく言った、それでこそお嬢の恋人だ。」
第1巻 第163話 完
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