第1巻 第243話 ビジュツ
2017年10月28日(土) 凡矢理美術館
千棘 「わーー、見てよ楽!
おっきな美術館!
こんなところ、凡矢理にあったのね!」
楽 「ああ、俺もここには初めて来た。」
楽と千棘は、
お互いの学祭の準備が大体終わったので、
その日の定期デートに凡矢理の美術館に来ていた。
千棘 「でも、意外よねーー。
あんたがこういうところにも興味があったなんて。」
楽 「ああ、前から一度来てみたいと思ってたんだ。
たまにはこういう所も良いと思ってな。」
千棘 「でも、せっかく学祭の準備も終わったんだから、
もっと楽しいところに行きたかったなー………。
ボーリングとか、ビリヤードとか、焼肉とか………。」
楽 「ああ、それなら大丈夫だ。
みんなの大学の大学祭巡りが終わったら、
集と2人でみんなで打ち上げ計画を立ててるんだ。
学祭の次の土日にな。」
千棘 「え?ホント?」
楽 「ああ。
さっきお前が言ったような、焼肉やボーリングも行く予定だ。
小野寺達も誘ってな。」
千棘 「わーい!
楽しみ〜〜!」
楽 「だから今日は、
この美術館で芸術鑑賞を楽しもうな?」
千棘 「はーい!」
楽 (現金だなこいつ………。)
そして、2人は美術館に入り………
受付の係員 「はーい。
お二人様で、入館料1,000円になりまーす。」
楽 「はい。」
ジャラ
スタスタ………
千棘 「わーー、
見てよ楽、中結構広いわよ!」
楽 「そうだな。」
楽と千棘が入ったその美術館は、
白い壁と床に、
いくつもの絵画や彫刻が飾ってあった。
千棘 「あ!楽、これってあの有名な「モナリザ」じゃ無い?」
楽 「お、ホントだな。
美術の教科書にも出てたな。」
千棘 「こっちはドイツの画家の、「9匹の猫」よ!
それにこっちはイタリアの「赤い町」、
それでこっちは………。」
楽 「お前、結構美術品に詳しいんだな………。」
千棘 「え?
だって、アメリカでもパパに何回も、
もっと大きい美術館に連れて行って貰ってたもん。」
楽 「なるほど………さすが………。」
そして、2人は色んな絵画や彫刻を見て回り………。
千棘 「ふーー。
この美術館も、中々良い作品が揃ってたわね。」
楽 「ああ。
俺も初めての経験で楽しかったよ。
千棘、腹も減ったし、近くにファミレスあるから帰りに寄ってくか?」
千棘 「あ、行く行くー!
私もお腹空いたーー。」
楽 「フッ、でもなんか今日のお前、
いつもと違う雰囲気だったな。」
千棘 「え?そう?」
楽 「だってお前、
いつものデートだったら、楽しみまくって子供みたいにハシャいでただろ?
でも、今日のお前は優雅に美術品を眺めて、なんだか………おしとやかな女の子っぽかったぞ。」
ドキッ
千棘 「そ、そう………?
ありがと………。」
千棘 (楽にお淑やかって言って貰えた………。
嬉しいな………。)
第1巻 第243話 完
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