第1巻 第223話 デアエル
2017年10月23日(月) PM:15:00
凡矢理大学
冬吾 「え?迷路?」
楽 「ああ、そうだ。
LRT(ラブ リアル テスト)の関門の一つに、迷路はどうかなって思ってな。」
その日の大学での講義を終えた楽は、
友人の蛍(ほたる)のバドミントン部の大学祭の出し物のLRT(ラブ リアル テスト)の準備の手伝いに来ていた。
冬吾 「確かに、第1と第2関門は決まったけど、第3関門以降も何か欲しいとは思ってたが………
でも、何で迷路なんだ?」
楽 「ああ、恋人同士で別々の入り口から入って、どんだけ早く迷路の中で出会えるか試すんだ。
お互いの行動パターンを良く解り合ってる恋人同士なら、早く出会える筈だろ?
それで、恋人の行動をどんだけ分かってるか試すんだ。」
冬吾 「なるほどな………いいかもな!」
楽 (ホントは、千棘とウォーターパークに行った時に、
水中迷路に入って思いついたんだけどな………。)
冬吾 「おーい、蛍(ほたる)!
こんな関門はどうだーー?」
蛍(ほたる) 「え?」
ゴニョゴニョ ゴニョゴニョ………
蛍(ほたる) 「なるほどね………
確かに、恋人同士のイベントとして使えるね!
おーい、みんな〜〜!」
そして………
トンテンカンカン トンテンカン
蛍 「出来たーー。
「LRT」の第3関門の、「恋人再会迷路(こいびとさいかいめいろ)」だ!」
楽 「はやっ!」
楽のアイデアを聞いたバドミントン部員達は、
数時間のうちにイベント会場内に迷路を完成させた。
楽 「あっ、でもどうやって迷路内で出会ったタイムを計るんだ?」
冬吾 「それは俺も考えてたんだけど………
2人にパスワードを半分ずつ教えておいて、
そのパスワードを揃えたら俺らが送ったメールを開けるってのはどうだ?」
蛍 「あっ!いいね、それ!」
冬吾 「でも、そんなに早く再会出来るかな?
あんまり時間を食っちゃうと。
イベントの進行自体が遅れるぜ?」
楽 「いや、それは大丈夫だと思うぜ。」
冬吾 「え?」
楽 「ホントにお互いの事を分かり切ってる恋人同士なら、
きっとすぐに迷路の中で出会えるさ。」
冬吾 「そ、そうか………。」
楽 (俺と千棘がそうだったようにな………。)
第1巻 第223話 完
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