第1巻 第168話 ネボケテ
2017年10月4日 PM:23:00
守山 黒百合旅館(もりやまくろゆりりょかん)
2階 205号室
楽 「ふう〜〜、みんなが枕投げし出した時はどうなるかと思ったけど、何とかみんな、寝付いてくれたぜ。」
千棘 「うーん………」
万里花 「楽様………」
ムニャムニャ スースー
楽 「まあ、結局千棘と橘の中間の布団で寝る事になっちまったがな………」
スッ
楽は掛け布団(かけぶとん)を体に被った。
楽 「………それにしても、」
楽は、この二日間(ふつかかん)にこの千棘との交際半年記念旅行で起こった、数々の思い出を思い出していた。
楽 「………色々、あったな。
千棘とたくさん、思い出が作れたな。
やっぱり、こいつといるのは楽しいよな。」
千棘 「スヤスヤ………」
楽は、自分の隣で寝息を立てて寝ている千棘を見て言った。
ポンッ
楽は千棘の頭に手を置いた。
楽 「………おやすみ千棘。
これからもよろしくな。」
ガバッ
楽 スースー………
そして、夜中。
楽 「うーん………ん?」
楽は夜中に、目を覚ました。
楽 「ん?なんだ?なんだか、何かにしがみつかれてるような………」
千棘 「うーん、楽………」
楽 「わっ!千棘?」
楽の布団に入って来て、楽を抱きしめていたのは千棘だった。
楽 「うーん、楽………大好き………」
千棘 「わわっ!こいつ、寝ぼけてんのか?
てか、なんて夢見てんだ!
………嬉しいけど。」
楽 「うーん………」
スリスリ
楽 「ひぃ〜〜!」
千棘は、楽にすり付いてきて、
自分の胸やお尻を当てて来た。
楽 (やっぱこいつの体、スゲーあったかくてやわらかくて気持ちいい………
お尻もスゲー弾力があって………)
千棘 「うーん………楽………」
楽 「ひぃ〜〜!ダメだ!
これ以上は、理性が持ちそうにねー!」
ガバッ
楽は千棘を振り払って、布団から出た。
楽 「ふぅ〜〜、心臓の鼓動がまだ治らねーー………」
ドキドキ
万里花 「うーん………楽様〜〜。」
楽 「わわっ!た、橘?」
千棘を振り切ったばかりの楽に、今度は万里花が寝ぼけて抱きついて来た。
楽 「橘、お前も寝ぼけてんのか?」
万里花 「楽様〜〜、桐崎さんなんてほっといて、私(わたくし)と2人で寝ましょう〜〜。」
スリスリ………
楽 (うう………橘の体も柔らかい………
胸も千棘より大きいし………)
万里花 「楽様〜〜。」
楽 「ひぃ〜〜!」
ガバッ
楽 「どーしたんだよ、みんなこんなに、寝相(ねぞう)悪かったっけ?」
小咲 「一条君〜〜。」
楽 「んあっ!?」
次に寝ぼけて抱きついて来たのは、小咲だった。
楽 「よりにもよって、小野寺かよ!?」
小咲 「一条君〜〜。
私、やっぱり一条君の事完全に忘れれないよ〜〜。
この気持ち、どうしたらいいの?」
スリスリ
楽 「あーもう!
みんな、寝ぼけてんのかよ?」
鶫 「一条楽………」
楽 「!」
楽が振り返ると、そこには………
鶫 「私を貴様の愛人にしろ。」
鶫がいた。
楽 「ひぃ〜〜、そうだコイツがいたーー!」
ムニュ
鶫 「貴様はお嬢の恋人だが、愛人ならば問題無いだろう?
ムニャムニャ………」
ムニュ
楽 (コイツ………普段はあまり気にしねーけど、やっぱり胸がスゲー大きいな。
橘より大きいじゃねーか。
それにしても、こんだけ色んな女子に寝ぼけて抱きつかれたら、頭がおかしくなりそーだぜ………
一体、どうすれば………」
千棘 「うーん………楽………」
楽 「!」
楽が振り切って大人しくなった千棘が、再び寝言を呟き出した。
千棘 「楽………大好きだよ。
小咲ちゃんや、他の女の子と浮気しちゃヤダよ?………」
ムニャムニャ………
楽 「!」
千棘 「うーん………」
スースー………
楽 (………そうだよな、俺はお前を選んだんだ。
俺の1番大事な女の子はお前だ。
浮気なんてしねーよ。)
スッ
千棘 「ムニャ?」
楽は千棘を自分と一緒の布団に入れた。
楽 「………千棘、これからもずっと一緒だぞ。」
千棘 「スースー………」
楽と千棘の半年記念日まで、あと2日(ふつか)
第1巻 第168話 完
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