第1巻 第8話 カリウド
金曜日に大学入学式、千棘と鶫との再会、大学と鶫の連れで双神(ふたがみ)という姓を持つ瓜二つな少年達との出会い、星神、星獣、星の光と言った超能力の存在、レオンとの出会い、千棘・鶫の帰国記念パーティー&凡矢理高校の同窓会、千棘との同棲開始、
様々な事が起こった1日は過ぎ、今日は土曜日
チュン、チュン………
楽 「ふぁーあ、よく寝た〜〜、ん?」
楽 「アレ?ここは俺の部屋じゃねぇ。何で?」
楽は周りを見渡しながら、昨日の記憶を段々と思い出していった。
楽 「ああ、そうか。俺、千棘と一緒に暮らし始めたんだ。」
楽はようやく昨日の記憶を取り戻した。
その後、自分の布団の隣の布団に目をやり
千棘 「スー、スーーー……………」
楽 「まだグッスリ寝てやがる。今日が土曜日で休日だからって。」
楽 (でも、考えてみたらコイツ、俺と早く再会したいからファッションデザイナーの修行も必死で8ヶ月で終わらせて来たんだよな。)そりゃ、疲れてるよな。)
千棘 「スー、スー」
楽 「土曜日だし、もう少しくらい寝かしといてやらなきゃ。」
ピンポーン
マンションの部屋にピンポンが鳴り響いた
楽 「ん?何だこんな休日の朝っぱらから。」
楽は自分達の部屋のドアを開けた
楽 「はーい、どなた………」
鶫 「朝から予約も無く、いきなりすまんな一条楽」
蒼也 「へー一条君、お嬢と同棲したって本当だったんだ。」
楽 「うわっ!鶫に蒼也?何でお前らが?」
鶫 「授業だ。今日は大学が休みなのだろう?星神として訓練を受けて貰う。」
楽 「は?訓練?」
千棘 「うーん………何?どうしたの楽?」
楽 「あ、千棘。起きちまったのか?」
鶫 「あ、お嬢、まだ睡眠中でしたか。
すいません。」
それから俺は、つぐみと蒼也を部屋に上げて、話を聞いた。
楽 「つまり俺が星神としての力を上げて、千棘を守れる様になる力を付けて行くって事かぁ?」
鶫 「まあ、平たく言えばそういう事だな。
貴様には私と蒼也が教育係として、これから大学やバイトの休みに星神としてのカリキュラムを受けて貰う。」
蒼也 「まあ、ビーハイブの御令嬢を彼女に貰い受けるんだから、本来なら15歳でお嬢と付き合い出した時点で俺みたいに特例で15歳から星神になってても不思議じゃないからむしろ遅い方だと思うよ。」
楽 「え?お前って18になる前から星神だったのか?」
蒼也 「ああ、そうだよ。俺の家は代々星神の力を色濃く受け継いだビーハイブに代々使える家系でね。
クロード様に孤児として拾われた黒虎(ブラックタイガー)すら星神の才は未知数だったから18まで知らされなかったのに、10歳からずっとだよ。」
千棘 「え?てことは双神くんは今年でもう星神8年目って事?」
蒼也 「はい、お嬢様。俺と双子の兄は10歳から特例で暗黙の掟(オルメテ)を免除され、星神の英才教育を受けて来ました。
もちろん、銃や格闘なんかの基礎戦闘なら黒虎(ブラックタイガー)の方が上ですが。」
蒼也 「あと、血筋と家は誇りに思っていますが、俺は双子の兄と一緒にされるのが嫌なので、下の名前で構いません。」
千棘 「え?そうなの?じゃあ、蒼也くん。
つぐみと2人で楽をよろしくね!
このもやしが強くなってくれるのは私も助かるし(笑)。」
楽 「んだよ(怒)俺はお前の為に大学とバイト以外にもこんな危ない事まで努力するって決めたのに………
じゃあ、蒼也。俺も「楽」でいいぜ。
君付けなんかしなくても」
蒼也 「そっかあ、なら楽。
星神は星獣を狩るのが基本の仕事と力の付け方だ。今から君にはそれを初体験して貰う。」
楽 「え?でも星獣って、人に宿ってるんじゃねーのか?まさか宿ってる人ごと襲ったりするのか?そんな事は………」
鶫 「安心しろ一条楽、お前が相手をするのは当面は「野生」の星獣だ。」
楽 「は?野生?そんなんいるのかあ?」
蒼也 「まあ、言うより実際見せた方が早いですね。
今から早速「狩り」に行きましょう。
お嬢、一緒に来て見ていきますか?」
千棘 「うん、行く行くー!楽が戦うところも見たいし、私もあの力キョーミあるし。」
楽 「興味本位かよ………」
鶫 「一条楽、蒼也。準備しろ行くぞ。
お嬢を待たせるな。」
楽 「やれやれ………」
そして俺たちは、つぐみと蒼也に連れられ、同棲初の休日を戦闘訓練で過ごす事になった。
第8話 完
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