2018-02-05 01:38:19 更新

2017年 5月2日 (日) GW2日目


滋賀県 琵琶湖沿岸 たんぽぽ旅館


AM7:30


食堂


千棘 「フンフ〜ん♪」


千棘は昨日の夕食の時と部屋での件で、すっかり上機嫌でいた


小野寺 「あっ、千棘ちゃん。おはよう。」


千棘 「小咲ちゃん!おはよー。」


楽達がまだ来ていなかったので、千棘と小咲は2人で朝食を食べる事にした。


千棘 「何だか旅行の朝食ってシンプルよね〜、パンにオレンジジュースにソーセージに。」


小野寺 「そうだよね。滋賀県っぽいものも特に無いし。」


千棘 「まあ、コレはこれで悪く無いんだけどね〜♪」


小野寺 「…………………………」


小咲は、千棘がいつに無く上機嫌なのに気がついた。


小野寺 「ねぇ、千棘ちゃん。」


千棘 「ん?何?」


小咲は尋ねていいか一瞬迷ったが、思い切った。


小咲 「昨日、一条君と何かあったの?」


千棘 ブゥーー


千棘は思わず吹き出してしまった。


千棘 「な…何でそう思うの?」


小咲 「え、だって心無しか顔が赤いし,すごく色っぽい顔してたから………」


千棘 (え〜〜〜、私そんなに顔に出てたの〜〜?)


千棘 (でも、幾ら相手が小咲ちゃんでも、楽との関係が進んだ事言っちゃっていいのかなぁ………)


千棘 (いや、むしろ小咲ちゃんだからこそ1番言っちゃいけないのかも。

だって小咲ちゃんは楽が高3の夏までずっと両想いだった人……………

私は楽に選んでもらえたから嬉しかったけど、小咲ちゃんが楽に選ばれてたら楽と小咲ちゃんが楽しく暮らしてる話なんて辛くてとても聞いていられやしない………)


小咲 「あの〜〜〜千棘ちゃん?」


千棘 「ふぇっ!?」


小咲は千棘がしばらく黙っていたので、自分から話しかけ直した。


千棘 「え………いや、実はね………」



千棘は一瞬話そうか迷ったが、隠したままにしている方がむしろ無礼だと思った



小咲 「そっかあ………千棘ちゃん、一条君とそんな事までしたんだぁ………」


千棘 「うん。最初に楽に顎を触られたら時はビックリしちゃったけど、とっても気持ちよかったぁ…………」



千棘は頰を赤くして照れながら言った


小咲 「それに千棘ちゃんも一条君にほっぺにキスまでしたんだぁ、いいよね。

そうだよね、今2人がしてるのは高校の時とは違って本当の恋だもんね。」


千棘 「あのー小咲ちゃん、嫌じゃ無いの?」


小咲 「え?何が?」


千棘 「だって小咲ちゃん。楽と私が本当に両想いになるまで、ずっと楽と両想いだったんでしょ?

私さえいなければ楽と今頃楽しく暮らしてたのは小咲ちゃんだった………

私と楽がイチャイチャしてるの、辛く無いの?」


小咲 「え?そんな事………」


千棘は小咲が自分に楽を取られて辛い思いをしているとばかり思い込んでいた

しかし次に小咲の口から出たのは、千棘の予想と全く違う言葉だった。


小咲 「それは少し違うよ、千棘ちゃん。」


千棘 「え?」


小咲 「私ね、あの時一条君と結ばれたのが万里花ちゃんや羽さんだったら多分諦めずに頑張ったと思う………でも、千棘ちゃんだから良かったんだ。」


千棘 「え?私だから?それってどうゆう事?」


小咲 「私ね、5歳の時千棘ちゃんが天駆高原で私に本物の十字の鍵を譲ってくれた事を去年の夏に思い出して、私が千棘ちゃんに10年前……いや、13年前と同じ事を繰り返しちゃったと思ったんだ。

だから、一条君にフラれたのは悲しかったけど、それと同じくらい嬉しかったんだ。」

ニコッ


千棘 「小咲ちゃん……………」


千棘は感動して瞳には僅かに嬉し涙を浮かべていた


千棘 「ありがとう小咲ちゃん!私たちずっと友達だよ!」


小咲 「うん!私もそう思ってるよ!

これからもずっとよろしくね!」


第18話 完


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