第1巻 第100話 コドモノ
2017年9月23日(日) 夜
楽と千棘は天駆高原での楽にとっては2回目の、千棘にとっては始めてのザクシャ イン ラブを交わし、その思いがまだ永遠に続く自信は無くともこれから永遠になる様に努力して行こうと約束した後、天駆高原を降りてスペクトル凡矢理の自宅に戻っていた
705号室(楽と千棘が借りている部屋)
楽 「あーー、今日はホントにいい日だったなーー。」
千棘 「ふふ、そうね。私も楽とあの約束を出来たなんて今でもまだ信じれないな、ホント夢みたい。」
楽 「そうか。まあ俺が子供の頃あの結婚の約束をしたのは小野寺だったしな。」
千棘 「け………けけけ結婚!?」
楽 「?何だよ。だってあの約束は元々再会した時にまだお互いがその事を覚えていたら結婚しようって約束だろ?
何を今更?」
楽は千棘がそんなに驚いて動揺してる事に少しびっくりした
千棘 (そっかぁ………私は子供の頃、小咲ちゃんに取られた約束ってイメージだけが強く残ってたけど、万里花もそう言ってた。
ううん………そもそもその結婚の約束を楽のお母さんの絵本に基づいて考えたのは小さい頃の私と万里花だった)
千棘 (そうだよね。楽は小咲ちゃんより私を選んでくれて、こんな私の為に今、鶫と蒼也くんの訓練に耐えて強くなろうとしてくれてる。
なのに私が付き合うだけで結婚しなかったら、そんなの楽だけじゃなくて小咲ちゃんや万里花、羽(ユイ)さんにも悪いよね………)
楽 「……………千棘?」
ふぇっ!?
楽は千棘が余りにも長い間唇に手を当て黙り込んで考え込んでいたので、多少不思議に思い自分から話しかけた
楽 「どうしたんだよお前、いきなり黙り込んで?」
千棘 「え!?いや、何でも無いわよ。
そ……そうよね!あんたがこのまま星神やヤクザの二代目として力を入れて付けて行って、クロードに認めさせたら、私達、付き合うだけじゃなくて結婚もするわよね!?
そーよね!」
楽 「………何だよ、今まで忘れてたのかよ。
まあ、今から考えるには早すぎると俺も思ってたけど………」
千棘 「そんな事は………あ!」
千棘の頭の中には一瞬、ある疑問が頭をよぎった
千棘 「……………ねぇ楽、私達結婚したらその………子供も作るわよね?」
楽 「はぁ!?子供!?何だよいきなり………」
千棘 「なっ………!何でも無いわよ!でも、まだまだ先の事だって分かってても、私こんなんだから、上手く子育てとか出来るのかなぁって………」
楽 「それこそ今から考えても仕方がないだろ?まだ3年半以上も先の事なんだし………ん!?」
千棘 「?どうしたの楽?」
楽 「名前………」
千棘 「え?」
楽はiPhoneの辞書を使って、単語を調べ出した
数分後
千棘 「佰?変な漢字ね。」
楽 「ああ、親父が見せてくれたウチの集英組の百ヵ条の中にあったのを思い出したんだ。
意味は「百人の長」って意味だ。」
千棘 「百人の長?」
楽 「ああ、集英組の組員百人全員の人生と生活を預かる組長としての責任と使命なんだと。
だから親父はこの漢字がすごく好きだったんだ。」
千棘 「そうなんだ………」
楽 「もし俺が星神として力を付けて、集英組の二代目になってお前と結婚して子供が出来たら、男の子にはこの名前を付けようと思うんだ。
俺はつい数ヶ月前までヤクザの二代目を嫌がってたから、自分のガキにまでそんな重荷を強要したくはないが、少なくとも、自分の息子にも百人の人の気持ちを背負える奴になって欲しいんだ。」
千棘 「なるほど。いーんじゃない?
で、女の子だったらどーすんの?」
楽 「そうだなあ………
千棘 「あ!そうだ楽、女の子だった時の名前は私が考えるわよ。えーっとね………」
第1巻 第100話 完
あとがき
ちょうど100話という事で、後(のち)の楽と千棘の息子、佰の名前の由来を考えときました。
Wikipedia(ウィキペディア)で最初に佰(はく)の漢字を見た時、佰(ひゃく,びゃく)と読むと思っていたので。
ちなみに千棘が考えた女の子の方の名前は………しばらく後に書きます
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