第1巻 第71話 オオカジ
楽 「消えない炎?一体何なんだ?」
千棘 「よく分かんないけど、とにかく逃げた方がいいんじゃない?消えない炎なんて私達じゃあどうしようもないわ!」
シルフ 「いーや千棘、むしろあなた達にしかどうにかできないわよ。」
千棘 「あ!シルフ!」
シルフ 「火星の光を感じるわ。」
楽 「え?じゃあこの火災は火星属性の星獣が起こしてんのか?」
シルフ 「火星の光による炎は水性属性の技か星獣自体を倒さないと普通の水じゃあ消えないからね。それに………」
千棘 「それに?」
シルフ 「この火星の光、野生の星獣のモノとは思えないわ。」
楽 「え!?」
夜景喫茶 プラネカフェ
? 「ふーう、やっぱりここもダメか。
星の光を見ながら食事が出来るこの店なら沢山の星の光が集まるから、「アレ」もあるかと思ったんだが。」
楽 「あ!見つけたぞ。千棘、あの店だ!」
? 「!?星の光の気配?それも太陽と月の属性………」
ガチャンッ
楽と千棘はドアを開けて燃え盛る店の中に入った
? 「!」
楽 「な…何だよコレ………店全体に火星の炎が充満してて燃えてない部分が殆どねーじゃねーか!」
千棘 「ちょ、見てよ楽!」
楽 「あ?」
楽が店の奥に視線を移すと、そこには20代くらいの若い男が立っていた。
工事用のつなぎのような釣りパンを履いた赤に近い茶髪を長く伸ばした男だった
楽 「!あいつ、火星の星の光を感じる。
それも前に大学であったあの火星ネコってやつより遥かにつえーぞ!」
? 「……………お前ら、まさか太陽と月の星神なのか?太陽と月の光はお前らから感じるが………お前らみたいなガキが?」
千棘 「あんたこそ星神なの?ていうかこの店、あんたが燃やしたの?」
? 「………そうか、聞いた話ではこの地に居座る集英組の二代目が4〜5ヶ月前に18になり「覚醒」したらしいな。
お前の事か。
まさか日本に来てこんなに早く会うとは。」
楽 「お前、俺の事知ってるのか?」
? 「てことはそっちの女は桐崎千棘か、ビーハイブのボスの娘で集英組の二代目の許嫁の。」
千棘 「私の事まで?」
? 「まあいい………どうせあの2つの組織は俺たちが日本で「アレ」を探す上で邪魔でしか無い。
そこの二代目2人を若いうちに潰しておくか。」
スッ
楽・千棘 「!」
男は赤い星匣を取り出した
? 「火星焔蜥蜴(かせいほむらとかげ) マンダ」
ボシュウッ
マンダ 「お呼びですか、火向様。」
星匣から赤く光る巨大な燃えたトカゲが現れた
? 「俺の名は火向 翔也(ひむかい しょうや)。燃えてもらうぜ?」
ザッ
楽と千棘は星匣を出して身構えた
第71話 完
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