第1巻 第48話 シケンビ
2017年 6月も終わり7月に入り、大学は前期試験の時期になりそれが終われば2〜3ヶ月の夏休み
楽 「いこーぜ千棘、俺今日前期のテストで単位かかってんだ!」
千棘 「私ももうすぐLABの実技試験よ。」
行きの電車の中
千棘 「………今日は舞子君もるりちゃんも万里花もいないわね。」
楽 「宮本はこの前のスマホゲームの件で1ヶ月実家に戻って実家から通ってるから電車違うって、橘は来年から大学行くから今は予備校で時間帯バラバラ。」
千棘 「そうなんだ………」
千棘 「…………………………」
楽 「?どうした千棘?」
千棘 「ねぇ楽、今日は知り合いが誰も見てないから「アレ」やってよ。」
楽 「えっ?こんな電車の中でか?」
千棘 「いーじゃん!楽にアレをやって貰うとスッゴく気持ちいいんだもん!」
楽 「だからって、幾ら集たちがいなくてもこんな公共の電車の中でなぁ………」
千棘 「ダメ…………?」
ウルウル
千棘はやってくれないと今にも泣き出しそうな顔で楽を見上げていた
楽 「……………分かったよ。」
スッ
クイッ
千棘 「ひゃうっ」
楽は千棘の顎を右手の人差し指と親指でつまんだ
俗に言う「顎クイ」というやつだ
ナデナデ
千棘 「ん〜〜〜んん〜………」
そのまま楽は千棘の顎を親指で撫でた
千棘は満面の笑みで気持ち良さそうにした
ギュッ
楽 「わわっ!?」
千棘はそのまま楽を抱きしめた
楽 「おいお前、電車の中で………」
千棘 「だって、好きな人に触られると、やっぱりスッゴく気持ちいいんだもん………」
楽 「………………………….」
そして電車で登校し、凡矢理大学
楽 「ふーー、1年の前期はフル単欲しいよなー」
紅介 「アレ?君は………」
楽 「あ!お前、双神 紅介!」
紅介 「久しぶりだね。最近、俺と講義全然会わなかったからね。」
楽 「……………一言、お前に言っておきたいこと、いや………言わなきゃならない事がある。」
紅介 「ああ、蒼也が肩をケガした事?」
楽 「え?お前知ってんのか?」
紅介 「まあね。」
楽 「え?でも蒼也はお前とは別の組織に行ってからは連絡も全然してないって………」
紅介 「アレ?一条、君は双子座共鳴を知らないの?」
楽 「双子座共鳴?」
紅介 「ああ、双子が両方とも星神の時に現れる現象でね、お互いの身に起こってる事があたかも自分の身に起こってる事の様に分かるんだよ。」
楽 「そんな事が………」
紅介 「特に俺たちは一卵性双生児だからね。8割近い事が伝わってくるよ。
まあ、蒼也の右肩は気にすることは無いよ。
君の仲間の橘家の娘が治したんだろう?
天皇属性の星札で」
楽 「そんな事まで!?」
紅介 「君のことも蒼也との双子座共鳴を受けて大分把握してるよ。君、好きな女の子の為に強くなるんだろ?」
楽 「げっ!?」
紅介 「ああ、動揺しなくていいよ。
別にバカにする気は無いしむしろ共感するよ。
俺もそんな人いたからね。」
楽 「え?」
紅介 「ただ………裏世界の女を好きになるなら覚悟した方が良いよ。
じゃ無いと俺みたいに失って悲しむ事になるからね。」
楽 「え?どういう事だ?」
紅介 「これ以上は話す気は無い。
じゃあね。」
楽 「おい、待………」
シュンッ
一瞬視界を外した内に、紅介はさっきまでいた場所からいなくなっていた
また消えた………蒼也の兄貴、双神 紅介………あいつは一体………
第48話 完
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