2019-06-02 16:24:13 更新

2017年10月24(火) PM:14:00


中央大学 空き教室


集 「で、ここはこうであるからして………。」


るり 「集君、あなたの今日の模擬講義は終わりの時間よ。」


集 「あれ?もうそんな時間?

それでは皆さん、今日の俺の講義はここまで、

今日は手伝ってくれて、ありがとうございましたーー。」


学生A 「はーい。」


学生B 「いやー、舞子の講義って、

意外と分かりやすかったよな、

アレで最近、大学祭の出し物の1日教室の為に、模擬講義を始めたばっかなんだって?」


学生C 「流石、先生を目指してるだけあるよなーー。」


学生D 「舞子くん、また必要になったら、いつでも読んでよーー。」



ワイワイ ガヤガヤ………


パタン



集とるりは、この日の大学の講義が終わった後に、

中央大学の大学祭でやる出し物の、

「1日教室」の練習の為に、

大学の友人・知人を集めて、

空き教室で模擬講義を行っていた。



るり 「集くん、30分間の休憩の後、

今度は私の英語の模擬講義の番よ。」


集 「了解〜〜。

いやー、それにしても、

実際こうやって、先生の立場になって、

勉強を教えてみると、

教える側の大変さが、よーく分かるねーー。」


るり 「………なんだか生き生きとしてたわね。」


集 「え?」


るり 「いや、みんなに講義を教えてた時の、あなたの顔よ。」


集 「へーー、るりちゃんが俺の事をそんな真剣に見ててくれたんだ、嬉しいなーー。」


るり 「………当たり前でしょ。

彼氏なんだから。」


集 「おや?

るりちゃんが、俺にそんな事言うなんて、

めっちゃ意外だねーー。」


るり 「うるさいわね………。」


集 「………真剣に誰かに教えてるとね、

思い出すんだよ。」


るり 「………キョーコ先生の事?」


集 「………そうだよ。」


集 「みんなに勉強を教える。

キョーコ先生は、毎日こんな気持ちで俺たちに教えてくれてたんだなぁって………。」


るり 「………集君、

あなた、やっぱり今でもキョーコ先生の事、

忘れられないの?」


集 「ああ、まあね。

ただし………。」


るり 「ただし?」


集 「「憧れ」、としてね。」


るり 「!」


集 「高2の時に、キョーコ先生が結婚して、

寿退職(ことぶきたいしょく)した時から、

少しずつ経って思い始めたんだ。

俺の中にあった、キョーコ先生への「好き」は、「憧れ」、

楽で言う、小野寺への気持ちに近かったんだろうなって。」


るり 「………なるほどね。」


集 「………そして、

俺にとって、「身近」さも感じて、

一緒にいたいと思う本当の恋は………。」


るり 「……………。」


集 「るりちゃん、それはやっぱり君だよ!」


るり 「………良かったわ。

あなたの口からその言葉が聞けて、

でなければ、パンチを一発お見舞いしていたところよ。

………彼女としてね。」


集 「アハハ………。」


第1巻 第232話 完


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