一色いろはの波乱な誕生日3
いろはの誕生日を題材にしたssです。
シリーズ3作目
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八幡「おい!一色起きろ!」
いろは「ふえ?…あれ?せんぱい…」
おいおい寝起きでその反応出るか?あざとさが染み付いてやがる。こいつ、強い。
いろは「あ、あれ?寝てたの?わー!もうこんな時間!」
おうおう、素で慌てていらっしゃる。あまり見ない光景だ。
そして俺に対しての文句が出て来なかった。
いろは「しかも先輩私の寝顔見ましたね!?きもいですありえないですそういうのはとりあえずもっと親密な関係になって一緒に暮らすくらいになってからにしてくださいごめんなさいきもいです!ハアハア」
出てきたわ。なんかめっちゃ長いのがスラスラと。きもいって2回言いやがって。
八幡「お前がここで寝たんだろうが。起こさず帰らなかっただけありがたく思え。」
いろは「もしそんな事したら小町ちゃんもらいますので。」
八幡「絶対しない。約束する。」
当たり前だ。小町はやらん。
いろは「にしても先輩ヘタレですね。」
八幡「は?何でそんな話になる?」
いろは「だってこんなに可愛い可愛い子が薄暗くなった教室で寝てたら襲いたくなるんじゃないですか?」
八幡「ならねーよ。てかそう思うならこんなとこで寝るんじゃねぇ。」
いろは「仕方ないじゃないですか。眠たくなったんですから。」
八幡「ヘタレな俺で良かったな。他の奴だったらお前の言う通りだったかもしれないだろ。」
いろは「それ心配してくれてるんですか?」
八幡「あ、いや、別に。ただお前かわ…あざといから人気あるだろうし…」
やっべ俺何言ってんだろ。
いや、確かに生意気な言動行動の無い一色なら可愛いかもしれないよ?
寝顔見ちまったし。可愛かったけどさ、口に出したら終わりな気がする。
いろは「えっと…その…ごめんなさい。」
八幡「ああ…いや、別に怒ってるわけじゃ無いんだけどよ。」
いろは「はい…」
やっべ、なんか変な空気にしちまった。
どうすっかなー…取り敢えず時間遅くなったし帰らせるか。いや、帰ろう。帰りたい。
八幡「取り敢えず今日は帰れよ。もう遅い。」
いろは「え!?遊びに行ってくれないんですか?」
八幡「仕方ないだろ。悪いが…」
いろは「嫌です!今日行きます行きたいです!変に長い間引き止めたりしませんから!」
八幡「そうは言ってもな…今から何が出来るんだよ。飯は食うとしても遊べるか?」
いろは「仕方ないです。私が寝ちゃったのが悪いので我慢します。」
八幡「いやほら、別の日に…」
いろは「誕生日は今日だけです!」
八幡「分かった分かった。お前が良いならそれで良いよ…」
はぁ、帰りたかったな…小町に飯いらないって連絡しとこう。
何でそんなに今日にこだわるんだ?確かに誕生日は今日だけだが遊びに行くのはいつだって良いだろうに。
ましてや相手は俺だぞ?楽しくなかった誕生日ランキング上位に食い込む自信があるぞ。
ただ、俺はプレゼントを忘れた側って事になってるからな。あまり逆らえない。
遊びに付き合う時間が短くなったと考えておけば損って訳ではないか。
八幡「じゃあ行くか。飯は…」
いろは「サイゼ、ですよね?」
八幡「いいのか?」
いろは「先輩の奢りだったら選びますけど。私もそんなにお金無いので。」
なるほど。媚びる時は高い所、自腹なら安い所か。賢いがそれは口にするな。
八幡「じゃあ行きますか…」
いろは「はい!」
俺たちは教室を出た。
八幡「チャリ取ってくるから門で待ってろ。」
いろは「はーい。」
全く、寝ちまったせいでかなり日が落ちた。こんな時間から遊ぶとかリア充のエネルギーはどこから湧いてくるのか。
毎日ベラベラと無駄話をするエネルギーもよく分からん。
体内に核融合炉とか備えてんじゃないの?
まぁ小町が相手なら俺は鉄腕ア○ムにも引けを取らないパワーを発揮するが。
八幡「んじゃどこ行くんだ?今日は俺が決める必要ないよな?」
いろは「始めからやる気ないんですね。まぁ今日は私が行きたいとこ行きます。とりあえず駅の方行きましょう。」
八幡「了解、ほれ。」
片手を差し出す。
一色は一瞬「は?」という顔をしたが、すぐに分かったようでバッグを俺に渡した。
いろは「相変わらずあざといですね。」
八幡「やだなぁ、素に決まってるじゃないですか〜。」
いろは「キモ懐かしいですね。」
キモ懐かしいって何だよ。キモかわとかあるけどキモいと懐かしいに何の関係があるのか。
いろは「さっさと行きましょ。」
俺を置いてさっさと歩いて行く。
相変わらず年上の扱いがなってない。普段の態度もだが誕プレがどうとか完全にナメている。
いやまぁ正確に言うと俺が年上として扱われていないだけなのだが。
取り敢えず一色の後を早足で追う。
波乱がどうとかフラグを建てた記憶があるが、実際この後輩にどれだけ振り回されるのか、恐ろしい時間が今始まる!
次回、比企谷死す!
いやいや、死んでたまるか。
しかしまぁこの後輩も変わっている。俺なんかと一緒にいて一体何がしたいのか。
せっかく葉山に会ったってのに。
あいつなら俺を教室に待たせておきながら勝手に葉山とどっかいく可能性すらあると思ってたんだがな。
一色の後ろ姿を眺めつつ、自分には全く理解できない行動に困惑する。
まぁ理解しようとする方が馬鹿な話だ。
俺はこいつの事を表面的にしか知らないのだから。マインドコントロール出来るほどの実力者なら話は違うが。
あいにくこいつは人に操られるような器じゃなさそうだが。なんなら俺が操られてるまである。
とりあえず今日はこいつに流されてやろう。
いつもなんだかんだで流されている事を棚に上げている。
考えてみればこいつといた時間は意外と長い。
全く、いつも世話してやってるのはこっちだってのに誕生日がどうとかで結局付き合わされてしまう。
こいつが小町に似てるから?
それとも奉仕部で一色の手伝いをさせられているせいでもはや断る事を諦めてるのか。
まぁ何にせよまた付き合ってしまった以上はやれる事はやってみよう。
それで楽しめるかどうかは一色次第って事で。
そして小町と遊びに行く時の参考にしよう。
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