「服が無い!?」
被弾し、中破した白露たちに思わぬ事態が・・・
季節は冬、鎮守府も新海域やイベント海域での戦闘が続く中、
「旗艦白露、無事帰還したよ!」
出撃から無事帰還する白露たち・・・負傷は中破が3人、小破が2人だ。
「すぐお風呂に直行だぁ~!」
そう言って、ボロボロになった服をいつものようにゴミ箱に入れて入渠する白露たち。
「これで、金剛さんたちのための道を開けたね!」
今回の出撃海域は戦艦・空母たちのための敵前衛部隊の殲滅だった。
「何度も出撃して、今日でやっと全滅! あ~っ、マジできつかったぁ!」
何度も「あ~っ」と叫ぶ白露。
「白露・・・何だかおじさんみたいっぽい~。」
「本当に・・・もっとお姉さんらしく振る舞ってよ。」
夕立と時雨はお姉さんの態度を見て呆れる。
「何よ! 疲れたんだから多少のことぐらい大目に見てよね!」
不機嫌になりつつも、再びおじさんみたく、ぐうたらする白露。
・・・・・・
入渠が終わり、白露たちは出ようとするが、
「あれ? 服が置いてない?」
いつもなら札を置いておけば服が支給されるのだが、何故か置いていない。
「僕の服も無い。」
「夕立も・・・無いっぽい~。」
白露たちは悩んだ挙句、
「もしもし・・・あの~、あたしたちの服が置いてないんだけど?」
白露の言葉に思いもよらぬ返答が、
「!? ちょっ!? マジで! それは困るんだけど!!」
白露は驚き、相手に向かって何度も叫ぶが、
「あっ!?・・・切れちゃった。」
切れた受話器を持って立ちすくむ白露に、
「白露、どうしたのさ?」
時雨たちが心配になって聞くと、
「あたしたちの・・・」
「? 僕たちの?」
「あたしたちの・・・服が無いんだって!!」
・・・・・・
度重なる出撃、敵との激戦で中大破を繰り返し、その度に入渠・・・
バケツ(高速修復材)は遠征で地道に備蓄していたため、不足にはならなかったが、
中大破で損傷する艦娘たちの服が、急遽不足になってしまったらしい。
「ちょっと! 服が無いってどう言う事!?」
辛うじて部屋に保管してあった予備の夏服を着て入渠場から出られた白露たち。
「と言うか、今は冬なんだからこの格好だと寒過ぎて・・・早く冬服を支給して欲しいんだけど!」
白露の言い分に、
「すぐに支給したいところだが・・・当面は無理だ。」
提督から放たれる残酷な一言。
「今、服を仕上げる際に必要な布や綿が不足している上に、裁縫者が足りず実質人手不足なんだ。
度重なる出撃で中大破を繰り返し、それで道を開いてくれた君たちには大変申し訳ないが・・・」
結局白露の意見は通らず、「しばらく待ってくれ」と言われる始末。
「まぁ、一度も被弾しない自信があるならその恰好で出撃してもいいけど?」とまで言われ、
「そんな事無理だよ!」と訴えた後、止む無く部屋に引き籠る白露。
時雨と夕立も予備に支給された夏服を着て当面の間、部屋に籠ることになった。
・・・・・・
例に漏れず、海風と江風も白露たちと同様に度重なる被弾によって服の在庫が無い事態に・・・
「困った、江風は夏服でさえ持ってないや。」
「じゃ、じゃあ私ので良ければ貸してあげますよ?」
運よく海風が夏服を2着持っていたため、江風に渡そうとする。
「? どうしたの、江風?」
海風の問いに、
「いや、海風の姉貴のサイズじゃあ江風は大き過ぎる気が・・・」
2人を見て分かるように、海風は胸部装甲が豊満であるのに対し、江風は・・・(お察し)
それでも、布1枚では寒かったので渋々海風の服を着ることにした江風。
「ほらやっぱり・・・あそこが無い分ぶかぶかなんだよぁ~。」
江風は不満そうに語る。
服が支給されず、1週間が経過するも未だに支給の目途が立たない。
と言うのも、白露型・改白露型の服は特注品らしく、姉妹艦が多い割に服装が複数必要なため、
他の姉妹艦と比べると遥かに値が張るらしい。
その状態で生地の不足と裁縫者の人手不足、改善の目途は一向に立たなかった。
・・・・・・
「服が無くて出撃できないのは珍しい事態ね~。」
店に来た白露の悩みを聞いた村雨が苦笑いをする。
「夕立や海風に貸して貰えないの?」
「う~ん、夕立はともかく海風は服装がそもそも違うじゃん。 それに服って着る人間の体格に合わせて
作られるでしょ? 身長や胸部の違いで着られなかったり、ぶかぶかだったり、きつかったりで大変だよ。」
「まぁ、そうよね。」
しばし考える2人だが、
「ごめんなさい、私では力になれないわ。」
村雨は謝るが、
「別にいいよ、そもそもあたしたちがどうにかできるレベルじゃないからね!」
白露はその後も少し会話した後、鎮守府へと戻って行った。
「ほほぅ、服が無いねぇ・・・」
出張から帰って来た提督と村雨が夕食を食べながら会話をしていた。
「そうなんですよ、おかげで白露たちが部屋に保管しておいた予備の夏服で何とか生活しているそうなんです。」
「夏服? 今の季節は冬だぞ?」
「はい、ですから皆「寒いよぉ」と嘆いていました。」
そう言いつつ、村雨は提督をじっと見つめる。
「・・・何じっと見つめているのかな?」
提督の問いに、
「いえ、提督の事ですから何とかしてくれるんじゃないかなぁ~っと思いまして。」
「・・・何とかしようにも、白露たちの専用服を一体どうやって探せと?」
「それは提督の得意な分野ではないですか?」
「・・・・・・」
村雨は何かしら提督に期待を寄せている・・・と言うのも、今に至るまで提督にお願いして
達成できなかったことは”一度もない”からだ。
「はぁ~、村雨が頼むのであれば断るわけにも行くまい。 まぁ出来る範囲の事はしてみるよ。」
「はい、お願いします提督♪」
「難題なお願いを頼まれたなぁ」と思いながら、明日に向けての準備を始める。
・・・・・・
翌日、
「では行って来る、帰りは昼以降になるかな。」
「分かりました~、良い知らせを期待していますからね~♪」
「ははは・・・責任重大だなこれは。」
そう言って、店の外に出た提督。
昼になっても提督は帰って来ず、代わりに白露が遊びに来ていた。
「提督があたしの服を探しに行ってるって?」
「うん、「出来る範囲で探してみる」と言ってたわ。」
「ふ~ん。」
白露は反応は微妙と言うか、むしろ心配そうな顔をする。
「? どうしたの、そんな顔をして?」
「いやぁ~、探してくれるのは嬉しいけど女の子の服じゃん? 男の人が探して来るって言ったら、
どこかのコスプレ衣装とか想像しちゃって・・・」
白露の言い分に、
「あのね、提督がわざわざ白露たちが不憫だと思って探して来てくれているの、それをコスプレだからとか
男が探しに行くから抵抗があるって言うなら、諦めてさっさと帰れば?」
村雨が鬼の形相をして、
「じょ、冗談だって・・・ごめん。」
村雨は怒らせると怖い、それを知っている白露は素直に謝る。
・・・・・・
夕方になり、
「ただいま~。 おっ、白露か。」
「おかえりなさい、提督♪」
「提督おかえり~。」
提督が大きな袋を抱えていて、
「何その袋? もしかしてあたしにお土産?」
「ああ、白露に土産だ。」
そう言って、提督は袋から何かを出す、
「何とか見つけたぞ。 白露の服を5着・・・これで出撃が出来るだろう?」
目の前に白露がいつも着る服を出した。
「・・・・・・」
白露は何と言うか・・・とても微妙な反応だ。
「? どうした、そんな嬉しくない顔をして?」
提督の言い分に、
「すんすん・・・ガサゴソ・・・ぱんぱん。」
何故か服を嗅いだり、触ったり叩いたりする白露。
「白露、いい加減にしなさいよ?」
後ろで村雨が今にも爆発しそうな表情で睨みつけ、
「!? う、うん。確かにあたしの服、だね。 提督ありがとね~!」
白露は服を持って店からそそくさと出て行った。
「どうしたんだ、白露は?」
提督の質問に、
「分かりません、何がしたかったのでしょう・・・」
村雨は顔をそらしてごまかした。
・・・・・・
「よぉし! お姉ちゃん、見事に復活だよ!」
白露が着替えて時雨たちに披露する。
「あれ、服どうしたの?」
「夕立の服は~? 白露だけずるいっぽい~。」
姉妹艦たちは不満げである。
「提督に頼んで支給して貰っちゃった♪」
「提督? 村雨の姉貴の旦那かい?」
「うん、そうだよ。」
白露は披露した後、工廠場へと向かう。
村雨の店に時雨たちが来たことは言うまでもなく、
「う~ん、いきなり3人来ても困るんだけどな~。」
昨日は白露1人だったのに対して、今回は3人(時雨・夕立・江風)。
流石の提督も頭を抱える。
「急で申し訳ないけど。1着あればいいんだ、何とか探せないかな?」
「提督さん、夕立もこの格好じゃ寒くて風邪引くっぽい~!」
「提督、江風の服も探して来てくれよ!」
3人が「どうしても!」と強調するので、
「分かった分かった、最低でも1着は探してくるよ。」
そう言って、提督はまた外出をする。
・・・・・・
「提督さん、遅いっぽい~。」
提督が外出してから、ずいぶん時間が経ち、
「仕方がないよ、僕たちが無理言ったんだから・・・」
「でも、待つのは暇だし、提督が戻ったらまた来て受け取ればいいじゃん?」
江風の意見に賛同する2人、そこに、
「じゃあ店の仕事を手伝ってくれない?」
村雨がその場に居合わせ、
「仕事を手伝ってって・・・何で江風たちが?」
江風の質問に村雨は若干苛立ち、
「あのね、提督は江風たちのために服を探しに外出している訳でしょ?」
「? うん、そうだけど?」
「提督が店を空けてるって事は”店の人手が減る”って言う事だけど・・・それは分かっているわよね?」
「・・・・・・」
「それなのに、3人はただ提督が帰ってくるのを待っているだけなんて、私から言わせれば白露同様に
”あなた達何様のつもり?”って言いたいんだけど?」
村雨の少し怒った表情に恐れを成す3人、
「私の言いたい事、分かったかしら?」
村雨の笑顔に、
「た、確かにそうだね、じゃあ僕は調理を手伝おうかな。」
時雨はカウンターに入る。
「か、江風も・・・皿洗い位は出来るし。」
江風はスポンジに洗剤を付けて洗い出す。
「ぽ、ぽい~・・・ゆ、夕立は何をすれば?」
出来る事がない夕立に対して、
「夕立はそうねぇ~・・・外に出て客寄せでもして貰おうかしら?」
・・・・・・
「いらっしゃいませっぽい~♪ ただいま、お安くなっていますっぽい~♪」
夕立に犬っぽい装飾をして看板を持たせたところ、客がたくさん来店するの大賑わい。
「ふふ、夕立は可愛い要素があるから、客寄せにはうってつけよね~♪」
店内は満員で、客からの注文が殺到する。
「ほら、時雨に江風! もっときびきび動いて! 2人にはもっと働いてもらわないと!」
服を貰う条件として働いている時雨と江風・・・だが、こんなにも忙しいとは2人には想像もつかなかった。
「わ、分かったよ・・・」
「ううっ、江風・・・鎮守府に帰りたい。」
弱音を見せる2人、しかし、村雨を怒らせるほうがよっぽど怖いため、2人は渋々働き続ける。
・・・・・・
夕方、客足が衰えしばしの休憩時間を取る。
「あ~、もう疲れたよぉ~。」
江風は疲れ果てて、畳に寝掛かる。
「僕も、ふぅ~・・・提督と村雨は毎日こんな感じなの?」
時雨の言葉に、
「毎日ってわけじゃないけど、いつも2人で回っているわね。」
「そう、2人は凄いね。」
提督と村雨の偉大さを実感する時雨と江風。
「ただいま~。」
待ち人来たる、
「おかえりなさい~♪」
提督の手には大きめの袋を所持していて、
「何とか見つけたぞ、3人の服。」
そう言って、袋から3人分の服を2セット取り出し1人ずつ渡して行く。
「あ、ありがとう提督!!」
時雨たちは喜ぶ、
「それにしても・・・よくあたしたちの服を見つけられたよね?」
江風が疑問に思うも、
「うん、それは企業秘密だ(笑)」
結局提督は教えてくれなかったが、”これで出撃が出来る!”と意気込んで3人は鎮守府に戻って行った。
・・・・・・
「う~ん。」
鎮守府に戻ると、白露が何故かスマホをいじりながら難しい顔をしていて、
「どうしたのさ白露?」
時雨の質問に、
「あ、時雨おかえり・・・ちょっと服屋を検索していてさ。」
白露は持っているスマホを見せると、複数の服屋や裁縫に関する検索結果が表示されていて、
「それで、一体何を調べたかったの?」
「提督があたしたちの服を見つけてくれたじゃん。」
「? うん、そうだね。」
「どこで手に入れたのかスマホで検索したんだけど・・・どこを探しても、”白露型の服は売られていない”って出るの。」
「・・・・・・」
「じゃあ、提督は一体どこで入手したのかなぁ~ってね。」
確かに謎ではあるが、
「でも、結果的に服が見つかって、提督のおかげでまた出撃が出来るんだから、余計な詮索はしなくていいんじゃない?」
時雨の言い分に、
「そうだよねぇ~、でもちょっと気になってさぁ。」
その後、いくら検索しても見つからず、素直に諦める白露。
・・・・・・
「提督、申し訳ないのですが・・・」
今度は海風が来店、恒例の”服が欲しい”との要望を受ける。
「いいよ、海風の服は・・・っと。」
提督が何故かノートらしき物を取り出し、確認し始める。
「海風、海風っと・・・うん、これなら早く出来るな。」
「??? 早く出来る、ですか?」
提督の言っている事がよく分からない海風。
「うん、1時間あれば充分かな。」
そう言って、提督は「外出する」と言って、店から出る。
・・・・・・
「・・・・・・」
提督の言った事がとても気になり、後を付ける海風。
「あれ? ここって。」
提督が入って行った場所は、明石がいる工廠場・・・しかし、何故か裏口から入っていく提督。
「あら提督! もしかして、また頼まれたのですか?」
「ああ、明石、悪いけどまた・・・」
「構いませんよ、今は誰も使っていませんので、好きなだけ使ってください!」
明石と軽い会話をして用意された個室へと入っていく提督。
「・・・・・・」
海風は明石にも気づかれないように、個室の中をそっと覗く。
「・・・・・・」
海風が見た物、それは、
提督が本を見ながら、ミシンで服の材料となる布を織っている光景。
「ああ、そうだったんですか。」
海風はそこで気づく。
白露はいくら検索しても見つからなかった・・・見つからないはずである。
提督は”服を買って来た”のではなく、皆の服を提督の手で”地道に仕上げていた”のである。
「・・・・・・」
海風は一部始終を確認した後、店に戻る。
・・・・・・
「ただいま~。」
提督が店に戻って来て、
「ほら、海風。 予定より数分過ぎてしまったが、何とか海風の服を用意できたよ。」
そう言って、服を渡される。
「あ、ありがとうございます!」
海風は喜んで服を受け取る。
「受け取ったばかりですいません、江風が待っていますので海風はこれで失礼しますね!」
そう言って、海風は店から出て行く。
鎮守府に戻り、海風は早速服を着る。
「・・・ふぅ~、これで寒くないですね。」
海風は安心し、
「提督が仕上げてくれた海風の服・・・提督、大切にしますね。」
そう思いつつ遠征に向かうため、準備を始める海風。
・・・・・・
白露たちの服が無くなる騒動から約1か月後、
不足がちだった布や綿の目途が立ち、人員も追加されたことで、
服の見通しが立ち、通常通り入渠時に支給されるようになった。
「服が無い!?」 終
岩屋毅(大分県別府市出身)
新・防衛大臣
就任早々『旭日旗🇯🇵🎌🗾』問題
早くも正念場
💀韓◆国💀に屈したら『政治生命』が終わる。
河野統幕長(海、神奈川県出身)
村川海幕長(神奈川県出身)
山下自衛艦隊司令官(熊本県出身)
この三者も同様である。
💀韓◆国💀に屈したら『海軍軍人』として終わる。
艦娘全員が怒り狂い、化けて出てくる。
NHKニュース(10月5日(金)1510)
日本🇯🇵🎌🗾政府
💀韓◆国💀『済州島』で開催される『国際観艦式』
海上自衛隊護衛艦は不参加の方針
妥当な結論
但し『問題の先送り』であり、いずれまた、火を吹く。