「サラトガ、再び!」
サラの誘いを断り続ける提督にサラが再び何かをする!?
参考までにキャラ紹介。
提督:普段が真面目なため、色気や夜伽などに全く興味が無い。
提督が求める理想の艦娘は「オレの背中を預けられる艦娘。」
霧島:提督の秘書艦で唯一の理解者。
村雨:提督の事が好きな駆逐艦の女の子、駆逐艦だからと言って侮るなかれ。
ビスマルク:ドイツが誇る戦艦(らしい)。戦艦アイオワとは飲み仲間。
サラトガが何かやろうとする度に飲みに誘って妨害する。
アイオワ:アメリカの戦艦、ビスマルクとは飲み仲間で、サラトガとは同じ国同士の仲間。
サラトガ:提督に恋する正規空母の艦娘、よく提督に色気で誘うがことごとく断られる。
蒼龍:鎮守府最強の空母。
大鳳:鎮守府2番目の実力を持つ装甲空母。
「提督は相変わらずお堅いですね。」
ふぅ~っとため息をつきながらサラは下を向く。
「また夜のお誘い? あなたもいい加減諦めたら?」
ビスマルクが呆れながら言う。
「・・・と言うか、サラトガ・・・あなたそんなに性欲強かったっけ?」
側で不思議に思いながらつまみを食べるアイオワ。
「いえ、そんなわけじゃないけど・・・」
「じゃあどうして?」
「何と言うか・・・提督と話していると胸が熱くなるのよね。」
「ああ~・・・それって提督に惚れているんだわ。」
2人は納得する。
「諦めなさい、 提督には霧島って言う「他の女」がいるんだから・・・いくらサラが背伸びしたって無駄無駄。」
「・・・・・・」
その言葉にカチンと来たのか・・・
「私が霧島さんより劣っていると!? 私のこの優雅で洗練されたボディ・・・霧島さんに負けるわけないでしょ!」
「・・・・・・」
あ~これはスイッチ入っちゃったな・・・と思った2人。
「まぁ、やるだけやって見なさい! 多分無理でしょうけど。」
「ええ、やってみますとも! 絶対提督の夜を! 私がいただきますわ!」
そう言ってサラは部屋から出て行った。
「これでよかったのかしろ?」
今になってビスマルクが心配するが、
「いいのいいの! 何か楽しくなってきたじゃない!」
隣で酒を飲みながらゲラゲラ笑っているアイオワだった。
・・・・・・
「提督!」
サラが執務室の扉を勢いよく開けて、
「・・・どうしたサラ? そんな慌てて?」
サラは何も言わず提督の前に立ち・・・言った。
「今夜私とお付き合い願いますか!」
「・・・・・・」
またか・・・と思った提督・・・それ以上に・・・
「サラトガさん・・・何を言っているのですか?」
よりによって秘書艦の霧島がいる目の前で・・・
「もう一度言いますよ! 今夜・・・私と・・・夜伽してください!」
「・・・・・・」
霧島は呆れていて、且つ提督の答えは、
「断る・・・今夜は忙しいんだ。」
きっぱりと断った。
「どうしてですか? 霧島さんの方がいいんですか? 私の方が遥かにスタイルいいじゃないですか!」
「サラトガさん・・・それはどういう意味でしょう?」
少しムッとした霧島がサラに近寄る。
「あら、いたんですね・・・いないと思ってつい・・・」
いかにもわざとらしい態度に霧島も怒って、
「執務外なら何の文句は言いませんが、今はまだ仕事中ですよ! サラさん! あなたがやっていることはただの妨害ですよ!」
「あら・・・もしかして、私に嫉妬しているんですか、霧島さん?」
「何ですって?」
「私に負けているからそんな怒り口調で私に責め寄っているんですか~?」
「・・・・・・」
明らかに酔っているのがわかるが、今の態度にはさすがの霧島も我慢できずに・・・
「廊下に出ましょうか? 少し精魂叩き直してあげましょうかね。」
「いや~ん、霧島さんこわ~い!」
すぐにでも拳が飛びそうなところで、
「霧島、これから出撃だ。 そんな酔っ払い放っておいて準備しろ!」
「・・・わかりました。 では、霧島・・・これより深夜出撃にて司令を護衛します!」
掴みかかっていたサラを放して霧島は出撃場まで歩いていく。
「深夜出撃ぃ~? 面白そう~・・・私も行きます!」
サラも霧島の後に着いて行った。
・・・・・・
「・・・それで? サラも付いてきてしまったわけか?」
「はい、申し訳ありません・・・私の説得不足です。」
「やれやれ・・・とんだ足手まといが来たもんだ。」
と、提督はため息をついた。
「さぁ、提督と霧島さん・・・そして私、サラが深夜に出撃へレッツゴー!」
3人は出撃した。
・・・・・・
「♪~」
2人の後ろにサラがフラフラな足取りでついてくる。
「あいつ、そろそろ眠りそうだぞ?」
「ええ・・・このまま放っておいて帰りましょうかね?」
「正規空母サラトガ~・・・抜錨! ・・・致し・・・ま~す♪」
完全に出来上がってしまったようで、進むたびに大声を上げる。
「おいおい、あれでは敵を引き付けてしまうぞ。」
「・・・静かにさせましょうか? 一発ガツンとかましてあげれば。」
「・・・頭脳派のお前が暴力で解決しようとするとは・・・新しい一面を見つけた気が・・・」
そう言っているうちに・・・
「・・・敵を確認! 駆逐艦多数に軽巡・重巡が複数・・・さっさと終わらせて帰るぞ!」
「了解!」
2人は戦闘を開始した。
・・・・・・
「ほぼ片付けたか。」
「はい、後は駆逐艦のみですね!」
残存部隊を探していると・・・
「!? おい、まずい! サラのところに行ったぞ!」
「今の彼女では応戦はおろか、夜戦すらできませんよ!」
「・・・・・・」
容赦なくサラに詰め寄る駆逐艦たち・・・
「・・・・・・」
サラの目の前に駆逐艦たちが近づいたところで、
「・・・何? 敵?」
さっきまで酔いつぶれていたのが一転して立ち上がり・・・
「あなたたちのせいで・・・あんたたちのせいで・・・」
サラは急に怒り出し、
「提督との夜伽が出来なくなっちゃったじゃないの!」
そう言って、持っていた飛行甲板で駆逐艦たちを殴り倒した。
ドゴッ!! バキッ!! グシャッ!!
「今頃ベッドの上でいいムードになっていたのに! どうしてくれるのよ! 責任取りなさいよ!!」
と、ことごとく甲板で敵を沈めていくサラ。
「・・・・・・」
2人はその光景を見つめ・・・
「おい、あいつ甲板で敵を粉砕しているぞ?」
「へぇ~甲板ってあんな使い方があるんですね。」 ←ありませんw
バキッ!! ドゴォッ!! グシャッ!!
「もう終わり? 正規空母サラトガ様の力、見せてあげるわよ!」
サラが叫ぶころには敵は既にいなく・・・
「敵殲滅? よし~・・・サラ~頑張りました~・・・zzz~」
その場で寝てしまった。
「やれやれ・・・散々叫んで暴れた後はいつもの爆睡か・・・」
サラを抱えると提督は鎮守府へと戻った。
・・・・・・
「う~ん・・・」
サラが目を覚まして・・・
「・・・いたたた・・・昨日私何をしていたんだっけ?」
記憶が無いのか昨日の出来事を思い出せないサラ。
「・・・・・・」
サラが隣を見るとそこには・・・
「霧島さん?」
横で霧島がまだ寝ていて・・・しかも、裸!!
「もしかして・・・もしかして・・・」
サラは考えて・・・
「私・・・霧島さんと・・・寝ちゃった(夜伽した)!!?」
状況から判断して、
「どうしよう・・・事もあろうに提督とじゃなく同性の霧島さんと・・・」
サラは混乱する。
「どうしましょう・・・ああ・・・どうしよう。」
何とか落ち着かせて・・・
「と、とりあえず早く着替えて・・・部屋から出ないと・・・」
布団からゆっくり出て・・・側に置いてあった服を早々に着て・・・ゆっくりとした足取りで・・・部屋を出た。
・・・・・・
「司令、おはようございます!」
「おはよう、霧島・・・それで、サラは?」
「私が目覚めた時にはもういませんでしたが・・・」
「そうか・・・それよりすまなかったな。」
「いえいえ。」
「酔いつぶれたサラを執務室で寝かせるわけにもいかず、霧島の部屋に連れて行ってもらって。」
「別に、気にしてませんよ・・・ただ昨日は・・・」
「ん?」
「お恥ずかしながら・・・昨夜の気温が高かったので、服を脱いだまま寝てしまいました。」
「まぁ、それは構わないだろう?」
「それが・・・サラさんは酔いが覚めていないのか、布団に入る前に勝手に全裸になって入りまして・・・」
「ほぅ・・・それで?」
「サラさんが去った後、着替えをしていたら・・・何と私の下着を間違えて履いて行ったようで・・・(恥)」
「なるほど・・・それは災難だったな。」
「替えはありましたので、それを履いていますが・・・」
「つまり部屋にはサラの下着が置いたままなのね?」
「・・・はい。」
「ははは・・・それは傑作だなぁw」
提督は笑っていた。
・・・・・・
「サラトガ、どうだった? 提督とできた~?」
アイオワが直球で質問してきた。
「・・・・・・」
「あ~・・・その様子じゃ、また断られたのね・・・いい加減諦めたらいいわ。」
「・・・・・・」
「? そんなに落ち込んでどうしたの?」
「・・・・・・」
言えない・・・私がレズだったなんて・・・到底言えない!
どうやら霧島が裸だったことで、昨晩霧島とやってしまったと勘違いしているサラ・・・
「それに・・・どうしよう・・・」
どうやら霧島の下着を誤って履いてしまったのも気づいたようだ・・・
「サラトガ? 何? 気分悪いの?」
「えっ!? いや・・・別に・・・普通通りよ!」
「・・・顔が赤いわよ! 熱でもあるんじゃない?」
「・・・・・・」
霧島さんとやってしまった挙句に、霧島さんの下着を履いてきてしまったのだから、恥ずかしいのよ!
「まぁ、無理はしない事ね! 今日は休日でしょ? ゆっくり体を休めることね!」
「そうするわ・・・」
「じゃあ私は出撃だから、失礼するね。 バ~イ♪」
そう言ってアイオワが部屋から出て行った。
「ふぅ~・・・何とかごまかせたわ。」
次にやること・・・それはもちろん・・・
「私の下着を取り戻す!」
サラは霧島の部屋に向かった。
「ああ・・・鍵が掛かってる・・・そんなの反則よ!」
残念なことに霧島の部屋の扉には鍵がしっかりと掛かっていた。
「え~っと・・・今日霧島さんは・・・秘書艦だったわね?」
サラは執務室に向かった。
「何て言えばいいかしら・・・」
素直に「下着を返して」と言えばいいのかしら? でも、側には提督が仕事をしているし・・・
「・・・・・・」
悩んでも仕方ないわね・・・こうなったらヤケクソよ!
サラは執務室の扉を勢いよく開けた。
・・・・・・
「霧島さん!」
「な、何でしょう?」
名前を呼ばれ、驚く霧島。
「昨日の事なんですけど・・・」
「・・・ああ、わかりました。 これですよね?」
と、霧島はサラに紙袋を渡す。
「? これは?」
サラの問いに霧島はそっと耳元で、
「サラさんの下着ですよw」
「!?」
途端に真っ赤になるサラトガ。
「し、知っていたんですね・・・」
「ええ、着替えの時に気付きましたよ。」
「・・・それで・・・」
「はい、何でしょう?」
「昨晩は私・・・霧島さんと一緒に寝てしまいましたか?」
「・・・もちろん、一緒に寝ましたよ。」
「!?」
あああ・・・やっぱり私・・・霧島さんと夜の営みを・・・
「すいません・・・飲み過ぎで記憶がなくて・・・具体的にどんなことをしましたか?」
未だに信じられなく、霧島に尋ねるサラトガ。
「そうですね~・・・確か・・・」
霧島は昨日の夜の事を詳しく話した。
「寝る前にサラさんがいきなり全裸になって布団に入り込み・・・」
「・・・・・・」
「私に「カモーン」と挑発みたいな台詞を言った後、私も就寝。」
「・・・・・・」
「私もその後(気温が高かったから)服を脱ぎ・・・そのまま布団で寝ましたね。」
「そ、それで・・・行為はしました?」
「? 行為?」
「はい・・・言わなくてもわかりますよね?」
「・・・・・・」
もしかして・・・サラさん・・・私と夜伽したと勘違いしてる?
「・・・・・・」
恥ずかしそうに掌を合わせながら、「何もありませんでした」の答えを待っているような態度だったので・・・
少し懲らしめとして、演技しましょうかね・・・と思った霧島。
「そうですね・・・ありましたよ、行為。」
「ぐ、具体的には何をしたんです、私は?」
「私に抱き着いてきて、そのままあっちこっちさわさわしてきて・・・」
「・・・・・・」
「挙句にキスしてきましたよ! 結構本格的にw」
「・・・・・・」
「後は・・・サラさんの知っている通りの夜伽です・・・よ・と・ぎ。」
「・・・グスッ。」
サラは泣きだし・・・
「あああ~!! やっぱり私やってしまったのね!! 私の本命が女なんて・・・もう死にたい!!」
そう言って泣き叫びながら執務室から出て行った。
「あ!? ちょっと待ってください! サラトガさん!」
演技をまともに信じて出て行ったサラトガを追う霧島。
「・・・やっと静かになったか。」
提督は相変わらずのんきでそのまま仕事に取り掛かった。
・・・サラトガの勘違いが解けたのは、それから1週間後の事だった。
・・・・・・
「まさか「気温が高かったから脱いでいた」なんて・・・それは間違えますよね・・・」
サラはほっとしたのか、
「でも、よかった。 「何事もなかった」で・・・」
自分がレズじゃないことに一安心したサラ。
「おっといけない・・・これを持って行って・・・今度こそ提督と念願の夜の営みを・・・」
何故か想像しながらにやけるサラ、彼女が手に持っている物は・・・
MVPメダル
この鎮守府では、MVPを何度か取ると褒美として「MVPメダル」を貰える。
メダル自体は何の効果を持たないが、これを提督に渡すことで「実現不可能な事以外なら何でも願いを叶えて貰える」特典がある。
もちろん1度につき1回だが、またMVPを取り続ければ、何度でもメダルを貰えるので、上手くいけば月に数回は
願いを叶えて貰えることも可能である。
「実現不可能な事以外なら何でもなんですよね? だったら・・・」
サラの願いは当然・・・夜のお楽しみ♪
「こんな近道があったなんて・・・知っていたら毎月MVP取っていたのに~・・・」
サラが持っているメダルは1枚、それを持って執務室に向かっている所だ。
「これさえ見せれば、霧島さんも文句は言わないはず・・・堂々と言って見事やってみせるんだから~!」
執務室に着いて・・・
「失礼します!」
サラが執務室に入った・・・しかし、今日の秘書艦は霧島ではなく、駆逐艦の村雨だった。
「あら、村雨ちゃんおはよう・・・霧島さんは?」
「霧島さんは今日はお休みですよ。 なので、今日の秘書艦は私がやっています。」
「そうですか・・・ご苦労様です。」
村雨との軽い挨拶を終えて、提督に近づく。
「実は提督にお願いがあってきました。」
「ふむ・・・何だ?」
「それは・・・」
サラが言おうとしたところで、横から村雨が入って来て・・・
「提督、村雨のお願い・・・聞いてくれる?」
サラが言う前に村雨が先に言ってしまった。
「あ、サラトガさん何か言おうとしてましたよね? どうぞ。」
「・・・いえ、お先にどうぞ、 大した用事ではないので。」
少しムッとしつつ「駆逐艦なんだから仕方ないか」と気にしないサラ・・・
「では・・・このメダルを消費して・・・お願いをします。」
そう言ってポケットからMVPメダルを出す村雨・・・
「・・・・・・」
あらこの子・・・MVPメダル持っているなんて・・・侮れないわね。
「駆逐艦のお願いかぁ・・・」
サラが予想する。
駆逐艦(子供)のお願いだから・・・「おこずかい下さい」とか「旅行に行きたい」とかかな~・・・
しかし、サラの思っていた想像とはかけ離れて・・・
「海の底の風景を見て見たいです。」
「・・・・・・」
海の底・・・なるほど、それは思いつきませんでした。
確かに、私も海の底なんて見たことがありませんね・・・もし見れるとしたら、潜水艦か・・・「沈んだ時」のみですよね?
この子は凄い、見た目は子供なのに大人みたいな考えで関心しちゃう♪ ・・・でも、海の底よね?
・・・海の底・・・海の底・・・それって無理じゃない?
村雨の願いに、
「わかった・・・じゃあ今週のこの日でいいかな?」
「はい、お願いします!」
提督、いいって言っちゃった!! そんなことできるの!? いやいや、海の底って・・・まさか映像じゃないですよね?
「・・・で、サラの要件は何だっけ?」
「・・・・・・」
駆逐艦と比べてお願いのスケールが小さすぎて・・・
「何でもありません・・・失礼します。」
がっかりしながら執務室から出て行った。
「何だあいつは?」
提督は首を傾げた。
・・・・・・
「はぁ~・・・」
サラはため息をつく。
「そんな大きいため息ついてどうしたの、サラトガ?」
振り向くと、ビスマルクとアイオワがいて、
「これから居酒屋に飲みに行くつもりだけど・・・サラトガも行く?」
「・・・・・・」
気乗りしなかったが、2人についていくことにした。
・・・・・・
「へぇ~・・・その駆逐艦がMVPメダルを使って困難なお願いをね~。」
「別にいいんじゃない? 提督の事だからやると言ったらやる人なんだし。」
「・・・・・・」
「それはそうと、サラトガは何をお願いしようとしたのかしら?」
「え、私!? えっと・・・」
「サラトガの事だから、とても強欲なお願いでもしそうよね?」
「そうね・・・「豪華客船でフルコース」とか「豪邸を買ってね♪」なんてねw」
「・・・・・・」
何て失礼な! ・・・と感じたサラ。
「そういう2人は何をお願いするのかしら? 2人の事だからメダルは持っているんでしょう?」
「私は無欲だから・・・そうね、フランス料理とか・・・イタリア料理を提督と一緒に食べたいかな。」
アイオワにしては珍しく控えめなお願いである。
「私はそうね・・・欲しい高級バッグを買ってもらおうかしらね。」
ビスマルクらしい・・・と言うかあなたが強欲でしょ! と思ったサラ。
「・・・・・・」
まさか私のお願いが「夜伽したい!」だなんて・・・とても言えない。
「・・・・・・」
サラはビールを飲み干して、
「店員さん! ビールもう一杯追加ね!」
「いい飲みっぷりね! 私もちょうだい!」
以降は3人で飲み会を楽しむのだった。
・・・・・・
今日は・・・村雨さんが願ったお願いの日。
「・・・・・・」
「本当に実現できるかしら?」と提督と村雨を見つめるサラ・・・
「提督、村雨は準備できました♪」
「よし、では・・・そこにある潜水艦に乗ってもらおうか。」
「・・・潜水艦?」
提督が指差す方向には・・・潜水艦娘ではなく、本当の潜水艦が待機していた。
どうやら、村雨のために提督が一人で造ったらしい・・・
※ちなみに提督は明石以上のメカニックで、損傷した艦娘の艤装の修理は提督が行っている。
「・・・・・・」
駆逐艦1人のためにわざわざ潜水艦を作成? この提督の考えは本当に類がない!
「それでは、村雨・・・行って来ます!」
「ああ・・・潜水艦にはあらかじめ行くルートをプログラミングしておいたから安心して楽しんで来い!」
そう言って提督は村雨を見送った。
「・・・・・・」
提督は何でもしてしまうんですね・・・
この人にとって実現困難なことなんて何もないのでは? と思ったサラであった。
・・・・・・
夕方になり、村雨が帰ってきた。
村雨はとても満足していて、ガラス越しに見える光景をカメラで思い出として撮っていた。
白露型の皆に見せていて、「海の中ってこんな世界なんだね!」 「珊瑚や魚たちが綺麗。」等、
皆が幸せな表情で写真を見ていた。
・・・・・・
「・・・さて、どうしようかなぁ~」
サラが部屋でメダルの使い道を考えていた。
「どうせなら、今まで体験した事の無いことやってみたいかな~・・・」
村雨のスケールの大きさに感化されたのか、願い事を大きく考えているサラ。
「・・・よし、提督に頼んでみよう!」
そう思って、部屋から出ようとした時、
「サラトガ~! 今夜飲みに行かない?」
いつもの2人が飲みに誘ってきた。
「・・・いいわよ。 少し準備するから待っててもらえるかしら?」
そう言ってサラは外出する準備を始めた。
「ああ・・・お金がない!?」
財布の中には1000円程度・・・給料は月末だから・・・後1週間はある。
「・・・・・・」
着任してからというもの、周りに飲みに誘われて楽しんでいたサラトガ・・・当然外での飲み代は艦娘の自腹となるため、
気づかずに金欠になっていた。
「・・・はぁ~。」
ふと思い出す・・・それは村雨がメダルを出してお願いする直前の事・・・
サラはその時、「駆逐艦だから・・・「おこずかい下さい」かな?」と・・・
まさか自分がメダルを消費しておこずかいを貰うことになろうとは・・・想像もつかなかった。
「・・・仕方がないです・・・私は結局・・・小さい女なんです・・・(泣)」
しょんぼりしながら執務室へ向かい・・・提督に「お金を下さい」と言ってメダルを渡し、給料と同じくらいの額を貰って
待っていた2人と合流するサラトガであった。
・・・・・・
「乾杯!」
こちらでも別の女子会が開かれていた。
村雨と霧島に蒼龍・大鳳・・・主力部隊の艦娘たちである。
「聞きましたよ、村雨さん・・・メダル使って海底に行ったんですって?」
「はい! 提督が小型潜水艦を造っていてそれに入って海底散歩してきました♪」
「村雨さんらしいお願いごとですねw」
「霧島さんはまだお願いしていないのですか?」
「私は今、欲しい物や行きたいところはありませんね・・・メダルが溜まる一方ですw」
「じゃあそのメダル・・・この蒼龍に分けてもらえないかしら?」
本来メダルを分けることは禁止されているが、本人の承諾があれば譲ることは可能にしている。
「蒼龍さんは空母の中で一番戦績とっているでしょ? メダルはいっぱい持っているはずでは?」
「私はこれでも他の艦娘達との付き合いが多いのよw 予算が足りなくなったらメダル使って融通してもらっているの♪」
「・・・大鳳さんは?」
「私は少し高めのお酒を購入するのに、メダルを消費していますね。」
「なるほど・・・やはり人によって使い方が異なるんですね。」
霧島は納得する。
「そう言えば、ここに来る途中サラトガさんが悲しそうな顔をしていましたけど・・・何かあったのでしょうか?」
「いつも元気なサラトガさんが? それは珍しいですね。」
「・・・・・・」
皆、思い当たりがなく・・・
「よし、そんな話はやめて今日はたくさん飲むわよ~! ビールと焼酎! もっと持ってきて!!」
皆で飲み会を楽しんだ。
・・・・・・
翌朝、廊下でサラと霧島がバッタリ会って、
「サラさん・・・良かったらどうぞ。」
と、霧島が何かを渡した・・・それは、
「え!? これってメダルですよね・・・どうして私に!?」
「サラさんの事ですから、どうせ「夜伽したい」と思ったのも束の間、飲み代が足りなくてやむなくメダルを使って
予算の代わりにしたのではないかと・・・」
「・・・・・・」
全くその通りです・・・と思うサラトガ。
「私は何枚か残っているので・・・サラさんの好きなように使ってください。」
そう言って霧島はその場から去る。
「・・・・・・」
霧島に言われたことが気になり、
「霧島さんにはすべてお見通しね・・・でも、「好きなように使っていい」ってことは・・・」
別に「提督と夜伽」に使ってもいいってこと・・・だよね?
「・・・・・・」
サラは執務室に向かった。
・・・・・・
「提督!」
「またお前か、今度は何だ?」
「私・・・私と・・・」
「・・・・・・」
「今夜お付き合いできませんか!」
と、メダルを出してお願いした。
「・・・わかった、そこまで言うなら。」
提督もメダルを出されてそこまでしたかったのかと思うと遂に心が折れた。
「なら今夜、もう一度執務室に来てくれ・・・時間は23時、わかったな?」
「は、はい!」
そう言ってサラは部屋へ戻った。
・・・・・・
約束の時間が迫り、サラは準備をする。
「・・・・・・」
23時まで後、30分を切って・・・
「あと少しで・・・私の念願の願いが叶う・・・」
サラは顔を真っ赤にする。
「もう少し・・・もう少しで・・・」
緊張のせいか心臓の鼓動が非常に速くなる。
「・・・そろそろ・・・行きましょうか。」
そう言って執務室に向かう。
「提督、失礼します!」
執務室に入ると、床には煎餅布団が・・・
「準備できたぞ、後は布団に入って夜伽をすればいいな?」
「・・・・・・」
口では簡単に言ったけど、目のあたりにするとこれがまた緊張するようで・・・
「どうした、顔が赤いぞ?」
「・・・・・・」
サラは深呼吸して、
「落ち着いて・・・まずは布団に座って・・・」
慎重に腰かけて、
「じゃあ明かりを消すね。」
提督の言葉の後に執務室の明かりが消え、
「・・・・・・」
どうしよう・・・ドキドキしすぎて・・・胸が苦しい。
サラは緊張しすぎて苦しそうだ。
「・・・おい、大丈夫か、 息が荒いぞ?」
「だ、大丈夫です。」
「・・・体が熱いな、熱でもあるのか?」
と、サラの体に触れ、
「ひゃあっ!!?」
と、叫んだと同時に気絶した。
「おい、しっかりしろ! 大丈夫か、サラ!」
何と夜伽する前にその場で気絶してしまったサラトガ・・・サラトガは初心だった!
「やれやれ・・・まずは心を鍛えろよ。」
ため息をつきながら気絶したサラを見つめていた提督だった。
流石に可愛そうなので、昨日のメダル消費は無効となった。
・・・・・・
「はぁ~・・・」
いつもより深いため息をつくサラ・・・
「まさか気絶していたなんて・・・恥ずかしくて提督に会わす顔が無いわ・・・」
そう思っていると・・・
「おおっと・・・わわっ!」
大荷物を抱えている村雨の姿が見え、バランスを崩した。
「危ない!」
間一髪でサラが荷物を抱え、大事には至らなかった。
「すいません、サラトガさん。」
「全然いいですよ・・・少し持ちましょうか?」
「いいんですか? では、お願いします。」
大半の荷物を持って村雨が向かう部屋まで向かった。
「助かりました、ありがとうございます!」
村雨はお礼を言う。
「気にしないで・・・そう言えば、村雨ちゃんも提督の秘書艦をやっていたわよね?」
「はい・・・霧島さんほどではないですが、1週間に2回やっています。」
「少しお話してもいいかしら?」
「・・・はい、いいですよ♪」
2人は廊下を歩いて行った。
・・・・・・
「そうですか、サラトガさんは提督の事が好きなんですね。」
まだ話をして間もないのに率直で聞いてくる村雨・・・この子、侮れない!
「そうなんだけど・・・私の誘いを断られ続けられるの。」
駆逐艦に大人の話をするのはどうかと思うサラだが、今は誰でもいいから自分の思いのたけを聞いてほしかったようだ。
「私も何度か提督と夜を過ごしたことがありますけど、断られたことはないですよ。」
「・・・・・・」
えっ・・・村雨ちゃん・・・今何と?
「村雨ちゃん・・・今、何て?」
「提督と夜を過ごしたことはあります・・・ですか?」
「それって・・・つまり?」
「夜伽・・・ですけど?」
「・・・・・・」
そうなんだ・・・村雨ちゃん・・・すでに夜伽しているんだ・・・すご~い! 立派な大人ね・・・それってつまり私は・・・
駆逐艦に負けたってこと? 目の前にいる駆逐艦に・・・負けたってこと!?
「・・・・・・」
「あの~・・・サラトガさん?」
「!? な、何かしら?」
「放心状態でしたけど・・・大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫・・・少し考え事をしていただけ・・・ふふふ。」
「・・・それでは、私は残りの書類の整理をしてきますので、これで失礼します。」
「わかったわ・・・お話ありがとう。」
村雨が去って行ってサラは再びため息をつく。
「・・・もう諦めよう・・・私の力では到底目標には届かない・・・」
夜伽を諦めたのか、他の何かを諦めたのか不明だが、サラはしょんぼりしながら部屋に戻った。
・・・・・・
・・・
・
サラにとって今日は、嬉しい日であった。
「提督、今日行う任務資料です。」
霧島が珍しく休みを取ったので、代わりにサラトガが秘書艦をすることとなった。
「今日の昼食は私、サラが調理します。 お待ちください、提督♪」
そう言って厨房に向かい、調理するサラ・・・
「ふんふ~ん♪」
何やら上機嫌・・・何かいいことでもあったのか・・・
「私の手作り料理を提督に食べさせられるなんて・・・嬉しいなぁ♪」
どうやら秘書艦をやりたかった理由は手作り料理を作りたかったようだ。
「何だ・・・私、提督に構ってもらおうと、色々工夫を練っていたけど・・・よく考えたら、秘書艦が一番提督と長くいられるわよね。」
霧島に少し秘書艦の回数を譲ってもらおうかしら? と思ったサラであった。
「提督、お待たせいたしました♪ 今日の昼食は・・・シチューにしてみました♪」
「ふむ・・・いい匂いだ・・・それでは・・・いただきます。」
提督がスプーンですくって口に運ぶ。
「いかがでしょうか?」
「うん、おいしい。 サラは料理が上手いんだな。」
「もう、提督ったら~そんなに褒めても何も出ませんよ♡」
サラは笑いながら答える。
・・・・・・
「提督、今日はお疲れ様です! 提督も無理しないで早く休んでくださいね♪」
「ああ、わかった・・・おやすみ。」
今日の執務が終わり、サラは部屋に戻る。
「♪~」
サラは上機嫌だ。
「サラトガ~! 3人で飲みに行かない?」
またビスマルクが誘いに来た。
「今日はやめとく・・・明日の朝は早いから。」
「あら、珍しい。 じゃあ今夜は2人で飲み明かそうかしら。」
そう言ってビスマルクは出て行き・・・
「サラトガ・・・あなた今日は、とてもいい笑顔ね?」
「そう? ちょっといいことあってね♪」
「ふ~ん・・・もしかして提督とやれた?」
「違うわよ、もっと嬉しいこと♪」
「あら、よかったわね・・・じゃあ私はビスマルクと飲みに行ってくるわ。」
そう言ってアイオワも部屋から出て行った。
・・・・・・
「今月のMVP賞を発表します!」
霧島が成績表を持って皆の前に立った。
「まずは戦艦から・・・1位はアイオワさん・2位は私、霧島です!」
「やったぁ~! 今回は私が一番よ、ビスマルク!」
「ふん、次は負けないわよ!」
「次は空母・・・1位は蒼龍さん・2位はサラトガさんです。」
「やったぁ! 嬉しいな♪」
「サラ、やりました!」
「続けていきます・・・次は重巡・・・」
・・・・・・
「サラトガは何に使うの?」
蒼龍が横から聞いてきて、
「そうね・・・お世話になっている提督に何かプレゼントでも買おうかな♪」
「あら、いいですね・・・私は今晩の飲み会の予算に消えちゃうかな~・・・」
「あまり飲み過ぎないでくださいね、蒼龍さんはこの鎮守府で一番の実力者なんですから。」
「はいはい、分かってますよ~!」
蒼龍はそのまま酒保へと走っていった。
「さて・・・サラは買い物に行こうかな~。」
そう言って、サラは外出をした。
・・・・・・
「提督、今夜は空いていますか?」
「今夜・・・なぜ?」
またお誘いか・・・サラもしつこいなぁ・・・と思った提督だが、
「仕事が終わったら、サラと一緒に飲みに行きませんか?」
「・・・・・・」
サラにしては珍しい・・・まぁ、飲みの誘いなら・・・
「わかった・・・後1時間ほどで終わるから、少し待っていてくれ。」
「私も手伝います、書類を少し回してください。」
そう言って2人で仕事をして・・・半分の30分で終わった。
「ありがとう・・・では、行こうか。」
「はい、提督♪」
支度をして、2人は飲みに出かけた。
・・・・・・
「サラと2人で飲みに・・・今日が初めてかもな。」
「そうですね・・・提督はいつもお忙しいですからね。」
サラに関係なく、霧島やビスマルクも提督へ飲みの誘いは何度もしている・・・しかし、仕事が忙しいせいか、いつも断っていた。
「そんなに根を詰めて仕事していたら、体を壊しますよ?」
「大丈夫・・・オレは慣れているから。」
ビールを一気飲みする提督。
「私を含めて皆が提督を心配しています・・・無理はなさらないでくださいね。」
「ありがとう・・・でも、やらないと皆の生活が掛かっているからね。」
「・・・・・・」
提督は元々、士官学校を卒業して提督として鎮守府に着任したわけではなく、前にいた提督の代わりに着任した
「中途採用の提督」である。 その結果、上からは提督としての許可を得られず、給料は支払われていなかった。
深夜に「副業」と称して生活費を稼ぐ毎日で朝・昼・晩とほとんど休みを取らずに
仕事に明け暮れていた。最近になって艦娘たちの戦果が評価され、晴れて「提督」として許可をもらったものの、
司令レベル最下位の「クズ提督」であるため、貰える給料は微々たるものである。
「・・・・・・」
サラも気づいていた・・・お誘いを常に断る理由が・・・
やりたくないのではなく・・・「できない」のである。
毎日深夜に(最近は週5日副業、土曜日曜は休み)副業しているのだから、艦娘たちのお誘いなんてしていたら
すぐに生活が破綻してしまうのだ・・・
「・・・・・・」
霧島さんからその話を聞いた時はショックだったかな・・・私は、何てバカな事をしていたんだろう・・・って。
「確かに、大変だが・・・皆が普通に生活している光景を見るのがオレの楽しみだからな。」
「・・・・・・」
提督は欲が無い・・・そんな環境下なら仕方ないと言えば仕方ないのですが・・・
「店員さん、ビールもういっぱい追加ね。」
提督がビールを注文した。
「どうした? サラも飲みなよ・・・今夜は飲むぞ~」
「・・・そうですね・・・今夜は一緒に・・・乾杯!!」
2人は飲み会を楽しんだ。
・・・・・・
「うぃ~・・・飲み過ぎましたぁ~。」
ふらふらした足取りで鎮守府に戻るサラトガ。
「全く・・・やめておけって言ったのに・・・」
「うぃ~・・・サラぁ・・・提督のためにぃ・・・頑張りますからぁ~・・・」
「ああ・・・期待している。 頑張ってくれ。」
「はい~・・・サラぁ~・・・ここで、寝ます!」
そう言って地面に倒れこんだ。
「おい、サラ! 起きろ!」
「大丈夫ですぅ~・・・サラは・・・平気です~・・・」
「・・・・・・」
提督はサラを抱きかかえて、
「やれやれ・・・」
2人は鎮守府に戻るのだった。
・・・・・・
「う~ん・・・」
朝、先に目覚めたのはサラだった。
「いたたた・・・また飲み過ぎました。」
どうやらまた昨日の記憶が無いらしい。
「・・・あら? どうしてまた裸に・・・」
体を見ると服はおろか下着もつけていない。
「・・・!?」
隣には・・・
「て、て、提督!?」
側には提督がいて彼もまた服を着ていない。
「もしかして・・・もしかして・・・」
サラは考えて・・・
「私・・・提督とやっちゃった(夜伽した)!?」
普通ならそこで喜ぶべきところだが・・・
「いたたた・・・全然記憶が無い。」
2日酔いで頭も痛く、記憶が無いためサラは悩んだ。
「せっかくやれたのに・・・記憶が無いんじゃあ・・・はぁ~・・・」
サラはしょんぼり・・・
「・・・着替えて早く部屋に戻ろう。」
そう言って早々に着替えると、ゆっくりと部屋から出るサラトガだった。
・・・・・・
後日、提督に聞いた。
「この前の飲み会、ありがとうございました。」
「ああ、こちらこそ。 久しぶりに楽しめたよ。」
「それで・・・その後の事なんですけど・・・」
「ん?」
「飲み過ぎて記憶に無くて・・・その後部屋で何かありました?(恥)」
「何かとは?」
「・・・その・・・行為とかしました?」
「・・・あ~それね。」
提督は納得する。
「あったよ・・・うん。」
「ぐ、具体的にはどのような事を?」
「え、いいのか? そんなこと言って?」
「お、お願いします!」
「・・・じゃあ耳貸して。」
そう言って提督はサラの耳にぼそぼそと呟く。
「夜・・・サラが酔った勢いで全裸になって布団に入り・・・」
「はい・・・」
「オレは別の布団を敷いて寝ようとしたら、サラが「カモーン」と誘ってきて・・・」
「はい・・・(照)」
「一緒に就寝・・・その後は・・・ごにょごにょ。」
「・・・(超照)」
「ごにょごにょ・・・そうしたらサラが思わず・・・ごにょごにょ・・・甲高い・・・ごにょごにょ・・・」
「・・・(超凄照)」
「ごにょごにょ・・・とまぁそんな感じだった・・・本当に覚えてないのか?」
「は・・・はい・・・覚えていません(恥)」
サラの顔が真っ赤だ。
「まぁ、サラの新しい一面が見られて新鮮だったよ。 また機会があったら飲みに行こう。」
「は、はい。 それでは、失礼します!」
サラはその場から去った。
部屋に戻って、
「しくしく・・・。」
何故か泣いているサラトガ。
「せっかく・・・せっかく大事な時に限って記憶が無いなんて・・・ああ~私の記憶! 戻って来て~!!」
部屋で泣き叫ぶサラトガだった。
・・・・・・
「今月のMVP賞を発表します!」
霧島が成績表を持って皆の前に立つ。
「最初は戦艦から・・・1位はアイオワさん・2位は・・・ビスマルクさん! おめでとうございます!」
「やったぁ~! またメダルが貰えるわ。」
「よし、今回は霧島に勝てたわね!」
「次は空母・・・1位は蒼龍さん、2位は・・・2人いますね。 大鳳さんとサラトガさん!」
「やったね! 第二航空戦隊の栄光、揺るぎません!」
「提督、どう! これが大鳳の本当の力よ!」
「また貰えた~♪ サラは感激です♪」
「では、次は重巡・・・」
・・・・・・
「そう言えば気になったんですけど・・・」
サラが口を開く。
「総合順位表の1位の上の1コマはなぜ空けているんですか?」
霧島が艦種ごとに順位を発表するが、最終的に”総合順位表”も一緒に廊下の壁に張り出されるのだが・・・
その1位の上が毎度1コマ空いているのである。
「それはですね・・・」
霧島が説明する。
「わかりませんか? この鎮守府で一番活躍している方ですよ。」
「・・・あ~なるほど!」
サラは納得した。
納得したものの、それでも上の1コマが見たいサラトガ・・・霧島に何度もお願いして特別に見せてもらった。
「・・・・・・」
空母1位は蒼龍さん・・・撃破数150。 戦艦1位はアイオワさん・・・撃破数155。
「・・・・・・」
上の1コマをめくるとそこには・・・総合1位は提督・・・撃破数は・・・520!!
「・・・・・・」
深夜副業してるわけだから当然と言えば当然だけど・・・やっぱり提督は凄い人ね!
改めて提督の凄さを実感したサラトガであった。
・・・・・・
ある日の事、
提督から呼び出しを受けてサラが駆け付ける。
「正規空母サラトガ! 今日を持って練度MAXとなった、おめでとう!」
「ありがとうございます!」
「これからもこの鎮守府とオレを支えて欲しい!」
と言いつつ、提督から指輪を貰った。
「・・・・・・」
部屋に戻って指にはめた指輪を眺める。
「♪~」
サラはとても嬉しそうだ。
この鎮守府では指輪=ケッコンというわけではなく、「艦娘と更に強い絆を結んだ」と言う契約である。
指輪を貰った艦娘は練度が更に上昇し、強くなることが出来る。
「あら、どうしたのサラトガ? そんなに嬉しそうに笑って・・・」
「うふふ・・・」
にっこり微笑むサラトガを見て「何かいいことがあったのね」と悟る2人。
「提督・・・」
サラは指を手で包み込んで・・・
「これからもサラが・・・提督をずっと見守っていきます。」
そう心に誓うサラトガであった。
「サラトガ、再び!」 終
やはり物理こそ最強なんやなw
レベルを上げて物理で殴る。
名言だw
サラトガさん、盛大に勘違いしとるw
次も期待してます!
サラが真の自分に目覚めたようですw
一個700円。当時だと600万円くらいかな。それをこうも簡単に買えるとは。
提督の財布は化け物か!