「提督とガングート」
霧島のいる鎮守府に戦艦「ガングート」がやって来て・・・
注:暴力表現ありです。
「ここがあの鎮守府か・・・」
艦娘が入り口に立ちながら呟く。
「聞くところによると、ここの提督は無能で腑抜けているらしいな・・・いいだろう、この私が戦術とは何かを指導してやろうじゃないか!」
そう言って彼女は鎮守府に入っていった。
・・・・・・
「おい、貴様! 執務室はどこにあるか?」
外で草むしりをしていた人間に聞いた。
「入り口を入って、直進して後は突き当りを右に行けば・・・」
「ふむ、助かる・・・では、失礼する。」
彼女はその場から立ち去る。
・・・・・・
「失礼する!」
執務室のドアを勢いよく開けて、
「今日から着任する戦艦「ガングート」だ!」
と言ったものの・・・
「提督? ・・・提督は一体どこに行った!?」
姿が見えず彼女は苛立つ。
「わざわざ、この私が自分から挨拶に来たのだぞ! ここの提督は礼儀と言うものを知らんのか!」
「うるさいですよ・・・一体何の用ですか?」
書類を書いていた霧島が聞いた。
「おい、貴様! ここの提督は知らんか?」
「司令ですか? ・・・外で草むしりをしていると思いますが・・・」
「何? ・・・そうか、外にいたあいつか!」
彼女は執務室から出て行った。
「・・・何ですか? 今のは・・・」
霧島が呆れる。
・・・・・・
「・・・・・・」
提督は外で草むしり・・・
「? おや?」
振り向くとそこには、
「なんとまあ、のんきなものだ。」
「・・・・・・」
「提督ともあろうものが、外で草むしりとは・・・この鎮守府のレベルの低さもわかるものだ。」
「・・・・・・」
「戦艦「ガングート」だ、この鎮守府に来ると通達を出したはずだが?」
「ああ・・・そう言えばそんなことあったな。」
「そう言えば? ・・・貴様! 私に喧嘩を売っているのか?」
「そんなつもりはないけど。」
「貴様! 銃殺刑にしてやろうか? 今まで提督を何人か見てきたがお前ほど無礼なやつは初めてだ。」
「それはどうも。」
「褒めてない! ・・・まぁいい、すぐに出ることになりそうだ・・・短期間だけ付き合ってやろう!」
そう言って彼女は鎮守府に戻った。
・・・・・・
会議室で、
「改めて・・・戦艦「ガングート」! 今日からこの鎮守府に世話になる! 同志たちよ! 私と勝利を刻むぞ!」
「・・・・・・」
皆は無言である。
「何だこの重い雰囲気は・・・同志たちよ、少しは口を開かぬか?」
「・・・・・・」
「まぁいい・・・これで自己紹介は終わりだ。 失礼する!」
そう言って彼女は出て行った。
「何か怖い感じの艦娘だね。」
「そうね・・・逆らったりしたら、怒られそう。」
皆の口から出るのは不安の言葉ばかりだ。
「・・・・・・」
提督は何やら考えていた。
・・・・・・
「何!? あの無能提督がケッコンしてるだと!?」
ガングートは驚きを隠せない。
「ふん! 一体あの無能のどこに惹かれてケッコンしたと言うのだ・・・相手の顔が見てみたいわ!」
「・・・・・・」
霧島が睨みつける。
「何だ貴様・・・その顔は。」
「・・・・・・」
左手を見せて・・・
「何だお前だったか・・・これは失礼した、前言撤回しよう。」
彼女は立ち去り・・・
「司令! あんな奴を野放しでいいんですか!?」
霧島は怒り心頭だ。
「皆も不安だと言っています・・・ここは1つ司令がガツンと言ってくださいよ!」
「う~ん・・・そう言われてもなぁ。」
提督は悩む。
「司令が言わないのでしたら、私が言いますが?」
「いや、それは困る・・・大喧嘩まっしぐらだろうから・・・」
流石に霧島とガングートの喧嘩・・・想像しただけでぞっとする。
「でしたら、何とかしてくださいよ・・・駆逐艦の子たちが不安がっていますから。」
「ああ、わかった。」
これは検討しなければな・・・と思う提督であった。
・・・・・・
「この鎮守府は暇なのか? それとも出撃任務がないのか?」
朝からガングートの機嫌が悪い。
「出撃はしばらくない・・・平穏な時間も時には必要だろ?」
「貴様・・・私が何のためにここに来たか分かっているのか?」
「・・・・・・」
「私がこの鎮守府で戦果を飛躍的に上げてやろうと思って来たのだぞ! ・・・それをしばらく出撃が無いだと?
ふざけるのもいい加減にしろ!」
「・・・無い物はない、それをあるあるばかり言って・・・お前はお子様か?」
「なっ!? 貴様・・・本気で死にたいか?」
その場の空気が重くなり・・・
「撤回しろ! このガングート、今なら許してやるぞ!」
「断る、お前はただの駄々こねるお子様だ。」
「・・・ほほぅ?(ビキッ!)」
彼女の表情が険しくなり・・・
「いい度胸だな・・・私にそんな言葉を投げかけたのはお前が初めてだぞ?」
「初体験か・・・感想はどうだ?」
「貴様!」
今にも手が出そうな雰囲気に、
「いい加減にしてくれませんか2人とも!」
霧島が止める。
「・・・ふん! まぁいい・・・提督よ、この借りは絶対返すからな!」
彼女は執務室から出て行った。
「司令・・・あまり挑発するのは良くないですよ?」
「悪かった・・・挑発の度に乗ってくるあいつの反応が見たくてつい。」
「・・・はぁ~。」
霧島は呆れる。
・・・・・・
「何なんだ、あいつは!」
彼女は怒りが治まらない。
「あんな提督・・・私の手に掛かれば捻り潰せるものを・・・」
霧島が止めに入ったため、それは出来なかったが・・・
「何か発散する方法はないか・・・ん? ここは道場か・・・ならば・・・」
そう言ってガングートが道場に入っていった。
・・・・・・
「司令! 大変です!」
「何だ、どうした?」
霧島の慌てぶりに提督が落ち着かせる。
「彼女が・・・ガングートさんが・・・」
「? あいつがどうした?」
提督は首を傾げる。
・・・・・・
「どうした弱虫ども! さっさと私から1本決めて見ろ!」
ガングートが竹刀を持って挑発する、相手は駆逐艦や軽巡・・・ただの弱い者いじめだ。
「・・・私が行く。」
響が竹刀を持ってガングートに挑戦する。
「いい心構えだ、では行くぞ!」
試合開始・・・でも、結果は・・・
「弱い! もっと強い奴はおらんのか!」
駆逐艦と戦艦の力の差は圧倒的・・・響は2撃で負けた。
「話にならんな! さぁ次だ!」
竹刀を地面に叩きながら、挑発している彼女・・・それに対して響が、
「そんなことをして、君はいいのかい?」
負けた響が彼女に聞く。
「あ? 何だ貴様・・・私に説教か?」
駆逐艦に対しても容赦ない彼女・・・周りの皆は怖がる。
「ここの司令官は怖い人だからね・・・そんなことやっていると今に地獄を見るよ?」
「ふん! 地獄だと・・・私が本当の地獄を見せてやるわ!」
彼女は鼻を高くして、「次はいないのか?」と連呼する・・・その時、
「お、怖い怖い提督様のご来場だ・・・」
彼女は得意げに語る。
「・・・・・・」
提督は響に近づき、
「大丈夫か?」
「うん・・・響は平気。」
その光景を見て、
「・・・いきなり現れたと思ったら最初にやることは負けた駆逐艦の安否か? こっちを見ろ、こっちを!」
「・・・・・・」
「ここの艦娘どもは弱すぎる! まぁ、無能が指揮しているんだから仕方ない、か。」
「・・・・・・」
「提督よ、言われ続けて悔しくないか? 悔しいならこのガングート、貴様の手で負かして見せろ!」
「・・・さっきから好き勝手言って! 一体何がしたいの!」
霧島が彼女に向かって行くところで、
「やめろ。」
「司令!?」
直前で提督が止める。
「・・・所詮口だけか・・・その程度ではこの私は倒せんぞ、ははは・・・」
「・・・・・・」
提督は無言で竹刀を手に取った。
「お? 私とやる気か? いい心構えだな。」
彼女も構える。
「・・・はぁ~。」
提督はため息をつき、
「仕方がない・・・少し懲らしめてやるか。」
提督も構えて、
「さぁ、このガングートを負かせて見せろ!」
2人は試合を始めた。
・・・・・・
・・・
・
「おらぁっ!!」
「遅い!」 バシッ!!
提督の1本が決まる。
「ふん! まぐれだまぐれ! 次こそ決める・・・覚悟ぉ!!」
ガングートの攻撃をひらりと躱し、
「遅い!」 バシッ!! ドサッ!!(転倒音)
「くっ・・・バカな!!」
「はい、次・・・まさかこの程度で終わらないよな?」
「な、なめるなぁ!!」
「・・・・・・」
バシッ!! バシッ!! バシッ!!
・・・・・・
「何だ・・・何なんだ・・・貴様は!」
「・・・次。」
「いや待て! 日を改めよう・・・今日のところは勝ちを譲ってやる!」
「・・・次。」
「今日は調子が悪い・・・明日でどうだ?」
「・・・次!!!!」
「ひっ!!?」
バシッ!! ビシッ!! ドガッ!!
「や、やめろ! やめてくれ!!」
バシッ!! バシッ!! ドガッ!!
「こ、降参だ・・・ほら・・・謝っているだろう? これでも、まだ私を殴るか?」
バシッ!! ビシッ!! ドゴォッ!!
「た、頼む! もう・・・もうやめてくれ!」
「・・・・・・」
完膚なきに叩きのめされたところで、
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「・・・・・・」
提督が口を開く。
「弱いな・・・所詮口だけ達者なお調子者か、お前は?」
「・・・・・・」
「見た目は大人でも中身はガキなんだろ? この口だけ達者で下の毛も生えていないクソガキが!」
「な、な、な、何を言う! 貴様! 私に向かって破廉恥な事を!!」
「ああ? 何か言ったかクソガキ!」
「・・・・・・」
「さっさと出ていけ、お前は必要ない・・・今すぐ出ていけクソガキ!」
バキィッ!! (蹴り飛ばす)
「・・・ううっ。」
打ち所が悪かったのか、頭を押さえるガングート。
・・・・・・
・・・
・
「・・・・・・」
正門の前に立つガングート。
「まだ痛むな・・・全く・・・やり過ぎではないのか、あの提督は。」
響の言った事を思い出す。
「司令官は怖い人だからね・・・そんなことやっていると地獄を見るよ?」
「・・・・・・」
地獄じゃない・・・本当に殺されるかと思った。
「私は・・・触れてはいけないものに触れてしまったか。」
鎮守府に背を向けて彼女は鎮守府から去って行った。
・・・・・・
ガングートが去り、鎮守府に平和が訪れた。
「所詮口だけだったんですね、司令に負けた後は惨めだと皆言ってましたよ。」
「まぁな、オレも今まで稽古に付き合ってもらった艦娘の中で一番弱かった気がするよ。」
「でも、少しやり過ぎでは? ガングートさん・・・最後は命乞いしていましたよ?」
「何だ・・・あいつの肩を持つのか?」
「いえ、そんなわけでは・・・」
「あんな弱い者いじめにはそれなりの教育を与えた方がいい、同情する必要はない。」
「・・・・・・」
霧島はそれ以降答えられなかった。
いつも通りの生活に戻り、皆は彼女の事を忘れかけていた頃・・・
1週間後、彼女が再びやってきた。
「・・・・・・」
執務室にやって来て、上からの着任指示書を渡してきた。
「・・・・・・」
初めて来た時とは違って静かな雰囲気だった。
「それで? 何か言いたいことは?」
提督が重い口調で問いた。
「・・・・・・」
彼女は無言のままである。
「・・・聞いているだろ弱虫さん? それとも、弱い者いじめ君か?」
「・・・・・・」
「黙っていてもわからん、言う気が無いならこの指示書を今ここで破り捨てるが?」
着任指示書は上からの命令で出された書類・・・この艦娘を鎮守府に着任しろとの命令だが・・・
「戦艦「ガングート」・・・この鎮守府に身を置きたい。」
口を開いたものの、前みたいに強く偉そうな口調ではなく、弱く頼りない口調であった。
「他に行くところが無い・・・どうか私がここに着任する許可を与えてくれないだろうか?」
「ふむ・・・」
提督は考える。
「霧島はどうだ? この艦娘を着任許可するか?」
「・・・そうですね。」
「・・・・・・」
「私は反対です、前の態度を見る限り仲間に対しての思いやりもなければ、頼りになるわけでもない。
ただの「口だけ達者」な感じでした、こんな艦娘を編成に入れたら敗北は確実ですね。」
珍しく霧島が厳しい言葉を投げかける。
「前に起こした無礼は謝罪する、これからは我が物顔で振る舞わないし、ここにいる皆と仲良くやっていきたいと
思っている・・・ダメだろうか?」
「ほぅ・・・お前からそんな言葉が出るとはねぇ。」
提督は少し考えて、
「ついてこい、お前のその言葉・・・嘘か本当か確かめてやる。」
「・・・・・・」
そう言って提督は彼女とある場所へ向かった。
・・・・・・
着いた場所は・・・道場。
提督が彼女に竹刀を渡す。
「前は「今回は調子が悪い」と言っていただろう? なら今回は大丈夫だよな?」
「・・・・・・」
「ほら、お前が負かした駆逐艦や軽巡を呼んだ・・・いい光景だろ?」
「・・・・・・」
「オレに1本決められれば着任を許可してやるよ。」
「・・・・・・」
「お前がさっき言った言葉・・・それに見合う覚悟があるかどうか確かめてやる。」
提督が構えて、
「・・・・・・」
彼女も構えた。
・・・・・・
・・・
・
「どうした? もう終わりか?」
「くっ・・・」
「手加減してほしいか? いいだろう。 じゃあオレは今から竹刀ではなく「割りばし」で闘ってやろう。
どうだ・・・これなら勝てるだろう?」
「・・・・・・」
完全に甘く見られてる・・・そう感じたガングート、流石に割りばしと言われて彼女にスイッチが入ったのか・・・
「な、なめるなぁっ!!」
と、竹刀を振りかぶった・・・
「・・・遅い。」
割りばしの先端で竹刀を止め→腹に蹴り→服を片手で掴んで投げ飛ばす→ドガアッ!!(転倒音)
「ううっ・・・」
「おいおい・・・割りばしでも勝てんのか? ならこの割りばしを半分に割って・・・」
「バカにするなぁ~!!!!」
竹刀を振るが当たらず、
「だから遅い。」
半分の割りばしで顔を突っつき怯み→腹に蹴り→服を掴んで投げ飛ばし→ドサッ!! (転倒音)
「ううっ・・・くぅ・・・」
「わかった・・・じゃあ割りばしはやめて文房具のクリップはどうだ?」
「・・・・・・」
「それでも、勝てない? ならそうだなぁ・・・野菜のネギでどうだ? 柔らくて・・・」
割りばしの次はクリップ・・・そしてネギ・・・だんだん惨めな試合になってきたところで、
「司令官・・・もうやめてもらえないか?」
響が間に入ってきて、
「私たちの事はもういいから・・・この人を許してあげてくれないか?」
「・・・?」
ガングートは響の言った事が理解できずに、
「この人に私たちが受けた悔しさを教えたかったんだろう?」
「・・・・・・」
彼女は前の事を思い出す・・・それは提督に苛立っていた腹いせに駆逐艦たちを痛めつけていた事・・・
「・・・・・・」
試合と言えども戦艦と駆逐艦・・・勝敗は見えていて、それでも彼女は駆逐艦たちに相手をさせて・・・
バカにされ、勝てない響たちの悔しさ・・・提督は彼女に直接教えてやりたかったようだ。
「響は・・・皆もう気にしていないから・・・この人を許してもらえないか・・・司令官?」
「・・・ふむ。」
提督は構えを解いて、
「響がそこまで言うのならやめよう・・・こんな弱い奴いじめたって何の楽しみもないからな。」
そう言って提督は道場から出て行った。
「・・・・・・」
ガングートはしばらくその場で座り込んだままだった。
・・・・・・
結局のところ、ガングートは着任を許可された・・・が、
行かされた部屋は・・・駆逐艦寮、しかも暁型姉妹と同じ部屋であった。
「全く・・・何で私が駆逐艦たちと一緒に生活など・・・」
彼女は不満げである。
最も前の事もあり、次また問題を起こしたら追い出されるか殺されるかのどちらかだと思っていた。
当然前の事もあり、暁たちは近づくことも話しかけることもない・・・1人を除いて。
「お菓子・・・余ったんだけど・・・食べるかい?」
響だった。
「・・・私が怖くないのか?」
話しかけてくる響に聞くと、
「怖くないと言えば嘘かな・・・でも、同じ部屋で共同生活するから・・・会話位はしたいかな。」
「・・・・・・」
「変わった駆逐艦だ。」と思ったガングート。
「それで、食べる? 食べない?」
「・・・食べる。」
響から残りを貰って食べる。
「・・・ふん、味は悪くはない。」
「そう、よかった。」
会話と言える程ではないが、2人にはそれなりの意思疎通は出来てると思われた。
・・・・・・
出撃・・・もちろん、暁たちと一緒の編成である。
「お前ら、私の後ろにでも隠れてな!」
口調は悪いが、暁たちの事は気遣っているようで、
「戦艦ガングート・・・出撃開始だ!」
そう言って進軍した。
・・・・・・
中破で帰還したガングート、
「・・・少し長風呂になる・・・お前らは先に飯でも食ってろ!」
相変わらずの口調でそのまま入渠場へと向かうガングート。
「・・・・・・」
響は彼女の後姿を見つめていた。
・・・・・・
後日、響から聞いた話だと、
暁たちを守るために盾になり、損傷を負ったらしい。
その証拠に暁たちはほとんど無傷であった。
その出来事以降、暁たちの彼女への考えが変わり始めた。
・・・・・・
・・・
・
あれから1か月・・・ガングートはまだ暁たちと一緒に共同生活している。
意外にも、暁たちは嫌とは思っていないようだ。
霧島が暁たちの部屋に立ち寄った時だ。
部屋内で賑やかな声がして、耳を澄ませると・・・
「ガングートさんの負け~。」
「何だと? この私に負けはない!」
「でも、ほら。 ババが残ってるじゃん! 残ってるのが負けなんだよ。」
「むむ・・・仕方がない、もう一回だ!」
「また・・・もう何回やればいいのですか?」
「私が勝つまでだ・・・勝つまでやめんぞ!」
どうやら「ババ抜き」を皆でやっている様子・・・その話を聞いて、
「あらあら。」
霧島は思わず笑う。
「これなら大丈夫ですね・・・心配するまでもありません。」
霧島は安心しながらその場から去った。
・・・・・・
「だいぶ慣れてきたようだな・・・そろそろ戦艦寮にでも行くか?」
ガングートを呼び出し、部屋の変更を検討した。
「いや・・・私としては、駆逐艦寮で構わないのだが・・・」
「ほぅ、それまたなぜ?」
「・・・意外にもあいつらが近づいて来るもんでな・・・面倒位見たくなるのだ。」
「ふむ・・・つまりその部屋のままでいいと?」
「ああ・・・そのままがいい。」
「・・・わかった・・・ならば。」
「?」
「もし、新しい駆逐艦が着任した時は指導を頼めるかな?」
「指導? この私が? ・・・ふん、この私に指導をやれと? ははは、面白いことを言う!」
「・・・・・・」
「いいだろう、お前と私の仲だ。 その要求なら聞いてやる・・・失礼する。」
そう言って彼女は出て行った。
「ガングートさんも丸くなりましたね、初めて来た時とはまるで別人です。」
「そうだな・・・あれが本来の彼女の姿なのかもしれないな。」
2人は彼女を見守るのであった。
・・・・・・
それから彼女はこの鎮守府の駆逐艦の指導係となった、駆逐艦たちからの評判は良く、
ガングートの周りは常に駆逐艦が側にいたと言う。
「提督とガングート」 終
このガン子ははえてないのか
ながもん「ぐぬぬ・・・」
恐らく生えているかと・・・
提督だから言える事で、庶民の私が言えば無表情で引き金を
引かれそうです・・・(怖)