山城より幸せをこめて ep1
山城に訪れるのは数多の不幸と…
*あなたの嫁が死ぬかも
*ある程度独自解釈
*鎮守府の配置知らない
*史実と関係ない組み合わせ
*編成が初心者(作者が初心者)
*提督はオリキャラ判定なのかわからない
*しょっちゅう食事や補給物資描写が省かれる
起き上がった私の目に映ったのはそれまでいたドックには程遠い瓦礫。自分が浸かっているのがドックのお湯でなければここがドックだと気づかなかっただろう。目の前の瓦礫から服を探して着て工廠に出た私がドアの先に見たのは未だに燃えている私の南鎮守府だった。
その日は2-4攻略の翌日。そして私の進水日(誕生日)。ドックがほかのみんなでいっぱいだったから翌日まで入渠が出来なかったの。
山城「せっかく予定が無いのに入渠…姉様に会えないなんて全く…不幸だわ…」
漣「ため息ばっかついてると幸せが逃げますぜおねーさま!」
山城「あら、誰かと思ったら漣じゃない。…私には逃げられてしまうほどの幸せが無いのだけど。」
漣「そんな悲しい事いわねぇでくださいな。漣なんてこれから遠征ですぜ。」
山城「七駆のみんなと行くのね?頑張ってきてね。くれぐれも油断しないようにね。」
漣「漣はいつでも本気です!あ、そうだ。いつも頑張ってるおねーさまにプレゼントがあるんですね。今日は誕生日おめでとうごぜーます!」
山城「これは…ネックレス!?こんな高いものどうやって?」
漣「おねーさまのために貯めたんですよ!この鎮守府が始まった当初から艦隊を支えてるのはおねーさまじゃないですか。そのお礼とでも受け取ってもらえればOKです。」
山城「…ありがとう漣。あなたのお誕生日、楽しみにしててね?」
漣「そんなことしたら来年もっとすごいお返しを用意しなくちゃいけなくなるじゃないですか〜。って、あっもう遅刻ギリギリ!また遠征後に!」
山城「行ってらっしゃい。気をつけてね。」
ーーー工廠ーーー
山城「明石さーん。」
明石「山城さんじゃないですか。今日はどの用事で?」
山城「これから入渠するからその間に艤装の整備をお願いできるかしら。」
明石「お安い御用です!…昨日は沖ノ島お疲れ様でした。やっと突破できましたね!」
山城「ええ、そのせいで身体がボロボロですけどね…」
明石「すごいですね、第一艦隊の皆さんは。」
山城「いえ。そんなことは…駆逐艦の子達をまとめられる水雷戦隊旗艦の方々のほうがすごいかと…」
明石「そういえば昨日遠征組の阿武隈さんが『駆逐艦のみんなが言うことを聞いてくれない!!』って嘆いてましたねえ。」
山城「あの子は優しいですからね。」
明石「ですね。…で、この艤装ですが…まあ、中の部品をいくつか変えれば大丈夫ですね。まあ、外すのと付けるので…うーん、まあまあ時間がかかりますが流石に入渠中に終わりますね。」
山城「いつもありがとうございます明石さん。それじゃあ修理をお願いします。」
明石「はーい。山城さんもごゆっくり。」
ーーードックーーー
山城(ああ…昨日の疲れが…力を抜くと立ち上がれなくなりそうだわ。しかし、誕生日を漣ぬ祝ってもらえるとはね…今年も祝ってもらえるのがお姉様だけかと思っていたわ。…6月6日だったわよね。何にしようかしら…?)
ドックに浸かり天井をぼーっと見上げていた山城の記憶は衝撃と爆音と共にここで途切れた。
山城「!?」
目の前に広がる瓦礫の山。山城が呆然としていると後ろから声を掛けられた。
?「誰かいらっしゃるんですかー?助けてくださーい!!」
山城「明石さん!?」
明石「その声は山城さん!ご無事でなによりです。瓦礫に挟まって動けないんです。助けてください!」
山城「わかったわ。それより何が起こったのよ。…はい、これで出れるはずよ。」
明石「ありがとうございます。多分敵襲だと思われます。まず近くの倉庫が爆発したのはわかるんですが…って山城さん色が!」
山城「色?色って何が…っ!?」
山城が自分の腕に目線を落とすと、そこには元の肌色とは程遠い…まるで深海棲艦のような白色の腕があった。
山城「どうなって…いや、いまはそんな場合ではないわ、明石さん続きを。」
明石「えっはい、倉庫の燃料とかに引火したのかすぐ隣のドックが弾き飛び、それで私のいた工廠まで壊れました。そこから先は砲撃音しか…。」
山城「…高速修復材を。」
明石「えっ?」
山城「高速修復材を持って鎮守府内のみんなに配って回って。頼んだわよ。私はそれ持って正面海域に行くわ。艤装貸して。遠征組が襲撃してきた奴らと鉢合わせた可能性があるわ。」
明石「はい!…一応艦娘が沈んだ後深海棲艦になるケースがあるらしいので気をつけてくださいね。無理はなさらないように。」
山城「わかったわ。…鎮守府は頼んだわよ。」
ーーー正面海域ーーー
山城(今出ているのは七駆と六駆よね…一体どこに…ん?)
山城のいる方に駆逐艦の集団が近づいてくる。大破しているのが朧潮電暁そしてそれを支えているのが響と曙と…大方艦娘とは思えないフードに尻尾。…山城の記憶が正しければその艦はレ級という名前だった筈だ。山城が主砲を向けるがそこに響が割り込む。
響「山城さんじゃないか。…この子は…。」
暁「その子は悪い子じゃないわ!」
山城「…?どういうことよ。それに…雷と漣は?」
曙「そう!漣あいつ一人で引き止めるとかって言って一人で戦ってるのよ!お願い!漣を助けてあげて!今こっちが大破四隻中破一隻小破一隻…轟沈一隻よ。」
山城「轟沈?…まさかそのレ級…雷なの?…その事は後で話すわ。早く鎮守府に戻りなさい。漣はどっちの方向に?」
曙「あっちよ!」
山城「わかったわ!」
ーーー到着ーーー
漣「はぁ…はぁ…」
山城「漣!」
駆逐イ級「!」
山城「くそっ、そこを退きなさい!」
漣「ッ!おねーさま!」
戦艦タ級「…!」
山城「…!避けて!漣!」
漣「あっ…」
山城「漣!」
漣「ああ…沈む…。…せめて最期は…本当の事を…ごめんね山城…助けに来てくれたの…に。」
ーーー漣轟沈ーーー
山城「…いやまだよ!瑞雲発艦!諦めないで漣!」
山城は瑞雲の足にバケツを引っ掛けた。…もちろん中身は…
漣「…あ…れ?漣…生きてます?」
山城「邪魔よ!」
戦艦タ級「!」撃沈
山城「漣!大丈夫!?」
漣「おねーさますまねーです。…ってなんか白くなってませんか?」
山城「…あんたもね。」
漣「ゲッ。マジかー。しかし一体なんで?」
山城「知らないわよ。帰って明石にでも聞いてちょうだい。…それより何があったの?」
漣「漣も詳しいことは分かんねーですが六駆と遠征の場所へ向かっていたら鎮守府で爆発が起こったので戻ったら戦艦タ級二隻と雷巡二隻その他駆逐軽巡のでっかい艦隊と鉢合わせちゃって。…あの有様ですわ。後あれですね。雷が電を庇って沈んじゃったと思ったらレ級になってました。な…何を言っているのかわからねーと」
山城「それで一人で引き止めようとしたのね。…無茶はしないで頂戴。心配なのよ?」
漣「…ごめんなさい。」
ーーー帰投ーーー
夕張「山城さん!?無事でなによりです。漣ちゃんも大丈夫だった?」
漣「漣は問題なしです!それよりみんなは…?」
山城「明石に漣と雷を診てもらわないと…」
夕張「雷ちゃんは既に工廠に連れて行きました。今明石さんはみんなに高速修復剤を配ってます。そろそろ戻る頃かと」
山城「工廠へ急ぎましょう」
ーーー工廠前到着ーーー
明石「あ!山城さん漣ちゃん。ご無事で?」
山城「ええ」
夕張「中にみんながいますが、ちょっと雷ちゃんが…」
明石「ええ!?深海棲艦に?ちょっと待ってね。私もたった今戻ったばっかりで」
山城「とりあえず中に入りましょう」
ーーー工廠ーーー
暁「お帰りなさい!」
響「ご無事でなにより」
電「無事でよかったのです」
雷?「オカエリ!」
朧「漣!無事でよかっ…た?」
潮「漣ちゃん大丈夫?」
曙「アンタなんか白くなってない?」
明石「レ級に…雷ちゃんが深海棲艦になったというのは本当ですね?」
暁「当たり前よ!」
明石「んーだとしたら?」
山城「あら?こここんなに荒れたのね」
夕張「どうしたんですか?そっちは倉庫…」
山城夕張「うわぁ!?」
明石「どうしました?」
?「……」
床の抜けた倉庫には一人の艦娘が倒れていた。
夕張「これは…」
山城「比叡じゃない!どうしたのよ?明石、修復剤ある?」
明石「ここに!」
比叡「……はっ!あれ…?生きてる?」
山城「何があったのよここで」
比叡「青葉さんから攻撃を受けているって報告を受けたので工廠に来たんですよ…そしたらレ級がいて、腹を撃ち抜かれて…気絶したはずですね」
夕張「ほんとになんで生きてんの…」
明石「多分この倉庫のダメコンでしょう。でもレ級はなぜいなくなってるんですかね」
比叡「さぁ?…ってそこにいるじゃないですか!?」
雷?「?」
暁「ちょっと?、この子は雷よ?」
夕張「いや、実はですね?」
比叡「え?じゃああの噂本当だったの?」
漣「噂、と言いますと?」
比叡「艦娘が沈んだら深海棲艦になるってやつ」
明石「ま、そこら辺は検査していくけどね。それじゃあ検査してみるわね。皆は待ってて」
山城「他の皆はどこに?」
夕張「大淀さんが演習場に集めているそうです」
山城「それじゃあそこに行きましょう」
明石「ちょっと、山城さんも検査ですよ?肌真っ白じゃないですか。漣ちゃんもです」
山城「あら、ごめんなさい」
ーーー検査終了ーーー
明石「皆さんの皮膚なんですが、深海棲艦に変わっちゃってますね…。雷ちゃんはレントゲンの結果、内部も変わっちゃってます。ただ、尻尾に神経が繋がってませんね。尻尾にも小さい脳があったので、多分普通のレ級なら尻尾と繋がっている、もしくは尻尾に支配されているんでしょうけど。…尻尾切っちゃいます?」
雷「オネガイスルワ、明石サン」
山城「何故皮膚が?」
漣「わからねーです」
明石「漣ちゃんは、一度轟沈してから修復剤を使用したので、少し深海棲艦化したんでしょう。山城さんは…多分ですがドックの崩壊で瓦礫に頭でも打って死んだんじゃないですかね。艤装をつけてない状態だったので恐らく即死です。ですが、ドックだったので回復したんでしょう。同じく少し深海棲艦化したんだと思います」
山城「なるほど」
漣「提督には伝えたんですか?」
明石「…」
山城「明石?」
明石「大淀から伝えられたのですが、提督は…死亡しました」
雷漣山城「…!」
明石「次の襲来を考え、生存者全員武装の上で演習場に避難です」
雷「ワタシハ?」
明石「夕張に大淀と皆に伝えてと言ってあります。尻尾切断後移動です」
雷「ワカッタワ」
山城「…扶桑姉様は?扶桑姉様は無事なの?」
明石「…扶桑さんと青葉さんが行方不明で、お二方以外の生死は判明しています」
山城「…移動しましょう漣」
漣「了解です!おねーさま」
ーーー移動中ーーー
漣「!?おねーさま、海に誰か…」
山城「あれは…艦娘…?」
?「なにこれ…」
?「酷い…」
山城「行ってみましょう」
?「あ、南鎮守府の方ですか?」
山城「はい、そうですが…」
五月雨「北鎮守府よりきました五月雨です!物資のお届けに…」
那珂「東鎮守府から来ました那珂ちゃんです!同じく物資のお届けに参りました!」
山城「物資?しかも北って…元帥の?」
五月雨「はい、そうですね」
那珂「あれ?というか那珂ちゃん達は電話もらってきたんだけど?」
漣「電話は司令部にしか置いてませんし、何より今司令部は燃えて崩れてますから、つまりその前に誰かが?」
五月雨「はい、元帥曰く『恩人からの電話だ。急いでくれ。』だそうで…」
那珂「那珂ちゃんの所は秘書官の那珂ちゃんがとったけど、確か扶桑さんだったと…」
山城「扶桑姉様が!?」
五月雨「今はどちらに?」
山城「…行方不明です」
那珂五月雨「…」
山城「とにかく避難所へ。と言っても演習場ですが」
ーーー演習場到着ーーー
ーーー演習場ーーー
金剛「…テートク…ワタシは守れなかったデース。ナンデ、ナンデ」
北上「…少し黙ってくれないかな」
金剛「Why?お前みたいな無感野郎にはワカラナイかもしれないデスけどネ!提督が死んだんですヨ!?この辛さを理解できないでショウけどネ!?」
北上「黙っててって言葉の意味が理解出来ないのかな?エセイギリス。こっちはさ、姉妹も私が手塩にかけて育てた朝潮も死んじゃったのよ!?てかアンタも姉妹二人死亡一人行方不明でしょうが!?アンタは姉妹をなんだと思ってんのよ!」
金剛「ッチ、そんなの決まっているデショウ!姉妹なんかよりテートクが大…事」
比叡「…」
暁「金剛…さん?」
響「大淀さん、雷と山城さんと漣と明石は後から来るよ。それと…」
大淀「…成る程、夕張、確かなの?」
夕張「はい、雷ちゃんが…」
大淀「…今回の襲撃にレ級がいた上死者も出しているから…しばらくは明石夕張達は工廠で避難ね」
比叡「お姉様…私は…要らない子ですね…」
金剛「比叡ッ!違うデース!待って…」
曙「金剛さん…」
潮「酷い…」
電「最低なのです」
暁「電!」
電「行方不明だった妹に対して"なんか"呼ばわりした上で提督の方が大事とか…話からして霧島さんと榛名さん、死んでるでしょう?唯一の妹に対して"なんか"なんてつける奴は最低以外に何といえば…」
暁「電…?あなたそんな子じゃなかったでしょう…?」
響「比叡さんと連絡取れる人いるかい?」
磯風「知っているが…」
清霜「私も一応…」
響「じゃあとりあえず磯風、工廠に行くようによろしく。気まずいだろうからね」
磯風「それはいいが…そっちで何があったか話してもらうぞ。…その手に持っている"零式水上観測機"もな?」
響「…朧も連れて行く」
朧「連れて行かれなくてもついて行く」
響「知ってた」
山城「物資が届きました!」
大淀「情報が伝わるのも来るのも早いわね…」
五月雨「失礼します!あれ、提督はどちらに?」
那珂「那珂ちゃんだよーってあれ?ほんとだ。ここ南鎮守府だよね?」
大淀「提督は…」
五月雨「ええ!?」
那珂「…ふーん」
大淀「物資の輸送ありがとうございます」
五月雨「いま、艦隊を帰還させ次第また新しく最上さん達と来ますね。」
那珂「…久しぶり!」
摩耶「…久しぶりだな」
那珂「青葉ちゃんは?」
龍驤「行方不明や…」
瑞鶴「空母重巡戦艦寮は特に損害がひどくてね…」
摩耶「利根をはじめ、飛龍翔鶴祥鳳が死んだよ…」
那珂「戦艦は…ここに来てから山城さんと比叡さんに金剛さんしか見ないけど…」
瑞鶴「扶桑さんが行方不明で、日向さんと伊勢さんに榛名さん、そして霧島さんが死んだわね」
龍驤「駆逐艦は…阿武隈に聞いてくれな。…あと蒼龍はそっとしてやってな」
那珂「そっか…青葉ちゃんも行方不明かぁ。…阿武隈ちゃん?駆逐艦…ってうわっ。大丈夫?」
阿武隈「…ははっ」
那珂「じゃなさそうだね」
阿武隈「朝潮ちゃん綾波ちゃん敷波ちゃん夕立ちゃんが死んじゃった。」
阿武隈「球磨多摩大井先輩に木曾さん龍田さん名取お姉ちゃん」
阿武隈「天龍さんや北上さん辺りに聞くといいと思いますよ?」
阿武隈「磯波ちゃん叢雲ちゃん吹雪ちゃん磯風ちゃん時雨ちゃん山風ちゃん白露ちゃん満潮ちゃん霞ちゃん不知火ちゃんなら生きてます」
阿武隈「私は生きている、何で?」
阿武隈「ナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ」
那珂「…帰りますね」
五月雨「あ、磯波ちゃんに叢雲ちゃん」
磯波「五月雨ちゃん!元帥の艦隊以来じゃない?久しぶり」
叢雲「…久しぶりね」
五月雨「白露ちゃんと磯風ちゃんと大井先輩はどこに…」
磯波「…」
叢雲「大井先輩は死んじゃったわよ」
磯波「ちょっと…」
五月雨「そっか…」
叢雲「白露は白露型の妹達を慰めに行ったわ」
五月雨「磯風ちゃんは?」
叢雲「さっきまでいたんだけど…」
五月雨「生きてるなら良かったよ!」
五月雨「会えて良かった!また来るからね」
磯波「またね…」
叢雲「…」
ーーー夜ーーー
明石「演習場の人に寝袋配り終わりました!」
山城「簡易ベッドできたわよ」
暁「ありがとうございます山城さん」
山城「いえ、ほとんど夕張が…」
夕張「崇めてもいいんですよ?」
電「調子に乗ってるのです。」
響「Это смешно」
雷「ドンマイ!」
夕張「(´;ω;`)」
比叡「ありがとうね…響。気を遣ってもらっちゃって」
響「Нет проблем.そんな時もあるさ」
比叡「…」
ーーー深夜ーーー
?「これは…」
?「例の地下施設に落ちたのか」
?「いまあそこうまってなかった?」
?「それよりこっちの映像も。青葉さん生きてるっぽいね。」
?「…!ねぇこれ。…北方棲姫に、駆逐棲姫、ヲ級フラグシップに…レ級エリート…いやこれフラグシップ!?」
?「…レ級フラグシップは確認されてないはずじゃ…」
?「よく見て、駆逐棲姫とヲ級は頭のアレが無い。レ級は尻尾が無い」
?「そして何より謎なのは…
""""敵が敵を倒している""""」
?「あっ青葉さん扶桑さんに修復剤かけてもらってる」
?「扶桑さんが落ちたのはこの後かな?」
?「青葉さんはどこへ…」
?「やあ」
?「お久しぶりですね」
?「君の情報によれば那珂は無事らしいね」
?「ですね」
?「提督、死んだんだって?」
?「はい」
??「「ザマァ見ろ!」」
?「ハモっちゃったね」クスクス
?「ですね」クスクス
?「君が笑うのは久しぶりだと思うよ」
?「あの提督のせいで笑う状況にありませんでしたからね」
?「裏切り者は二人?」
?「いや…片方は利用された感じですね」
?「何に釣られたんだい?あの子は釣られないと思うけど」
?「『提督を殺す為に』っていう」
?「あぁ…彼女もあいつが嫌いだったか」
?「元帥の下にいましたからね。過保護すぎて嫌だったんでしょう」
?「お?あれは…」
?「ん?」
ーーー浜辺ーーー
?「こんなところに呼び出してどうしたの?」
?「しらばっくれるつもり?話と全く違うじゃない」
?「…馬鹿なのかなぁ」
?「はぁ?」
?「私はあの人の為に仲間を増やしただけ。利用されていることにも気づいてなかったわけ?」
?「ッ!やっぱりあんた…」
?「提督だけ綺麗に殺せるわけないって気付きなさいよ。『艦娘を狙わないようにしておいて』なんてするわけないでしょw」
?「…」
?「で、話終わり?帰っていい?私もこんなとこいたら後々疑われちゃうでしょ?」
?「ええ、そうね」
?「それじゃ…」
?「殺すしか無くなったわね」カチャ
?「は?」
パスッ
?「えっ?」
?「ハンドガンでも、この距離だったら流石に死ぬわよ。それも艤装を外してちゃ…ってもう聞こえてないわよね」
?「…銃と一緒に海に流そうかしら」
ーーーーーー
?「…!そうだ…」
?「ちゃんと撮影してましたよ?ビデオとマイクで声もバッチリ」
?「よくやった」ハイタッチ
?「やりました」ハイタッチ
?「そうだ、西の森の隠れ家に隠れてるんだけど、こっちくる?その方が割と便利だと思うよ」
?「観測機も無事freedomsが回収してくれたので…行きますか」
?「freedoms?」
?「可愛い可愛い私の弟子たちですよ。一番弟子は他にいますけどね」
?「ふーん?」
?「…おっと連絡が…え?」
?「どうしたんだい?」
?「…あー?扶桑さんの消息不明…えっまじか」
ーーーーーー
大淀「…ということで新しく提督が来ます」
山風「どういうこと…?」
金剛「独断で決めたんデスか。前の提督に未練が残っている子もいるのに?」
大淀「流石に提督がいないと鎮守府として成り立たない…という元帥からの話で…まあ、提督と同期、というか元帥の下で前の提督と一緒に育てられた人だそうです」
明石「流石に元帥からの実質の命令に背くわけにはいかないでしょう」
金剛「…ッチ。納得はいきませんが仕方ないデスね」
新南提督「それでは挨拶を始めていいかな?」
皆「「「!?」」」
新南提督「すまない、早く着いたはいいものの、どこで待てばいいかわからなかったのでな」
大淀「い、いえその、お迎えできなくて申し訳ございません!今、鎮守府がこんな状況でして、その、提督にも演習場内くらいしか用意できず、」
新南提督「…その件に関しては問題ない」
山崎提督「早速挨拶をさせてもらうが、森下に変わって南鎮守府に着任した、山崎だ。よろしく。それと、硬い挨拶は結構だ。状況を報告してくれ」
暁「森下…って?」ヒソッ
電「前の提督の苗字か何かだと思うのです」ヒソッ
大淀「死者、行方不明者が艦隊の半分程度で、森下提督も死亡が確認されています。生存者は今、この演習場にいる人だけです。また、工廠と演習場を除く全ての施設が半壊もしくは全壊しており、機能が停止しています」
山崎提督「報告ご苦労。とりあえず、当面の目標としてはドック倉庫食堂の再建だ」
大淀「食堂?食堂を再建する意図を理解しかねるのですが…」
山崎提督「演習場よりマシな避難所になる。何より食材を倉庫に詰め込むわけにはいかないだろう。倉庫に燃料入ってるし」
大淀「成る程、どれを優先しますか?」
山崎提督「工廠周りは…工廠関係を良く知ってる人達でないと」
明石「なら私と夕張ね」
山城「私もある程度は…」
山崎提督「なら早速再建を頼む。資材は東鎮守府に依頼してある」
ーーー工廠ーーー
明石「私は資材の配置を覚えているから、倉庫を」
夕張「私達がドックですね!」
雷「私モ手伝ウワ!」
山城「…ドックの仕組みまでは知らないわよ?」
夕張「とりあえず瓦礫の除去があるので…力仕事は任せました!」
山城「ええ、頑張るわ」
ーーーーーー
山城「…やっと、二つ目のドックが掘り出せたわ…」
雷「割ト重カッタハ!」
夕張「システム関係は治ったわ!」
山城「二つだけだけどドックが使えるようになったわね」
夕張「日がそろそろ落ちるので作業の続きは明日で…」
山城「そうね、現状みなは高速修復剤で治っているし…」
夕張「明石~そっちはどーおー」
明石「」
夕張「明石!?」
明石「や…やっと。瓦礫の除去と床の張り直しがおわったわよ…」
山城「早…」
明石「明日は動けないわねこれ…」
夕張「お、お疲れ」
ーーー元食堂ーーー
明石「大淀どこー?」
ー演習場方面から走ってくるー
大淀「明石!助けてよ!」
明石「えぇ…?てか、ほとんど復旧してな…」
大淀「早速新しい提督と…」
夕張「金剛さん」
大淀「大当たり…」
明石「期待してるわよ!大淀」
大淀「匙を投げないで!」
山城「一体何が?」
大淀「『動ける人は動け』っていう提督の言葉に金剛さんが『傷付いている精神状態も考えられないんデスか!?』っていって提督が『お前が何を言いたいのかわからないし動けないなら動かなければいい。邪魔するぐらいなら寝てろ』っていって大喧嘩に。他の皆のムードがお葬式になって復旧どころじゃ…」
明石「匙は投げられた」
夕張「匙は轟沈したようね」
大淀「助けて!?」
山城「…」
「ちょっと、話があるから連れてってくれる?」
ーーー演習場ーーー
金剛「だーかーらー!アンタにヒトの心ってもんはないんデスか!?」
山崎提督「お前が何を言いたいのかわからん。何故私の心の話になる?」
明石「一旦ストップね?」
金剛「why!?こいつが人の心を考えない発言したのが…悪…」
山城「…」
金剛「あ、いえ…なんでも」
山城「…提督がなにをしたかは知らないけどね?貴女のせいで復興が遅れてるの。理解してる?」
金剛「いや、あの、えっと」
山城「理解しろ」
金剛「あっはい」
山城「貴女の喧嘩に振り回された結果ね?食堂の復旧が進んでない。その間私達がなにやってたと思ってるの?貴女みたいに遊んでたとでも思ってるの?」
金剛「いえ、いや、すいません…」
山城「貴女にとって鎮守府が軽いものでもね?周りに迷惑がかかっている事には何も変わりないの。そんなんだったら一人で人形と喋ってろ。…二度と繰り返すなよ?」
金剛「はい、あの…すいませんでした」
山城「…それじゃあ工廠避難組移動しますか」
漣「あっはい」
曙「…(絶句)」
朧「…最後口調変わってたね」
響「…Вау это круто」
電「流石なのです」
大淀「そうだ、提督はどこに…」
山崎提督「倉庫辺りで結構だ。寝袋は持っている」
大淀「了解しました」
明石(あれ、これまずくね?)
夕張(雷ちゃんが…)
比叡(カバー!カバー!)
明石「いや、演習場のほうがスペースは空いて…」
山崎提督「大丈夫だ。寝袋一つ分のスペースさえあれば隅っこで寝られる」
夕張「いや、ほら割と機械とかありますし、」
山崎提督「吊るしても寝れるタイプの寝袋だ」
比叡「逆に何故そこまで工廠に!?」
山崎提督「いやほら、さっきので金剛辺りと気まずいから…」
山城「響、漣、曙、電、潮、暁、朧は先にいって雷を隠れさせて!」コソッ
皆「了解!」コソッ
ーーー工廠ーーー
山崎提督「工廠周辺がもうここまで復旧している…?すごいな」
山城「雷は?」コソッ
響「倉庫に…」コソッ
明石「頑張りましたんでね。明日動けるかどうかギリギリまで頑張りました!」
山崎提督「ありがとう。体調次第では休んで大丈夫だ。きつかったら言ってくれ」
明石「あ、ありがとうございます」
山崎提督「…そういえば」
夕張「どうしました?」
山崎提督「資材の残量の確認をしていなかったな」ガチャ
皆(ア"ア"ア"ァ"ァ"ー"ー"ー"!!??)
雷「あ、あなたが司令官ね?」
山崎提督「…レ級とは驚いた」
明石「…こっここここれはですね?決してね?」
山崎提督「…敵意が無ければ問題ない。轟沈した仲間、といったとこだろう。金剛や森下が知ったら、まあ殺されるだろうな。工廠で匿ったほうがいいだろうな」
山城「え…」
山崎提督「資材は…ある程度あるようで良かった。明日も早いのでな、先に寝させてもらう」
明石「え、深海棲艦を受け入れ…ってもう寝てるよこの人…」
漣「なんだったんですか一体…」
ーーーーーー
ーーーーーー
磯風「吹雪の死体を見つけてしまったぞ。いないと思ったら」
響「青葉さんとの連絡は取れたかい?」
朧「とれたよ。西鎮守府の井頭提督って奴が怪しいから調査中だって…っと追伸だ。…へえ吹雪殺しの犯人」
磯風「どいつだったんだ?」
響「叢雲だろう?」
朧「なぜわかったんだい?」
響「今回の一連の事件が吹雪と叢雲の陰謀だからね」
朧「待って初耳」
響「叢雲から『提督を殺す策がある』って聞いてたんだよ。…話的にも叢雲の性格的にも他の艦娘を巻き込むようには見えないからね。大方吹雪に騙されてたんだろうね。だから殺した」
朧「音声データもきたよ…ビンゴだね。会話的にもそれだろう。だが…追加情報。井頭提督の情報だね。…一度提督をやめているよ。襲撃事件の責任を取らされる形でね。襲撃事件の生存者は二名。提督と…吹雪だ。艦娘の番号も一致。同一艦だね」
磯風「点と点が線でつながったな」
響「青葉さんと…提督にはまだ報告しないでおこうか。信用が100%でないからね
ーーーーーー
?「吹雪ちゃん?叢雲ちゃんが?」
ーーーーーー
青葉「深海棲艦が」
青葉「いらっしゃるんですけどおおおおおおお?????」
川内「アジトだからね」
北方棲姫「カエレ!」
駆逐棲姫「うるさい」
レ級「キシシ。ヨウコソ」
ヲ級「おまえら…」
川内「まあ、そういうことだよ。なかよくしてあげてくれ」
レ級「レ級ダ。レ級デイイゾ」
ほっぽ「ホッポダヨ!」
わるさめ「わるさめちゃんだぞ」
ヲっさん「すまない…ヲっさんでいい。ゆっくりしていくといい」
青葉「え…えっと。ありがとうございます」
ーーーーーー
山崎提督「それでは今日も復興活動をしていく。動けないやつ以外は働く。この方針を変えるつもりはない」
金剛「…ッチ」
大淀「ちょっと。…磯波ちゃんと吹雪ちゃんと叢雲ちゃんどこに行ったか知ってる?」コソッ
響「知らないし、なんなら吹雪は昨日からいないよ」
大淀「なぜ黙ってたのよ!大問題じゃない!」
明石「悪いわね…私は歩くのが精一杯よ…」
山崎提督「それはご苦労様だった」
霞「…さっさと取り掛かったほうがいいんじゃない?」
満潮「さきにいきましょう」
山崎提督「…私の思い違いでなければ艦娘が減っていないか?」
大淀「三名が行方不明ですね…吹雪、磯波、叢雲の三名です」
山崎提督「一体何故…」
満潮>>何してんのあんた!?<<
霞>>ちょ、やめなさいな<<
大淀「何事!?」
暁「行くわよ!」
ーーー食堂跡ーーー
満潮「離しなさいよ!」
霞「叢雲死にかけてるじゃない!」
叢雲「…ゲホッ」
山城「やめなさい!磯波!」
磯波「…」
山崎提督「…説明は頼めるか」
磯波「…はい」
磯波「私は…聞いてしまったんです」
磯波「…吹雪ちゃんを…吹雪ちゃんを…」
磯波「叢雲ちゃんが"殺した"って」
設定の紙が見つかった為、友人への嫌がらせと共に再開致します
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