2019-07-24 16:39:13 更新

概要


大川夕禅中将の盟友、敷島龍生とその相棒時雨を始めとした艦娘達のとある1日。


前書き


皆さんこんにちは!初めましての方は初めましてメットールといいます!
今回は前の最後に書いたとおりスピンオフの一回目です!
相変わらずの拙い文章、誤字脱字ばかりですがどうぞよろしくお願いします。





良く晴れた日の早朝、夜明けの頃、敷島龍生と時雨が鎮守府中の埠頭の先に腰掛けていた。龍生の手にはギターが有り龍生が時雨のリクエストを聞いてその曲を弾き時雨がそれにあわせて歌っていた。




時雨「woh~oh~♪さぁ空に向かって~♪あ~いよ~♪どこまでも遠くまで~♪hah~♪嗚呼朝日を浴びて~♪い~ま全て灰になろうとも~♪」




この時間を時雨は大切にしている。と言うのも第3鎮守府にいたときは俺と時雨含めて第4部隊7人だったが今では1つの鎮守府を任され、仲間も増えた。その事自体は喜ばしいし名誉あることだがその分俺と2人で過ごす時間がめっきり減ったからだ。

その為2人で考えた結果まだ誰も起きないであろう時間でこうしてその日の気分で過ごすというものだった。そしてこの日は歌いたい気分だったようでこうして俺はギターを弾いている。




時雨「woh~oh~♪さぁ空に向かって~♪あ~いは~♪どこまでも遠くまで~♪hah~♪まひるの太陽~♪い~まこの声が灼かれようと~♪」




時雨は艦娘になってもう1年は経った。こいつは自分から志願した。志願して適正を診られた結果自分に適合したのが白露型『時雨』の艤装だった。稀に見る適合率らしく養成学校の同期で90%を越えていたのは時雨と夕さんとこの古鷹だけだった。両親に反対されていた。それはそうだ。時雨にもう会えなくなるのもあるが御両親は時雨の事を本当に大切にしてたからだ。今のご時世に恵まれた子供だったはずだ。




時雨「woh~oh~♪さぁ空に向かって~♪鳴いた~♪三本足のカラスは~♪hah~♪夕日の射すと~き~♪そ~うだこの身灼かれようと~♪」




その両親も最後は時雨の意思を尊重して送り出した。まあ、その一端は俺のせいでもあるわけで。と言うのも俺はガキの頃の時雨に会ったことがある。

ってか助けた。昔とあるショッピングモールで自爆テロが起こり当時の俺は新兵だったが現地に赴き救助活動に従事することになった時だ。その時逃げ遅れた子供を命からがら助けた。1秒遅れたら瓦礫の下敷きになるような状況でだ。その助けた子供が時雨だった。(ちなみに俺は再会して時雨に言われるまで全く気づいてなかった)

時雨にとってその事が人生のターニングポイントになったって言ってた。




時雨「woh~oh~♪大空高くへ~♪飛~んだ~♪三本足の太陽は~♪さぁ声を上げたよ~♪」




当時の時雨にとって誰かを命掛けで助けるってことに強い衝撃を受けた様で子供ながら自分もこういう軍人又は誰かを助ける事をしたいと言っていた。そこに艦娘の適合。時雨にならないという選択肢はなかった。そんな時雨が養成学校を出て鎮守府に配属されて指揮に入ったのは提督の推薦を受けてなりたての俺の元。奇妙な縁を感じたよ。




時雨「ず~っと欲しかったものは~♪もう忘れたけど~♪ひときわと輝いて~♪」




命を助けた奴にも責任があるならとってやるよ。もとよりそのつもりだし覚悟もとうに出来てるからな。その変わりお前も俺についてこいよ、俺が間違いを起こしそうになったら殴ってでも止めろよ。これはお互いにした約束だ。




時雨「ふう、スッキリしたよ。リュウ、ギター上手くなったね」




敷島提督「こういう風に誰かさんに付き合わせられればな」




時雨「なんだい、嫌なのかい?」




敷島提督「んな訳ねえだろ。好きでやってんだよ。って言わせんな恥ずかしい」




時雨「ふふっ、良かった」ニコッ




敷島提督「そいつは何より」ニカッ




それから2人で朝焼けを見ながら笑い合った。俺は時雨を抱き寄せながら頭を撫でて。時雨も嬉しそうにしてた。

勿論その時間は俺にとっても大切だけどな!



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そして、時間は過ぎて朝飯の時間に、こうなるともう戦場で




セン「夕立!肉バカリ拾ウナ!不知火!オカワリノ釜ハソッチダ!清霜!野菜モ食ベナサイ!初月!オ前ハモット食ベロ!」




チエ「ホントニ凄イワネェ」アラアラ




初月「本当に、こんなに食べていいのか?こんな量を…」




朧「大丈夫、それ不知火のおかわり前の半分の量だから」




綾波「あはは…初月ちゃんまだ慣れないみたいですね」




若葉「いい加減慣れると思うが、まあ個人差はあるか」ズズッ




蒼龍「相変わらずみんな良く食べるよね~」




不知火「すいません、身体が資本なもので、食べないと、」モグモグ




夕立「力でないっぽい、それに食べた分、動けば大丈夫っぽい」モグモグ




朧「2人共、食べるか喋るかどっちかにしなさい。お行儀悪いよ」




これが何時もの食事風景、不知火と夕立は本当に良く食べる。それを見て朝霜や清霜も良く食う。足柄や蒼龍も食うけどな、そんな賑やかな食事も中々無いもんだ。そんな中夕立が俺に聞いてきた。捨てられた子犬みたいな目をしてだ。




夕立「提督さん、ほんとに行けないっぽい?」ウルウル




敷島提督「しょうがねぇだろ、今朝になって大本営直々の依頼が来ちまって俺が留守にするわけにゃいかなくなっちまったんだよ」




不知火「それで時雨さんも朧さんもですか…」




時雨「うん、送られてくる書類が特務中尉以下の閲覧が出来ないんだ。そうなると僕と朧しか対応が出来ない」




綾波「本当に残念です…せっかくのお休みなのに……」




朧「まあまあ、落ち込まないでよ綾波姉さん、私達には何かお土産でも買って来てくれれば十分だからさ」




若葉「すまないな、2人共」




足柄「ほんとよね、私も遊びずらいわ」




龍田「仕方ないわよ~私達2人と蒼龍さん階級特務小尉じゃない、階級言われたら何にも出来ないわ~」




蒼龍「私と2人の特務小尉は違うよ~私みたいな空母艦娘は特務小尉からだけど2人は叩き上げじゃない」




清霜「そんなに凄いの?」




朝霜「まず戦果挙げねぇと無理だな」モグモグ




セン「提督、今回ハ私達モ行ッテ来テヨロシイノデスカ?」




敷島提督「ああ、問題ねえよ。皆が遊び行くとこは第3鎮守府に近くて栄えてる街でショッピングモールもある所だが、海軍棲艦に理解がある所だ。第3の連中もちょくちょく遊び行ってるらしいから大丈夫だよ」




チエ「モ~、言ッテルデショ、大丈夫ダッテ。私ガ遊ビ行ッタッテ嫌ナ顔サレナイノニセンナラ大丈夫ヨ」




敷島提督「第3の迎えが来るのは10時だろ?皆遅れない様に準備しろよ~」




全員「はーい」




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そして10時になり龍生達が外出組を見送った鎮守府では残った龍生達は




敷島提督「行ったな、さてと」




時雨「こっちも準備を始めるかい?」




敷島提督「ああ、でもなぁ…」




朧「どうしました?」




敷島提督「いや、バレたら夕立が盛大に駄々捏ねるのが想像出来る分な…」




時雨「しょうがないよ。もしそうなったら僕も宥めるの手伝うから」




敷島提督「いつも悪いな、朧もごめんな。お前も遊び行きたかったろうに」




朧「仕方ありませんよ、提督がああ言う事は時雨に聞かされてましたから。それにああでも言わないと不知火も綾波姉さんも引きませんからね。それに夕立だけじゃなく今回に限ってバレたら綾波姉さんも駄々捏ねますよ」




敷島提督「だよなぁ…マジでどうするか考えねぇと、とそれは後にしてさっき打ち合わせした通りに頼むぜ?」




時雨朧「「了解」」




なにやら準備を始めていた。




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1300 鎮守府に1隻の中型船が入港し中から兵士がぞろぞろと降りてきてその後ろに1人の艦娘も続くように降りてきた。




敷島提督「遠路はるばるご苦労様です。ようこそ第11鎮守府へ、大淀視察官」




大淀「お出迎えありがとうございます。敷島小将、時雨特務大尉、朧特務中尉。大本営から来ました視察官の大淀です」




敷島提督「皆さんお疲れでしょう?ひとまず中にご案内したいと思いますがいかがしますか?」




大淀「いえ、早速視察を始めたいのでそちらのご案内をお願いします」




敷島提督「了解致しました。それではご案内致します。こちらへ」




そうして龍生は大本営から来た視察官の大淀とその部下を鎮守府内に案内した。その後ろで時雨と朧は




朧(やっぱり社交辞令もないね)ササッ




時雨(想定の範疇さ、それよりも皆は今楽しくやってるかな?)

サッササッ



朧(大丈夫だよ、多分)サッスッ




時雨(それもそうか、じゃ手筈通りにね。朧頼んだよ)サッサッスッ




朧(了解)スッ




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一方その頃外出組は




ショッピングモール内レストラン組




夕立「ん~~~~!このチョコパフェ美味し~~♪」




若葉「ふふふっ、夕立こっちのイチゴのパンケーキも美味しいぞ♪」




綾波「私はやっぱりあんみつですね~♪」




浦波「磯波姉さん、こっちの抹茶パフェ食べる?」




磯波「ありがと~、じゃあ私のクリームあんみつ分けてあげるね」




初月「は、初めて食べた…チョコプリンってこんなに美味しいんだ……!」




セン「コレガ『タルト』ナル物カ…」フム




酒匂「?どうしたのセンさん?酒匂のストロベリーサンデー食べる?」




セン「イヤ、帰ッテ再現ガ出来ルカ考エテタダケデスヨ」




夕立「センさん作って作って~夕立食べたい!」




綾波「それは楽しみです~それは少しおいて皆さんいいですか?」




すると綾波はコホンと咳払いをしてとある議題を7人に切り出した。




綾波「皆さんにお聞きします。あんみつにはクリームは有りか無しかを!?」




若葉「綾波…!それは良くないぞ!それはきのこたけのこ論争の様に延々続くだけだ!」




セン「…若葉、本音ハ?」




若葉「両方美味しいからどっちだろうと私は一向に構わん!」キリッ




初月「僕もその意見に同意だ!食べられるだけ有難いじゃないか!」




酒匂「ぴゃあ…質問の主旨を遠慮無く吹っ飛ばしてる…ってか初月ちゃんが脱線した」




磯波「……綾波さんはどの様にお考えですか?」




浦波「い、磯波姉さん?」




綾波「勿論無しです!やはりクリームのないあんみつこそベストです!」




磯波「その発言、撤回を求めます」




綾波「…やっぱりなんだね磯波ちゃん、メニュー見てなんでわざわざクリームあんみつを頼んだのかと思ったけどやっぱり……」




磯波「それは私も思いましたなんで綾波さんはわざわざあんみつを注文したのかと……」




綾波磯波「「いいですか!まずは……」」アーダコーダアーダコーダエトセトラエトセトラ




浦波「えっと……これは止めたほうが」




夕立「大丈夫っぽい。綾波ちゃんああは言ってるけど本音はそこまで拘ってないっぽい。その内落とし処決めるっぽい」モグモグ




若葉「そうだな。ただ単にこれは好きなものが同じだったから楽しくお喋りしたいが普通だと面白くないから趣向を変えただけだろう」モグモグ




酒匂「ぴゃあ…それってただ突っ込み不在なだけじゃ……」




セン「酒匂、ソレ以上イケナイ」




綾波「本当に分かってる?クリームを無理やり入れられたあんみつを例えるなら日本(あんみつ)に無理やり開国を迫る為に来た黒船(クリーム)なんだよ!?」




磯波「しかし、その開国があったからこそそこで新しい文化(トッピング)が生まれ今日まであんみつは発展を続けてきたんですよ!?」




夕立(本当に突っ込みが欲しいっぽい。提督さんか朧ちゃんが欲しい)




一方……




ショッピングモール内食べ歩き組




朝霜「清!次あそこのたい焼き食おうぜ!」




清霜「うん!あたしは白餡にしよ!」




チエ「アラアラ美味シソウネ、私ハクリームニシヨウカシラ」




龍田「私も食べようかしらね」




足柄「そう言えばたい焼きって良く分かれるわよね、頭から食べるか尻尾から食べるか」




不知火「えっ」




蒼龍「そうそう!良くそれで意見分かれるよね~」




不知火「えっ」




足柄「あるあるよね~ってそう言えば不知火ちゃんたい焼き買ってたけどどっちから食べてるの……って、え?」




蒼龍「どうしました足柄さん……って、え?」




足柄と蒼龍が見た不知火の食べ方に思わず二度見してしまった。

なぜなら不知火の食べ方はそのどちらにも当てはまらない、思いっきり腹の部分からかぶりついていた。




足柄「まさかの腹から…」




蒼龍「まさかそこからなの?不知火ちゃんなんで?」




不知火「なんでと言われましても…不知火は良く鳥とか動物とかが腹から食べるのを見てましたのでこういうのは腹からだと…」




蒼龍「一体なにを参考にしてるの!?」




足柄「ま、まあこれはこれでいいんじゃないかしら人の食べ方はそれぞれだし他の皆は……」




朝霜「?」真っ二つ

清霜「~♪」少しずつ千切る

チエ「美味シイワネ~」背中からガブリ

龍田「ここのお店イケるわね~」腹からガブリ




蒼龍「うん、ちょっと待って。待とう皆、一回待とう。」




不知火「?、どうしました蒼龍さん?すごい優しい笑顔で」




蒼龍「ごめんね、状況を整理したいから1人ずつ聞くね、まず朝霜ちゃん、何で割ったの?」




朝霜「へ?割ったほうがどっちに中身がいっぱい入ってるか分かるじゃん。んで多いほうを後で食べんだけど」




蒼龍「うん、なんとか理解出来たからいいや次清霜ちゃん、まず聞きたい。熱くないの!?」




清霜「えっ?慣れれば大丈夫だよ?」ブチッモグモグ




蒼龍「それ焼きたてだよねっ!?だって中身の湯気が物語ってるもんね!?それに聞きたい、何で慣れたの!?」




清霜「何でって、清霜の実家の家族皆この食べ方だよ?」ブチッモグモグ




蒼龍「まさかの遺伝!?一子相伝なのその食べ方!?それなら私何も言えねぇ」




足柄「なんかそんな台詞あったわね、誰だったかしら?」




蒼龍「漣ちゃん状態ってやかまずぃ!次にチエさん、まず1つ不知火ちゃんの話聞いてましたか?」




チエ「(ヤカマス?)全ク、私固イ所カラ食ベルノ好キナノヨネ~」




蒼龍「背びれの部分かな?成る程、分かりました。最後に龍田さん、まさかその食べ方が被る!?」




龍田「変かしら?お腹の部分って1番中身入ってるからいつも最初に食べてるんだけど~」




蒼龍「成る程、つまり龍田さんは好きなものは最初に食べる派で朝霜ちゃんは後で食べる派ね、大体わかった。わかったけどさ…」




足柄「まさかたい焼きの食べ方2種類で話してたのにその倍の食べ方があるなんて思わなかったわ」




不知火「それにしても…」




チエ「ソレニシテモ?」




不知火「蒼龍さんも突っ込み出来ますね、司令や朧さんの負担が減りそうです」モグモグ




蒼龍「分かってるなら突っ込みに回ってよぉーー!18人いて突っ込み3人って過労死もんだよーー!!」




清霜「ねぇねぇ足柄さん、たい焼き司令官達に買って行こう?」




足柄「そうね、なら最後にまた寄ればいいわね」




と、そんなこんなで思い思いに休日を満喫していた。




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大淀「…それでは最後に執務室をお願いします」




敷島提督「了解です。ああ、すいません。機密の関係で入室出来るのは大淀視察官のみですがよろしいですか?」




俺のその言葉に大淀の側に控えていた兵士達が動揺したようだが




大淀「構いません、では皆さんは先に休んでいてください」




敷島提督「それなら時雨に案内させましょう。時雨、頼めるな?」スッパッパッ




時雨「了解したよ」スッ




そうして時雨は大淀が連れていた兵士達を連れてその場から離れた。そして俺と大淀が執務室へ入っていった。




敷島提督「さて、大淀視察官。そういえばさっき話の中で見せたい書類があると言っておりましたがその書類を拝見させて頂けますか?」




大淀「こちらです。元帥からお預かりしています」




敷島提督「ふむどれどれ……」




俺はその書類を確認した。今後のこの鎮守府の運営のことが書かれていたのだが……




敷島提督「おいおい、これは本当に元帥の指示か?こんな事したらまた深海棲艦に制海権を盗られるぞ」




それもそうだ書かれていた内容は今までの政策とは真逆と言っていいほどの事で到底大堂元帥がやってきたものと違うからだ。




大淀「しかし、これは元帥の勅命です。こちらの書類を確認下さい。私は元帥からこれからの運営を一任すると記載されておりこちらには元帥の印もあります」




おーおー強気に出ちゃってマウントとったつもりでいやがる。




大淀「ですのでこれからは私の指示に……」




うーん、もうネタばらしするか。もう聞くに耐えない。




敷島提督「なあ視察官殿。確認があるんだが」




大淀「なんでしょうか?」




敷島提督「元帥の判子が違うぞ」




大淀「何をバカな事を、そちらの書類にあるものと同じ……」




敷島提督「ああ、悪い言葉が足んなかった。判子に使ってるインクが違うぞ」




大淀「は?」




なに言ってんだこいつみたいな顔をしやがった。まあこれからその顔が変わってくわけだが




敷島提督「それではご覧下さい」




そうして俺は俺の机にあった書類をとり判子が押されてる所に手を当ててみた。すると…?




大淀「えっ…?」




敷島提督「この様に、元帥が使ってるインクは熱が加わると赤く光る特殊なものを使ってる。でも視察官殿が持ってきた書類ってのが」




実は一部は嘘も入れてる。その嘘はこのインクは俺にしか使われてないことだ。元帥は俺や夕さん達に送る書類の使用を変えている。ってのも大堂元帥、将さんは実に用心深い。この様な偽造を防ぐ為俺達1人1人に対して暗黙の確認方法がどこかに存在している。俺の場合42度以上の熱にインクが反応するようになってる。

そうして俺は大淀が持ってきた書類の判子の部分に触ると…




敷島提督「おかしいな、こっちは赤く光らない。どういうことなんだろうな?」




大淀「…何を仰いたいのですか?」




まーだ鉄面皮を保ってやがるな、まあいいや




敷島提督「単刀直入、これは偽造だよ好戦派のスパイさん」




この件の発端は昨日のことだ




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昨日 夜 執務室




大堂元帥『いきなり悪いな、龍生。時雨もそのままに聞いてくれ』




敷島提督「いえ、とんでもありません。何かあったんすか?」




大堂元帥『好戦派に動きがあった。蓮次のとこの川内が掴んだ情報だとどうやら艦娘もからんでるな』




敷島提督「へぇ、どいつですか?うちに因縁があるとすれば島風ぐらいですよ?」




大堂元帥『残念だが違う、その艦娘というのは大淀だ』




敷島提督「大淀?大淀って確か大本営にいた艦娘っすか?時雨知ってるか?」




時雨「うーん、ごめんわかんないや」




大堂元帥『その大淀という艦娘は大本営に配属はしていた。と言うのもこの艦娘はな…………』











敷島提督「……成る程。なら書類の偽造もお手のものって訳ですか。それにしても面倒っすね、極秘に処理したいっていつもお疲れっす」




大堂元帥『まあな、そしてどうやらお前のとこで動きがあってな。やるとしたら明日だ。第11鎮守府の乗っ取りだろう』




時雨「確かにここは第3と第7、第14鎮守府の中間に位置しますから、目的としては補給路の分断というところですか?」




大堂元帥『おそらくそうだろう、あたかも偽造の書類を本物の書類の様にちらつかせてな。いくら偽造の書類っていって判子も再現しても連中はお前達の確認方法までは知らんし、その情報が漏洩した痕跡もない。』




敷島提督「つまり奴さんに油断させてからのカウンターで一網打尽って訳ですか。元帥、一応確認なんすけど」




大堂元帥『生死問わずってことだな?大淀は出来る限り、それ以外は任せるが身元は分かるようにしておけ、後処理が面倒になる』




敷島提督「了解。でもどうしましょうか?それだと不知火や夕立がいち早く動く可能性がありますよ?」




時雨「あの2人の第6感はすごいからね」フフッ




大堂元帥『それなんだが、龍生。お前のとこ明日遊び行く予定だったよな?』




敷島提督「はい。行きますけど……ってまさか?」




大堂元帥『戦力みてもただの烏合の衆だ。お前と時雨と朧がいれば十二分にお釣りが返ってくる。さっきも言ったろ極秘に処理したいってな』ニヤリ




敷島提督「ちょっと将さん勘弁してくださいよ!?ただでさえこの間の合同作戦(鎮守府奪還作戦)の後留守番くらった夕立と綾波が出撃させろ出撃させろって駄々捏ねまくって宥めんの大変だったんすよ!?」




大堂元帥『しょうがねえだろ、あの2人は少々やりすぎんだから。まあ、大丈夫だ。今回はバレなきゃいい、迅速な後処理頼むぞー』ブツリ




敷島提督「ちょーー!!」!Σ( ̄□ ̄;)




その通信は元帥の方から遠慮も無しに切られ龍生は盛大にため息をつき机に突っ伏した。




敷島提督「マジかよ~七面倒くせぇ……」




時雨「とんでもない爆弾担がされたね」アハハ




敷島提督「すぐ爆発するわっ!?も~しょうがねえ!時雨、朧を呼んでくれ。作戦会議だ!」




時雨「OK、リュウ。じゃ直ぐに」




敷島提督「おっと待ってくれ時雨。こいつを渡して置く」スッ




そう言って龍生が時雨に渡したのは1枚のカードだった。




時雨「えっ…!リュウこれは……!」




敷島提督「お前も使えるだろ?それ使って大淀ってやつの化けの皮剥いでやれ」ニヤリ




時雨「うーん。化けの皮ごと直の皮膚まで持ってくんじゃない?」フフッ




敷島提督「もうそんぐらいやっちまえ。ただでさえ休み潰された挙げ句盛大な後処理も押し付けられたんだからな」




時雨「そうだね。フフッ、そうさせて貰うよ」



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これが昨日のやり取り。奴らの行動は筒抜けで、俺はこの大淀って奴をこの鎮守府から逃げるのに時間がかかる本館3階の執務室までまんまと誘き出した形になったワケだ。




大淀「…それで何故好戦派のスパイ扱いをされるのでしょうか?」




敷島提督「まず、元帥の公文書を扱ってるのがお前や閑職に追いやられた将校連中のいる事務課だ。で、その追いやられた連中や老害共がこんな大それたことはまず出来ない。何故ならそいつらは南鳥島海戦の時に三笠についてた奴らで大堂元帥の取引に応じて階級をそのままに権力を失い閑職行きになった奴らだからだ。応じなかった奴らは例外なく好戦派って名乗ってるテロリスト同然の連中なのは言わなくても分かるな?」




大淀は老害と言う言葉に僅かに反応したようだが俺は構わず話を進めた。




敷島提督「で、今の海軍で公文書偽造なんてやるのは好戦派を支持している奴、又は好戦派のスパイだ。それに大淀、お前三笠の元部下だろ?」




大淀「……っ!」




その時コンコンコンとノックする音がした。




敷島提督「どうぞ」




時雨「失礼するよ、提督」




大淀「時雨特務大尉!何故入って来ているのですか!?今こちらは……」




時雨「提督、僕が連れて行った連中は全員片付けておいたよ。」




敷島提督「おう、ご苦労さん♪」




大淀「は?何を……」




時雨「あなたの側近共は全員お寝んねしてるよ。だけどひどいもんだよね、僕が部屋に案内したらみーんな僕を襲おうとしたんだからさ。部下にどういう教育してるのかな?ま、取り敢えず全員両足の骨砕いといたから」




大淀「……!!なんてことを……」




時雨「人のこと殺そうとしたくせに両足砕かれた位でガタガタ言わないでくれないかい?」








時雨「君たち、もう殺されても文句言えないんですよ」ギロッ




大淀「!?」ビクッ




話は少し遡ること……




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僕はリュウと別れた後あの視察官の取り巻きを控え室に案内をしていた。後ろからカチャカチャ音がする。恐らく銃でも準備してるんだろう。




時雨「控え室はこちらになります」




そう僕が案内し振り向いた時だった。




側近「動くな、手を上げろ」




全く分かり易かった。もう少し隠そうって気は無いのかな?取り敢えず僕は銃を突き付けた側近に対して




時雨「先に動くなって言われたら手を上げられないよ?」




もっともらしい返しをしたと同時に側近の右膝めがけてローキックをかまし骨を一撃で砕いた。我ながら上々だと自分を誉めたいね。




側近「ぎっ!?」




そのままでは終わらさず僕は直ぐ様踏みつけ蹴りの要領で左の膝を蹴り抜き倒れる前にその側近の顔面を掴み後ろにいた兵士の顔面目掛けてぶつけた。両方とも気絶させれたので最後の1人、その兵士は銃を撃とうとしたのですかさず




時雨「銃は困るんだ。後処理も大変だし跡が残ると夕立達に言い訳が出来ない」




と兵士に言いつつ銃を掴み強引に手ごと回した。でもやり過ぎた、強引にやり過ぎて手首の骨ごと粉砕しちゃった(テヘペロ☆)

悲鳴をあげそうになったので顎を押さえつつそのまま飛びつき式ダイヤモンドカッター(用はRKO)を喰らわせておしまい。後はあらかじめ控え室に用意してたインシュロックで側近を縛り(次いでに残り2人の膝を砕き)猿ぐつわをして執務室に戻って来たということだ。

まあ、リュウからも別れる前に『動いたらパッパッと片付けろ』って指示だったし問題無いね。




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敷島提督「ブラボー」パチパチ




話は戻して執務室、俺は時雨の見事な口撃っぷりに心から拍手をしていた。対しての大淀は時雨の威圧感にすっかり飲まれていた。




時雨「本当に困るよ、こんなか弱い僕に銃を突き付けるだなんてさ」




そんな事を言う時雨に俺が突っ込もうとしたら




時雨「どの口が言ってんだお前って酷いよ提督。僕を何だと思ってるのさ…」




と、反応した時雨が俺に見える様に泣き真似の仕草をしていた。こんな状況でも余裕があるなと関心するぜ。




敷島提督「ああ、悪ぃ悪ぃ。今のはつい条件反射でな」




時雨「ふふっ。分かってるよ、何時も大切にしてくれてありがとう」ニコッ




敷島提督「おう」




OK、アレを使ってるのは確認出来た。さてこの視察官殿がどんな顔するかな?そう思いつつ俺はチラッっと窓の外を見た。

と言うのもこの執務室は防音対策がバッチリな為外からの音が聞こえない。だから見ないと外の様子がどうなってるかが分からない、その外では朧が40人程の兵士相手に見事な大立ち回りを披露しぶちのめしていた。




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朧「っしゃらーーーー!!」ドゴッ!




と私は提督直伝の飛び膝蹴りをかましその場にいた兵士を片付けた。取り敢えずこいつで最後みたいだ。




朧「20っと、これで半分、多分」




ちなみに今私がいるのは艤装保管庫の前、と言うのもこの手の連中がやることは大体が決まっている。

私達艦娘は艦娘故に常人を越える身体能力を持っている(龍生提督達みたいな本当の人外は別!重要!!)が、それはあくまでも艤装と接続状態時のみで艤装がなければただの女の子だ。特に私や時雨みたいな10代半ばの駆逐艦娘は。

だから艦娘を無力化する場合艤装を封じ込めば大抵上手くいく。その為連中は艤装の封じ込み、或いは遠隔操作装置を取り付けるということになる。

どのみち連中にとって艤装保管庫は抑えなければいけない重要な要所なのである。




その為待ち伏せが容易なのと、もうひとつ理由がある。それは今の鎮守府の状況だ。私達3人以外が出払っているということで相手が動きやすい状況を作ったと言うことだ。お陰でこっちも早く終わりそう。多分。




好戦派兵士「くそっ!やられてるだとっ!?」




好戦派兵士「残った連中に量産型艤装を装備させろ!あのガキを殺せ!!」




ラッキー、向こうから来てくれたよ。数は…23人、うん。私が叩きのめした20とあの視察官と側近の4人で47。報告の数と合うねこれで打ち止めか。量産型艤装も持ち込んでる事も報告に含まれてたから驚きはしない。




好戦派兵士「よし!準備が出来しだっ……!」




この兵士が何か言おうとしてたみたいだけど私は一気に距離を詰めてその勢いで飛び掛かり式の、スイングDDTで脳天から叩きつけてKOにした。そして……




朧「ここは戦場だよ?よーい始めで攻撃するバカがどこにいるの?」




私は大袈裟に肩を竦めてみせた。こいつらみたいな安っぽいプライドを持つ連中には効果がある。




好戦派兵士「このガキっ……!」




艤装兵士「もう構うな!ころ…ひぎゃっ!」




朧「だからここは戦場だよ?」




私はワンステップからの回し蹴りで蹴り飛ばしたが……




好戦派兵士「なっ……」




朧「あっ、ヤバい壁凹んじゃった」




私達は皆にバレない様になるべく周りに被害を出さない様に戦っている。戦ってはいるがそれでも出てしまう。現に私が蹴り飛ばした艤装装備の兵士の頭の形にくっきりと壁が凹んでしまった。




朧「やっちゃった……うん、バケツ使えば直ぐ直るしいいか。バケツはひっくり返したって言えばいいし」




好戦派兵士「な、なんだこのガキ……」




好戦派兵士「ぎ、艤装を装備していないはずだぞ!?」




やだね、自分たちの常識で考える連中って。人外の域にある敷島龍生提督。その龍生提督直々に鍛えられた私達がただの女の子なワケがないよ。鍛えられた結果私を含めた時雨達6人も十分に人外の域に片足突っ込んでるんだから。最もこれは第3鎮守府に所属してた艦娘の共通点なんだけどね。




朧「さてと、綾波姉さんや夕立じゃないけどもうひと暴れしますか」




フラストレーション溜まってる2人なら間違いなく喜ぶね。それこそ大好きな食べ物を目の前にした子供みたいに。

でもたまには私だって暴れたいんだ。伊達に第4部隊の副隊長、第11鎮守府の副官、何よりも時雨の相方なんてやってないからね!そう思い敵の中に突っ込んで行った。




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敷島提督「ははっ、朧の奴嬉しそうだ」




思わず声が出てしまった。朧もああなると目の色が変わる。それこそ戦いに餓えてた獣みたいに。普段は忠犬みたいだと時雨達に言われているが流石綾波の妹分。綾波に劣らない猛犬っぷりだ。

大淀が俺の視線に気付き窓の外を見たら愕然としていたようだった。




大淀「ま、まさか…」




時雨「こんな事考えられない、艤装も装備してない艦娘が量産型艤装装備の兵士を圧倒しているなんて、かい?」




ここで大淀が時雨の方を向き直った。その顔は先程まであった鉄面皮が無かった。対する時雨は右目を閉じた状態で大淀をずっと見ていた。




時雨「……成る程ね」




大淀「な、何が成る程なんですか?特務大尉、あなたは……」




時雨「提督。提督がさっき言ってた閑職に追いやられた将校の中に彼女の祖父がいるんだ。そしてその祖父やその仲間達は彼女の偽造工作と隠蔽工作に加担してるよ」




その時雨の言葉に大淀の顔は真っ青になってやがる。当たり前だ、その情報は大淀にしか知り得ない事なのだからな。さらに時雨は続ける。




時雨「彼女の家系はその祖父の代からの軍人家系で彼女の父親も弟も軍人だった。しかしその父親も弟ももうこの世にはいない、深海棲艦との戦いで2年前に戦死してる。しかし彼女自身に艦娘の適性があったんだ。そして家族の仇を討つ為に艦娘になった。しかしそこで転機が訪れた。彼女は三笠中将が唱える定説に共感、いや心酔だね。その定説は女尊男卑、艦娘至上主義に対してね。彼女は今でもそれを絶対の正義としており僕達や今の海軍組織をぶち壊したいと考えてる」




三笠という言葉に俺は反応した。俺もその定説は知ってる。早い話が『私達が平和にしてやる。そら享受しろ。そして我らに絶対の服従をしろ』っていうはっきり言って胸糞悪いやつだ




大淀「な、なんで……?」

時雨「『なんであなたがそんなことを知っているの?』かい?」




嫁自慢じゃないが時雨は可愛い。その柔らかい優しい笑顔にもの静かな雰囲気と優しく落ち着いた声は天使だと言う奴らもいてケッコンカッコカリをしても今だにファンがいるくらいだ。

しかし、その時雨の笑顔も今の大淀には悪魔のような、いやもっと恐ろしい何かの笑顔に見えるだろうな。そして……




時雨「答えは既に把握済みだよ?」





















時雨「だって心を覗いたからね」ニッコリ


















ガクッ




大淀が真っ白になってへたりこんだな。まあ無理もないか。こっちがカタ着いたので俺はここにいるであろう人物を呼んだ。




敷島提督「川内~いるんだろ?」




川内「呼んだ?」ヒョッコリ




俺が呼ぶと川内は天井から器用に逆さ釣りの状態で顔を出した。

こいつは川内。蓮さんとこの艦娘で諜報班のメンバー、そして嫁の1人。主に潜入調査や内偵を行っている奴だ。ちなみに得意料理は和食関係。




敷島提督「終わったぞ、大淀を頼むわ」




川内「了解~、後は燃え尽きメガネとここの3人だけだから時雨も手伝って。それで撤収出来るよ~」




敷島提督「OKだ」

時雨「了解」




現時刻は1549、ここからが本当の闘いだ。




______________________





時雨だよ。あの後僕達は鎮守府内の掃除を徹底してやったんだ。夕立や綾波にバレたらリュウの胃がストレスでマッハだからね。僕のとこはRKOをやった時に床がへこんだ位だけど朧の方は数が多かった分保管庫前は酷かった。(DDTの他にスパインバスターやパワースラム、アサイDDTをやった為)だからバケツこと高速修復材を使った、あれは凄いね艤装だけでなくへこんだ床や壁まで直るんだから。バケツのことは掃除中にひっくり返した事にして妖精さん達にも口裏を合わせてもらったんだ(お菓子で釣りました)




掃除が終わり今の時刻は1800、皆が戻る30分前、バケツをひっくり返し事にしてるのでリュウの部屋の隣にあるお風呂に3人で入ってる。

相変わらずリュウの身体はいいね♪筋トレを欠かさず行ってるアスリートの様な綺麗なその身体に僕と朧は寄り添う形でお風呂に浸かっている。




敷島提督「ありがとな2人共、お陰でなんとかなったぜ~」ナデナデ




そう言ってリュウが心からの安堵の息が出ていた。それも僕と朧の頭を撫でながら




時雨「ふふっ、大丈夫だよ♪」///




朧「朧も上手くいってよかったです!」///




敷島提督「本当によくやってくれたぜ時雨も頑張ったが朧もよく頑張ったな」




朧「あっ……」//////




そう言うとリュウは朧のオデコに軽くキスを落とした。正直羨ましい……妬ましい。




敷島提督「ったく朧は可愛いな!ってあででで!!?時雨拗ねて耳引っ張るな!」




時雨「( ̄^ ̄)」ツーン




敷島提督「ったく時雨は本当に可愛いやつだな」




そんなやきもち焼いた僕に提督はほっぺに軽くキスしてくれた♪ふふっ、やってみるものだね。




敷島提督「ほんと2人で助かったぜ。綾波と夕立がいたらどうなってたか…」




朧「そうですね」アハハ(^^;)




時雨「うん、まだ不知火はCクロスフェイスで腕と首、若葉は腕肘十字固めやアンクルロックで腕や足の骨へし折る位だからいいけど」




敷島提督「あん時は大変だったよな。2人してスピアーやったらと思ったら壁まで破壊したし、綾波はスパインバスターでテーブル葬やり始めたと思ったら、夕立も対抗してパワーボムでテーブル葬やるし、挙げ句の果ては2人で3Dやり始めてテーブル葬するし」ハァ




※テーブル葬 プロレスで投げ技等を掛けた時にテーブルに叩きつけてテーブルを割ること。これを行い勝敗をつける試合形式も存在する。


気になった人は「テーブルマッチ」もしくは「ダットリーボーイズ」で検索してみて下さい。




朧「綾波姉さん、テーブルごと兵士粉砕して『や~りました~!』って笑顔でしたからね……」




時雨「しかも2人共力任せに強引にやるからやられた兵士の4分の3が打ち所が悪くて綾波の言葉通りになったよね……」アハハ(^^;)




敷島提督「ほんとに猛犬狂犬過ぎるんだよ、今のでも一例だからな。深海棲艦相手だともっとだ」




時雨「良くいうよ、それに関してはリュウの影響だよ」




朧「うん、いきなりレ級フラッグシップ改を一撃で殴り飛ばすわ、空母棲姫を飛び膝蹴りで撃沈するわ、戦艦棲姫を艤装ごと火だるまにしたからね提督」




敷島提督「それも一例だ。気にすることじゃねえよ」




時雨「人外だって言ってるんだよ、実力が」




敷島提督「修行の成果って言ってくれ」ガッハッハッ




とこんな感じで3人でイチャイチャしながらお風呂を満喫してたんだ。そしてふと




時雨「それにしても三笠、ね」




朧「まだあの人の考えを信じてる人がいたんだね」




時雨「あの人が言ってたことが正しいなんて事、あってたまるか……!」




敷島提督「時雨、落ち着きたまえ^^」




時雨「すごく落ち着いた^^」




敷島提督「時雨の言い分も分かるよ、まあ結果だけ見ると奴の定説よりカイン、あの大馬鹿野郎の行動と前元帥の演説に難民達が動画サイトに流したサイパンの映像で全部こっち寄りなったからな。時代を大きく変えるときが来ただけだ。」




朧「時代が大きく変わるか、でも朧達のやるべき事は変わりませんよね?」




敷島提督「ああ、勿論俺の役割もな」




時雨「リュウの役割……照らすことだったよね?」




敷島提督「前元帥が作ろうとした共存って道を夕さんが斬り拓いて俺がその道を照らす。飛鳥とカインはその道の案内人。修介やドレイク隊や軍人達はその道の安全を確保する警護で蓮さんは道から外れそうになった奴を助ける。んで元帥はそれを夕さんと先導する」




朧「道が見えないから照らすんですか?」




敷島提督「ああ、足元が見えないと歩けないしつまづく奴もいるからな」




時雨「道は長いね」




敷島提督「戦いが終わってもまた別の形の戦いが始まるだけさ、深海棲艦との戦いが終わった時が本当の戦いの始まりだからな」




時雨「大丈夫だよ。リュウと一緒なら僕は戦えるから」




朧「も、勿論朧も!」




敷島提督「俺は幸せ者だな、ありがとな。もう上がるか?皆帰ってくるし今日は呑みたい気分だ」




時雨「ふふっ、そうだね。今日のご飯は何かな?」




敷島提督「俺のリクエストでバーベキューだよ」




朧「早速闘いが始まりますね」




こうして僕達はお風呂から上がり帰ってくる皆を出迎えて晩御飯となった。朧が言った通りまさに戦場だったけどそれでも皆が笑顔だった。

僕達の戦いに終わりが来るかなんて分からない、でも僕はリュウや皆がいれば戦う事が出来る。それだけで十分だ。





後書き


読んで頂いてありがとうございました!!この作品の時雨の雰囲気は皆さんのイメージ通りの物静かな感じですが内面的な部分は熱く激情家でたまに言葉が悪くなる感じで自分はイメージして書いてます。
方向性は考えてるので次は何処にしようか考えてます。


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