2020-12-02 08:54:53 更新

概要

瑞鶴鶴姫「「私達の初陣」」
如月「ブイン強襲」


前書き

皆さんこんにちは!初めましての方は初めましてメットールと申します!今回はほぼ戦闘回になります!表現がへんな所も出るか知れませんが分かりやすく書くように頑張ります!
最後になりますが誤字脱字、駄文ですがどうぞよろしくお願いします。






白露「明けてきたね」




朝日が昇ろうとしている海の、とある島の沖合い、島にある施設との目と鼻の先の距離ほどのところにカイン、鈴谷、如月、白露、能代の5人が航行していた。




如月「もう昇りますね」




鈴谷「はてさて…」




施設に接近する5人に突如無線通信が入る。




翼提督『ステルス解除。作戦開始!』




武蔵『さあ、派手に暴れてこい!』




白露「じゃ、おっさきー!」ビュン!




合図の通信を聞いた白露がいの一番に速度を上げ飛び出した。




能代「待ちなさい!もう!提督此方は預かります!」




如月「じゃあ鈴谷さん、司令官を宜しくお願いしますね」




鈴谷「オッケー!鈴谷にお任せ!」




カイン達は二手に別れ、能代と如月は奥手にある施設に向かい白露を追いかけていった。カインと鈴谷は手前側にあるドックに向かい




カイン提督「では、始めましょう!」スチャ




カインは艤装の主砲4門の照準照準を速やかに合わせ




カイン提督「砲撃開始!」ドォン!




ドックに停泊している艦に向かって攻撃を開始した。




好戦派兵士『至急至急!ボギー5を探知!到着まで』


好戦派兵士『既に到達している!』


護衛艦クルー『敵性体より発砲!被弾被弾!右舷より浸水!』




鈴谷「いいよいいよ!向こうは慌てふためいてる!じゃあこっちも!」ガコン




既にカインと同調状態の鈴谷は器用に航空巡洋艦艤装から軽空母艤装に切り替えボウガンを構え




鈴谷「ハリヤー隊発艦!爆撃開始!」




速やかに爆撃可能機を発艦させ追撃を開始した




ドォン!




武蔵『護衛艦くらま、撃沈!』




護衛艦艦長『総員速やかに退艦!艦を放棄する!』




鈴谷「よっしゃ!まず1つ!」




カイン「ここ!」ガシャン




ドォン!




カインは停泊している艦船ではなくドックに隣接している施設に砲撃、着弾直後に大きな爆発が起こり




好戦派士官『イージスシステムがやられただと!?何の為の対艦防衛システムだ!』




鈴谷「さっすがぁ!これは負けてらんないね!」ガコン




鈴谷は要所要所で艤装を切り替えカインと共に施設や艦船に攻撃を行う。


好戦派兵士『ドック艤装保管庫崩落!中にいた兵士が生き埋めになっています!』


護衛艦艦長『艤装は使えん!直ちに艦を出して応戦しろ!』


好戦派兵士『総員配置!総員配置!』


護衛艦艦長『艦対艦ミサイル!攻撃準備始め!』


好戦派兵士『敵は勝ったと思ってる!その隙を付け!』


好戦派兵士『カウンターパンチだ!やるぞ!』




鈴谷「ドックにいた艦が動き出したねぇ!」ドォン!




カイン「当たる!」ガチャン!




ドォン!




武蔵『ミサイル護衛艦たちかぜ、撃沈!』




護衛艦クルー『減速機とシャフト破損!損傷酷く戦線から離脱します!』




カイン「もう1つ!」ガチャン!




ドォン!




武蔵『護衛艦あおくも、撃沈!』




護衛艦クルー『護衛艦あおくも、復元可能傾斜越えました!沈没します!』




カイン「当てる!」ガチャン!




ドォン!




武蔵『護衛艦いしかり、撃沈!』




護衛艦クルー『出港前をやられただと!ええい……!』




鈴谷「隊長がドックを解体所にしてる」バシュッ!




鶴姫『船ノ墓場ッテ言ッタホウガ妥当ダネ』


瑞鶴『呑気なこと言ってないで索敵しっかりね』


鶴姫『了解』




カインと鈴谷は手を緩める事無く攻撃を続け




鈴谷「うりゃ!」スチャ




カイン「そこっ!」ガチャン




ドォン!ドォン!ドォン!




好戦派兵士『敵は少数ですがドックを始め被害が広がっています!』


好戦派兵士『ドックに動かせる船がありません!動ける者は現在生存者の捜索と救出に当たっています!』


好戦派士官『ええい…!敵は何処の連中なんだ!直ちに照合しろ!』


好戦派兵士『救援はまだか!?』


好戦派兵士『悲鳴ばっかり聞こえてきやがる…!』




迎撃体制が整っていない相手にこれでもかと言わんばかりに攻撃を続けていた時に通信が入る




武蔵『よし、マーレリーダー、マーレ2、ドック施設付近の敵はほぼ壊滅した』


白露『2人共こっちに来てよ!まだまだこっちは楽しめるよ!』


如月『いっぱいいて目移りしちゃうわ』ウフフ


能代『呑気に言ってないで撃ちなさい!マーレ5はマーカー準備!』


如月『もうばらまいてますわ』




カイン「直ぐに行きます!マーレ6!同調しますよ」ブン!




白露『アイアイサー!』ブン!




鈴谷「ちょっ!置いてかないでよ~」




白露と同調し速力が上がったカインを鈴谷も遅れて追いかけていった。




______________________








翼と武蔵がサイパン島慰問から帰投した翌日、その夜元帥から通信が入りカインと翼両提督、その直属艦娘達が集められた。




大堂元帥「第3鎮守府強撃班に任務を伝える。諜報部が兼ねてより捜査していた海軍好戦派、核砲弾開発に着手している長門派の情報が入った」




武蔵「長門…!やはり奴か……!」




大堂元帥「ミズキさんが持ち帰った情報と諜報部の情報を照らし合わせ潜伏場所の特定が出来た。元第17鎮守府だ」




鶴姫「第17鎮守府?」




榛名「第17鎮守府は確かブインにありましたね。大型のドックがある所でしたでしょうか?」




大堂元帥「そうだ。海軍再編の折本土に遠い複数の鎮守府は閉鎖され放棄された。第17鎮守府もその1つ、ここは当時提督の安宮杜氏の意向で何隻もの退役した護衛艦がモスボール保管されていた」




白露「モスボール?」




カイン「後に再度使用する事を考慮して防水加工、防錆加工をして保管することです。ですが元帥、いくら1提督の権限でそんな事が出来るんですか?」




大堂元帥「結論から言うとまず出来ん。だがこの行方を眩ましていた安宮は本土で解体予定だった護衛艦をいくつも裏取引で自分の鎮守府に回し妖精達を使い使用可能状態にしたようだ」




能代「この短時間で……!」




大堂元帥「作戦を内容を伝える。第3鎮守府強撃班カイン中佐以下8名はこの好戦派鎮守府を襲撃。敵戦力の無力化、開発されている核砲弾の流出阻止及び資料の処分、そしてその中心にいる安宮宗氏と艦娘長門の確保だ」




鈴谷「!」




如月「如月達が大役ですね」




武蔵「元帥、何故この大馬鹿野郎の部隊にやらせる?中将達は使えないのか?」




大堂元帥「夕禅達は駄目だ。あいつらは警戒されている。動いた時点で直ぐに察知されるだろう。その為強襲するには厳しい」




瑞鶴「確かに」




武蔵「要は悪名知れ渡っていないこいつらにやらせると言うことか」




翼提督「ちょっと武蔵、そんな言い方…」




カイン「構いませんよ、翼さん」




翼提督「お兄じゃなかった、カイン中佐」




カイン「やっと僕達の、強撃班の初陣ですから」チラッ




榛名「はい!榛名は大丈夫です!」

鈴谷「鈴谷もいいよ~」ニヤッ

瑞鶴「腕がなるわ!」

鶴姫「頑張リマショウ!」フンス

如月「いつでも大丈夫ですわ」

白露「いっちばん戦果挙げてやる!」パン

能代「了解です!」




武蔵「頼もしい限りだ」ウンウン




大堂元帥「作戦日時は明後日明朝0550、吉報を期待している」ピッ



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元第17鎮守府 施設正面港湾部




好戦派兵士『目標情報を送信した。対艦射撃始め!』




まだ動いている護衛艦を始め持ち込んでいた戦車や対歩兵兵装で迎撃する好戦派兵士達、だが




白露「こんなんに当たんないよ!」




小型化した高速缶とタービンを積めるだけ積んだ白露の艤装は『高速+』に留まらず『超速』の艤装。

現海軍最速の艦娘と呼ばれている白露には掠りもしなかった。




好戦派兵士『目標、撃破ならず!』


好戦派兵士『目標、いまだ動き回ってます!』


好戦派兵士『撃て!周りなど気にするな!』




白露「適当に撃ちすぎでしょ」ドン!




能代「残弾は十分よ!撃ちまくれ!」バシュ!




すかさず護衛艦に向かって魚雷を放つ能代。雷巡並みに魚雷を各ポイントに増設、特に脚部には5連装魚雷発射管を6門増設した艤装はまさに動く火薬庫と言っても差し支えがなくその攻撃力も




ドォン!




武蔵『護衛艦はるゆき、撃沈!』




十二分にあり護衛艦を仕留めていた。




護衛艦クルー『ダメージコントロールの為の最低編員を残します!』


護衛艦艦長『駄目だ、総員退艦だ!速やかに退艦しろ!』




如月「やっぱり雷巡並みの火力ですわ、さてと」




如月は交戦している2人を尻目に敵の砲撃をかわしながらマーカーを一定間隔でブイと一緒に設置していた。




如月「ここで最後ですわ。あら?レーダーに反応、この反応は」




武蔵『敵艤装兵が接近、島風型だ足が速い反応は4つ』




艤装兵『こちら06小隊!後続到着まで時間を稼ぎます!』


好戦派兵士『待て!貴官らは対艦兵装を装備していない!』


艤装兵『機銃があります!合戦用意!』





如月「来ましたね、こちらマーレ5艤装兵を視認、エンゲージ」カチャ




接近する艤装兵小隊を確認した如月は速やかに体勢を切り替え迎撃を開始した。




艤装兵『回避に集中!時間を稼げ!』


艤装兵『機銃しかなくても時間稼ぎぐらい!』




如月「ふむ…」ポイッ⌒・




接近する小隊の機銃掃射をかわしながら如月は自分と小隊の中間になるように有るものを投げた。そして




カッ!!




艤装兵『おわっ!なんだ!?』




投げたのはスタングレネードだったようで強烈な光と音が起こる




艤装兵『くそっ!小癪な真似を!』




如月「兵装は機銃だけみたいだわ、なら…」ポイッポイッポイッ




怯んだ瞬間を見逃さず海面に何かばらまく如月。ばらまいた後は砲を構え




ドン!




艤装兵『ぐあっ!くっ…!』


艤装兵『だが所詮は睦月型だ!機銃だけでも……』


ボン!


艤装兵『があぁ!』ズサァ!


艤装兵『どうした!?』


ボン!


艤装兵『ぎやぁ!』ズサァ!




艤装兵の2人の脚部艤装が航行中にいきなり爆発し足払いに掛けられた様に転倒した。




如月「足が速くても、生かせないと意味ありませんよね?」ガチャン!




ドン!ドン!




艤装兵『がっ!』

艤装兵『おあ…』


艤装兵『このガキ!よくも……!』


艤装兵『不用意に動くな!このガキ機雷撒きやがった!』




如月「うふふ、機銃の射程なんて把握済み、それに島風型なら接近して速力活かしての一撃離脱をする事は直ぐ分かりますわ。なら」ガチャン!




ドン!ドン!




艤装兵『ぎゃあ!』




如月の砲撃は脚部艤装をとらえ無傷だった最後の1人の兵士も航行不能に追い込み残る2人に接近。




艤装兵『う、撃て!』パラララララ!


艤装兵『畜生!』パラララララ!




機銃を撃たれるも接近する如月は全弾かわし残る兵に肉薄、かと思いきや




ピン




如月「1、2」




何か呟きながら跳躍し艤装兵を飛び越えた。兵士達は突然のことで対応が出来なかった。それも




如月「3、4」




多数の爆雷がばらまかれた。




艤装兵『!!』




が片方の兵士があるものに気が付くも時既に遅し、その兵士が見たのはピンの抜かれた手榴弾が一個混ざっていた。




如月「5!」




ドォン!




爆発した手榴弾はばらまかれた爆雷に誘爆して残り2人の兵士を巻き込み仕留めた。




武蔵『島風型艤装兵の全滅を確認!』




鈴谷『やっるぅ』

カイン『僕達が着く前にとはお見事です』




如月「うふふ、私も負けてはいられませんから」




武蔵『島裏側より敵部隊接近数が多い。神通型艤装8、長門型艤装6!』




好戦派兵士『5人が光学迷彩と思われる兵器を用いて方位3-3-0より侵入!内1人は「赤金の悪魔」との情報有り!情報は以上!施設を守れず申し訳ない!』


艤装兵『了解。後は任せろ!』


艤装兵『16小隊17小隊29中隊交戦許可』


艤装兵『06小隊が稼いだ時間を無駄にするな!』




鈴谷『団体さんが来たね!どうするの隊長!』




カイン『マーカーの範囲に行きますよ!マーレ5!』




如月「マーレ5ウィルコ。マーレ2」




鈴谷『はいはーい。こちらマーレ2目標情報送信!』




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ここは港湾施設から離れた沖合い200㎞地点ここには



鶴姫「マーレ2ヨリ目標情報受信!共有シマス!」




瑞鶴「時間通りね、榛名さん頼むわよ!」




榛名「はい!ようやく出番ですね!」ガシャコン!




榛名は艤装に装備された連装レールキャノンを展開し




榛名「今敵部隊はマーカーの少し外…、この航行速度なら後……、ディプレスト軌道で発射するから着弾時間は……」ブツブツ




マーカーから送られる情報をリアルタイムで確認、そして相手の航行速度、着弾時間を全て計算し




榛名「今!砲撃開始!」




バチバチッ!ドゥゥン!




鶴姫「オオ~」

瑞鶴「初めて見たけど凄いわね~、と観測観測!」




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カイン「!マーレ6!マーレ7!ブレイク!」




白露『アイアイサー!』

能代『了解!』




好戦派兵士『な、なんだ?敵が…』


好戦派兵士『警告!飛翔体が高速接近!』


艤装兵『飛翔体だと!?何処からだ!?』


好戦派兵士『着弾します!』


艤装兵『へ……?』




ドガァァァァン!




艤装兵『おい!応答しろ!』


艤装兵『レールガンです!味方が吹き飛んだ!』


好戦派兵士『飛翔体はレールガンの弾頭と判明!発射地点は、200㎞先だと!?』


好戦派兵士『第2射来ます!』




ドガァァァァン!


艤装兵『また誰か喰らったぞ!』




カイン「流石榛名さん」




鈴谷「すっごいねぇ。ピンポイントで撃って当ててるよ」




如月「まあ、ここにいるだけで如月達も危ないですが」




ドガァァァァン!




白露『爆弾と追いかけっこだ!』


能代『馬鹿なこと言ってないで随一軌道を確認しなさい!当たるわよ!』




ドガァァァァン!




白露『セーフ!』(≧▽≦;)


艤装兵『また1人吹き飛んだぞ!』




カイン「成る程、あの手は使えそうですね!」




鈴谷「へっ?!」




如月「ちょっ、何を…!?」




鈴谷と如月が戸惑う中カインは艤装兵とレールキャノンの射線上にわざと入り。




艤装兵『敵確認!こいつは!?』


艤装兵『情報にあった「赤金の悪魔」ってのはこいつか!』


艤装兵『撃て!応戦しろ!』




艤装兵達に砲を向けられるもカインは接近し、そして




艤装兵『逃げる!?』


艤装兵『逃がすな!応戦し』




ドガァァァァン!




艤装兵『今度は誰がやられた!?』




如月「し、司令官……?」ボウゼン(゜゜;)




鈴谷「あんの大馬鹿野郎……!」プルプル




目の前に起きた事にただただ唖然としている2人。そこに




瑞鶴『マーレ2!何があったの!?』




鈴谷「…隊長がわざとレールキャノンの射線に入って着弾直前にかわして敵に当ててる……」プルプル




瑞鶴『はぁっ!?ちょっと射撃中止!中止!』


榛名『は、はい!』


鶴姫『ドースルノ?』




鈴谷「そんなの決まってんじゃん」プルプル




鈴谷「とっとと片付けて全員でお説教だよ!マーレ1マーレ3マーレ4オーバーラップ!畳み掛けるよ!」




瑞鶴『はあ!?こっから何㎞』

鈴谷『通信障害ガーガーピーピー』ガチャ!




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瑞鶴「はあ!?こっから何㎞離れてると思ってるのよ!ちょっと待ちなさい鈴谷!?通信切りやがった……!」




鶴姫「オーバーラップッテ、今カラダト着クノ頑張ッテ1時間カカルヨ?」




瑞鶴「そんなの言ってらんないわよ!行くわよ!」ザザッ




榛名「は、はい!」ザザッ

鶴姫「ウィルコー」ザザッ




3人は島に向かって航行を開始した。その時に




瑞鶴「……榛名さん、航行しながらレールキャノンって撃てます?」




榛名「はい、同調していれば大丈夫ですけど……」




瑞鶴「リクエスト通りにしましょうか」ニヤッ




鶴姫「瑞鶴悪イ事考エテルー」




榛名「わかりました。同調開始!それから…」




同調し赤色と金色の瞳になった榛名は航行しながらレールキャノンの仰角を上げた。




鶴姫「榛名サン、ナニスルンデスカ?」




榛名「対したことじゃありませんよ。ロフテッド軌道で撃つだけです」ウフフ




瑞鶴「榛名さん、怒ってます?」




榛名「いえいえ、大丈夫ですよ瑞鶴さん」ニコッ!




瑞鶴鶴姫((あ、怒ってるなこりゃ))




榛名「砲撃開始!」




バチバチッ!ドゥゥン!




武蔵『はっはっはっ!面白い奴らだ!大馬鹿野郎共の考えてる事はこれだから面白い!』


翼提督『武蔵~笑い事じゃないよ~』




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艤装兵『撃て!』ドン!


艤装兵『沈めってんだよ!』ドン!


艤装兵『やってやる!やってやるぞ!』ドン!




能代「脚部魚雷発射管全門開け!撃ち尽くせ!」バシュ!




白露「バイバーイ」⌒・ カッ!




如月「砲弾来ます!」




ドガァァァァン!




好戦派兵士『第16小隊、第29中隊全滅!第17小隊通信繋がりません!』


好戦派兵士『増援の第21中隊、大破4中破2!壊滅状態です!』


好戦派兵士『第4大隊との連絡が取れない!』


好戦派兵士『あいつらがやられたら動ける部隊は半分以下だぞ!』


好戦派兵士『応答せよ!護衛艦ゆうべつ応答せよ!』


好戦派兵士『小隊程度に施設が壊滅だと!貴官は夢でも見てるのか!』


好戦派兵士『夢じゃありません!悪夢です!』




ドガァァァァン!




鈴谷「ハリヤー隊再度発艦!か~ら~の~、切り替えてからのドン!」




カイン「全砲門正面の護衛艦!放て!」




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ブイン基地 ???




?「聞こえますか?今から残りの砲弾を輸送します」




?『何を言っている!今攻撃を受けているのだぞ!今輸送などしたら……』




?「やらせて下さい!全て輸送出来なくてもせめて完成することの出来たこの1発だけでも…!」




『構わん、やらせてやれ』




?『な、長門殿!?』




?「よろしいのですか?」




長門『どうしても成し遂げたいのだろう?ならやるといい。お前達の姉達も待っているぞ』




?「はい!上官の命令に服従することをここに誓い必ずや成し遂げてみせます!」




?『…わかった。ならばこちらも出来る最大限で時間を稼ごう。頼んだぞ…』




______________________




カイン「敵の攻撃も弱くなりましたね」




白露「あんだけレールキャノンぼこすか撃ってればねー」




如月「確かに敵の戦意も喪失させることも出来て今武蔵さんと翼さんが降伏も促してますが」




カイン「ん?どうしましたか?」




鈴谷能代「「て、い、と、く?」」

(^^#)(^^#)




カイン「はい」




鈴谷「どーして鈴谷と能代が怒ってるのか、分かるよね?」




カイン「ごめんなさい、わからないです」

(・_・)




鈴谷能代「「こんの大馬鹿野郎ー!!」」




榛名『提督!どうしてあんな事したんですか!?榛名も怒りますよ!』(# ゜Д゜)




瑞鶴『もう怒ってるじゃないの…』




鶴姫『皆ドウドウ…、マダ終ワッテナイヨ』




翼提督『そうですよ~。今武蔵が降伏勧告してくれてなんとか』


ドォン!


強撃班「!」


武蔵『おい!どういうつもりだ!』


翼提督『武蔵どうしたの!?』




カイン「各員散開!艤装兵です!」




カインが見たのは鈴谷が破壊した量産型艤装の保管庫から武装した兵士達がわらわらと出てきた。




白露「最後の抵抗ってこと!?」




能代「残弾はまだあるわ!今さら出てきた所で…!」




如月「ちょっと待って下さい。これは艦娘の反応……!倉庫からです!」




鈴谷「!?」




鈴谷が見たのは白露位の年の4人の艦娘で、4人共見たこともない暗いオリーブ色の上着にスリットスカートの制服の艦娘だった。




榛名『あ、あの娘達は…!』




鈴谷「榛名さん知ってるの!」ドォン!




榛名『間違いありません!行方不明になっていた松型駆逐艦娘の娘達です!』




能代「何ですって!?」ドォン!




一同が戸惑いながらも艤装兵に応戦してる中その松型駆逐艦娘は戦闘に加わらず4人共最大船速で戦闘海域から離脱しようとしており、その時如月が先頭の艦娘があるものを抱えているのに気が付き




如月「待って、あの先頭の人が持ってるのって……!」




武蔵『先頭の艦娘を撃沈しろ!先頭の艦娘が核砲弾を持っている!急げ!』




カイン「!?白露さん!」




白露「了解!」




カイン白露「「同調!」」ブン!




武蔵の通信を聞いたカインは急かさず白露と同調し最大船速で追撃を開始。




艤装兵「追わせるな!足止めをするんだ!」


艤装兵「あの2人を止めろ!」




鈴谷「そんなのさせないよ!」


如月「司令官達のあとは追わせません」


能代「能代達がお相手します」


瑞鶴『榛名さん狙える!?』


榛名『駄目です!直撃したら核砲弾に誘爆します!』


鶴姫『ナニモ出来ナイナンテ……!』


武蔵『逃がすな!撃沈するんだ!』




______________________




白露「もうすぐ追い付く!」




カイン「見えた!」




追撃している2人は核砲弾を持って逃げようとする艦娘達を視界に捉えることが出来たのだが




艤装兵「邪魔をするな!」ドン!


艤装兵「離脱させるんだ!」ドン!




白露「邪魔しないでよ!提督!ここは白露がやるからお願い!」クルリ




カインは頷き速力を上げて追走。白露は自分達を追って来た艤装兵を食い止る。そして




鈴谷『提督が追い付いた!』


能代『提督、逃がさないで!』




カイン「足を止める…!」ガシャ!




カインは核砲弾を持っている艦娘の脚部に狙いを定めて主砲4門で砲撃を開始した。しかし




カイン「!?」




カインが砲撃した瞬間に最後尾にいた艦娘が射線上に割り込み




『姉さん!』




ドォン!




主砲が直撃し沈んでいった。




鶴姫『エッ!?』


如月『回避行動を取らない!?』


白露『盾だ、狂ってる!』


武蔵『迷うな!墜とし続けろ!』




カイン(どうする…!どうやって核砲弾を奪いとる…!?)ドン!




尚も砲撃を続け止めようとしても




『姉さん、逃げ』



ドォン!




後ろに追従している艦娘が次々と盾になり先頭の艦娘に届かない。そんな中カインは頭の中で




カイン(…!そうか!向こうにはまだこちらが見せていない手の内がある!なら…)ガシャ!




何か手段を思い付き主砲の2門の仰角を上げ2門の射角を調整し、追ってを片付けて追ってきた白露に




カイン「白露さん!またしますよ!それと同時に砲撃を手前に落として!」


白露『合点!』




白露と同調したと同時に主砲を一斉射、白露も砲撃した。当然残りの1人も射線に入ったのだが




『えっ?』


『どうしたの、きゃあ!』




彼女ら2人に当たらずに進行方向と左右、そして白露は撃った砲撃は当たらず彼女らの周囲に水柱を作る形になり、つい足を止めてしまった。




『外れた?』


『椿姉さん!』


椿『えっ?』




先頭を走っていた椿と呼ばれた艦娘が振り替えって見たものは




カイン「!」スチャ




いつの間にか椿達を追い抜き正面から全速力で向かってくるカインだった。そしてカインの手にはフランベルジュが握られており、次の瞬間…!




ビュン!




椿「あ……」




カインは核砲弾を抱えていた右腕を撥ね飛ばし、放り出された核砲弾をキャッチ、奪取したのだった。




『なっ……!?』




突然の光景に妹の檜は反応出来ず、そして見た最後の光景はカインと白露に砲を向けられている瞬間だった。




椿『救済を……』


ドォン!ドォン!




武蔵『ターゲットの撃沈確認!』


翼提督『核砲弾は!?』


カイン『こちらマーレリーダー、核砲弾奪取に成功』


瑞鶴『よっしゃあ!』


鈴谷『さっすがぁ!』


翼提督『皆さんお疲れ様です。すでにドレイク隊や大本営の船が向かってますので待機していて下さい』




______________________




ブイン基地 施設前




強撃班が制圧してから2時間後、大本営からの応援や第3鎮守府のドレイク隊が到着し投降した好戦派兵士達を連行、施設の調査を始めた。

カイン達はと言うと




カイン「…」正座

白露「…」正座




榛名(^^#)

鈴谷(^^#)

瑞鶴(^^#)

鶴姫(^^#)

如月(^^#)

能代(^^#)




破壊した倉庫の隅っこで白露共々正座させられ先ほどの一件(レールキャノン)に対してこってり絞られていた。




榛名「……で、お話はわかりましたか?」




カイン「はい……」正座




鈴谷「反省してる?」




カイン「しています。申し訳ありませんでした……」(;_;)




白露「ね、ねぇもお足崩していい?コンクリに正座は……」




榛名「はい?」ニッゴリ




白露「なんでもありません!」( ゜Д゜)




「……あなた達は何してるのよ?」




鶴姫「アッ、村雨サンダー」




声がしていち早く気がついた鶴姫が見た先にいたのは諜報班部隊長、中村蓮次の秘書官村雨だった。




瑞鶴「ちょっとー村雨ー、兄と妹の教育ちゃんとしてよー」




白露「姉は私!」正座




村雨「この状況含めてどういう状況よ!とりあえずごめんなさい!って兄ってなに!?」(゜゜;)




如月「ここにいるじゃないですか?義理の兄」




村雨「そうだったわ…」アタマオサエ




カイン「?」正座




ちなみに義理の兄の理由はカインの妹のクー(駆逐棲姫)と中村蓮次がカッコカリしている為村雨は本来義理の妹なのだが、そこは皆突っ込まなかった。




能代「皆さん、ふざけるのは終わりにして、村雨さんはどうしてここに?」




村雨「核砲弾の回収ですよ。専用の道具も持ってきたわ。よいしょ」ゴトッ




鈴谷「村雨、これなに?」




村雨「今回の核砲弾用に明石さん達が作った専用の保管ボックスよ。この中に入れると氷床処分と同じ作用を起こして、ボックスの内側から凍らせるから取り出せなくなるわ。あとは石櫃に入れて地層処分にして封印。終わりよ」




白露「ほえ~」正座




鈴谷「白露わかったの?」




白露「全くわからん!」正座




白露以外「はぁ~……」




瑞鶴「まあ、その中にいれちゃえば安全なのよね?じゃあいれましょう」




鶴姫「コレダヨ」




一同は村雨に核砲弾を渡し、村雨はそのボックスの中に核砲弾を入れる。蓋を閉じた時にロックがかかり、ピーと音がし冷却が始まったようだ。




村雨「これでよし」




「村雨、首尾はどうか?」




ふと村雨の後ろから声がし振り向くと、そこにいたのは長い髪をツインテールにしチャイナドレスの様な深いスリットが入ったスカートに緑色のジャケットを着た艦娘。艤装に異次元から戦闘機が飛び出しているような部隊章を着けた艦娘利根が来ていた。




村雨「利根さんお疲れ様です。上々ですよ。利根さん大本営までこちらの輸送お願いしますね」




利根「うむ!任されたぞ!」




能代「あの部隊章って……」




瑞鶴「元帥直属部隊の部隊章よ。能代も知ってるでしょ?第3鎮守府第1部隊機動班『シエル』」




能代「第3鎮守府きっての花方部隊ですか」




利根「そう言わんでくれ、ちと無図痒くなる」




大本営兵士「すいません、カイン中佐よろしいでしょうか?」




カイン「はい、どうしましたか?」正座




大本営兵士「あの、本当によろしかったでしょうか?」




如月「ごめんなさい、本当に大丈夫ですから続けて下さい」




大本営兵士「あっはい、実は本建物の地下に施設らしき空間があり調査をして頂きたいのですが…」




利根「ふむ地下施設とな…」




カイン「わかりました。僕達が調査しましょう。利根さんと村雨さんは」




利根「勿論同行させてもらおう」




村雨「私も行きますよ」




カイン「では、案内してください」




大本営兵士「はっ!」




そうして一行は兵士に案内され他の鎮守府で言う本館の奥へ




鶴姫「資源保管庫?」




大本営兵士「はい、中入ってもらいまして、こちらへ」




兵士に案内されて入った資源保管庫は物で散乱しておりまともに管理されていない状態だった。




如月「汚いわね…」




瑞鶴「うちなら考えられないわ……」




村雨「うちは勿論、古鷹達の所も考えらんないわよ」




利根「全く、まともに整理も出来んのか」




カイン「皆さん、今はそれよりも優先することがありますよ」




大本営兵士「散らかっていますが、すいません此方をご覧下さい」




兵士が示したのは一ヶ所だけ色が変わった床で辺りと比べても汚れや埃がすくなかった。




瑞鶴「ここ?」




大本営兵士「はい、こちら何ですが艤装のパワーアシストを使い抉じ開けるようでして私共の力だと…」




カイン「成る程、なら僕がやりましょう下がっててください。ふん!!」




カインはその床を力ずくで抉じ開けるとそこには地下へ続く階段があった。




榛名「いかにもと言う感じですね」




利根「鬼が出るか蛇が出るか、かの」フム




カイン「では潜入します。如月さん先頭をお願いします。あなたはここで待っていて下さい」




如月「了解ですわ」




大本営兵士「はっ!お気をつけて」




そして斥候の如月を先頭にカイン、鈴谷、瑞鶴、鶴姫、利根、能代、榛名、白露、村雨の順番で地下へ警戒しながら潜ることに、地下は一本道が続き、すると




如月「あら?ここは?」




一つドアがあり側にあったプレートには




如月「えっと『臨時司令室』ね」




白露「こんな地下に作る必要あるの?」




利根「おそらくここはシェルター代わりに使うことを想定したのかもしれん」




如月「鍵は、あら?開いてる?」




鈴谷「どうする?中入る?」




カイン「いえ、ここは一通り調べてみましょう」




そして一行は一通り探索し




鈴谷「で、あったのが『臨時司令室』、『資材保管庫』、『兵装実験場』、『資料室』、『兵装研究室』、『居住区』ね」




能代「どう調べますか?」




カイン「なら、僕と如月さん、鈴谷さんは『兵装研究室』と『資材保管庫』を調べます」




利根「指揮を執れる者と斥候を分けるかの。なら我輩と瑞鶴、鶴姫の3人で『資料室』と『臨時司令室』を見よう」




村雨「なら後は残りの私達4人は『兵装実験場』と『居住区』ね」




カイン「何かありましたら上のドレイク隊に応援を要請して下さい。それでは別れましょう」





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カインside




カイン、鈴谷、如月の3人はまず手前側の資材保管庫へ向かうことに




鈴谷「てか資材保管庫と兵装研究室ってとなりどうしだよね。中で繋がってたりして」




カイン「有り得なくはありませんね、ですが」

如月「シッ」




突然如月が静かにするようアクションを起こし何かに集中していた。




如月「……」




カイン(小声)「どうしました?」




如月(小声)「今一瞬声がしました」




鈴谷(小声)「でもここ資材保管庫だよ?」




如月(小声)「開ければ分かります、鍵は、ない。開けます」




カインと鈴谷はコクンと首を縦に振り警戒する。如月は少し扉を開け中の様子を確認する。資材保管庫と言うわりには鉄格子が見えたりと物々しい雰囲気だった。それと如月は声はこの中から聞こえてきたとわかった。




如月(小声)「声はこの中からみたいだわ、2人共気を付けて」




3人は部屋の中に侵入した。そして中の状態を確認する。資源や兵装がある程度積まれておりそこには深海棲艦のものもあった。




鈴谷「これ深海棲艦の艤装?」




カイン「そのようですね。ですが何故こんなに」




「ダレカイルノ?」




3人「!」




突如声が聞こえてきたことで警戒する3人。




如月(小声)「…奥の鉄格子からみたいですね」




鈴谷(小声)「どうする?」




カイン(小声)「僕が問いかけます。2人はすぐ対応出来る様に」




鈴谷如月「「ウィルコ」」




カイン「はい、いますよ。あなたは?」




「ソノ声、カイン様?」




如月「司令官に様付けって……」




鈴谷「ミズキさんから生み出された深海棲艦?」




如月「かもしれませんね、確認しますわ」




如月は声のした一番奥の鉄格子の部屋の中を確認した。すると




如月「えっ…!?」




カイン「どうしました?」




如月「顔は確認出来ません。ですが鎖を巻かれていて拘束されてます!」




鈴谷「マジ!?どうする提と」

ツカツカツカ バキッ! グシャ!




鈴谷「わーお」

如月「司令官…?」




2人は目の前の、カインが鉄格子を素手で破壊し鎖を引きちぎる光景に呆然としてしまった。

一番呆然としてしまった理由は、カインの顔が今まで見たことないくらいに怖い顔をしていたからだろう。




カイン「あなたは戦艦棲姫ですね?僕がわかりますか?」




戦艦棲姫「ハイ、ゴホッゴホッ……」




カイン「鈴谷さん、水はまだ残ってますか?」




鈴谷「あるよ!はい!」




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利根side




利根「さて、我輩達は資料室から調べるかの」




瑞鶴「え?臨時司令室からじゃないの?」




利根「どちらでも構わんだろう。どのみち調べるのじゃ近いとこから潰す。ここじゃな、鶴姫どうじゃ?」




鶴姫「チョット待ッテ」カチャカチャ




カチン




鶴姫「開イタヨー」




利根「器用なものじゃの、それでは開けるぞ」ガチャ




利根が開けるとその部屋はある程度整理されておりほとんど人の出入りがなかったのだろう机にも本棚にも埃がつもっていた。ただ暗すぎて奥までは確認出来ず電気も点かなかった。




利根「取り敢えずみるしかないの、手分けじゃ」




瑞鶴「了解」

鶴姫「ハイ」




そして3人は手分けをして調べることに




利根「うむ、海図やこの周辺の海域の地図が多いの」パラパラ


ン?


瑞鶴「なにか見つかりました?」


アレアソコ


利根「海図や海域の地図じゃな、瑞鶴は?」


ナンノアトダロ?アレ?


瑞鶴「こっちは生物学だとかの本や資料ですね」


ココウゴク ヨイショ


利根「生物学?」


ンションショ


瑞鶴「はい、人体だとかの、これはレポート?」


フウ アレ?


利根「レポートか、有るだけ回収じゃな」


コレナンダロ


瑞鶴「解りました。ここのは回収ですね」


ガチャガチャ! アカナイ


利根「頼む、後は、こちらのは兵器に関するものかの」


ン~!


瑞鶴「ってか鶴姫?貴方さっきからなにしてるの?」


バキン!


鶴姫「開イター、何カアル」




利根「鶴姫何をしてるんじゃ?」




鶴姫「エッ?コノ本棚変ダッタカラ調ベタノ、ソシタラ裏二金庫ミタイナノガアリマシタ。開ケタラ何カアリマスヨ」




利根「何じゃと?」




鶴姫「デモ読メナイ、瑞鶴ーナンテ書イテアルノ?」ピラッ




瑞鶴「どれよ?ちょっと見せて」ズイッ




瑞鶴は鶴姫が見つけた金庫の中にあった紙を見る、しかし




瑞鶴「これ全部英語じゃない。じゃ鶴姫は読めないわよね」




利根「英語じゃと?すまんが瑞鶴、我輩にも見せてくれんか?」




瑞鶴「これです」




瑞鶴は利根に英文の紙を渡す。すると利根の様子が険しいものになり




利根「……のう鶴姫。まだあるかの?あったら全部見せてくれんか?」




鶴姫「アリマスヨ、コチラデス」




鶴姫は金庫の中にあった紙を全て利根に手渡した。全てに目を通した利根は




利根「……お手柄じゃ鶴姫」




鶴姫「エッ?」




瑞鶴「どういうことですか?」




利根「核砲弾の情報源の出所じゃよ。恐らく間違いない」




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村雨side




榛名「今から兵装実験場に向かうわけですが…」




村雨「どうしましたか?」




榛名「こんな室内で何の兵器を実験するんでしょうと思いまして…」




能代「そうよね、それは私も気になってたわ」




白露「考えても仕方ないじゃん、中見れば分かるよ。と着いたよ」




4人は兵装実験場の前まで着いた。両開きの厳重そうな扉ではあるが、南京錠が落ちており鍵はかかっていないことが分かる、念のため白露が物音を確認する。




白露「……なんか音するよ、どうする?一気に入る?」




村雨「姉さん、どんな音?」




白露「ん~、ジーって音だから電気かな?扉開けると光漏れてるしこんなか電気が生きてるみたい」




村雨「中の様子は?」




聞き耳を立てていた白露は扉を少し開けて中の様子を確認した。中は殺風景で壁のあちこちには弾痕が至るところにあり、あちらこちらに何かの残骸が転がっているのがわかった。




白露「入っても大丈夫そうだよ?」




村雨「……私と姉さんで扉を開けます。榛名さんと能代さんは艤装を展開して下さい」




2人はコクンと頷くと艤装を展開し身構え村雨と白露は扉に手を掛け




村雨「3」

白露「2」

村雨「1」

白露村雨「「0!」」ガラッ!




カウントダウンと共に一気に扉を開け榛名と能代はすぐに中に入り警戒する、が




能代「…ガラクタばかりですね」




中はある程度広いが部屋中を見渡すと壁には弾痕だらけで床には標的として使われたガラクタが散乱していた。白露と村雨も中へ入り




村雨「パソコンがあるわ、復元出来ればいいけど」




そう言って村雨はパソコンを立ち上げ操作を始めた。他の3人は周囲を調べることに




榛名「砲撃のテストでもしていたのでしょうか?」




白露「へ?なんで?」




榛名「この標的の壊れようだと戦艦クラスの砲撃だと思います。それに長門さんが関わってると考えると艤装の砲かなと」




村雨「…それで当たりみたいですよ」




白露「へ?」




能代「復元出来たの?」




村雨「ええ、でも」




村雨はパソコンを見て言いよどんでしまう。




村雨「でも、ただの砲ではないみたいだわ。これよ」




榛名達は村雨が復元したパソコンのデータを見る。そこにあったのは




白露「核レールキャノン!?」




『レールキャノンをより大型、より威力を出せる弾、核砲弾を撃つに耐えうる物を作るにあたり我々は長門殿や松姉妹が鹵確した戦艦レ級の尻尾の砲塔部に目をつけた』ピラッ


『結果は成功、過去にアメリカが開発したアイオワ用の16インチ砲弾をレールキャノン用に改良した砲弾を使用するに耐えうる強度だった。特に亜種とも言える通常より尻尾が大型化したものを鹵確出来たのは幸運だ』ピラッ


『しかし、今まで使った尻尾ももったいない、そう考えていると若い研究者がなら主砲のレールガンとして使いましょうと言い出した。妙案だ。資材はまだある早速取り掛からなければ』ピラッ




白露「これって…」




榛名「好戦派はレールキャノンも作ったと言うことですか……!」




村雨「待って続きがあるわ」




『しかしアメリカの技術力は素晴らしいな、こんなレールガンの技術があるのなら使わない手はない、こちらが深海棲艦に有効な核砲弾が出来そうだとわかった途端ある准将が近付いてきた。なんでも娘が艦娘だとかで早く一掃したいらしい、今時娘思いの父親だ』ピラッ


『安宮少将が上手いこと交渉してくれたお陰で核砲弾の細かな設計図もレールガンの情報も手に入った。私達としては完成した暁には我々をテロリストに追いやったあの共存派の連中に撃ちたい所だが、長門殿が撃ちたいものの方が我々が優先すべき事だ』ピラッ




榛名「撃ちたいもの?深海棲艦ではなくて?」




白露「ねぇ、この情報ってとんでもない事だよね?」




村雨「ええ、まだ拾えそうね。続けるわよ」




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カインside




戦艦棲姫「アリガトウゴザイマス、少シ楽ニナリマシタ…」




カイン達は鉄格子の中に捕らえられていた戦艦棲姫を助けていた所だった。衰弱していたが意識ははっきりしているようでカインが軍服の上着をかけて介抱している。




如月「あの、ここにいたのは貴方だけですか?まだ何人かいるはずですよね?」




戦艦棲姫「!」




鈴谷「やっぱりそうだよね、あそこの深海棲艦の艤装って確かル級のじゃん?まだどこかにいるの?」




戦艦棲姫「……」ガタガタガタガタ




如月「あの、どうしました?」




如月と鈴谷の質問を聞いた途端戦艦棲姫はなにかを思い出したようにガタガタと震えだしてしまった。その中で




カイン「…やはり、そういうことですか」




カインだけが何か理解した様だった。なによりも先程からの怖い顔が怒りに近い顔になっていた。




鈴谷「て、提督?どうしたの?」




カイン「いえ、どうしてここが『資材保管庫』なのかが理解出来ました」




鈴谷「え?」




カインの言葉に如月は何を意図するか察したようで




如月「救いようがない人達ですわ…!」




鈴谷「如月ちゃん?ちょっちょっ、どういうこと?」




カイン「鈴谷さんの言うとおり、中は繋がっています。ですが」ツカツカ




そうするとカインは一際厳重そうな扉に手を掛け




カイン「彼女を見てこの先の兵装研究室で何が行われていたのか理解しました。2人共、心の準備をして下さい」




バキッ!




カインは兵装研究室と繋ぐ扉を破壊した、そして中の全容を知ることになる。




鈴谷「は!?」




如月「……」ギリッ




カイン達が見たのは解剖された複数の深海棲艦だった。五体バラバラにされたル級やタ級の死体もあれば尻尾を真っ二つに切断されているネ級、そして一番一同が目にいったのが




鈴谷「うっわ、ひっど…」




生きたまま解剖されたのか手術台の上で目を見開いて絶命しているレ級や戦艦棲姫の死体だった。特にレ級も戦艦棲姫も数があり。解剖のされ方もバラバラで床に転がっている死体もあった。




如月「これ、全部戦艦棲姫さんの仲間ですか?」




如月の質問に戦艦棲姫は




戦艦棲姫「……」ブンブン




首を横に降った。




鈴谷「えっ?違うの?」




戦艦棲姫「コノ娘達ハオソラク『泊地水鬼』ノ配下ダト思イマス。ミズキ様ノ配下ノ深海棲艦ハ私以外デ確認シテイマセン……」




如月「ならどうして…?」




カイン「聞いていたのですね」




如月鈴谷「「え?」」




戦艦棲姫「!」




カインの言葉に戦艦棲姫はさっき以上にガタガタと震えだした。




カイン「この死体を見れば分かりますが生きたまま解剖されています。恐らく隣の部屋にいたにしても…」




如月「断末魔や叫び声が聞こえる…」




戦艦棲姫「…」ガタガタガタガタ




鈴谷「ちょっ、その話は終わり!怯えてんじゃん!聞いても気持ちいいもんじゃないし、提督だって事実でもこんなに怯えてる人に言ってて気持ちいいもんじゃないでしょ?」




カイン「それはそうですね、…すみません。そういう意味で言ってたつもりはありませんでした。僕の失言です」ペコリ




そう言うとカインは恐がらせてしまった戦艦棲姫に頭を下げて謝罪をした。




戦艦棲姫「ア…」




カイン「?どうかしましたか?」




戦艦棲姫「イエ、カイン様ノヨウナ方ガ私ノヨウナ者二頭ヲ下ゲルナンテ……」




カイン「僕は自分が悪いと思ったらしっかり謝りますよ」ニコッ




鈴谷「そこが提督のいいとこだよねー」ニッシッシ




戦艦棲姫「……」ポッ///




如月「皆さんこっちよろしいですか?」ガサガサ




不意に如月の声が聞こえた。どうやら1人で調べてた様で室内にあったデスク付近である書類を引っ張り出していた。




鈴谷「如月ちゃんごめん、何か見つけたの?」




如月「ええ、艤装強化に関する書類がいくつも」




カイン「ありがとうございます如月さん。確認させて頂けないですか?」




如月「司令官これよ」ピラッ




4人はその書類を確認した。内容が




『深海棲艦は深海から来る。しかしどのようなメカニズムで潜航をしているのかが解らない。潜水艦の深海棲艦ならまだしも姫級や鬼級、戦艦などの深海棲艦はどうなっているのか?そこで我々は鹵確した艤装や人体を調査した』ピラッ


『すると艤装にバラストタンク、ネガティブタンク、トリムタンクとよく構造が似ている機構があった。そしてその機構は人体と艤装が接続されていることが確認されていると潜航が出来るように反応する。そこに特有の防御壁も利用し潜航を可能にしているのだろう。その為死んだ深海棲艦の人体を調べると肺に特殊な探知機のようなものがあった』ピラッ


『その死んだ戦艦レ級から潜水機構と探知機を取り外したところ長門殿が自らテストを行うことになり結果は成功。潜航深度は1000メートルと申し分ない、この結果により松姉妹の艤装にも装備することが決まった』ピラッ


『ただ、あのおとなしい戦艦棲姫にはその機構が無かった。作りが違うのかあの1体だけは非常に人間に似ている。いや人間と言ってもいいのかもという位人間に近い。暴れられても困るので鎖に繋いでおこう』ピラッ




4人「……」




鈴谷「つまりこれって……」




カイン「長門達がいるのは海の中と言うことですか?」




如月「間違いないと思います」




戦艦棲姫「エッ?何デ…?」




鈴谷「あの人ら、全く足取りが掴めないんよ。だからこれ潜ってるよね」




如月「潜航して海の中にいるなら足取り終えないと、あら?まだありますね、こっちは」ピラッ




『しかし、あれから長門殿の様子が少し変わったような気がする。今日もレ級の尻尾を利用した大型のレールキャノンを積む為戦艦棲姫の艤装を自身の艤装に強化に使うよう指示を出していた。最終的にはかなりの大型で禍々しい艤装となってしまったが長門殿は終始嬉々とした表情を浮かべていた』ピラッ


『様子が変わったと言えば松姉妹や艤装を装備した兵もだろうか?艤装に例の潜水強化をした辺りからかどこか狂気を感じる。それが安宮殿が姿を表さなくなってからだから顕著に見える』


『今日、長門殿は何かぶつぶつ独り言をしていた。内容は聞き取れ無かったがアメリカと言っていたので恐らく次回の取引のことだろうか?』




カイン「これは……」




鈴谷「安宮がいない?」




如月「どういうことでしょうか?」




3人が考えていると戦艦棲姫がカインの服をちょいちょいと引っ張った。




戦艦棲姫「アノ、カイン様。私思ッタコトガ…」




カイン「……『深海汚染』の事ですか?」




戦艦棲姫「!」




鈴谷「深海汚染?」




如月「司令官、何ですか深海汚染って?」




カイン「深海汚染とは深海棲艦が持っている負の感情に呑まれ深海化することです。つまり」




カイン「長門達は深海棲艦の艤装を装着したことにより深海汚染が始まり、今も進行しているということです」




______________________




利根side




利根「臨時司令室は空いてるんじゃったの」




瑞鶴「そうだった筈ですけど、本当なんですか?情報源が分かったって」




利根「うむ、鶴姫のおかげでの。手紙の筆跡鑑定もするがもう目星は付いた。あとは裏付けじゃ」




鶴姫「裏付ケ?目星ハ付イタッテ」




利根「要は言い逃れが出来んようにするんじゃ、これはもう国際問題になるからの、着いたか」ガチャ




利根達は臨時司令室のドアを空け中へと入っていく。暫く使われていなかったのか至るところに埃被っており人が入った形跡がない、しかし資料室と違い電気は生きており室内は明るく照らすことが出来た。




利根「どんな些細な事でも構わん、手分けして探すとしよう」




3人は手分けして部屋中を捜索することに、利根は司令官の机を見ていくことに




利根(安宮は確か帰国子女じゃったの、英語は問題無かった筈じゃが身辺調査してもアラは出なかったと衣笠は言うとったからの~。おっ、これは……)ガサガサ




鶴姫「瑞鶴ーコレナニ?」




瑞鶴「何か見つけたの?って薬?えっ待ってこれ」




利根「どうした瑞鶴?」




瑞鶴「アドリアマイシンってこれ抗がん剤じゃない」




鶴姫「抗ガン剤?」




瑞鶴「そ、癌って病気があってねその薬よ」




鶴姫「デモソレモ英語ダヨ?」




瑞鶴「肺癌で死んだ父さんがおんなじの服用してたのよ、綴りもおんなじだしわか」ハッ


ここまで喋っていた瑞鶴だったがふと何かに気がついたようにはっと表情を変えた。




鶴姫「ドーシタノ?」




瑞鶴「これ簡単に手に入る物じゃないわ。もしかして資源や物資の類いもおんなじ様に調達してる?」




利根「そのようじゃの、面白いものがあったぞ」




と、言った利根が持っていたのはファイル、みるからに怪しそうなものに加え机の引き出しが二重底になっていたようで、二重底になっていた引き出しや棚は全て利根が看破して漁っていたようだ。




瑞鶴「利根さんそれは?」




利根「こやつらの取引記録じゃ、ここに保管してくれて助かったの」




鶴姫「何ガ書イテアルノ?」




利根「艦隊で使う資源と物資は勿論、薬品に嗜好品に」




鶴姫「二?」




利根「レールキャノンと核砲弾の設計図」




瑞鶴「はあ!?なんでそんなものまで…!」




鶴姫「ネェネェ、ソレッテ軍ノ関係者ガ関ワッテルヨネ?核砲弾ッテモシカシテアイオワ級ノW23ノ設計図?」




利根「そうじゃ」




瑞鶴「…私もわかったわ鶴姫。鶴姫が言いたいのは流した人間よね?」




鶴姫「ウン」




瑞鶴「利根さん。情報を流した人間はアメリカ海軍の提督の」




利根「アメリカ海軍太平洋方面軍准将ロベルト・クラーク。アメリカ艦娘サミュエル・B・ロバーツの父親じゃ」




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村雨side




兵装実験場の捜索が終わった村雨達は居住区へ向かう。




能代「次は居住区ですね。ですがさっき以上の情報はあるのかしら?」




村雨「わかりません。ですが調べられるものはキチンと調べないといけませんよ」




榛名「そうですね」




カチャカチャ カチン




白露「ほい、開いたよ~」




村雨「…ホントに姉さんピッキング上達したわね」




白露「村雨達や時雨達の提督に教わったからね~、それでは入ろっか」ガチャ




一向は中へと入る。居住区とあったが中は長い廊下が続いており、左右には個室になっているのだろうか多くの扉があった。




白露「なんか、収容所みたいだね。あっ電気点く」




能代「居住区と言うのか個室の仮眠室みたいね」




榛名「……」ブルブル




村雨「榛名さんどうしましたか?」




榛名「いえ、なんだかやけに寒く感じまして」




白露「そうだね、なんだか廊下より寒いや」




村雨「……電気が生きてるのも妙ね…」ボソッ




能代「何があるかわかりませんが調べましょう。榛名は無理しないでね」




かくして4人は居住区の捜索を始めた。皆手近の部屋から調べることに




白露「鍵は空いてるね、中はベッドと机と小物くらいか」ガチャ




能代「部屋はどこも一緒かしら」ガチャ




榛名「どうして寒いのでしょう……?」




村雨「ん、これは……?」ガチャ




村雨が見つけたのは一冊のノート。どうやらここにいた者の日記のようだった。




『海軍は変わってしまった。憎き深海棲艦達と共存だなんて。あの日本の、人類の守護者と呼ばれた大川少将や敷島大佐達が、信じられない。…あの海軍に私達の帰る場所はない』


『海軍に居場所は無い、そんな私達を長門さんと安宮提督が拾ってくれた。あの2人も今の海軍の行く末に悲観しており私達姉妹の心情を理解してくれた。この人達こそ海軍に必要な筈だ』


『今日、長門さんが深海棲艦から取り付けた潜水強化した艤装の実験をした。実験は成功し長門さんも満足そうだった。私はその次に実験に志願した。私が成功すれば妹達も参加しやすくなる!』


『最近、良く夢を見る。見たことある海で戦っている夢だ。これは艦船時代の、艤装の過去だ。長門さんも艦娘になった頃から良く夢と言っていた。何故だろうあんなに深海棲艦が、家族を奪った深海棲艦達憎かったはずなのに、夢を見るたびに同じ位に日本を蹂躙したアメリカが憎いのは』


『どうやら私だけじゃなかった。妹達も、長門さんも私の事を理解してくれた。そして長門が言った。真の敵は日本を核で焼いたアメリカだと、その言葉に私達姉妹は震えた。そうダ、私達ガ一番撃ツベキ敵はアメリカダ』




パタン




ここまで書かれていた日記を村雨は静かに閉じた。日記の裏には松と書かれていたので恐らく松型駆逐艦娘姉妹の長女だろう。




村雨「…この感じだともう深海汚染は進んでるわね、それにしても潜水強化って……?」




と思案し始めた村雨だったが、




榛名「きゃあぁぁぁぁ!?」




村雨「!」




榛名の悲鳴によって強制的に中断されることになった。




能代「どうしたの榛名!?」




近くの部屋を捜索していた能代が榛名に駆け寄る。




榛名「へ、部屋の中……!」




能代「部屋の中?」




白露「何々?何があるの?」




駆けつけた白露も部屋の中を確認する。すると




能代白露「「!?」」




村雨「ちょっと!どうしたの!?」




村雨も騒ぎを聞き付けて榛名が入った部屋に入った。そして見たものは




村雨「…!この人は……!」




いたのは一人の男。しかし頭には髪の毛が一本も無くまるで眠るように横たわっていた。村雨は近付き首元に手を当てた。




白露「む、村雨?その人は?」




姉の質問に村雨は首を横に振り、そして




村雨「亡くなっているわ。この人は安宮宗氏元少将よ」




村雨は部屋の中が異常に寒い事を確認すると




村雨「霊安室替わりに使っていたのね、ん?これは…」




側にあった一冊のノートを拾い上げ中を確認する。




能代「む、村雨さん?そのノートは?」




村雨「安宮元少将の日記のようです。これによると元少将は末期の肺癌を患っていたみたいで恐らく肺癌による病死かと」パラパラ




榛名「そう、なんですね…」




村雨「ん?最後のページ……」




白露「何何?」ズイッ




気になった白露が村雨が見ていたページを横から覗きこんだ。そこには




『私の愛する提督へ、あの世から見ていてくれ。提督が言っていた「虐殺による救済」を私が体現しよう。先に完成した2発の核砲弾を使ってな』長門




村雨「何ですって!?」




白露「核砲弾が、完成してる……!?」




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時刻2100

第3鎮守府 ブリーフィングルーム




ブインから帰ったカイン達8人と翼と武蔵と熊野がブリーフィングルームに入って各々席に着いていた。そして




長良「司令官!強撃班分隊『メーア』分隊長長良以下7名!入ります!」




カイン「どうぞ」




カインの返答後扉が開き中に入って来たのは長良と




ルカ「榛名~」ヒラヒラ

タキ「ヤッホー」ヒラヒラ




榛名「ルカさん!タキさん!?」




能代「二人共、どうして」




ルカ「見テルダケナノハモドカシクテネ」




タキ「コレカラヨロシク」ピース




「入りまーす!ほら初雪!山風も!」




初雪「わかってる、深雪少し静かにして」




山風「失礼します」




白露「あれ?山風も?」




山風「うん、お義兄ちゃんの為に頑張りたいから」




白露「山風も来ちゃったかぁ」アハハ




鶴姫「アレ?アト1人ハ?」




タキ「ホーラ!セッチャン貴女モコッチイラッシャイナ!」




タキが呼んだ人物は意外にも




戦艦棲姫「失礼シマス」




鈴谷「あれ?貴女はあの時の?」




カイン達が助けた戦艦棲姫だった。彼女はネグリジェではなく肩出し黒い巫女服に紺色のスカートを着て入って来た。




翼提督「はい、本人の希望もあったのと熊野さんが私の部隊に配属が決まったのと扶桑型量産艤装が適合したので編入させて貰いました」




能代「セッチャンってタキが言ってたのは?」




セツコ(戦艦棲姫)「ミズキ様カラ『セツコ』ト名前ヲ頂キマシタ」




如月「だからセッチャンなのね」




武蔵「無駄話はここまでた。通信を繋ぐぞ」




そして武蔵は大本営にいる元帥に通信を繋ぎ暫くして




『元帥!通信が入ってます!』

『え!?この時間にですか!?』

『こっちはやっとご飯なのに…』

『元帥サン、オ茶ヲ』

『ほらあなた!上着上着!』




瑞鶴「え?今の声は」




そうしていると




大堂元帥『すまん、飯を食ってた』




カイン提督「言え、こちらこそ予定より早くにしてすみません」




大堂元帥「気にすんな」




と、豪快に笑う元帥。その後ろに




「先輩お久しぶりです!」




瑞鶴「葛城、久しぶりね。敬語使わなくていいのよ。貴女が上司なんだから」




葛城「瑞鶴先輩にため口なんて使えませんよ!」




大鳳「すいません。これから私達アメリカとの通信の為今ご飯に」




見てみると利根と浦風以外の元帥直属部隊の面々が揃って元帥の執務室にあるちゃぶ台でご飯を食べていた。




鈴谷「あれ?利根さんは?」




潮「もうお休みになられました。筑摩さんがいつも9時頃にお休みになられるので」




熊野「筑摩さん…」




如月「浦風さんは?」




龍鳳「二徹の末爆睡中です」




能代「いつも大変そうですね」




潮「いつもじゃありませんよ~また徹夜確定です…」




白露「潮も大変だね…」




大堂元帥「そういう事で悪いがこの後アメリカの例の准将殿と直接やり合うから手短に伝えるぞ」




元帥は咳払いを一つしカイン達に向き合った。




大堂元帥「長門が核砲弾を所持していることは報告を受けた。その上でお前達に任務を命ずる。第3鎮守府カイン中佐、沖久保翼少佐始め直属艦娘海軍棲艦は艦娘長門及び松型駆逐艦娘姉妹の撃沈を命ずる」




「!?」




大堂元帥「動揺するのも理解出来る。だが奴らは越えてはいけないラインを越えてしまった」




能代「越えてはいけないライン?」




大堂元帥「戦争にもルールはある。その証拠に深海棲艦達も核兵器は使わん。深海棲艦達は核兵器を酷く嫌悪しているからだ」




長良「そうなんですか?」




カイン「はい、その通りです」




榛名「……」




鈴谷「榛名さんどうしましたか?」




榛名「いえ、核兵器って聞いた時になんだか見たことがある気がして」




白露「どういうことですか」




大堂元帥「恐らく適合率が上がったことによって艤装から艤装の記憶を見たようだな」




瑞鶴「艤装の記憶?」




大堂元帥「要は軍艦だった頃の記憶だな。戦艦榛名はあの日呉の軍港にあったからな」




榛名「…あの光景が、あの地獄が繰り返されるんですか?人の手で繰り返されるなんて……!」




鶴姫「榛名サン落チ着キマショウ?」




能代「させるわけいかないわ、だって長門の目標は」




如月「アメリカ、まさに怨念返しですね」




カイン「何があっても僕たちのやることは1つです」




カインは画面の元帥に向き直り決意に満ちた表情で




カイン「了解しました元帥。長門の撃沈、僕たちがやらせて頂きます」




後書き

ここまで読んで頂きありがとうございました!長々となってしまい申し訳ありませんでした。

ここの如月さんは頭が回る娘。 戦闘後は探索へ探索の人員分けは隊列順です。
今回の元ネタは皆さん大好きアンカーヘッド強襲です。あれってスコアどれぐらい稼げるものなんでしょうか?


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