優柔不断な転生人と怪物狩りの転生人
一人の青年と艦娘達の物語のコラボ第二弾です。
今回はなんと気まぐれ主人公さんとコラボしていただくことになりました!
僕の好きな作品を作られていた気まぐれさんとコラボすると言うだけで今も手が震えております…
今回も下手くそな描写ですが、見ていただけると幸いです!
気まぐれさんのページです。素晴らしい作品をみなさんもご覧になってください!
http://sstokosokuho.com/user/info/7176
注意
気まぐれさんのキャラや能力を再現しているため、概要にも記したようにキャラ崩壊が起きているかもしれません。
それでも良い方は見ていただけると幸いです
基本別作品では提督の名はリセイで通します。
本SSの時系列は秋が冬になる前ぐらいと思ってください。
チラッと前回コラボしたソビエトさんの話も出てきます。
サン…サン…
ヒュウウウ…
ハダサムイノニイイテンキネー
ホントニネー
アッ!ソラガキレイ!
ウワー!
アハハ!
日照りが正王鎮守府を暖かく照らし、時折現れる優しい風が艦娘達を包み込む。
リセイや艦娘達は今日は特にやることもないので臨時休暇として、さまざまな方法で寛いでいた…
10:35
〜正王鎮守府中央庭園〜
リセイ「ん〜ん〜ん〜…♪」
リセイはベンチに座って鼻歌を歌っていた。
ウォースパイト「あら?HI admiral。貴方もここに居たのね。」
リセイ「ん?ようウォースパイト。散歩か?」
ウォースパイト「ええ。そんなところね。貴方はここで何をしているの?」
リセイ「俺は外の風に当たりたかっただけだよ。もうすぐ冬だってのにこんなにあったかいんだからな。外に出ないともったいねぇ。」
ウォースパイト「ふふ、それもそうね。……Hun?良い匂いがするわね…あれは何かしら?」
ぷ〜〜〜ん…フワフワフワ…
長門「おーい!駆逐艦の皆!軽巡のお前達も来い!そろそろ焼きあがるぞー!集まれ!」
白露「おお!待ってましたー!」
阿武隈「良い匂い〜!」
リセイ「…!焼き芋か。ウォースパイト、一緒に食ってきたらどうだ?」
ウォースパイト「ヤキ…イモ?それはどんな食べ物なのかしら?」
リセイ「日本の炭水化物だ。この季節はよく食われているみたいだが…甘くて美味いぞ?」
ウォースパイト「oh…!JapanのCarbなの?凄く興味があるわ!是非行ってみるわね。…でもadmiralは行かないの?」
リセイ「俺はさっき間宮食堂で飯を食い過ぎたからパスだ。また今度でいいよ。」
ウォースパイト「そう…それなら仕方ないわね。また今度一緒に食べましょう!」
リセイ「ああ…。」
テクテクテクテク…
ワタシモイタダイテイイカシラ?
モチロンダ!ドンドンタベテクレ!
ミンナデタベタラモットオイシイヨー!
ソウソウ!
アハハハー!
リセイ「………はぁ…」
リセイはため息をついた。
この前の事件が頭から離れない…ペスト……あれは一体何者だったんだ?あの時自分でお互い知らない方が良いと言っときながら結構気になってるし…ってか心が読めない地点で只者じゃないよな…
それに…あいつは人間なのか?まるで機械のような感じがしたが…いや…人のこと言えた立場じゃ無いよな…俺だって人間であって人間じゃ無いしな…
リセイ「……『気になったが最後』ってか…鎮守府を出て見回ってみるか。」
そんな独り言を言い、静かに鎮守府外へと歩んだ…
〜別世界・ガイア泊地〜
黎斗「………」
シロル「黎斗?何かあったの?ずっと空を見つめてるけど…」
黎斗「ん?俺もなんでかはわかんないけど…何故だかずっと見てしまうんだよな…」
シロル「……私には見えてない何かが見えてる?」
黎斗「そうじゃねぇけど…」
別世界長門「うん?提督達か。ここで何を?」
シロル「あ、いや…特に何も…」
黎斗「ちょっとたそがれてた…」
別長門「ふふ…そうか。しかし…風をこんなに気持ちよく感じるのは随分と久しぶりだ。そう思えるようにしてくれたあなた達には感謝しなければな…」
シロル「どういたしまして。」
黎斗「…まぁ、何かあれば必ず言いに来るんだぞ。出来る限り力になるからさ。」
別長門「……ああ…!わかっているつもりだ。」
黎斗「さて、シロルと長門は先に中に戻っててくれ。俺はちょっと散歩してくる。」
シロル「わかった。でも、あんまり長く外にいたらだめだよ?」
黎斗「おう…」
シロルと長門は泊地内部へと戻っていった…
黎斗「……なんだろうな…さっきから空が気になる…この辺りの空を探索してみるとするか…ほっ!」
グッ…バサッ!
黎斗は背に龍の翼を生やし、空を飛んで巡回を始めた…!
バサッ!バサッ!
20分後…
黎斗「……今のところ変なものは見つからないな…」
(おかしい…じゃあなんで空がこんなに気になるんだ?何かあるかもしれないんだが…)
ブォン!バァァァァァアン!
黎斗「うわっ!?なんだ!?」
黎斗が思案している最中、突如として目の前の空間が裂け、黎斗を引きずり込んだ!
黎斗「ぐっ…!流れに逆らえない…!?吸引力が強すぎる!う…うわぁぁぁぁぁあ!!」
黎斗はそのまま破れた空間に引きずり込まれてしまった…
シュウウウ…ビビ…シュン…
破れた空間も小さな電撃を放ちながら消えていった…
〜リセイの世界・南西海域無人島〜
11:30
リセイ「しまった…つい夢中になりすぎた…」
リセイは正王鎮守府周辺の港町を見て回ったが、特に怪しい事も変わったこともなかったので、空を飛んで上空からさまざまな海域を偵察したが、何も見つけることが出来ず、すでに1時間半は経っていた…
リセイ「時間を忘れて物事に集中しすぎるのは悪い癖だな…ちょっと行って戻るつもりがだいぶ時間が経っちまった…もう戻るか…ん?あれは人か?なんであんな無人島で寝ている?とにかく助けるか…!」
ゴゥ!ヒュウウウ…スタッ!
リセイは無人島へと足を下ろし、倒れている青年に声をかけた。
リセイ「おい!しっかりしろ!大丈夫か!?」
???「……」
青年は気を失ったままである…
リセイ「起きないか……仕方ない。とりあえず港町まで戻るか。よっと…」
サッ…ギュオオオオン!
リセイは青年を背負って空を飛び、正王鎮守府港町へ戻った。
〜正王鎮守府港町・宿屋〜
13:00
???「………うっ…ここは…」
リセイ「お、気がついたか。大丈夫か?」
???「あ、ああ。あんたが俺を助けてくれたのか?」
リセイ「まぁな。」
???「誰だかわからないけど…ありがとう。礼を言うよ…えっと…」
リセイ「俺はリセイだ。お前は?」
黎斗「……黎斗だ。」
リセイ「そうか。黎斗、お前は南西海域の無人島で倒れてたんだ。どうしてあんなとこに居たんだ?」
黎斗「な、南西海域に!?お、俺は確か目の前の空間が急に破れて…それに引きずり込まれて…そっからは覚えていない…なぁ!ここはどこなんだ?早くガイア泊地に戻らないと…」
リセイ(…………ガイア泊地?聞いたことのない場所名だな…まさかこいつもこの世界の住民じゃないのか…?ペストのパターンとは違うようだが…心を読めるかどうか試してやろうか…)
「ここは正王鎮守府の近くの港町だ。ここはその宿屋だな。気絶している黎斗を一応ここまで運んだ。見たところ外傷も無いし、今だって自分でちゃんと喋って意思疎通も出来ている。身体の心配は要らなさそうだが…」
(…………!!心が読めない!こいつもやはりこの世界の者ではないってか…!)
黎斗(正王鎮守府?そんなところ聞いた事ないな…それにこいつ…何故か普通じゃない無いような感じがするな…何者だ?)
「聞かない名だな…俺は一体どこに来ちまったんだ?」
リセイ「……外で話そう。どうやら長くなりそうだ。」
黎斗「…そうした方が良いな…」
2人は宿屋を出て港町の離れへ向かった。
〜正王鎮守府港町・離れのビーチ〜
黎斗「…なぁリセイ…色々聞きたいことがあるんだけど…」
リセイ「俺もだ。けど、まずはお前の質問に答えよう。答えられる範囲でだけど。」
黎斗「じゃまず一つ目の質問。あんた…何者だ?俺は南西海域の無人島で倒れてたんだろ?そんな俺をどうやってあの宿屋まで連れて行ったんだ?」
リセイ「……早速答えにくい質問だな…まぁ、いいや。無人島で倒れてたお前を背負いながら空を飛んで運んだ。これでいいか?」
黎斗「!!空を?………普通の人間にはできたことじゃ無いよな…」
リセイ「………まぁ、そんな警戒すんなよ。俺はお前の敵じゃ無い。」
黎斗「……二つ目の質問だ。リセイ、あんたはどうして俺を助けた?」
リセイ「わかりきったことを聞く奴だな。相手が誰であろうと孤島でぶっ倒れている奴が居たら普通は助けるだろ?」
黎斗「今時そんな優しい奴を見るのも珍しいもんだ………三つ目の質問だ。空を飛ぶってことはあんたは人間じゃないのか?」
リセイ「バリバリ日本人で人間だわ!……けど俺には、普通の人間には無い力を持ってる。例えば何もない空間から頭の中で思い描いたものを出したり、光弾を掌から飛ばしたり、刀を出して戦ったり、さっき言ってた通り、空を飛ぶこともできる。」
黎斗「………ちょっとやってみてくれよ。」
リセイ「いいとも。はっ!」
ダッ!バビュン!
リセイは勢いよく地面を蹴りつけ、空に浮かび上がった!
黎斗「……マジかよ…」
(翼無しで飛べるのか…!?一体どんな力なんだ!?)
リセイ「…よっ…!
ヒュン!スタッ!
で、他に知りたい事は?」
黎斗「……いや、俺の質問はもういい。次はあんたが聞きたい事を聞けばいいさ。」
リセイ「……まずは一つ目。お前この世界の住人じゃないだろ?」
黎斗「!やっぱりこの世界は俺の知ってる世界じゃ無いのか………」
リセイ「答えはいい。今のでわかった。……二つ目。どうやってこの世界に来た?」
黎斗「……俺は空を飛んでいる時にさっき言ってた通りのことが起きたんだ。目の前の空間が突然破れてな…それに引きずり込まれて、気がついたらあの宿屋に居た。」
リセイ「…!お前も空が飛べるのか?」
黎斗「ああ。ほら、こうやってな。」
ググッ!バッ!バサッ…バサッ…
黎斗はリセイに翼を生やして飛ぶ姿を見せた!
リセイ「……ほう…こいつは驚きだ…まさか龍の力を使ってるとはな…」
黎斗「龍だけじゃ無いけどな。空間からさまざまなモンスターを呼び出したり、ちょっと念じただけでいろんな技が繰り出せる。」
リセイ「わお…恐ろしいなそりゃ…」
(俺にも似たような事はできるが…黎斗のように多彩な技は無いぞ…相当の切れ者(頭がいい人)だな…)
黎斗「あんただって似たようなもんだろ?」
バサッ…バサッ…スタッ!スッ…
黎斗はそう言いながら地に降り立ち、翼を消した。
リセイ「……最後の質問だが…これは質問というより…頼みたいことがある。」
黎斗「……俺はあんたに助けてもらった身だ。俺にできることなら言ってくれ。」
リセイ「………お前の力…俺に見せてくれ。俺と一戦だけ組手をしてもらいたい…」
黎斗「………俺は構わないけど?けど、怪我しても恨むなよ…?」
リセイ「その言葉、そっくりそのまま返す。悪いがそんな簡単にはお前の攻撃は当たってやれない。」
黎斗「……へっ!上等だ。さぁ、俺はいつでも良いぞ。……よし、武器はこいつだ!」
スッ…ブォン!ジャキン!
装備 『暁銃槍「明月」』
リセイ「……」
スッ…パッ!チャキ…
ポツ…ポツポツ…サァァァァァァ…
先ほどまで晴天だった空がいつのまにか大粒の雨を降らしていた…
二人は雨に濡れながらも、それぞれの構えで互いを警戒し合っていた…
リセイ「…………」ポタッ…ポタッ…チャキ…
黎斗「…………」ポタッ…ポタッ…ジャキ…
リセイ「……行くぞ!」
黎斗「……おう!」
戦闘BGM:ドラゴンクエスト5 DS・「戦火を交えて」
リセイと黎斗は同時に間合いを詰め、互いの武器をぶつけ合った!
リセイ「………」
黎斗(……チッ!明らかに人間の力を超えてやがる!普通の刀ならこの銃槍は相手の武器なんぞ真っ二つなんだがな…)
ブォン!ザッ!スタッ!
リセイは迫合いを振り払って後方へ下がった!
リセイ(……波動を纏わせた刀だってのに…あの槍にはかすり傷一つついてない…それにあんな重そうな槍を持っていやがるくせに軽々と突進してくるとは…やっぱりこいつも只者じゃないな…!)
黎斗「……はっ!でい!」
リセイ「っ!」
ガキン!キン!キンキン!
黎斗「くらえ!」
アクション『なぎ払い』
ブオン!バッ!
黎斗の放った一撃は何も無い空間を捉えていた…
リセイ「…おおお!」
黎斗「!?くっ!」
黎斗の攻撃をよけたリセイは、勢いよく飛び上がって刀を振り下ろしたが、ガードされてしまった…!
ギギギギギギ……
黎斗「……結構早く行ったんだけどな…!あの一瞬で上に飛び上がって攻撃してくるなんて予想外だぞ…」
リセイ「あっさり防御した奴の言うことかよ…!」
黎斗「ッ!」
ギィン!ドス!ガッ!
リセイ「うっ!?」
黎斗「おおりゃあ!!」
黎斗は迫合いを払った直後、明月を地面に突き刺し、リセイの服の襟首を掴んで後ろへ投げ飛ばした!
リセイ「……くっ…!」バン!ズザァァア!
リセイは上手く受け身をとってダメージは入らなかった!
黎斗「せい!」
リセイ「!」
黎斗は体勢を崩したリセイをめがけて明月を振り下ろした!
黎斗「悪いな…ちょっとだけ本気で当てちまったぜ…」
リセイ「………何を?」
黎斗「……は?」
グググググ…!
何とリセイは左手で明月を掴んで受け止めていた!
黎斗(おいおい…冗談だろ!?素手で受け止めやがった!)
リセイ「スピードは相当なもんだが…武器の使い方がなっちゃいないな…武器っていうのは…こう使わなきゃな!」
ザッ…
リセイは黎斗に二つの巨大な斬撃を飛ばした!
黎斗「……っ…!」
リセイ「………やるな…」
黎斗「…あんたもな…」
黎斗はリセイの放った斬撃を受け止めつつ、かき消した!
グッ…
リセイ「とうっ!」
リセイは黎斗の正面の空間に掌底を繰り出し、強烈な波動を放った!
黎斗「!!」
サッ!
黎斗は翼を生やして飛び上がり、波動を上手くかわした!
黎斗「………」
バサッ…バサッ…!
リセイ「………」
ズビィ!!
リセイは一瞬で黎斗後ろへ移動し、刀を横から振り下ろした!
黎斗「!後ろか!」
しかし黎斗はそれを読み、振り返った瞬間に攻撃を防御した!
リセイ「…普通なら今のを避けるどころか防御すらも間に合わないはずなんだが…」
黎斗「何でだろうな…わかっちまうんだよ。あんたの攻撃が…!」
リセイ「………フッ…降りよう。戦闘はもういい。黎斗の力は大体は把握できた。」
黎斗「………わかった。」
ヒュウウウ…スタッ!
バサッ…バサッ…スタッ…スッ…
スッ…
ブォン…
お互いの武器も消して、二人はそのまま対峙する…
リセイ「……見事なもんだったよ…あの力はそうそう真似できたものじゃ無い。」
黎斗「それはあんたもだろうがよ!俺の予想を上回る奴がいるなんて思いもよらなかったぞ…」
リセイ「それこそお互い様だ。」グーーーー…
黎斗「……」グーーー…
リセイ「流石に腹が減ったな…うまい飯屋があるんだ。そこへ行こう。奢ってやる。」
黎斗「良いのか?」
リセイ「なに、気にすんな。俺がそうしたいだけだ。」
黎斗「何から何まで世話になるな…ありがとよ…」
〜正王鎮守府港町・海の幸〜
互いの力を比べあった後、港町へと戻ったリセイと黎斗は二人で料理を堪能していた。
黎斗「(モグモグ)うお…!美味い…このホタテはなかなかの上物だな…(パクッ)」モグモグ…
バターで炒めた大きめのホタテを頬張りながら呟く。
リセイ「久し振りに鰹のたたきを食ったな…やっぱ美味い…」カチカチ…ヒョイ、パクッ
リセイも箸を鳴らしながら、とろけるような鰹を平らげた。
ガツガツ!モグモグ!ゴクゴクゴク!
絶品の料理に満腹になるまで舌鼓打ったリセイ達は、勘定を済ませて先ほどのビーチへと戻っていた…
〜正王鎮守府港町・離れのビーチ〜
先ほどまでの雨はいつのまにか止み、再び空は快晴になっていた…
黎斗「……それにしても何で空間が開いたんだ?しかもそれに引きずり込まれるし…」
黎斗はリセイと並んで歩きながら思案した。
リセイ「……その記憶、俺にも見せてくれないか?」
黎斗「え?見せれるものなら見せたいけどどうやってやるんだ?」
リセイ「なに、ちょっと頭を貸してくれればいい。」
ポン!
黎斗「?」
そういうと、リセイは黎斗の頭に手を置いて瞑想を始めた…
〜〜〜〜〜〜
リセイ「………なるほどな…」
黎斗の頭から手を離し、一人納得するリセイ。しかし黎斗はあまり状況が飲み込めていないようだ。
黎斗「……今のでわかったのか?」
リセイ「黎斗。お前も自分の世界では提督の職に就いているな?そしてお前の相棒である『シロル』と共に艦娘を助けつつ、深海棲艦と戦っているんだろ?」
黎斗「なっ!?何だと!?何でシロルのことを!?俺はあんたにシロルの事をを話した覚えはないぞ?……まさか本当にさっきので俺の記憶を見たのか…?」
リセイ「……お前は空がずっと気になって仕方がなく、相棒と長門をガイア泊地内部へと戻し、一人で空を偵察していたとき、突然空間が裂け、そこに引きずり込まれた後に、あの南西海域の無人島で倒れていた…って事だな。」
黎斗「………気絶してた部分は記憶にないが…その前の部分は全部リセイの言う通りだ。でも、一つだけ解決してない事がある。」
リセイ「ああ…問題は何故空間が開いてしまったか…だな。」
黎斗「空間が開いてしまった部分…この世界ではおそらく、南西海域上空か…」
リセイ「調べるつもりか?」
黎斗「ああ…このままじっとしているわけにもいかないし、何より早く元の世界に帰らないと…」
リセイ「………」
黎斗「……一つ思ってたんだが…リセイ…あんたも…転生しただろ?」
リセイ「!」
黎斗「……野暮な質問だったか?じゃあ聞くのはやめとくよ。」
リセイ「……いや、お前になら俺が何者かを話してもいいかな…俺は、お前の言う通り転生人だ。俺がこの世界に来る前は、すぐに仕事は投げ出すわ、自分の納得のいかない事が起きたらすぐにイラつくわで、自分でも思うよ。情けない人生だったな…って…」
黎斗「……」
リセイ「けど、ある時道のど真ん中で一人で遊んでる男の子がいてさ、そいつは信号を気にせずボールを転がして遊んでた…もちろん信号のある場所に車が通らないわけがない。案の定車が男の子に突進しかかった時、俺はとっさにそいつの身体を押し飛ばした。でも俺が代わりに…」
黎斗「……………死んだ理由が俺と似てるな…」
リセイ「…?お前も誰かを助けて死んだのか?」
黎斗「まぁ、人じゃ無いけどな。俺は猫を庇って死んだ。」
リセイ「……そうか…だがどんな存在も命は命だ。黎斗がとった行動は決して無駄じゃなかったと思う。」
黎斗「だから、それはあんたもだろ?って。」
リセイ「そう言ってくれるのはお前ぐらいだよ…」
黎斗「……転生したからにはやっぱり、今のような力を得たんだな…あんたが転生する前にも神さまにあったのか?」
リセイ「神様なことは神様なんだが…転生専用の神さまだな。いわゆる転生神ってやつだ。」
黎斗「…へぇ〜…そんな奴も居るんだな…あ、もう一つ気になったことがあるんだ。」
リセイ「なんだ?」
黎斗「……リセイも提督の職についているのか?」
リセイ「わかるもんなのか?まぁ、その通りだけどな。」
黎斗「………」
リセイ「安心しろ。艦娘をぞんざいには扱ってない。むしろあいつらの方が俺より人間生活をしてるよ。と言うより艦娘を人として扱わない奴がいたら俺がそいつをねじ伏せる…」
黎斗「……そうか…なら良いんだ。俺と同じ考えを持つ奴がいて良かったよ。」
リセイ「ふっ…お互い無理のない程度にな…」
黎斗「ああ…。…っとそろそろ偵察に行くとするか…あんまりこの世界に長居するわけにもいかないし…」
リセイ「とりあえずは俺も付き合う。黎斗が引きずり込まれた空間を見つけたらそこをいじってお前を元の世界に戻してやることができる。」
黎斗「おい!それを早く言えよ!」
リセイ「すまない。」
黎斗「……まぁいい…出てこい!『ナルガクルガ』!」
ブォン!
ゴゴゴゴゴゴゴ…
ナルガクルガ「クガァァァァ!!」
リセイ「へぇ…中々の見ものだ…」
黎斗「よっ!」バッ!スタッ!
黎斗はナルガクルガの背に乗った。
黎斗「何やってる?リセイも乗れよ!」
リセイ「……ああ。そうさせてもらおうか。」バッ!スタン…
黎斗に続き、リセイもナルガクルガの背に乗った!
黎斗「ナルガクルガ!南西に向かってくれ!」
ナルガクルガ「クガァァァア!」
リセイ「おお!気持ちのいいもんだな!」
黎斗「だろ!」
上空を凄まじいスピードで翔けるナルガクルガは、二人を乗せて南西海域へと向かった…
25分後…
〜南西海域上空〜
黎斗「この辺りだな…」
リセイ「…ああ。それと、どうでもいい話だけど、この龍…普通に喋れるようにしてやろうか?」
黎斗「……今更驚きはないけどな…一応、やれるものならやってみてくれ。」
リセイ「ほれ。」パチン!
リセイ「勘違いしないで欲しいのは、その能力はこの世界限定だ。元の世界に戻れば再び喋れなくなる。」
黎斗「流石に驚くな…本当に喋れるようにしちまうなんてな…」
リセイ「これくらいは朝飯前だ。さて、どうやらこの辺に歪んだ空間があるようだな。真っ直ぐに飛んでくれ。」
黎斗「ナルガクルガ。頼む。」
ほんの数分程度進んだ程度でリセイが指示を出した。
リセイ「止まってくれ。ここだ。」
黎斗「……確かに空間が歪んでるな…」
リセイ「とりあえずはこの空間を直さないとな。俺がやろう。」
グオングオン…ブォン…ブォン…
怪しげに揺れる空間を目にし、リセイは空間を修理しようとしたその時!
ビシュン!
2人「!?」
突如として下から何者かに砲撃された!
ヲ級改flagship「…………」
戦艦タ級flagship「………」
深海棲艦のおびただしい数が集まっていた!
リセイ「全く…毎度毎度良いところで邪魔が入るな…」
黎斗「こいつは凄いな…数だけなら俺たちの比じゃ無いぞ。」
リセイ「軽く2000程度か…おまけに1匹1匹が強いやつばかりだな…めんどくせぇ…」
黎斗「おいおい弱音か?」
リセイ「やかましい!さっさと片すぞ!」
黎斗「そう来なくちゃな…ナルガクルガ!行くぞ!」
戦闘BGM:ファイナルファンタジー10・「襲撃」
ナルガクルガの背に乗りながら、二人は戦闘態勢に入った!
シュンシュン!
リセイ「艦載機か…甘いな…」
バシュシュシュシュ!
ドドドドドドド!!!!
リセイは深海棲艦の艦載機を掌から放った光弾で撃ち落としていった!
ナルガクルガ「グガァァァァ!!!」
リ級・ヲ級・ロ級「グァァァァァア!!」
ナルガクルガは低空飛行で周りの深海棲艦を尻尾でなぎ倒した後、再び上空へと飛んだ!
黎斗「わかった!」
リセイ「やるな…!一気に数が減ったぞ!」
黎斗「俺も忘れんなよっと!」
装備『ソニックボウ』
黎斗「当たれ!」
ドバババババババ!!
ドス!ドス!ドシュシュシュ!
黎斗は上空から目にも留まらぬ速さで無数の矢を放った!
深海棲艦s「」
黎斗「いっちょあがり!」
リセイ「末恐ろしいもんだ…」
黎斗「敢えて無視させてもらう。」
リセイ「ハァッ☆」
黎斗「さて、あとは10匹程度だな。」
リセイ「ナルガクルガのおかげで手間が省けたな…」
黎斗「一気にまとめて始末しよう!リセイ!ナルガクルガ!」チャ…!
リセイ「任せろ!」スッ…チャキ…!
ナルガクルガ「ゴオオオオオオ…」
黎斗は弓を構え、リセイは刀を取り出し、それを両手で持ち、剣先を下の方向に向けて光弾を撃つ準備をし、ナルガクルガは口から身も凍りつくけたたましい雄叫びの準備をした!
キィィィィィン…
ギュイイイイイイン!!
ゴオオオオオオオオ…!
リセイ・黎斗「くらえ!!!」
カァッ!
リセイ・黎斗・ナルガクルガが放った技で、深海棲艦は全て沈黙した…!
…………………
黎斗「ふぅ…スッキリしたぜ。さて、これで邪魔者はいなくなったな。リセイ。頼むよ。」
リセイ「ああ。けどその前に、謎が解けたことが一つ。」
黎斗「うん?なんだ?」
リセイ「黎斗が空間に引きずり込まれた理由だ。」
黎斗「!それは是非とも聞かせてもらいたいな。」
リセイ「冷静に考えてみたら簡単なことだったよ。実はこの世界にはもう一人、別の迷い人がこの世界に来たことがあったんだ。そいつは何も無い空間から自分の望んだ武器を取り出して、戦うスタイルの奴だった。ある日そいつは自分の修行中にその空間に吸い込まれてしまったようなんだ。そしてこの世界に流れ着いた。」
黎斗「………」
黎斗はリセイの話を黙って聞いている。
リセイ「そいつはこの世界でもその武器を召喚する能力を使って深海棲艦と戦っていた。おそらくその能力はこの世界に影響を受けたんだろう。様々な場所で様々な空間のねじれが生じるほどにな。」
黎斗「……つまり俺はその空間に誘い込まれたと…」
リセイ「そう。この世界に繋がる色んな世界への空間をな…まぁ、その能力を持つ奴は俺が元の世界に帰したけど…」
黎斗「……なるほど。じゃあいつかはこの現象は直るんだな?」
リセイ「ああ。近いうちにな。だが、この原因は俺のせいでもある。俺がさっさとこの事件を解決しなかったせいで黎斗がこの世界に迷い込んでしまったからな。………すまなかった。」
黎斗「よしてくれ。俺はあんたに感謝してんだ。見ず知らずの俺をなんの見返りも求めず、身体の心配もして、おまけに飯まで奢ってくれるなんてよ…ありがとな…」
リセイ「そう言ってくれるとありがたい。さぁ、お前の仲間たちが今頃心配している頃だろ?空間を直すから、それを通って帰るんだ。」
黎斗「……ああ。」
5分後…
ブオオオオン!
黎斗「…!」
リセイ「よし!直ったぞ。名残惜しいが、今度会えたら…その時はまた一緒に戦おう!」
黎斗「おう!本当にありがとうな!じゃあ…またな…!」
リセイ「………」ニ…
黎斗「ナルガクルガ!あの空間を進んでくれ!」
シュウゥゥゥゥ……パッ…
黎斗とナルガクルガは空間とともに姿を消した…
リセイ「やれやれ…肩の荷が落ちた…今回の事件も相当ぶっ飛んでたな…普通龍の力を使ったり龍の背に乗って戦ったりするか?俺はそんなこと想像もつかないな…ドッと疲れた…帰ろ…」
バシュウウウウウウ!!
リセイは空を飛び、正王鎮守府へ帰投した!
〜別世界・ガイア泊地周辺上空〜
ブオオオオオン!
黎斗「おお!戻ってこれたな!なんだか懐かしく感じるな…ったく。とんだ体験したぜ…」
ナルガクルガ「グガァァァァ!!」
黎斗「あ、こっちに戻ってきたからもう喋れないのか…結構面白かったんだがな…まぁ、いいや。早く戻ろう。もうすぐ日が落ちてしまうからな…」
〜ガイア泊地〜
19:00
黎斗「ありがとな。ナルガクルガ。」
ナルガクルガ「グガァァァア!!」
ナルガクルガは空間へと戻っていった…
シロル「あ!黎斗!どこへ行ってたの!みんな心配してたんだよ!?」
別金剛「提督!無事で良かったデース…!」
別長門「本当に一体どこで油を売っていたんだ…?」
黎斗「…いや、それはまた今度話させてくれ…今日は疲れた…」
シロル「………わかった。けど、あんまり心配かけちゃ駄目だよ!」
黎斗「ああ…わかったよ…」
スタスタ…
黎斗はフラフラになりながら医務室のベッドへ向かった…
別長門「あのふらつき様…尋常じゃないことがあったようだな…」
別金剛「…今はむやみに聞かない方が良さそうですネ…」
シロル「……うん…そうだね。私達も戻ろう!黎斗を探しててみんな疲れてるみたいだし…」
別長門「了解だ!」
別金剛「ハイ!」
〜リセイの世界・正王鎮守府司令室〜
19:00
リセイ「……あ〜身体が鈍っちまってるな…鍛え直すか…?」
川内「あ!提督お帰り!みんな探してたんだよ?どこへ行ってたの!」
リセイ「悪い…また今度でいいか?なんだか一段と疲れた…風呂入って今日は寝るよ…」
川内「あ…そう…?わかった。みんなに伝えても良いよね?」
リセイ「…ああ。できればそうしてくれ。明日も臨時休暇にしとくよ。ゆっくり休むよう伝えてくれ…」
川内「わ、わかった。じゃあね!」
ガチャ…バタン
川内(明日も休みって…そんなに大変なことがあったの?提督があんなに疲れるなんて珍しいし…まぁいっか…)
タッタッタ…
川内は心の中でそう思いながら、提督が帰投したこと、明日も休みだと言うことを皆に伝えて回った。
〜別世界・ガイア泊地〜・〜リセイの世界・正王鎮守府〜
リセイ・黎斗『『あ゛あ゛〜……疲れた〜……動けない〜』』
2人の疲れたセリフがシンクロした瞬間だった…
end…
コラボ主題歌第二弾
このSSに相応しいかな?と思った曲を付けております。
歌が好きだからしょうがないね。そうだね。
OP:僕のヒーローアカデミア・「THE・DAY」
ED:銀魂・「サムライハート」
今回ももちろんですが、本SSをご覧になってる方の好きな音楽でも構いません。
皆さんのお好きなBGMも是非かけて見てみて下さい!
こんな最高の作品を書かれてしまったら…またコラボしたくなるじゃないですかやだー!ありがとうございます!
こちらこそ下手くそなキャラづくりで申し訳ありません!僕はいつでも大丈夫です!またコラボしましょう!
その時は☆土☆下☆座☆でお願いさせて頂きます。
GOOD!