2020-06-03 20:04:56 更新

概要


補遺:
SCPとエリチカとμ'sの愉快な仲間たちのお話をします。
番外編です。
全てのSCiPの設定は、話の都合上ある程度の改変が施されています。
加えて、エリチカとμ'sの愉快な仲間たちも、普段以上の性格になっています。

宜しくお願いします。




「──なんじに告ぐ。」



「今日で3日目よ。貴方は一体、いつまで"そこ"に居座るつもりなのかしら?」


『ハッ!』


「っ」


『それこそ正に、愚問と言うものですね。』


『我らは、我らの在るべき戦いの場、その時々にこそ従事します。そして、それこそが我らの本懐でもあるのですよ。陛下』


「……それと、早く元に戻してちょうだい。片方だけに集中してると、気になって何も手につかないのよ」


『……』


「……なんじに告ぐ。元に戻しなさい!」


『語るべき事はそう多くありません。貴方の行い、其れそのものに対する答えが、今この現状なのですから』


「ハァ……。オーケー、分かったわ」


「なんじに告ぐ。私の言うことを聞くつもりは全く無い。と言うことで宜しいかしら?」


『貴方の軍勢が如何に我らを追い立てようも、それは決して叶う事のない願いだと申し上げて置きましょう』


「──上等だわ。」


「なら私も、また本気で"かむ"から」


『貴方が次にその口を開く時、それは我らの勝利を告げる時です』


「……覚悟しなさい。」



絵里「自分の存在を嫌と言うほど思い知らせてあげるわっ!!」


──────

───




【1日目】



「ひっくしゅん!」



希「おや、えりち風邪引いたん?」


絵里「……んん、そうなのかしら」グスッ


希「もうすぐ冬だもんねぇ」


希「それに、季節柄引き易いみたいやし、身体に気ぃ付けなアカンよ?」


絵里「う〜ん……でも、なんだか少し変な気がするのよねぇ」


希「変?変って、頭とか?」


絵里「……なんで頭が出てくるの?」スッ


希「冗談やって!」


絵里「もうっ。……ヒッ」


絵里「ひっくしゅん!」



希「わぁ、大変やねぇ」


絵里「うぅ……っ」


希「それで?頭のどの辺が変なん?」ポンポン


絵里「……」


絵里「──ふんっ!」ブンッ


希「おわっ!?」バッ


絵里「避けるな!」


希「避けるって!痛いの嫌やもん!」


絵里「私は変じゃない!」



希「ごめんごめん、それで?」


絵里「ハァ……。つまり、変って言うのは」


希「うんうん」


絵里「鼻の中の事なの。」


希「鼻?詰まってるってこと?」


絵里「……まぁ、大体はそうなんだけどね」


希「んん?よく分から──」


「おはよ〜」


希「お?」


絵里「あら、」


にこ「今朝も寒いわねぇ」



希「にこっち、オハにこ〜♪」ヒラヒラ


にこ「はいはい、オハにこ〜」ヒラヒラ


絵里「おはよう、にk──」ムズ


絵里「ひ……ひっ」


にこ「?」


絵里「ひくそんっ!」


希「……なんやそれ」


絵里「もうっ、」ズズッ


にこ「風邪?」


絵里「ん……そんな感じ」



希「でも、なんか違うんやって」


にこ「なんか違う?どう言うこと?」


絵里「えっと、つまり鼻が変なのよ」


にこ「……そりゃ風邪ならねぇ」


絵里「そ、そうじゃなくって!なんだか違うのよっ!」


希「そりゃ風邪ならねぇ」


絵里「ふんっ!」ブンッ


希「うひゃあ!?」ズザッ


絵里「のぞみぃっ!!」


希「ごめん!」



にこ「──で?」


絵里「あっ、ご、ごめんなさい。要するに……えっとね?」


にこ「……」


絵里「鼻の中のアレが……その……」


にこ「アレ?アレってなによ」


絵里「だ、だから……つまり……っ」


希「……鼻○ソ?」


絵里「違うっ!!」ブンッ


希「どわぁ!?」


希(あ、見えた)



絵里「もうっ!邪魔しないで!」


にこ「アンタは大人しくしてなさい」


希(金曜は白のレース……っと)メモメモ


絵里「ハァッ、ハァッ……」


にこ「……もしかして、鼻水のこと?」


絵里「う、うん。そうなの」


にこ「それが変ってことは、なに?血が混ざるとか?」


絵里「あー・・・、そうじゃなくて」


にこ「それなら、もしかして黄色いのが出てくるとか?」



絵里「いや……えっと、」


にこ「だったらそれ、たぶん蓄膿症よ。早く耳鼻科に行った方が──」


絵里「そ、そう言う訳でもないの!」


にこ「???」


希「……えりち。」


絵里「え?」


希「具体的にどう変なのか、説明出来る?」


絵里「…………笑わない?」


希「アッハッハッハッハ!」


絵里「帰る」



希「ごめんってばぁ!」


絵里「笑わないって言ったのに笑ったもん!だからお家帰る!」


にこ(言ってないけどね)


希「違うんやって!後で笑わない様に前倒しで笑っただけなんよ!」


絵里「うるさいうるさい!もう邪魔しないでよぉ!ホントに私困ってるんだかr」ビャッ!!!


ビチャンッ


希「!?」ビクッ


にこ「っ!」ビクッ


絵里「んんっ!?」バッ



ネバァ……


希「……」


にこ「……」


絵里「……ぁ」


にこ(…………え、なに?今の……)


希(え、えりちの鼻から、すっごい量の鼻水が飛び出た……)


絵里「……」


希「……ぁ、えっと、」


希「ま、まぁ?風邪引いてるんやし、こう言うのはしょうがないって言うか……」


にこ「そ、そうね。鼻が詰まってるんだもの、こう言うことも偶にある……かも」



絵里「……」


にこ(……どうしよう。1ミリも動かなくなったわ)


希(取り敢えず写メ撮っとこ)パシャ


にこ「(やめなさいよ!不謹慎でしょ!)」バッ


希「(やだ!えりちの変顔フォルダ完成させるんやもん!)」


にこ「(だったら海未の方がよっぽど変顔してるじゃないの!)」


希「(海未ちゃんのはことりちゃんが集めてるからいいもん!)」


にこ「(とにかく、撮るのやめなさ──)」


「違うから、」



にこ「え?」


絵里「今の……私じゃないから、」


希「ど、どう言うこと?」


絵里「だって私、そんなに鼻息荒くしてなかったもん」


希(ハァーハァー言っとったけど……)


絵里「だから、今の私のせいじゃない」


にこ「そ、そう……なら、良かったんじゃない?」


絵里「良くない」


にこ(うっ、めんどくさい……)



にこ「じゃ、じゃあ、絵里は何が原因だと思ってるの?」


絵里「……やっぱり変よ。」


にこ「だから何が!?」


希「???」


絵里「だって──」



絵里「鼻水が勝手に動くんだもん。」



にこ「……」


希「……あ〜、」



絵里「なんか鼻の中がもぞもぞしてて……どう考えてもコレ、一人でに動いてるとしか考えられないわ」


希「……」


にこ「……希。」


希「……」


にこ「ちょっと」


希「……空が青いなぁ、」


にこ「は?」


希「鳥になって空を飛べたら、どんなに素敵なんやろうねぇ」


絵里「絶対に変。なんか耳の奥でボソボソ声も聴こえるし、必ず何かあるわ」


にこ「……」スッ



【友人二人がおかしくなった】


____________________


1名無しが唱える黒魔術(電柱前)


やっぱりそーゆー病院?

黄色い救急車?


201○ 11/1 7:46 21 ID:830252521

____________________


2名無しが唱える黒魔術(飼育小屋)


IDスッゲーにゃ!


201○ 11/1 7:46 45 ID:starringbell

____________________


3名無しが唱える黒魔術(ファミマ)


運使い果たしたね!


201○ 11/1 7:47 33 ID:honopoppo

____________________


4名無しが唱える黒魔術(道場)


何故この時間にコンビニにいるのですか?


201○ 11/1 7:48 01 ID:enderthesea

____________________


5名無しが唱える黒魔術(電柱前)


話を聞け


201○ 11/1 7:50 74 ID:830252521

───────────────────


6名無しが唱える黒魔術(保健室)


聞いて欲しいけりゃ


201○ 11/1 7:51 24 ID:piyopiyobird

───────────────────


7名無しが唱える黒魔術(家庭科室)


差し出すんだ


201○ 11/1 7:51 34 ID:87riceofrice

───────────────────


8名無しが唱える黒魔術(電柱前)


出たわね極悪コンビ


201○ 11/1 7:53 05 ID:830252521

───────────────────


9名無しが唱える黒魔術(保健室)


口の利き方に気を付けろよ?


201○ 11/1 7:53 26 ID:piyopiyobird

───────────────────


10名無しが唱える黒魔術(家庭科室)


我らは女帝なり


201○ 11/1 7:53 30 ID:87riceofrice

───────────────────


「ちょっと!聞いてる!?」


にこ「へ?」



絵里「だからぁ!鼻水がね!?」


にこ「わ、分かった!分かったわよ!アンタの鼻水が勝手に動くんでしょ!?」


絵里「そうなのよ!それでどうしたらいいか相談したいの!」


にこ「……はぁ、一応考えてはみるけど」


絵里「……」


にこ「正直、頭変なんじゃないかって──」


絵里「ふんっ!」ブンッ


にこ「うわぁ!?」バッ


絵里「変じゃない!!」



にこ「分かったからぁ!危ないからその回し蹴りやめなさい!」


絵里「むうぅっ!」


にこ「取り敢えず、学校行ってから考えましょ。時間もヤバいし」


絵里「あ……そ、そうね。急がなくちゃ」


にこ「まったくもぅ、」


にこ「ほら、希っ!いい加減戻って来なさいっ!」


希「青……?空は……本当は青く……ない?」


───




カリカリ...カリカリ...



教師「えー、この公式をここに当て嵌めますと──」カッカッ



絵里「……」カリカリ



教師「そして、これの求め方についてですが──」カッカッ



カリカリ...カリカリ...



絵里「……」



絵里(──とは言ったものの、)



絵里(結局、こればっかりは自分でどうにかしないと、どうしようもない気もするのよね)


絵里(だってコレ、私の鼻の中の話だし、大体鼻水なんて人に見られたくないし)


絵里(でもなぁ……、仮にお医者さんに行ったとして、コレをどう説明すれば良いのかしら……)


絵里(あぁ……なんか、考えてたら頭がボォーッとして来た)


絵里(……もしかして、とうとう熱が出てきたんじゃないのかしら)


絵里(そう言えば、心なしか身体がダルい様な気も──)



『なんじに告ぐ。』



絵里「!?」ビクッ


『コレを忘れずに』


絵里「えっ!?」バッ


ガタッ


教師「!」


絵里「だ、だれ!?」


シーン……


絵里「え?あれ?」


教師「……絢瀬さん?」


絵里「あっ」


教師「質問がある時は挙手して下さい。無ければ静かにする様に」


絵里「あぅ……す、すみませんっ」


教師「……お願いしますね。」


絵里「〜っ///」スッ


絵里(もう!バカバカバカぁ!一体なにやってるのよぉ!)


カリカリ...カリカリ...


絵里「……はぁ、」


絵里(──でも、あの声)


絵里(今までボソボソとしか聴こえて来なかったけど、さっきのは凄くハッキリと聴こえた)


絵里(なんて言ってたんだっけ……えっと、)



絵里(……なんじに……告ぐ?)


『陛下、手早くご用件のほどを』


絵里「!!?」ガガッ


教師「……絢瀬さん。」


絵里「ッ……ッッ」


教師「絢瀬さん」


絵里「ご、ごめんなさい!私、ちょっと保健室に……っ!」ガタッ


教師「え、ちょっと」


ガラッ


バタンッ



「──あら、37.6度。風邪ね」


絵里「は、はい」


「うん。今日は帰ってゆっくり休みなさい。先生には私から話しておくから」


絵里「……すびません。」ズズッ


「あら、大分鼻が詰まってるみたいね。良かったらポケットティッシュ持っていって」


絵里「ありがとうございます。……それでは失礼します」ガラガラ


「はーい、お大事にー」


バタンッ


絵里「……はぁ。早引きなんていつ以来だろう」



絵里「それにしても……コレって一体なんなのかしら……」


絵里「急にハッキリ聴こえたと思ったら、突然話し声がしてきて……っ」


絵里「……」


絵里(も、もしかしてコレ……幻聴?聴こえちゃいけない類のやつ?)


絵里(でも……そんなになるまで疲れてる訳でもないし、高熱が出てる感じもしない……)


絵里「……うぅ、考えたらなんか寒気がして来たっ」


絵里「早くお家に帰ろ……」



──なんじに告ぐ。


コレを忘れずに



【絢瀬家】



ガチャ...バタンッ



絵里「……」ポフッ


絵里「はぁ……、散々な目に遭ったわ」


絵里「この風邪といい、鼻詰まりといい、後は……」


絵里「……あーもーっ、訳がわかんない!」ゴロッ


絵里「変な声は聴こえるし、先生からは変な目で見られるし、オマケに鼻水が──」


絵里「……しまった。にこ達に相談するんだった」



絵里「ど、どうしましょう……後で連絡だけでもしておかないと、」


絵里「はぁ……。何やってるのよ、私」


絵里「……」


絵里(──あの声、さっきはどうしてあんなにハッキリと聴こえたんだろう)


絵里(時間毎に?それとも何かの条件?特定のワード?)


絵里(……あ、)


絵里「えっと、な──」



絵里「なんじに告ぐ」



『理解して頂けた様で、何よりです』



絵里「うっ!?」


『しかし、我らに与えられた時間、コレは常に有限なのだと、陛下にもどうか肝に命じて頂きたいものです』


絵里「うわっ!うわぁ!?はは、話しかけて来たぁ!?」


『……』


絵里「なに!?なんなの!?貴方だれ!?」


絵里「やっぱり耳の奥から聴こえてくるし!どう言う事なの!?」


『……』


絵里「……あ、と、取り乱してごめんなさいっ」



絵里「えっと、……貴方は一体、誰なんですか?」


『……』


絵里「……あれ?もしもーし?」


『……』


絵里「んん?ぜ、全然聴こえなくなった。どうして──」


絵里「あ!」


絵里「な、なんじに告ぐ!」


『限られた刻、だからこそ刻限なのです』


絵里「あぁ、やっぱり」



絵里「……貴方は、誰なんですか?」


『……』


絵里「え……ちょっと、」


『……』


絵里「……ぅ、な、なんじに告ぐっ」


『──嘗ての私。それは、彼の地を守りし者、それらが垂れ流す、連続した小さな小さな隔壁の複合体でした。そして、それらは彼の地より来たりし情念。これにより、大いなる意志の群体へと変貌を遂げたのです」


絵里「まも……?ぐん??」


『それら大勢を控え、陛下の座するその地を侵攻し、遂には統治するその日まで、我らの軍進は留まることを知らないでしょう』



絵里「???」


『……』


絵里「ぁ……え、えっと」


絵里「貴方は、ど、何処から話しかけてるんですか?なんだか……耳の奥から聴こえるみたいなんですけど……」


『……』


絵里「……」


絵里「あっ」


絵里「な、なんじに告ぐ!」


『貴方の統治するこの地、此処より鬨の声を上げ、我らの進軍は始まります。』



絵里「わ、私の統治する……地?」


『しかし、貴方の軍は常に侵攻をします。それは我らの同志を、民衆を脅かし、そして砂塵の如く蹴散らして行くでしょう』


『そう、貴方の軍は、何もかもを干からびさせた。そして……陛下。』


絵里「へ、陛下……?わたし?」


『昨夜の出来事です』


絵里「昨日の夜?何かあったかしら……?」


『貴方の軍勢が仕掛ける夜襲も手薄となり、我らもまた、この洞窟へと身を潜めていました。……そして、あの悲劇は起こりました』


絵里「ひげ……き?」


『階下に潜む、地獄へと続くその入り口に、貴方は私の母を誘ったのです。』



絵里「……は?」


『貴方の統治するこの地、その中でも最も熱く、全てを溶かし、そして搾り尽くであろう魔境へと、です』


絵里「……」


『あの瞬間、私の心は決まりました。争いの火は消える事はないでしょう』


絵里(昨日の夜、何かあったっけ?それに手薄?弱まるってこと?私の統治する地?)


絵里(……私の統治する地ってどこよ、部屋とか?──ん?)


『……』


絵里「え、ちょっと待って……」


絵里「そうよ。もっと身近な所があるじゃない」



絵里「あの、もしかして、貴方の言う私が統治する地って──」


絵里「わ、私の……この、身体のこと?」


『……』


絵里「……ぅ、なんじに告ぐ!」


『その答えは、常に正しいと思います』


絵里「やっぱり……」


絵里「ん?でもそれじゃ、昨日の事って一体……」


『……』


〜〜〜




……zzZ



絵里「zzZ……えへへ。こんにちわ〜……わたしふれんずで〜す……zz」



絵里「zz……っ」フガッ


絵里「んん……なんか、寝づらい……」


絵里「んんん……鼻……かみたい……、でも起きたくない……」モゾ


絵里「はなぁ……ぐしゅぐしゅぅ……」ズズッ


絵里「ん……」ズッ


ゴクンッ


絵里「──んっふ!?」バッ



絵里「ゲホッ!!ゴホッ!ケホッ!ケッホッ!……」


絵里「うぇ……の、飲んじゃった……」


絵里「うぅぅっ、最悪ぅ……」


絵里「もぅやだぁ……ねるぅ……」モゾ


モフッ


絵里「…………」


絵里「……zz」



絵里「zzZ……ちがうぅ……ぽんこつのふれんずじゃな〜い……zz」



〜〜〜



絵里(昨日の夜って……なんかあったかしら……?)


絵里「えっと、なんじに告ぐ。」


『貴方の軍勢は、我が母を奈落へと導き、そして消え去った』


『私は、今生の別れを告げることも出来ず、ただ、この洞窟より祈りを捧げる事しか出来なかったのです』


絵里「ま、待って!その洞窟ってどこ!?」


『……』


絵里「なんじに告ぐ!」


『こうしている間にも、貴方の軍勢はその勢いを増し、民衆を貶め続けています。これは陛下の本意なのでしょうか』



絵里「いいから答えて!そこはどこ!?」


『彼の地を見下ろす、しかし天を仰ぐ事叶わないこの洞窟。貴方の軍勢は我らに渇きを与え、また、排斥する。』


絵里「〜っ」


『我らと交信する術を持つその口、その上層にこそ、我が軍の根城となる洞窟は存在します』


絵里「……口の……上?洞窟……」


絵里「──ッ!」



絵里「鼻ぁ!!?」


『……』



絵里「あり得ないっ!!あり得ないからぁああっ!!!」


絵里「ティッシュ!ティッシュはどこ!?」


『……』


絵里「あ、あった!」


絵里「──ふんっ!」


グシュッ グシュンッ


絵里「……はぁ、よし。」チラッ


絵里「……何もいない。もう大丈夫……かな?」


絵里「な、なんじに告ぐ」


『──ハッ!』


絵里「!?」



『斯様な現状を我が軍、そして民衆に強いて置きながら、貴方はまだ、我らに和平を申し出るおつもりなのですか?』


絵里(え?お、怒ってる……?)


『今し方、私の義父が逝きました……末の妹が逝きました。我が軍は、その手勢の大半を欠くこととなった!』


絵里「っ」


『それでもまだ!貴方は我らに和平を申し出ると言うのですかっ!!』


絵里「え……あ、あの……」


絵里(ぎ、義父がとか……そこら辺はよく分からないけど)


絵里「は、鼻かんだ事に怒ってるの?」


『……』



絵里「ぅ……酷いことをしてしまってごめんなさい。私も、突然の事で気が動転してしまってて……」


絵里「貴方の家族や軍の方々には、本当に申し訳ない事をしてしまったわ」


『……』


絵里「でも、私は貴方たちと敵対する気は全くないの。もし良ければ、貴方たちと仲良くなる術があれば、教えて貰いたいのだけど……」


絵里「……な、なんじに告ぐ?」


『……』


絵里「〜っ」


『……我々は、常に脅かされています。』



絵里「!」


『ですが、それはあの古き生活、緩慢と薄れていく時の中に比べれば、とても些細な事なのです』


絵里「古き生活……?」


『陛下。こうしている間にも、争いは続いています』


『我らの向かうべき道は、やはり一つです』


絵里「ちょ、ちょっと待って!」


『……』


絵里「なんじに告ぐ!それはどう言うことなの!?争いってなに!?」


『……』



絵里「もしもし!なんじに告ぐ!ちょっと!?」


絵里「……もう、それじゃ分かんないのよぉ」


絵里「ハァ……、結局、この人は居座ったままっぽいし、一体これからどうすればいいのよ」


絵里「……」


絵里「……やっぱり、みんなに相談するしかないのかしら」


絵里「うぅっ、変人扱いされなければ良いんだけど……」



亜里沙「……お姉ちゃん。」




【2日目】



「──えぇ。皆さん」


絵里「今話した通り、私の鼻の中には正体不明の何かが潜んでいます」



穂乃果「……」


海未「……」


ことり「……」


真姫「……」


にこ「……」


花陽「……っ」


凛「……」



絵里「そして、その正体不明の何かは、別勢力である他の何かと常に交戦している様で、どうやらそれは、私達には感知できない物なのでは、と言う仮説が」


「──えりち、」


絵里「なんですか、希さん」


希「あ〜……まず一つ」


絵里「はい」


希「みんな置いてけぼり喰らってる」


絵里「え?」



穂乃果「……」


海未「……」


ことり「……」


凛「ヤッパリアタマガ……」ヒソヒソ


にこ「ウンウン。」


真姫「──あ、パパ?隔離病棟の空き室なんだけど……第八?>>558号室ね。分かったわ」


花陽「ま、真姫ちゃん……声大っきいよぉ」



絵里「……そう?」


希「……」



希「えっと、次にね?これ大事だよ?」


絵里「うん」


希「……病院行こ?」


絵里「……」


希「ウチ、良い所知ってるからさ」


絵里「……因みに、それはなんの病気でかしら?」


希「そ、それはぁ……」



凛「(そんなの頭しかないよね?ね?かよちん)」ヒソヒソ


花陽「(り、凛ちゃん!指さしちゃダメッ!」ヒソヒソ



絵里「ちょっと待って、分かった」


絵里「つまり、今この場でそれを証明すればいいのよね?」


海未「……やってみて下さい。出来るものなら」


絵里「オーケー、分かったわ」


絵里「見てなさい?これぞ正しく驚天動地、青天の霹靂って奴よ」


ことり(……だからポンコツって言われるんだよぉ)


絵里「行くわよ。」スッ


絵里(──なんじに告ぐ。)



絵里(えっと、昨日の朝やった様に、凄い勢いで鼻水を飛ばして下さい。お願いします)


『……』


絵里「……あれ?」


絵里(な、なんじに告ぐ!)


『……』


絵里(ちょっと!今だけでいいから言うこと聞いてよ!)


海未「……真姫、」


真姫「なに?」



海未「彼女は収容するとして、ご両親と亜里沙になんとお伝えすればいいのでしょう」


真姫「そうねぇ……、実の娘。そして、姉である絵里がこうなってしまったんだもの。きっとショックは大きいでしょうけど──」


真姫「それでも、ちゃんと現実と向き合って貰えるよう、説得してみせるわ」グッ


海未「その為の仲間ですものね」ガシッ


絵里「そこ!変な相談しないでっ!!」


ゴソッ


絵里「い、今飛び出るから!見ててね!」バッ


絵里(なんじに告ぐ!今すぐ飛び出して!)


『……』



絵里(ちょ、ちょっと!?聞いてるの!?)


真姫「〜ッ」ジワッ


絵里「泣かないでっ!!ちゃんと見てて!」


絵里(なんじに告ぐ!なんじに告ぐ!)


『……』


絵里(なんで応えないのよぉ!!)


海未「え、えりぃ……」グスッ


絵里「分かったから!泣かないで!ココ見ててっ!コーコッ!!」トントンッ



真姫「ふ、不憫だわ……っ」メソメソ


絵里「フンッ!フンスッ!」フスッ フスッ


穂乃果「……絵里ちゃん。」


絵里「なに!?」フスッ


穂乃果「もう病院行こ?」


絵里「──フンッ!」ブンッ


穂乃果「うわぁ!?」サッ



───




「なんじに告ぐ!」



『……』


絵里「どうして言う通りにしてくれなかったのよ!」


絵里「お陰様で、みんなの前でとんでもない恥をかいてしまったわ!」


『……では伺います。』


絵里「え?」


『貴方は、肉親に向かって身投げをしろなどと軽々しく言えますか?』


絵里「に、肉親?」


『貴方が仰ったのはそういう事です』



絵里「えっと……」


『……』


絵里「ぅ、なんじに告ぐ、それってどう言うことなの……?」


『有事の際、我らは如何様にも戦い、そしてその身を散らす事を誰も気に留めたりはしません。』


『我らは、己の足で戦火の渦へと向かいます。己の意思で戦い、己の矜持を、信念を成就させます』


絵里「っ」


『──貴方は、違うのですか』



絵里「あの……よ、よくは分からないのだけど」


絵里「また何か、失礼なことを言ってしまったみたいね……ごめんなさい。」


絵里「でも、肉親ってどう言うこと?鼻水と貴方になんの関係が──」


『……』


絵里「……あれ?もしもし?もしもーし!」



『──演習開始ッ!!』


絵里「は?」



ズルズル...ズルズル...


絵里「!」


絵里「なな、なに!?なんか鼻の中で動いてるっ!?」


『遅れているぞっ!!隊列を乱すなぁ!!』


絵里「ちょっとぉ!!鼻の中でなにしてるのぉっ!!?」


ズズズッ


絵里「いやああぁぁぁ……っ、なんか行ったり来たりしてるぅぅ……っ」ゾワゾワ


『ぜんたーーーいっ!!止まれっ!!!!』



ピタッ


絵里「……っ、やっと止まった。」


絵里「なに、いきなりなんなの……っ」


『──全軍ッ、突撃っ!!』


絵里「えっ」


ドロ~リッ


絵里「!?」


絵里「うっ、ゲホッ!ゲホッ……ゴホッ!!ゴホォッ!!」


『突然止めーーーーーッ!!!!!』


絵里「ゲホッ、うっ……な、なんなの!?いきなり喉に大量の鼻水が……っ!」



絵里「うえぇぇぇ……気持ち悪いぃ……っ」


『……』


絵里「……ちょっと、貴方いったいどう言うつもりなのよ!」


『……』


絵里「なんじに告ぐ!今のは一体どう言うつもりなの!?答えなさいっ!!」


『──陛下、まさか卑怯だと?そう仰りたいので?』


絵里「ひ、卑怯?」


『戦いとは常にかくあるべきもの。いつの世も必ず勝利の上に成り立っています』



『行住坐臥。戦いに身を置くものとして、これは至極当然の振る舞い、戦場での在り方と言うものです』


絵里「ま、またよく分かんない事言ってる」


絵里「……でも、ようやく貴方たちが何なのか、それが分かってきたわ」


『……』


絵里「私はてっきり、この声と動く鼻水は関係のない、全く別の出来事だと思ってた……でも、」


絵里「貴方の鼻水に対するこれまでの言動を考えると、そうじゃないと言う事に気付いたの。……つまり、」


『……』



絵里「貴方は、鼻水そのものよ!違う!?」


絵里「──なんじに告ぐ!」


『……ハッ!それが分かったところで、何がどうなると言うのです?』


『我らと陛下の争いは続きます。戦場で自己を顧みることなど、自殺行為に等しいこと』


絵里「〜ッッッ」


『さぁ、もう行きましょう。戦場で相まみえる事を楽しみにしていますよ』


絵里「戦場ってどこよ!?相まみえるってなに!?貴方私の鼻の中じゃないの!そうしたいのなら今すぐそこから出て来なさいっ!」



絵里「ちょっと聞いてる!?なんじに告ぐ!答えなさいっ!」


『……』


絵里「……なんか、都合悪くなると黙る様な気がして来たわ」


絵里「はぁ……。それにしても、一体いつまでこの状態なのかしら」


絵里「なにが悲しくて、自分の鼻水と喋らなきゃならないのよ……もう、」


絵里「神さま。チョコあげますから、どうか明日は元に戻ってますように……」



亜里沙「お母さんに……いや、病院かな」



──────

───




【3日間】







「──なんじに告ぐ。」



絵里「今日で3日目よ。貴方は一体、いつまで"そこ"に居座るつもりなのかしら?」


『ハッ!』


絵里「〜っ」


『それこそ正に、愚問と言うものですね。』


『我らは、我らの在るべき戦いの場、その時々にこそ従事します。そして、それこそが我らの本懐でもあるのですよ。陛下』


絵里「……それと、早く元に戻してちょうだい。片方だけに集中してると、気になって何も手につかないのよ」


『……』



絵里「……なんじに告ぐ。元に戻しなさい!」


『語るべき事はそう多くありません。貴方の行い、其れそのものに対する答えが、今この現状なのですから』


絵里「ハァ……。オーケー、分かったわ」


絵里「なんじに告ぐ。私の言うことを聞くつもりは全く無い。と言うことで宜しいかしら?」


『貴方の軍勢が如何に我らを追い立てようも、それは決して叶う事のない願いだと申し上げて置きましょう』


絵里「──上等だわ。」



絵里「なら私も、また本気で"かむ"から」


『貴方が次にその口を開く時、それは我らの勝利を告げる時です』


絵里「……覚悟しなさい。」


絵里「自分の存在を嫌と言うほど思い知らせてあげるわっ!!」


絵里「──フンッ!」


グシュッ グシュッ


絵里「……ハァ、まったく!朝から人の鼻の中で好き放題してくれてっ」



『……』


絵里「ふんっ。あの前口上を言わない限り、ずっとその調子ですものね!いい気味よ!」


絵里「てゆーか、貴方たちの言う争いって、クシャミとか鼻かんだりとか、」


絵里「要するに、鼻の中から鼻水を除去する様な行為の事を言ってるのでしょう!?」


『……』


絵里「でもそれって、身体本来の免疫機能なんだから、貴方たちの敵は必然外から来るものになるんじゃないの!?」


絵里「例えば埃だったり、花粉だったり、風邪の菌だってそうじゃない!」



絵里「なんじに告ぐ!答えてっ!」


『……それを知る事に意味があると?貴方の行いにそれが作用する?──あり得ません。ただ貴方は、貴方の本懐を果たす為だけに、その行いに従事するでしょう』


絵里(またよく分かんない事言ってる……)


『それに、貴方は知る必要がありません。彼の行いの、如何に無益で無ジョウ...n……」


絵里「……え?なに?」


『……』


絵里「ど、どうしたの?なんか、最後の方がよく聞こえなかったんだけど……」


『……』


絵里「ちょっと!なんじに告ぐ!」



絵里「答えなさい!なんじに告」


『──そうか。』


絵里「……は?」


『刻を有用に扱えなかったのは、我らも同じだった。と言う事ですね』


絵里「だから!一体なんの話を──ッ」


『陛下。』


絵里「っ」


『聞いて下さい』


絵里「……な、なによ、」


『……』



『本日をもって、彼の地は再び、陛下の完全なる支配下に戻ります』



『そしてそれは、我らの敗北を意味します』



絵里「!?」


『……』


絵里「……ど、どうしたのよ?急に」


『貴方こそどうされたのですか?自軍の勝利をもっと喜ばれては如何です?』


絵里「そう言う事じゃないでしょ!!いきなりそんな事言われたってわかる訳ないって言ってるのよ!!」


『現状を理解しかねると?故に勝利すら受け入れられない?我らの撤退は、貴方にとって望ましい事柄ではなかったのですか?』


絵里「そ、それはそうだけど……っ」


『ならば、甘んじて受け入れるべきです。結果とは、その物事における原因があって然るべきものなのですから』



『例えそれが、貴方が望もうと望まなかろうと、です。ましてや、望んでいた結果ならば、それはもう何の問題も──』


絵里「そうじゃないっ!!!」


『……』


絵里「……貴方は、それでいいの?」


『……』


絵里「なんじに告ぐ。それが貴方たちの望んだ結末なの?」


『──ハッ。』


『敗北を望んで戦う者など、私はこれまで、一度たりとも会ったことがありません』



絵里「あ……貴方たちの様な存在に、こう言う事を言うのもなんだけど、」


絵里「もっと他の道……そう。別の生き方だってある筈でしょ?違う?」


『……』


絵里「なんじに告」


『──慚愧に堪えない。』


絵里「え?」


『彼らには、本当に申し訳ない事をした』


『勝利を約束して置きながら、しかしその一方で、常に敗北を予感していた己に、只々嫌悪するだけの日々でした』



絵里「貴方……」


『こんな上官に、今まで良く着いてきてくれた……感謝する。』


絵里「〜っ」


『……』


絵里「……ちょっと待ってて、」ガチャ


バタンッ




亜里沙「……」


スッ



【姉がおかしくなりました】


____________________


1名無しが唱える黒魔術(部屋)


2日前から部屋で独り言ばかりです

やっぱりそーゆー病気でしょうか?


201○ 11/3 12:46 21 ID:alisapainful

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2名無しが唱える黒魔術(賃貸)


そういう病気やろうね


201○ 11/3 12:47 45 ID:nontanupon

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3名無しが唱える黒魔術(お家)


素人扱いした報いよ


201○ 11/3 12:48 33 ID: twinkledeco

____________________


4名無しが唱える黒魔術(成金ビル1F)


おい

お前なんで家にいる


201○ 11/3 12:50 01 ID:E.Elenator2

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5名無しが唱える黒魔術(成金ビル2F)


練習あるんですけど


201○ 11/3 12:51 74 ID:Msfullhouse

───────────────────


6名無しが唱える黒魔術(台所)


こう考えるんだ


201○ 11/3 12:51 84 ID:piyopiyobird

───────────────────


7名無しが唱える黒魔術(風呂場)


姉など最初から居なかった


201○ 11/3 12:51 94 ID:87riceofrice

───────────────────


8名無しが唱える黒魔術(部屋)


そんなの無理です!

失礼ですよ!


201○ 11/3 13:00 05 ID:alisapainful

───────────────────


9名無しが唱える黒魔術(台所)


くっくっ

壊し甲斐のある……


201○ 11/3 13:00 10 ID:piyopiyobird

───────────────────


10名無しが唱える黒魔術(風呂場)


我らは女帝

全てを喰らうものなり


201○ 11/3 13:00 11 ID:87riceofrice

───────────────────


ガチャ


亜里沙「!」サッ



「お待たせ」


絵里「──って言っても、私の鼻に居るんだからこんな事意味ないわね」


絵里「ちょっと待ってね、色々と準備したから……」ゴソゴソ


『……』


絵里「貴方たちって、つまり鼻水さえあれば大丈夫なんでしょ?なら問題ないわ」


絵里「……よし。先ずはコレね」


『……』


絵里「じゃあ行くわよ。覚悟はいい?」


絵里「──それっ!」【玉ねぎ】


トントントントントンッ


絵里「…....ウゥ……ッ……」ウルッ


『……』


絵里「ヒハッ……な、なんじに告ぐ……っ」グスッ


絵里「どぉ?鼻水増えた?」


『……従兄弟が二人、逝ってしまいました』


絵里「ぇえ!?ご、ごめんなさい!!」


絵里「くっ、なら次よ!」


ゴトゴトッ


ザブッ


ジュォワァアアアッッ


『……』


絵里「どぉ!?即席サウナよ!」


絵里「この猛暑の中なら、呼吸で得る外気の温度を下げる為に、絶え間なく鼻水が出て来ること請け合いだわ!」


『……』


絵里「──ッ、うぁ……っ、あ……暑い……」


絵里「ズズッ、はぁ……」


絵里「はうぅぅ……な、なんじに告ぐぅ……」


『……この熱波は、我らにも耐え兼ねるものがあります』


絵里「ぇえ!?じ、じゃあ次!」


ペラッ


『……』


絵里「こうして……ヒィ……ネロとパトラッシュは……ウグッ、て、天にぃ……っ」グスッ グスッ


絵里「うぅぅぅぅっ……ヒグッ」


『……』


絵里「な、なんじに告ぐぅ……。鼻水すっごいんだけど……グスッ、ダメ?」


『……確かに増軍はされました。しかしこれは有象無象の集団ですね』


絵里「ぇえ!?こ、これもダメ!?」



亜里沙「えっと……西木野総合病院精神科……か、隔離病棟!?第八!?」スッスッ



『……』


絵里「ちょっと待って、これなら──ッ!」


『陛下。』


絵里「え?」


『もう、結構ですよ』


絵里「あ……そ、そう……」


『……』


絵里「……ごめんなさい。なにか、少しでも力になれるかと思って……」


『どうぞ、お気になさらないで下さい』


絵里「……あれ?」


絵里「──ッ!そ、そう言えば!」


絵里「私、さっきから例の言葉……全然言ってないんだけど……」


『……』


絵里「言わなくても良くなったの?」


『……陛下、』


絵里「え?」


『今日まで、再三に渡り私達は、こうして話し合ってきました。』


『それでも、それら様々な交流を通した中、果たして、私たちは分かり合えたのか合えなかったのか……』


絵里「……」




『しかし、貴方を前にこんな事を言うのも、なんと言いますか……不思議に感じてしまいますが」


絵里「……なに?」


『……』




『今は、そう悪くない気分なんです。』




絵里「……そうね。こうして共生して行くのも、それはそれで悪くないのかも知れないわ」


絵里「それに、もしかしたら貴方たちが居れば、埃とか菌から守って貰える様になるのかしら?」


絵里「──もうっ、さっきまで言わなくても返してくれたじゃない。」


絵里「なんじに告ぐ。私も悪くない気がするわ」


……。


絵里「……なんじに告ぐ。折角同意したんだから、何か言ってよ」


……。


絵里「ほら、答えて?なんじに告ぐ。」


絵里「なんじに告ぐ…………なんじに……」


……。


絵里「…………なによっ、もうっ」




絵里「今更、また出て来たじゃないっ……ッ」グスッ



──────

───




【0日目】



ガチャッ


「みんな、おは……っ」


「ひっくしゅん!」


ズズッ


絵里「……ごめんなさい。みんなおはよう」


海未「おはようございます。」


希「おやぁ?まだ治っとらんの?」


絵里「え?ううん。風邪はもう治ったんだけど……」


希「……だけど?」


絵里「……」


真姫「……絵里。ホントに大丈夫?」


絵里「──うん。私は大丈夫!」


絵里「?……そう言えば、にこと穂乃果は?」


海未「穂乃果は、予算表の事で先生から絞られています」


絵里「あ、あはは……、えっと、それじゃあにこは?」


凛「にこちゃんも何か用事があるってさ」


絵里「そ、そう」



ことり「……」スッ


花陽「……」スッ



【今日は酷薄日和】


───────────────────


1名無しが唱える黒魔術(教室)


貴様ら

恐れ慄け


201○ 11/4 7:23 02 ID:piyopiyobird

───────────────────


2名無しが唱える黒魔術(部室)


我らは女帝

世界を統べる者なり


201○ 11/4 7:23 07 ID:87riceofrice

───────────────────


3名無しが唱える黒魔術(教室)


我らが音ノ木坂を統治した暁には


201○ 11/4 7:23 15 ID:piyopiyobird

───────────────────


4名無しが唱える黒魔術(部室)


可愛い子以外退学にしてやる


201○ 11/4 7:23 20 ID:87riceofrice

───────────────────


5名無しが唱える黒魔術(教室)


特別ゲストよ

覚悟しなさい


201○ 11/4 7:25 25 ID:Worldofnico

───────────────────


6名無しが唱える黒魔術(校舎裏)


ありがとう

この二人は任せてちょうだい


201○ 11/4 7:25 56 ID:motherchun

───────────────────


7名無しが唱える黒魔術(教室)


ちょっとまってなんでここにいるの


201○ 11/4 7:26 26 ID:piyopiyobird

───────────────────


8名無しが唱える黒魔術(部室)


我らは女帝

特別ゲストとやらに屈する事はない


201○ 11/4 7:26 37 ID:87riceofrice

───────────────────


9名無しが唱える黒魔術(教室)


もうやめて!


201○ 11/4 7:26 45 ID: piyopiyobird

───────────────────


10名無しが唱える黒魔術(音楽室)


哀れね


201○ 11/4 7:27 30 ID: Dr.chanmaki

───────────────────



「ことり?大丈夫?」


ことり「へ!?」ビクッ



絵里「なんだか顔色が悪いわよ?」


ことり「ぅ、だだっ、大丈夫ぴょん!全然問題ないちゅん!」


絵里「そ、そう?ならいいけど」


花陽「ッッッ」


真姫「……」


ガチャ



絵里「あ、穂乃果。にこ。おはよう」


凛「おはようにゃー」


にこ「おはよう」


穂乃果「うん……」


「あ、あのぅ……っ」


にこ「……」


ことり「に、にに……にこさまっ、お、おはようございます……っ」


花陽「〜ッッッ」


にこ「……後で理事長室よ。意味は分かるわね?」チラ


ことり「はひいぃぃぃぃぃッ」ドゲ-ッ


花陽「ワレラハジョテイ……ヒンソウコビトニクッスルコトハナイ……」ブツブツ


にこ「存分に良い子になって来なさい?」


穂乃果「……」


絵里「穂乃果?どうしたの?」


穂乃果「……ねぇ、みんな」


絵里「?」


海未「なんですか?」


穂乃果「穂乃果、昨日からなんか変なの」


凛「昨日……?」


にこ「昨日今日の話しじゃないでしょ」


穂乃果「……?どう言うこと?」


希「まぁまぁ、気にしたら負けやで?」


絵里「それで、どうしたの?」


穂乃果「うん。……実はね、」



穂乃果「鼻水が勝手に動くの」


絵里「!?」



おわり。


後書き

SCP-2870【カゼ将軍】

エリチカとμ'sの愉快な仲間たち


〈本家〉

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