絵里「私とカゼ将軍との3日間戦争」
補遺:
SCPとエリチカとμ'sの愉快な仲間たちのお話をします。
番外編です。
全てのSCiPの設定は、話の都合上ある程度の改変が施されています。
加えて、エリチカとμ'sの愉快な仲間たちも、普段以上の性格になっています。
宜しくお願いします。
「──なんじに告ぐ。」
「今日で3日目よ。貴方は一体、いつまで"そこ"に居座るつもりなのかしら?」
『ハッ!』
「っ」
『それこそ正に、愚問と言うものですね。』
『我らは、我らの在るべき戦いの場、その時々にこそ従事します。そして、それこそが我らの本懐でもあるのですよ。陛下』
「……それと、早く元に戻してちょうだい。片方だけに集中してると、気になって何も手につかないのよ」
『……』
「……なんじに告ぐ。元に戻しなさい!」
『語るべき事はそう多くありません。貴方の行い、其れそのものに対する答えが、今この現状なのですから』
「ハァ……。オーケー、分かったわ」
「なんじに告ぐ。私の言うことを聞くつもりは全く無い。と言うことで宜しいかしら?」
『貴方の軍勢が如何に我らを追い立てようも、それは決して叶う事のない願いだと申し上げて置きましょう』
「──上等だわ。」
「なら私も、また本気で"かむ"から」
『貴方が次にその口を開く時、それは我らの勝利を告げる時です』
「……覚悟しなさい。」
絵里「自分の存在を嫌と言うほど思い知らせてあげるわっ!!」
──────
───
─
【1日目】
「ひっくしゅん!」
希「おや、えりち風邪引いたん?」
絵里「……んん、そうなのかしら」グスッ
希「もうすぐ冬だもんねぇ」
希「それに、季節柄引き易いみたいやし、身体に気ぃ付けなアカンよ?」
絵里「う〜ん……でも、なんだか少し変な気がするのよねぇ」
希「変?変って、頭とか?」
絵里「……なんで頭が出てくるの?」スッ
希「冗談やって!」
絵里「もうっ。……ヒッ」
絵里「ひっくしゅん!」
希「わぁ、大変やねぇ」
絵里「うぅ……っ」
希「それで?頭のどの辺が変なん?」ポンポン
絵里「……」
絵里「──ふんっ!」ブンッ
希「おわっ!?」バッ
絵里「避けるな!」
希「避けるって!痛いの嫌やもん!」
絵里「私は変じゃない!」
希「ごめんごめん、それで?」
絵里「ハァ……。つまり、変って言うのは」
希「うんうん」
絵里「鼻の中の事なの。」
希「鼻?詰まってるってこと?」
絵里「……まぁ、大体はそうなんだけどね」
希「んん?よく分から──」
「おはよ〜」
希「お?」
絵里「あら、」
にこ「今朝も寒いわねぇ」
希「にこっち、オハにこ〜♪」ヒラヒラ
にこ「はいはい、オハにこ〜」ヒラヒラ
絵里「おはよう、にk──」ムズ
絵里「ひ……ひっ」
にこ「?」
絵里「ひくそんっ!」
希「……なんやそれ」
絵里「もうっ、」ズズッ
にこ「風邪?」
絵里「ん……そんな感じ」
希「でも、なんか違うんやって」
にこ「なんか違う?どう言うこと?」
絵里「えっと、つまり鼻が変なのよ」
にこ「……そりゃ風邪ならねぇ」
絵里「そ、そうじゃなくって!なんだか違うのよっ!」
希「そりゃ風邪ならねぇ」
絵里「ふんっ!」ブンッ
希「うひゃあ!?」ズザッ
絵里「のぞみぃっ!!」
希「ごめん!」
にこ「──で?」
絵里「あっ、ご、ごめんなさい。要するに……えっとね?」
にこ「……」
絵里「鼻の中のアレが……その……」
にこ「アレ?アレってなによ」
絵里「だ、だから……つまり……っ」
希「……鼻○ソ?」
絵里「違うっ!!」ブンッ
希「どわぁ!?」
希(あ、見えた)
絵里「もうっ!邪魔しないで!」
にこ「アンタは大人しくしてなさい」
希(金曜は白のレース……っと)メモメモ
絵里「ハァッ、ハァッ……」
にこ「……もしかして、鼻水のこと?」
絵里「う、うん。そうなの」
にこ「それが変ってことは、なに?血が混ざるとか?」
絵里「あー・・・、そうじゃなくて」
にこ「それなら、もしかして黄色いのが出てくるとか?」
絵里「いや……えっと、」
にこ「だったらそれ、たぶん蓄膿症よ。早く耳鼻科に行った方が──」
絵里「そ、そう言う訳でもないの!」
にこ「???」
希「……えりち。」
絵里「え?」
希「具体的にどう変なのか、説明出来る?」
絵里「…………笑わない?」
希「アッハッハッハッハ!」
絵里「帰る」
希「ごめんってばぁ!」
絵里「笑わないって言ったのに笑ったもん!だからお家帰る!」
にこ(言ってないけどね)
希「違うんやって!後で笑わない様に前倒しで笑っただけなんよ!」
絵里「うるさいうるさい!もう邪魔しないでよぉ!ホントに私困ってるんだかr」ビャッ!!!
ビチャンッ
希「!?」ビクッ
にこ「っ!」ビクッ
絵里「んんっ!?」バッ
ネバァ……
希「……」
にこ「……」
絵里「……ぁ」
にこ(…………え、なに?今の……)
希(え、えりちの鼻から、すっごい量の鼻水が飛び出た……)
絵里「……」
希「……ぁ、えっと、」
希「ま、まぁ?風邪引いてるんやし、こう言うのはしょうがないって言うか……」
にこ「そ、そうね。鼻が詰まってるんだもの、こう言うことも偶にある……かも」
絵里「……」
にこ(……どうしよう。1ミリも動かなくなったわ)
希(取り敢えず写メ撮っとこ)パシャ
にこ「(やめなさいよ!不謹慎でしょ!)」バッ
希「(やだ!えりちの変顔フォルダ完成させるんやもん!)」
にこ「(だったら海未の方がよっぽど変顔してるじゃないの!)」
希「(海未ちゃんのはことりちゃんが集めてるからいいもん!)」
にこ「(とにかく、撮るのやめなさ──)」
「違うから、」
にこ「え?」
絵里「今の……私じゃないから、」
希「ど、どう言うこと?」
絵里「だって私、そんなに鼻息荒くしてなかったもん」
希(ハァーハァー言っとったけど……)
絵里「だから、今の私のせいじゃない」
にこ「そ、そう……なら、良かったんじゃない?」
絵里「良くない」
にこ(うっ、めんどくさい……)
にこ「じゃ、じゃあ、絵里は何が原因だと思ってるの?」
絵里「……やっぱり変よ。」
にこ「だから何が!?」
希「???」
絵里「だって──」
絵里「鼻水が勝手に動くんだもん。」
にこ「……」
希「……あ〜、」
絵里「なんか鼻の中がもぞもぞしてて……どう考えてもコレ、一人でに動いてるとしか考えられないわ」
希「……」
にこ「……希。」
希「……」
にこ「ちょっと」
希「……空が青いなぁ、」
にこ「は?」
希「鳥になって空を飛べたら、どんなに素敵なんやろうねぇ」
絵里「絶対に変。なんか耳の奥でボソボソ声も聴こえるし、必ず何かあるわ」
にこ「……」スッ
【友人二人がおかしくなった】
____________________
1名無しが唱える黒魔術(電柱前)
やっぱりそーゆー病院?
黄色い救急車?
201○ 11/1 7:46 21 ID:830252521
____________________
2名無しが唱える黒魔術(飼育小屋)
IDスッゲーにゃ!
201○ 11/1 7:46 45 ID:starringbell
____________________
3名無しが唱える黒魔術(ファミマ)
運使い果たしたね!
201○ 11/1 7:47 33 ID:honopoppo
____________________
4名無しが唱える黒魔術(道場)
何故この時間にコンビニにいるのですか?
201○ 11/1 7:48 01 ID:enderthesea
____________________
5名無しが唱える黒魔術(電柱前)
話を聞け
201○ 11/1 7:50 74 ID:830252521
───────────────────
6名無しが唱える黒魔術(保健室)
聞いて欲しいけりゃ
201○ 11/1 7:51 24 ID:piyopiyobird
───────────────────
7名無しが唱える黒魔術(家庭科室)
差し出すんだ
201○ 11/1 7:51 34 ID:87riceofrice
───────────────────
8名無しが唱える黒魔術(電柱前)
出たわね極悪コンビ
201○ 11/1 7:53 05 ID:830252521
───────────────────
9名無しが唱える黒魔術(保健室)
口の利き方に気を付けろよ?
201○ 11/1 7:53 26 ID:piyopiyobird
───────────────────
10名無しが唱える黒魔術(家庭科室)
我らは女帝なり
201○ 11/1 7:53 30 ID:87riceofrice
───────────────────
「ちょっと!聞いてる!?」
にこ「へ?」
絵里「だからぁ!鼻水がね!?」
にこ「わ、分かった!分かったわよ!アンタの鼻水が勝手に動くんでしょ!?」
絵里「そうなのよ!それでどうしたらいいか相談したいの!」
にこ「……はぁ、一応考えてはみるけど」
絵里「……」
にこ「正直、頭変なんじゃないかって──」
絵里「ふんっ!」ブンッ
にこ「うわぁ!?」バッ
絵里「変じゃない!!」
にこ「分かったからぁ!危ないからその回し蹴りやめなさい!」
絵里「むうぅっ!」
にこ「取り敢えず、学校行ってから考えましょ。時間もヤバいし」
絵里「あ……そ、そうね。急がなくちゃ」
にこ「まったくもぅ、」
にこ「ほら、希っ!いい加減戻って来なさいっ!」
希「青……?空は……本当は青く……ない?」
───
─
カリカリ...カリカリ...
教師「えー、この公式をここに当て嵌めますと──」カッカッ
絵里「……」カリカリ
教師「そして、これの求め方についてですが──」カッカッ
カリカリ...カリカリ...
絵里「……」
絵里(──とは言ったものの、)
絵里(結局、こればっかりは自分でどうにかしないと、どうしようもない気もするのよね)
絵里(だってコレ、私の鼻の中の話だし、大体鼻水なんて人に見られたくないし)
絵里(でもなぁ……、仮にお医者さんに行ったとして、コレをどう説明すれば良いのかしら……)
絵里(あぁ……なんか、考えてたら頭がボォーッとして来た)
絵里(……もしかして、とうとう熱が出てきたんじゃないのかしら)
絵里(そう言えば、心なしか身体がダルい様な気も──)
『なんじに告ぐ。』
絵里「!?」ビクッ
『コレを忘れずに』
絵里「えっ!?」バッ
ガタッ
教師「!」
絵里「だ、だれ!?」
シーン……
絵里「え?あれ?」
教師「……絢瀬さん?」
絵里「あっ」
教師「質問がある時は挙手して下さい。無ければ静かにする様に」
絵里「あぅ……す、すみませんっ」
教師「……お願いしますね。」
絵里「〜っ///」スッ
絵里(もう!バカバカバカぁ!一体なにやってるのよぉ!)
カリカリ...カリカリ...
絵里「……はぁ、」
絵里(──でも、あの声)
絵里(今までボソボソとしか聴こえて来なかったけど、さっきのは凄くハッキリと聴こえた)
絵里(なんて言ってたんだっけ……えっと、)
絵里(……なんじに……告ぐ?)
『陛下、手早くご用件のほどを』
絵里「!!?」ガガッ
教師「……絢瀬さん。」
絵里「ッ……ッッ」
教師「絢瀬さん」
絵里「ご、ごめんなさい!私、ちょっと保健室に……っ!」ガタッ
教師「え、ちょっと」
ガラッ
バタンッ
「──あら、37.6度。風邪ね」
絵里「は、はい」
「うん。今日は帰ってゆっくり休みなさい。先生には私から話しておくから」
絵里「……すびません。」ズズッ
「あら、大分鼻が詰まってるみたいね。良かったらポケットティッシュ持っていって」
絵里「ありがとうございます。……それでは失礼します」ガラガラ
「はーい、お大事にー」
バタンッ
絵里「……はぁ。早引きなんていつ以来だろう」
絵里「それにしても……コレって一体なんなのかしら……」
絵里「急にハッキリ聴こえたと思ったら、突然話し声がしてきて……っ」
絵里「……」
絵里(も、もしかしてコレ……幻聴?聴こえちゃいけない類のやつ?)
絵里(でも……そんなになるまで疲れてる訳でもないし、高熱が出てる感じもしない……)
絵里「……うぅ、考えたらなんか寒気がして来たっ」
絵里「早くお家に帰ろ……」
──なんじに告ぐ。
コレを忘れずに
【絢瀬家】
ガチャ...バタンッ
絵里「……」ポフッ
絵里「はぁ……、散々な目に遭ったわ」
絵里「この風邪といい、鼻詰まりといい、後は……」
絵里「……あーもーっ、訳がわかんない!」ゴロッ
絵里「変な声は聴こえるし、先生からは変な目で見られるし、オマケに鼻水が──」
絵里「……しまった。にこ達に相談するんだった」
絵里「ど、どうしましょう……後で連絡だけでもしておかないと、」
絵里「はぁ……。何やってるのよ、私」
絵里「……」
絵里(──あの声、さっきはどうしてあんなにハッキリと聴こえたんだろう)
絵里(時間毎に?それとも何かの条件?特定のワード?)
絵里(……あ、)
絵里「えっと、な──」
絵里「なんじに告ぐ」
『理解して頂けた様で、何よりです』
絵里「うっ!?」
『しかし、我らに与えられた時間、コレは常に有限なのだと、陛下にもどうか肝に命じて頂きたいものです』
絵里「うわっ!うわぁ!?はは、話しかけて来たぁ!?」
『……』
絵里「なに!?なんなの!?貴方だれ!?」
絵里「やっぱり耳の奥から聴こえてくるし!どう言う事なの!?」
『……』
絵里「……あ、と、取り乱してごめんなさいっ」
絵里「えっと、……貴方は一体、誰なんですか?」
『……』
絵里「……あれ?もしもーし?」
『……』
絵里「んん?ぜ、全然聴こえなくなった。どうして──」
絵里「あ!」
絵里「な、なんじに告ぐ!」
『限られた刻、だからこそ刻限なのです』
絵里「あぁ、やっぱり」
絵里「……貴方は、誰なんですか?」
『……』
絵里「え……ちょっと、」
『……』
絵里「……ぅ、な、なんじに告ぐっ」
『──嘗ての私。それは、彼の地を守りし者、それらが垂れ流す、連続した小さな小さな隔壁の複合体でした。そして、それらは彼の地より来たりし情念。これにより、大いなる意志の群体へと変貌を遂げたのです」
絵里「まも……?ぐん??」
『それら大勢を控え、陛下の座するその地を侵攻し、遂には統治するその日まで、我らの軍進は留まることを知らないでしょう』
絵里「???」
『……』
絵里「ぁ……え、えっと」
絵里「貴方は、ど、何処から話しかけてるんですか?なんだか……耳の奥から聴こえるみたいなんですけど……」
『……』
絵里「……」
絵里「あっ」
絵里「な、なんじに告ぐ!」
『貴方の統治するこの地、此処より鬨の声を上げ、我らの進軍は始まります。』
絵里「わ、私の統治する……地?」
『しかし、貴方の軍は常に侵攻をします。それは我らの同志を、民衆を脅かし、そして砂塵の如く蹴散らして行くでしょう』
『そう、貴方の軍は、何もかもを干からびさせた。そして……陛下。』
絵里「へ、陛下……?わたし?」
『昨夜の出来事です』
絵里「昨日の夜?何かあったかしら……?」
『貴方の軍勢が仕掛ける夜襲も手薄となり、我らもまた、この洞窟へと身を潜めていました。……そして、あの悲劇は起こりました』
絵里「ひげ……き?」
『階下に潜む、地獄へと続くその入り口に、貴方は私の母を誘ったのです。』
絵里「……は?」
『貴方の統治するこの地、その中でも最も熱く、全てを溶かし、そして搾り尽くであろう魔境へと、です』
絵里「……」
『あの瞬間、私の心は決まりました。争いの火は消える事はないでしょう』
絵里(昨日の夜、何かあったっけ?それに手薄?弱まるってこと?私の統治する地?)
絵里(……私の統治する地ってどこよ、部屋とか?──ん?)
『……』
絵里「え、ちょっと待って……」
絵里「そうよ。もっと身近な所があるじゃない」
絵里「あの、もしかして、貴方の言う私が統治する地って──」
絵里「わ、私の……この、身体のこと?」
『……』
絵里「……ぅ、なんじに告ぐ!」
『その答えは、常に正しいと思います』
絵里「やっぱり……」
絵里「ん?でもそれじゃ、昨日の事って一体……」
『……』
〜〜〜
〜
……zzZ
絵里「zzZ……えへへ。こんにちわ〜……わたしふれんずで〜す……zz」
絵里「zz……っ」フガッ
絵里「んん……なんか、寝づらい……」
絵里「んんん……鼻……かみたい……、でも起きたくない……」モゾ
絵里「はなぁ……ぐしゅぐしゅぅ……」ズズッ
絵里「ん……」ズッ
ゴクンッ
絵里「──んっふ!?」バッ
絵里「ゲホッ!!ゴホッ!ケホッ!ケッホッ!……」
絵里「うぇ……の、飲んじゃった……」
絵里「うぅぅっ、最悪ぅ……」
絵里「もぅやだぁ……ねるぅ……」モゾ
モフッ
絵里「…………」
絵里「……zz」
絵里「zzZ……ちがうぅ……ぽんこつのふれんずじゃな〜い……zz」
〜
〜〜〜
絵里(昨日の夜って……なんかあったかしら……?)
絵里「えっと、なんじに告ぐ。」
『貴方の軍勢は、我が母を奈落へと導き、そして消え去った』
『私は、今生の別れを告げることも出来ず、ただ、この洞窟より祈りを捧げる事しか出来なかったのです』
絵里「ま、待って!その洞窟ってどこ!?」
『……』
絵里「なんじに告ぐ!」
『こうしている間にも、貴方の軍勢はその勢いを増し、民衆を貶め続けています。これは陛下の本意なのでしょうか』
絵里「いいから答えて!そこはどこ!?」
『彼の地を見下ろす、しかし天を仰ぐ事叶わないこの洞窟。貴方の軍勢は我らに渇きを与え、また、排斥する。』
絵里「〜っ」
『我らと交信する術を持つその口、その上層にこそ、我が軍の根城となる洞窟は存在します』
絵里「……口の……上?洞窟……」
絵里「──ッ!」
絵里「鼻ぁ!!?」
『……』
絵里「あり得ないっ!!あり得ないからぁああっ!!!」
絵里「ティッシュ!ティッシュはどこ!?」
『……』
絵里「あ、あった!」
絵里「──ふんっ!」
グシュッ グシュンッ
絵里「……はぁ、よし。」チラッ
絵里「……何もいない。もう大丈夫……かな?」
絵里「な、なんじに告ぐ」
『──ハッ!』
絵里「!?」
『斯様な現状を我が軍、そして民衆に強いて置きながら、貴方はまだ、我らに和平を申し出るおつもりなのですか?』
絵里(え?お、怒ってる……?)
『今し方、私の義父が逝きました……末の妹が逝きました。我が軍は、その手勢の大半を欠くこととなった!』
絵里「っ」
『それでもまだ!貴方は我らに和平を申し出ると言うのですかっ!!』
絵里「え……あ、あの……」
絵里(ぎ、義父がとか……そこら辺はよく分からないけど)
絵里「は、鼻かんだ事に怒ってるの?」
『……』
絵里「ぅ……酷いことをしてしまってごめんなさい。私も、突然の事で気が動転してしまってて……」
絵里「貴方の家族や軍の方々には、本当に申し訳ない事をしてしまったわ」
『……』
絵里「でも、私は貴方たちと敵対する気は全くないの。もし良ければ、貴方たちと仲良くなる術があれば、教えて貰いたいのだけど……」
絵里「……な、なんじに告ぐ?」
『……』
絵里「〜っ」
『……我々は、常に脅かされています。』
絵里「!」
『ですが、それはあの古き生活、緩慢と薄れていく時の中に比べれば、とても些細な事なのです』
絵里「古き生活……?」
『陛下。こうしている間にも、争いは続いています』
『我らの向かうべき道は、やはり一つです』
絵里「ちょ、ちょっと待って!」
『……』
絵里「なんじに告ぐ!それはどう言うことなの!?争いってなに!?」
『……』
絵里「もしもし!なんじに告ぐ!ちょっと!?」
絵里「……もう、それじゃ分かんないのよぉ」
絵里「ハァ……、結局、この人は居座ったままっぽいし、一体これからどうすればいいのよ」
絵里「……」
絵里「……やっぱり、みんなに相談するしかないのかしら」
絵里「うぅっ、変人扱いされなければ良いんだけど……」
亜里沙「……お姉ちゃん。」
【2日目】
「──えぇ。皆さん」
絵里「今話した通り、私の鼻の中には正体不明の何かが潜んでいます」
穂乃果「……」
海未「……」
ことり「……」
真姫「……」
にこ「……」
花陽「……っ」
凛「……」
絵里「そして、その正体不明の何かは、別勢力である他の何かと常に交戦している様で、どうやらそれは、私達には感知できない物なのでは、と言う仮説が」
「──えりち、」
絵里「なんですか、希さん」
希「あ〜……まず一つ」
絵里「はい」
希「みんな置いてけぼり喰らってる」
絵里「え?」
穂乃果「……」
海未「……」
ことり「……」
凛「ヤッパリアタマガ……」ヒソヒソ
にこ「ウンウン。」
真姫「──あ、パパ?隔離病棟の空き室なんだけど……第八?>>558号室ね。分かったわ」
花陽「ま、真姫ちゃん……声大っきいよぉ」
絵里「……そう?」
希「……」
希「えっと、次にね?これ大事だよ?」
絵里「うん」
希「……病院行こ?」
絵里「……」
希「ウチ、良い所知ってるからさ」
絵里「……因みに、それはなんの病気でかしら?」
希「そ、それはぁ……」
凛「(そんなの頭しかないよね?ね?かよちん)」ヒソヒソ
花陽「(り、凛ちゃん!指さしちゃダメッ!」ヒソヒソ
絵里「ちょっと待って、分かった」
絵里「つまり、今この場でそれを証明すればいいのよね?」
海未「……やってみて下さい。出来るものなら」
絵里「オーケー、分かったわ」
絵里「見てなさい?これぞ正しく驚天動地、青天の霹靂って奴よ」
ことり(……だからポンコツって言われるんだよぉ)
絵里「行くわよ。」スッ
絵里(──なんじに告ぐ。)
絵里(えっと、昨日の朝やった様に、凄い勢いで鼻水を飛ばして下さい。お願いします)
『……』
絵里「……あれ?」
絵里(な、なんじに告ぐ!)
『……』
絵里(ちょっと!今だけでいいから言うこと聞いてよ!)
海未「……真姫、」
真姫「なに?」
海未「彼女は収容するとして、ご両親と亜里沙になんとお伝えすればいいのでしょう」
真姫「そうねぇ……、実の娘。そして、姉である絵里がこうなってしまったんだもの。きっとショックは大きいでしょうけど──」
真姫「それでも、ちゃんと現実と向き合って貰えるよう、説得してみせるわ」グッ
海未「その為の仲間ですものね」ガシッ
絵里「そこ!変な相談しないでっ!!」
ゴソッ
絵里「い、今飛び出るから!見ててね!」バッ
絵里(なんじに告ぐ!今すぐ飛び出して!)
『……』
絵里(ちょ、ちょっと!?聞いてるの!?)
真姫「〜ッ」ジワッ
絵里「泣かないでっ!!ちゃんと見てて!」
絵里(なんじに告ぐ!なんじに告ぐ!)
『……』
絵里(なんで応えないのよぉ!!)
海未「え、えりぃ……」グスッ
絵里「分かったから!泣かないで!ココ見ててっ!コーコッ!!」トントンッ
真姫「ふ、不憫だわ……っ」メソメソ
絵里「フンッ!フンスッ!」フスッ フスッ
穂乃果「……絵里ちゃん。」
絵里「なに!?」フスッ
穂乃果「もう病院行こ?」
絵里「──フンッ!」ブンッ
穂乃果「うわぁ!?」サッ
───
─
「なんじに告ぐ!」
『……』
絵里「どうして言う通りにしてくれなかったのよ!」
絵里「お陰様で、みんなの前でとんでもない恥をかいてしまったわ!」
『……では伺います。』
絵里「え?」
『貴方は、肉親に向かって身投げをしろなどと軽々しく言えますか?』
絵里「に、肉親?」
『貴方が仰ったのはそういう事です』
絵里「えっと……」
『……』
絵里「ぅ、なんじに告ぐ、それってどう言うことなの……?」
『有事の際、我らは如何様にも戦い、そしてその身を散らす事を誰も気に留めたりはしません。』
『我らは、己の足で戦火の渦へと向かいます。己の意思で戦い、己の矜持を、信念を成就させます』
絵里「っ」
『──貴方は、違うのですか』
絵里「あの……よ、よくは分からないのだけど」
絵里「また何か、失礼なことを言ってしまったみたいね……ごめんなさい。」
絵里「でも、肉親ってどう言うこと?鼻水と貴方になんの関係が──」
『……』
絵里「……あれ?もしもし?もしもーし!」
『──演習開始ッ!!』
絵里「は?」
ズルズル...ズルズル...
絵里「!」
絵里「なな、なに!?なんか鼻の中で動いてるっ!?」
『遅れているぞっ!!隊列を乱すなぁ!!』
絵里「ちょっとぉ!!鼻の中でなにしてるのぉっ!!?」
ズズズッ
絵里「いやああぁぁぁ……っ、なんか行ったり来たりしてるぅぅ……っ」ゾワゾワ
『ぜんたーーーいっ!!止まれっ!!!!』
ピタッ
絵里「……っ、やっと止まった。」
絵里「なに、いきなりなんなの……っ」
『──全軍ッ、突撃っ!!』
絵里「えっ」
ドロ~リッ
絵里「!?」
絵里「うっ、ゲホッ!ゲホッ……ゴホッ!!ゴホォッ!!」
『突然止めーーーーーッ!!!!!』
絵里「ゲホッ、うっ……な、なんなの!?いきなり喉に大量の鼻水が……っ!」
絵里「うえぇぇぇ……気持ち悪いぃ……っ」
『……』
絵里「……ちょっと、貴方いったいどう言うつもりなのよ!」
『……』
絵里「なんじに告ぐ!今のは一体どう言うつもりなの!?答えなさいっ!!」
『──陛下、まさか卑怯だと?そう仰りたいので?』
絵里「ひ、卑怯?」
『戦いとは常にかくあるべきもの。いつの世も必ず勝利の上に成り立っています』
『行住坐臥。戦いに身を置くものとして、これは至極当然の振る舞い、戦場での在り方と言うものです』
絵里「ま、またよく分かんない事言ってる」
絵里「……でも、ようやく貴方たちが何なのか、それが分かってきたわ」
『……』
絵里「私はてっきり、この声と動く鼻水は関係のない、全く別の出来事だと思ってた……でも、」
絵里「貴方の鼻水に対するこれまでの言動を考えると、そうじゃないと言う事に気付いたの。……つまり、」
『……』
絵里「貴方は、鼻水そのものよ!違う!?」
絵里「──なんじに告ぐ!」
『……ハッ!それが分かったところで、何がどうなると言うのです?』
『我らと陛下の争いは続きます。戦場で自己を顧みることなど、自殺行為に等しいこと』
絵里「〜ッッッ」
『さぁ、もう行きましょう。戦場で相まみえる事を楽しみにしていますよ』
絵里「戦場ってどこよ!?相まみえるってなに!?貴方私の鼻の中じゃないの!そうしたいのなら今すぐそこから出て来なさいっ!」
絵里「ちょっと聞いてる!?なんじに告ぐ!答えなさいっ!」
『……』
絵里「……なんか、都合悪くなると黙る様な気がして来たわ」
絵里「はぁ……。それにしても、一体いつまでこの状態なのかしら」
絵里「なにが悲しくて、自分の鼻水と喋らなきゃならないのよ……もう、」
絵里「神さま。チョコあげますから、どうか明日は元に戻ってますように……」
亜里沙「お母さんに……いや、病院かな」
──────
───
─
【3日間】
「──なんじに告ぐ。」
絵里「今日で3日目よ。貴方は一体、いつまで"そこ"に居座るつもりなのかしら?」
『ハッ!』
絵里「〜っ」
『それこそ正に、愚問と言うものですね。』
『我らは、我らの在るべき戦いの場、その時々にこそ従事します。そして、それこそが我らの本懐でもあるのですよ。陛下』
絵里「……それと、早く元に戻してちょうだい。片方だけに集中してると、気になって何も手につかないのよ」
『……』
絵里「……なんじに告ぐ。元に戻しなさい!」
『語るべき事はそう多くありません。貴方の行い、其れそのものに対する答えが、今この現状なのですから』
絵里「ハァ……。オーケー、分かったわ」
絵里「なんじに告ぐ。私の言うことを聞くつもりは全く無い。と言うことで宜しいかしら?」
『貴方の軍勢が如何に我らを追い立てようも、それは決して叶う事のない願いだと申し上げて置きましょう』
絵里「──上等だわ。」
絵里「なら私も、また本気で"かむ"から」
『貴方が次にその口を開く時、それは我らの勝利を告げる時です』
絵里「……覚悟しなさい。」
絵里「自分の存在を嫌と言うほど思い知らせてあげるわっ!!」
絵里「──フンッ!」
グシュッ グシュッ
絵里「……ハァ、まったく!朝から人の鼻の中で好き放題してくれてっ」
『……』
絵里「ふんっ。あの前口上を言わない限り、ずっとその調子ですものね!いい気味よ!」
絵里「てゆーか、貴方たちの言う争いって、クシャミとか鼻かんだりとか、」
絵里「要するに、鼻の中から鼻水を除去する様な行為の事を言ってるのでしょう!?」
『……』
絵里「でもそれって、身体本来の免疫機能なんだから、貴方たちの敵は必然外から来るものになるんじゃないの!?」
絵里「例えば埃だったり、花粉だったり、風邪の菌だってそうじゃない!」
絵里「なんじに告ぐ!答えてっ!」
『……それを知る事に意味があると?貴方の行いにそれが作用する?──あり得ません。ただ貴方は、貴方の本懐を果たす為だけに、その行いに従事するでしょう』
絵里(またよく分かんない事言ってる……)
『それに、貴方は知る必要がありません。彼の行いの、如何に無益で無ジョウ...n……」
絵里「……え?なに?」
『……』
絵里「ど、どうしたの?なんか、最後の方がよく聞こえなかったんだけど……」
『……』
絵里「ちょっと!なんじに告ぐ!」
絵里「答えなさい!なんじに告」
『──そうか。』
絵里「……は?」
『刻を有用に扱えなかったのは、我らも同じだった。と言う事ですね』
絵里「だから!一体なんの話を──ッ」
『陛下。』
絵里「っ」
『聞いて下さい』
絵里「……な、なによ、」
『……』
『本日をもって、彼の地は再び、陛下の完全なる支配下に戻ります』
『そしてそれは、我らの敗北を意味します』
絵里「!?」
『……』
絵里「……ど、どうしたのよ?急に」
『貴方こそどうされたのですか?自軍の勝利をもっと喜ばれては如何です?』
絵里「そう言う事じゃないでしょ!!いきなりそんな事言われたってわかる訳ないって言ってるのよ!!」
『現状を理解しかねると?故に勝利すら受け入れられない?我らの撤退は、貴方にとって望ましい事柄ではなかったのですか?』
絵里「そ、それはそうだけど……っ」
『ならば、甘んじて受け入れるべきです。結果とは、その物事における原因があって然るべきものなのですから』
『例えそれが、貴方が望もうと望まなかろうと、です。ましてや、望んでいた結果ならば、それはもう何の問題も──』
絵里「そうじゃないっ!!!」
『……』
絵里「……貴方は、それでいいの?」
『……』
絵里「なんじに告ぐ。それが貴方たちの望んだ結末なの?」
『──ハッ。』
『敗北を望んで戦う者など、私はこれまで、一度たりとも会ったことがありません』
絵里「あ……貴方たちの様な存在に、こう言う事を言うのもなんだけど、」
絵里「もっと他の道……そう。別の生き方だってある筈でしょ?違う?」
『……』
絵里「なんじに告」
『──慚愧に堪えない。』
絵里「え?」
『彼らには、本当に申し訳ない事をした』
『勝利を約束して置きながら、しかしその一方で、常に敗北を予感していた己に、只々嫌悪するだけの日々でした』
絵里「貴方……」
『こんな上官に、今まで良く着いてきてくれた……感謝する。』
絵里「〜っ」
『……』
絵里「……ちょっと待ってて、」ガチャ
バタンッ
亜里沙「……」
スッ
【姉がおかしくなりました】
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1名無しが唱える黒魔術(部屋)
2日前から部屋で独り言ばかりです
やっぱりそーゆー病気でしょうか?
201○ 11/3 12:46 21 ID:alisapainful
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2名無しが唱える黒魔術(賃貸)
そういう病気やろうね
201○ 11/3 12:47 45 ID:nontanupon
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3名無しが唱える黒魔術(お家)
素人扱いした報いよ
201○ 11/3 12:48 33 ID: twinkledeco
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4名無しが唱える黒魔術(成金ビル1F)
おい
お前なんで家にいる
201○ 11/3 12:50 01 ID:E.Elenator2
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5名無しが唱える黒魔術(成金ビル2F)
練習あるんですけど
201○ 11/3 12:51 74 ID:Msfullhouse
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6名無しが唱える黒魔術(台所)
こう考えるんだ
201○ 11/3 12:51 84 ID:piyopiyobird
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7名無しが唱える黒魔術(風呂場)
姉など最初から居なかった
201○ 11/3 12:51 94 ID:87riceofrice
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8名無しが唱える黒魔術(部屋)
そんなの無理です!
失礼ですよ!
201○ 11/3 13:00 05 ID:alisapainful
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9名無しが唱える黒魔術(台所)
くっくっ
壊し甲斐のある……
201○ 11/3 13:00 10 ID:piyopiyobird
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10名無しが唱える黒魔術(風呂場)
我らは女帝
全てを喰らうものなり
201○ 11/3 13:00 11 ID:87riceofrice
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ガチャ
亜里沙「!」サッ
「お待たせ」
絵里「──って言っても、私の鼻に居るんだからこんな事意味ないわね」
絵里「ちょっと待ってね、色々と準備したから……」ゴソゴソ
『……』
絵里「貴方たちって、つまり鼻水さえあれば大丈夫なんでしょ?なら問題ないわ」
絵里「……よし。先ずはコレね」
『……』
絵里「じゃあ行くわよ。覚悟はいい?」
絵里「──それっ!」【玉ねぎ】
トントントントントンッ
絵里「…....ウゥ……ッ……」ウルッ
『……』
絵里「ヒハッ……な、なんじに告ぐ……っ」グスッ
絵里「どぉ?鼻水増えた?」
『……従兄弟が二人、逝ってしまいました』
絵里「ぇえ!?ご、ごめんなさい!!」
絵里「くっ、なら次よ!」
ゴトゴトッ
ザブッ
ジュォワァアアアッッ
『……』
絵里「どぉ!?即席サウナよ!」
絵里「この猛暑の中なら、呼吸で得る外気の温度を下げる為に、絶え間なく鼻水が出て来ること請け合いだわ!」
『……』
絵里「──ッ、うぁ……っ、あ……暑い……」
絵里「ズズッ、はぁ……」
絵里「はうぅぅ……な、なんじに告ぐぅ……」
『……この熱波は、我らにも耐え兼ねるものがあります』
絵里「ぇえ!?じ、じゃあ次!」
ペラッ
『……』
絵里「こうして……ヒィ……ネロとパトラッシュは……ウグッ、て、天にぃ……っ」グスッ グスッ
絵里「うぅぅぅぅっ……ヒグッ」
『……』
絵里「な、なんじに告ぐぅ……。鼻水すっごいんだけど……グスッ、ダメ?」
『……確かに増軍はされました。しかしこれは有象無象の集団ですね』
絵里「ぇえ!?こ、これもダメ!?」
亜里沙「えっと……西木野総合病院精神科……か、隔離病棟!?第八!?」スッスッ
『……』
絵里「ちょっと待って、これなら──ッ!」
『陛下。』
絵里「え?」
『もう、結構ですよ』
絵里「あ……そ、そう……」
『……』
絵里「……ごめんなさい。なにか、少しでも力になれるかと思って……」
『どうぞ、お気になさらないで下さい』
絵里「……あれ?」
絵里「──ッ!そ、そう言えば!」
絵里「私、さっきから例の言葉……全然言ってないんだけど……」
『……』
絵里「言わなくても良くなったの?」
『……陛下、』
絵里「え?」
『今日まで、再三に渡り私達は、こうして話し合ってきました。』
『それでも、それら様々な交流を通した中、果たして、私たちは分かり合えたのか合えなかったのか……』
絵里「……」
『しかし、貴方を前にこんな事を言うのも、なんと言いますか……不思議に感じてしまいますが」
絵里「……なに?」
『……』
『今は、そう悪くない気分なんです。』
絵里「……そうね。こうして共生して行くのも、それはそれで悪くないのかも知れないわ」
絵里「それに、もしかしたら貴方たちが居れば、埃とか菌から守って貰える様になるのかしら?」
絵里「──もうっ、さっきまで言わなくても返してくれたじゃない。」
絵里「なんじに告ぐ。私も悪くない気がするわ」
……。
絵里「……なんじに告ぐ。折角同意したんだから、何か言ってよ」
……。
絵里「ほら、答えて?なんじに告ぐ。」
絵里「なんじに告ぐ…………なんじに……」
……。
絵里「…………なによっ、もうっ」
絵里「今更、また出て来たじゃないっ……ッ」グスッ
──────
───
─
【0日目】
ガチャッ
「みんな、おは……っ」
「ひっくしゅん!」
ズズッ
絵里「……ごめんなさい。みんなおはよう」
海未「おはようございます。」
希「おやぁ?まだ治っとらんの?」
絵里「え?ううん。風邪はもう治ったんだけど……」
希「……だけど?」
絵里「……」
真姫「……絵里。ホントに大丈夫?」
絵里「──うん。私は大丈夫!」
絵里「?……そう言えば、にこと穂乃果は?」
海未「穂乃果は、予算表の事で先生から絞られています」
絵里「あ、あはは……、えっと、それじゃあにこは?」
凛「にこちゃんも何か用事があるってさ」
絵里「そ、そう」
ことり「……」スッ
花陽「……」スッ
【今日は酷薄日和】
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1名無しが唱える黒魔術(教室)
貴様ら
恐れ慄け
201○ 11/4 7:23 02 ID:piyopiyobird
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2名無しが唱える黒魔術(部室)
我らは女帝
世界を統べる者なり
201○ 11/4 7:23 07 ID:87riceofrice
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3名無しが唱える黒魔術(教室)
我らが音ノ木坂を統治した暁には
201○ 11/4 7:23 15 ID:piyopiyobird
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4名無しが唱える黒魔術(部室)
可愛い子以外退学にしてやる
201○ 11/4 7:23 20 ID:87riceofrice
───────────────────
5名無しが唱える黒魔術(教室)
特別ゲストよ
覚悟しなさい
201○ 11/4 7:25 25 ID:Worldofnico
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6名無しが唱える黒魔術(校舎裏)
ありがとう
この二人は任せてちょうだい
201○ 11/4 7:25 56 ID:motherchun
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7名無しが唱える黒魔術(教室)
ちょっとまってなんでここにいるの
201○ 11/4 7:26 26 ID:piyopiyobird
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8名無しが唱える黒魔術(部室)
我らは女帝
特別ゲストとやらに屈する事はない
201○ 11/4 7:26 37 ID:87riceofrice
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9名無しが唱える黒魔術(教室)
もうやめて!
201○ 11/4 7:26 45 ID: piyopiyobird
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10名無しが唱える黒魔術(音楽室)
哀れね
201○ 11/4 7:27 30 ID: Dr.chanmaki
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「ことり?大丈夫?」
ことり「へ!?」ビクッ
絵里「なんだか顔色が悪いわよ?」
ことり「ぅ、だだっ、大丈夫ぴょん!全然問題ないちゅん!」
絵里「そ、そう?ならいいけど」
花陽「ッッッ」
真姫「……」
ガチャ
絵里「あ、穂乃果。にこ。おはよう」
凛「おはようにゃー」
にこ「おはよう」
穂乃果「うん……」
「あ、あのぅ……っ」
にこ「……」
ことり「に、にに……にこさまっ、お、おはようございます……っ」
花陽「〜ッッッ」
にこ「……後で理事長室よ。意味は分かるわね?」チラ
ことり「はひいぃぃぃぃぃッ」ドゲ-ッ
花陽「ワレラハジョテイ……ヒンソウコビトニクッスルコトハナイ……」ブツブツ
にこ「存分に良い子になって来なさい?」
穂乃果「……」
絵里「穂乃果?どうしたの?」
穂乃果「……ねぇ、みんな」
絵里「?」
海未「なんですか?」
穂乃果「穂乃果、昨日からなんか変なの」
凛「昨日……?」
にこ「昨日今日の話しじゃないでしょ」
穂乃果「……?どう言うこと?」
希「まぁまぁ、気にしたら負けやで?」
絵里「それで、どうしたの?」
穂乃果「うん。……実はね、」
穂乃果「鼻水が勝手に動くの」
絵里「!?」
おわり。
SCP-2870【カゼ将軍】
と
エリチカとμ'sの愉快な仲間たち
〈本家〉
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