二人の救世主と艦娘達 Last chapter
オリジナルストーリー、オリジナル能力、オリジナル鎮守府、オリジナル設定、ゲームキャラ登場などを含んだSSとなります。誤字や脱字がある可能性があります。それでも良い方はどうぞゆっくりとお楽しみに下さい。誹謗中傷などのコメントはお控え下さい。
OP アカメが斬る! 「Liar Musk」
この物語は二人の青年が艦これの世界に転生し、ブラック鎮守府に囚われた艦娘達を救う物語。しかし物語の主人公が記憶喪失になった今は物語が混沌と化し、艦娘達は不安と悲しみに包まれていた。
リセイ「何で、黎斗が……」
ダーク「驚いたな……まさか夢の中で出会った相手が本当に存在したとはな……」
リセイ「俺も驚いてるよ……また黎斗に会えるなんてな!」
ダーク「確かに俺は黎斗だ……だが俺は……」
シュゥゥゥゥゥゥゥ〜…………
リセイ「黎斗っ……!?お前、体が……!」
ダーク「時間切れか……」
突如としてダークの身体から粒子状のものが出てくる。それを感じてダークは海面から鏡の中の世界に戻ろうとする。
バシャァァァァァン!
ダーク「何っ……!?」
リセイ「ちょ、黎斗!?」
しかし何故かダークは鏡の中の世界には戻れず、身体から海へダイブしただけだった。
リセイ「どうしたんだよ!いきなり海なんかに飛び込んで!」
ダーク「リセイ……一つ聞く……ガイア泊地と言う鎮守府を知っているか……?」
リセイ「ガイア泊地?いや、そんな鎮守府聞いた事ないが……」
ダーク「やはりそうか……」
リセイ「どういう事だ?」
ダーク「この世界には鏡の中の世界が存在しない……もうすぐで俺は消える……」
リセイ「消える……ってどういう事なんだ!?」
ダーク「俺は鏡の中の存在だ……現実世界から出られるには出られるが時間が限られている……何時までも現実世界に居る事は出来ない……それを過ぎれば完全に消滅するからな……」
リセイ「鏡の中の存在……?黎斗は一体……」
ダーク「たった数分だが……最後にお前に会えて良かった……じゃあな……」
ダークの身体は粒子状のものによって徐々に薄くなっていき、消滅しかけていた。
リセイ「っ!?させるかぁ!!」
ダークの身体が消滅する寸前、リセイは左腕を掴んだ。すると身体から粒子状のものが止まり、ダークが消滅する事は無かった。
リセイ「おいおい……折角会えたのにいきなり別れは無いだろ!」
ダーク「お前……何をした……?」
リセイ「俺の能力でお前を実体化させた……でも何故か完全には出来なかった。保って一日って所だな」
ダーク「そうか……」
リセイ「それで、鏡の中の世界って何だ?俺も何で黎斗が此処に居るのか知りたいんだ。だから記憶を見させて欲しい」
ダーク「……」
リセイ「黎斗? とりあえず、手を頭に置くぞ」
リセイは相手の頭に手を置く事でその記憶を見る事が出来る。そしてダークの頭に手を伸ばす。
ヒュッ
が、ダークは首を曲げてリセイの手を避ける。
リセイ「お、おい……」
ダーク「……」
リセイ「口で話すより、記憶を見た方が楽だからさ……見せてくれよ」
もう一度ダークの頭に手を伸ばす。
ヒュッ
が、ダークは首を曲げてリセイの手を避ける。
リセイ「…………」
ダーク「…………」
リセイ「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァァ!!」
シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュゥゥゥゥゥゥ!!
ダーク「………………………………」
ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュッッッッッ!!
リセイはダークの頭にラッシュで手を伸ばすが、それを全て避ける。果たしてこれは何の攻防戦なのだろうか。それが2時間ぶっ続けで行われていた。
リセイ「はぁ……はぁ……」
ダーク「仕方ない……手を貸せ……」
リセイ「は?」
ダーク「手だ……」
リセイ「あ、あぁ……」
リセイは手を出し、ダークは握手をするように手を掴む。すると……
リセイ「なっ……これは、黎斗の記憶か?」
ダーク「態々頭に触れずとも記憶はメモリとして渡してやる……それで記憶を見ろ……」
リセイ「……マジか」
ダーク「そうだ……俺は黎斗であって黎斗では無い…俺は……鏡の中の黎斗だからな……」
リセイ「……ダーク、お前は」
ダーク「俺がお前を知っているのは……俺がまだ鏡の中の存在では無く……黎斗の中に居たからだ……それが別世界の影響で……俺達は分断された……」
リセイ「……」
ダーク「そして……黎斗の怒りや憎しみによって俺と言う存在が生まれた……鏡の中の……裏の黎斗……それがこの俺……『ダーク』だ……!」
リセイ「……」
ダーク「けどな……黎斗が俺を受け入れた時……いつの間にか俺の中の怒りや憎しみが消えていた……それは……無意識に黎斗の事を認めた事で何もかもが晴れた……俺は過去に囚われていたんだ……あれだけ殺意が湧いていた奴らの事も……今は少しだけ後悔している……あの場で……あいつらを……」
リセイ「……俺もさ、鎮守府に着任する前はブラック鎮守府だったんだよ。だからダークの気持ちも何となく分かる」
ダーク「……」
リセイ「なぁ、これからどうすんだ?」
ダーク「さぁな……だが俺はもう消滅した身だ……最早俺の存在する意味は無い……無駄なんだよ……どう足掻いた所で……」
リセイ「………………よ」
ダーク「あ……?」
リセイは右手を大きく振りかぶり、ダークに平手打ちをしたがそれを左手で防ぐ。
リセイ「何諦めてんだよっ!どう足掻いても無駄だ!?そんなのやってみなきゃ分からないだろうがっ!黎斗はお前の事を受け入れたんだろ!?お前は黎斗の事を認めたんだろ!?せっかく分かり合えたのに諦めてどうすんだよ!!」
ダーク「お前に何が分かる……!」
リセイ「あぁ分からねぇよ!だが少なくとも黎斗は!こんな事で諦めたりしないっ!」
ダーク「っ…………!」
リセイ「例え存在が全くの別でも……お前は黎斗だ!だからこそここで諦めていいのか!?お前の大切な人を置いていくのか!?」
ダーク「っ…………!?」
ダーク「……そうだな……こんな所で諦められないな……お前のお陰で目が覚めた……感謝する……」
リセイ「あぁ、それでこそもう一人の黎斗だ!」
ダーク「だが問題は俺の居た世界にどうやって行くかだ……」
リセイ「それなら俺に任せてくれ。俺なら空間を殴って黎斗の世界に行ける」
ダーク「ならば行こう……」
リセイ「あぁ!しゃぁっ行くぜっ!」
シュッ! ブォン!
リセイは何もない所に腕を突き出して殴る。そこから空間が開き、人が入れる程の大きさになる。
だが、その空間は赤黒く邪悪なオーラを漂わせていた。
リセイ「なんだよこれっ!?」
ダーク「このオーラは……後ろに飛べっ……!」
ヒュッ! ズドォォォォォォォォォォォォン!
突如として赤黒い空間から雷が発生し、空間が大きく開く。そして中からあまりにも巨大で大鎌の様な鋭い両手を持った大百足の様な骸骨が現れ、物凄い速さで突進してくるが二人は後方に飛んで回避した。
スカルリーパー「ギシャシャシャシャシャ…!」
リセイ「こいつは……!?」
ダーク「別世界の存在か……!」
リセイ「クソッ……近くには商店街に居る人達が……」
ダーク「倒す以外……他は無い……!」
装備『ライズorトゥルー』
ダークは最終強化されたゴア•マガラの片手剣を装備し、リセイは刀を構えスカルリーパーと対峙する。
リセイ「………………行くぜダーク!」
戦闘BGM「ソードアートオンライン We Have To Defeat It」
スカルリーパー「ギシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャーッッッ!!!」
ダダダダダダダダダダダダダダダッ!
リセイ「はぁっ!」
ダーク「ふっ……!」
ヒュッ! ガキンガキンガキン! ズバァ!
スカルリーパーの突進をサイドステップで躱した後に攻撃するが二人の斬撃は弾かれる。
リセイ「硬過ぎる!どんだけカルシウム豊富なんだよ!?」
ダーク「あの素速さも厄介だ……そして奴の両鎌……少しでも掠れば即死だろうな……」
リセイ「でも当たらなきゃ良いだけの話だ!」
ダーク「そうだな……!」
シュバッ! ガギギギギギギィィー! ガシャン!
二人は一気に距離を詰め、スカルリーパーの鎌を受け流して懐に潜り込む。そして数々の連撃を加えてダメージを与える。
ガキンガキン! ガガガ! ガシャァッ!
シャキンジャキン! ガキン! ヒュッ!
スカルリーパーは自らの大百足の様な脚を使って二人の斬撃を防御する。そして片方の鎌を横に大きく振る。
ズザザザザザザザザアァァァァァァーーッッッ!!
しかしリセイは全身のばねを使って高く飛び、ダークは身体を後ろに倒しスライディングでスカルリーパーの斬撃を躱す。
ダーク「リセイ……!」
ガン! シュルシュルシュル!
ダークはリセイに声を掛け、右手に装備した盾を構える。それが伝わったリセイはダークの盾を踏み台にして、一気にスカルリーパーの頭部まで飛翔する。
リセイ「どっせぇええええいっっっ!!」
ガシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャーーッッッッ!!
リセイは空中でスカルリーパーの頭部目掛けては刀を一気に振り下ろし一刀両断する。
スカルリーパー「ギシャシャシャシャッッッ!!!」
ズドォォォォォォォォォォォーンッッッッ!!
しかしスカルリーパーの骨は斬るどころか砕けず、二人を振り払うように高く飛び上がった。
リセイ「ぐわっ!?」
ダーク「あれで高く飛ぶのか……」
リセイ「これじゃ倒せるかどうか不安だ……あっ、そうだ!確か黒い亜竜みたいな奴出せたよな?」
ダーク「無理だ……俺と黎斗が二つに分離した時に能力の殆どはあいつが持っている……モンスターを呼び出す事は出来ない……俺も完全に力を出せている訳ではないからな……」
リセイ「ってそろそろあいつが落ちてくるぞ!」
ヒュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥー!
ドシィィィィィィィィィィィィーンッッッ!!!
スカルリーパーは隕石の様なスピードで落ちてくるが、二人は後方に飛んで回避する。
スカルリーパー「ギシャァァァァァァー……!」
ダーク「…………」
リセイ「どうしたんだ?」
ダーク「リセイ……一つ聞くがお前に仲間は居るのか……?」
リセイ「いや何言って…………居るけど」
ダーク「それは……羽根を使わずに空を飛ぶ二人か……?」
リセイ「まさかっ…………!?」
?「うぉおおらぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
ドガァァァァァァァァァァァァーンッッッ!!
突如、スカルリーパーが何かの衝撃によって吹っ飛ばされた。そこには殴ったように拳を突き出している青年と、その青年の横に立つ青年の二人が居た。
リセイ「アレク!エイジ!」
アレク「いつまで経っても帰ってきやしないから来てやったのに、まさかこんなデカブツを相手してたとはな」
エイジ「深海棲艦じゃないのは確かだけど、こんな生物を見るのは初めてだね」
アレクとエイジの二人はリセイと同じく転生者であり、かつてはリセイと敵同士であったが今は打ち解け合い、共に戦う仲間だ。二人はリセイとダークの居る場所まで移動した。
アレク「で、てめぇは一体何もんだ?見た感じただもんじゃねぇのは確かだ」
ダーク「今は名乗っている場合では無いが……」
ドシィィィィィィィィィィーンッ!
スカルリーパー「ギシャァァァァァァー!」
アレク「ちっ!もう立て直しやがったか!」
エイジ「話はあの骸骨を倒してからの方が良さそうだね。僕はエイジ。君は?」
ダーク「ダークだ……」
アレク「……俺はアレクだ」
リセイ「自己紹介も終えた所で、第2ラウンドと行こうか!」
シャキン!
ダークは片手剣、リセイとアレクは刀、エイジは両手に気を溜めてスカルリーパーと対峙する。そして一斉に攻撃を仕掛けるべく駆け出した。
ダーク「奴の注意は俺が引く……横と後ろに攻撃してくれ……」
ガキンガキン! ガガガガガ! ガキィィィン!
ダークはスカルリーパーの注意を引きつける為に正面に向かい、盾で攻撃を全て防いだ後に剣で腕を攻撃する。
リセイ「あぁ分かった!」
ダッ! ガキンガキン! ガギギギギィィィ!
リセイはスカルリーパーの左横に移動し、刀で斬撃を放つ。その攻撃で注意がリセイに向く。
アレク「こっちも忘れんなよ!」
ガギンガギン! ザクッ! ドゴォォォォッッ!
アレクはスカルリーパーの右横で刀を大きく振り上げ斬撃を放った後に刀を突き刺し、拳に力を込め豪快に放つ。
スカルリーパー「ギシャァァァァー!」
エイジ「次は僕の番だ!」
キュィィィィィィン! ポォッ!!
ズダダダダダダダダァァァァァーッ!!
エイジは背後で強く念じ、気弾を創り出す。そしてにスカルリーパーに向けて撃ち放った。
スカルリーパー「ギシャァァァァァァ……!」
リセイ「一気に決めるぞ!」
アレク「強烈なもんお見舞いしてやるぜぇ!」
エイジ「僕達の勝利は目前だよ!」
ダーク「チェックメイトだ……狩技発動……『ブレイドダンスⅢ』……!」
ジャキン! ガキン! ズサァァァァッッッ!!
リセイは刀でスカルリーパーの左脚に斬りかかり、連撃を加えてようやく切断される。
ドスッ! ズドドド! ドゴォォォォォォッッ!!
アレクは拳のラッシュでスカルリーパーの右脚を砕き、大技で完全に粉砕する。
キュィィィィィィン! ポォッ!!
ズダダダダダダダダァァァーッッッ!!
エイジは超能力で先程よりも強く念じ、両手に大きく気を溜めて巨大な気弾を創り出す。そしてにスカルリーパーに向けて撃ち放った。
ジャキンジャキンジャキンジャキン!
ズサズサズサァ! ズダァァァァァァァッッ!!!
最後にダークは剣で踊る様に9連撃の乱舞をスカルリーパーに放ち、トドメの一撃で右斜めに斬り下げる。
スカルリーパー「ギシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!??」
パリィィィィィィィィィィン!
トドメの一撃によりスカルリーパーは悲鳴を上げた後に青緑色のポリゴンになり、砕け散った。
リセイ「ふぅ……終わったな」
ダーク「あぁ……」
アレク「さっきの骨はなんだったんだよ?」
ダーク「あいつは別の世界の存在だ……俺の居た世界から来たものだろう……」
エイジ「それって……君は別の世界から来たのかい?」
ダーク「そうだ……」
アレク「何がどうなってんだよ……」
リセイ「事情は俺が説明するから頭貸せよ」
アレク「……分かった」
アレク「なるほどな……」
エイジ「そんな事があったんだ……」
リセイ「だから俺はダークの居た世界に行く為に空間を開いたんだが、そこからさっきの奴が出てきた訳だ」
アレク「面白ぇ……!あんな奴がうじゃうじゃと居るなら俺もやろうじゃねぇか!」
エイジ「僕も行くよ。その世界を救う為にね」
ダーク「変わった奴らだな……」
リセイ「こんな奴らだが根は良い奴だから安心してくれ」
アレク&エイジ「「こんな奴ら言うな!」」
リセイ「とにかく、これでようやく進めるな。もう一度空間を開く」
?「無理ですよ。再度空間を開いても中から魔物が出できますよ」
4人「っ………!?」
ダーク「お前は…………骸…………!」
骸「こうして顔を合わせるのはこれが初めてですが、鏡の中から見ていたのですね」
ダーク「そんな事はどうでもいい……何故お前がここに居る……?」
骸「まぁ僕達は敵対関係でしたし、警戒されるのは当然ですね」
リセイ(何だあいつは………気配は感じなかった筈なのに……いつの間に俺達の背後に……!?)
アレク(一体何処から来やがった……クソッ……心が読めねぇ……いや読めねぇんじゃねぇ……心そのものがねぇんだ……何もんだあいつは………!?)
エイジ(僕も気づかなかった……気配や心音も感じないし…………どうやら彼とは知り合いのようだけど……一体……!?)
骸「初めて会う方も居るので自己紹介でもしておきましょうか。僕は骸と申します。以後お見知りおきを」
3人「……」
チャキ……
リセイ、アレク、エイジの三人はお互いの持つ武器を構え戦闘態勢を取る。
ダーク「骸……お前に一つ聞きたい事がある……」
骸「何でしょうか?」
ダーク「アビスの事だ……あいつには……何か『大切』な存在が居たのか……?」
骸「……………………えぇ、居ましたよ。やはり分かりますか。大切な存在を失った貴方なら」
ダーク「あいつは……以前の俺と同じだ……怒りや憎しみ、悲しみと言った負の感情によって動いている……あいつに何があったんだ……?」
骸「……この際ですからお教え致しましょう。アビス様の過去を……」
骸は右手から水晶を出現させ、それがこの場に居る全員を飲み込んだ。
別作品 深海よりも深いその先に をお読み下さい
骸「以上で彼が深海王者アビス様となった理由です」
4人「…………」
ダークだけでなく、リセイ達も口に出す事が出来なかった。水晶によって見せられたアビスの過去を……
骸「ですが、今のアビス様は邪神によって自我を失っています。今の彼はもう…………」
ダーク「そうか……」
骸「そろそろ本題に入りましょうか。今日此処に来たのは、貴方を迎えに来たんですよ」
ダーク「何……?」
骸「邪神がアビス様と龍牙様に自身の力を分け与えました。それも暴走するほど過剰に。つまり本格的に世界の滅亡が始まります」
4人「っ……!?」
骸「このままではあちらの世界が滅亡してしまいます。もう時間が無いんですよ」
ダーク「ちょっと待て……聞きたい事がある……お前は俺を迎えに来たと言ったそれはどういう事だ……?」
骸「本来なら貴方は消滅していましたが、僕の鎌で生命エネルギーを分け与えました。ですが効果はほんの僅かでしたけど」
ダーク「……何故俺を助けた……?俺とお前は敵の筈だ……なのに何故……?」
骸「僕は元々、龍牙様に造られた機械なんです」
ダーク「父さんが作った……機械だと……!?」
リセイ(あいつが……機械……?)
アレク(道理で心がねぇ訳だ……)
エイジ(機械……か……)
骸「と言っても人間の様に食事をしたり痛覚などがあるのでほぼ人間と変わりありません。サイボーグと認識して貰って構いませんよ。貴方を助けた理由は貴方の父、龍牙様を救って欲しいんです」
ダーク「父さんを……?」
骸「龍牙様は邪神によって強制的に転生させられました。黎斗さんを倒す為に、駒として利用する為に」
ダーク「父さんが……駒……?ふざけるな……」
骸「……邪神の力により心が歪んでいる事によって他人に対する優しさが消え伏せ、黎斗さんの敵は全て排除する。そんな風に変わってしまったんです。だからお願いです。どうか龍牙様を救って下さい」
ダーク「…………」
リセイ「骸って言ったか?話を聞く限りでは、お前はダークの、黎斗の敵だったんだろ?それがいきなり来て救って欲しいだ?虫が良過ぎるんじゃないのか?正直に言って、俺はお前を信用出来ない」
骸「勿論、今まで彼らと敵対していた事は重々承知しています。ですが、このままではアビス様や龍牙様は邪神によって身を滅ぼし、更にはあちらの世界諸共滅亡してしまいます。そうなればもう止める事は出来ません。信用する事が出来ないのは理解出来ます。今此処で僕を倒すと言うならそれでも構いません。ですが、どうかあの方達を……世界を救って下さい……!」
骸は頭を下げ、必死に頼み込んでいた。
ダーク「俺は引き受ける……どちらにせよ……俺はあの世界に帰らなければならない……黎斗やネガ……艦娘……そして父さんを救う為にな……」
骸「ダークさん……」
リセイ「……俺はお前を信用した訳じゃないが、ダークの世界を救う為だ。俺も行く」
アレク「俺もてめぇは信用出来ねぇが、あっちにはさっきみたいな奴がうじゃうじゃ居るんだろ?最近暴れたりねぇんだよ。思う存分暴れさせて貰うぜ!」
エイジ「勿論僕も行くよ。僕達で世界を救えるのなら、僕達に出来る事をやりたい」
骸「皆さん…………ありがとうございます」
ダーク「話はまとまったな……それでどうするんだ……?リセイが空間を開いても結果は同じだと言うなら……どうするつもりだ……?」
骸「それに関しては僕にお任せ下さい。僕は空間を切り裂いて自由に行き来する事が出来ます。造られた存在とは言え邪神の力を持っているので同じ力を持つ僕なら空間のトラップは発動しません」
ダーク「ならば早速開いてくれ……一刻も早く父さん達を止めなければ……」
骸「分かりました。では離れていて下さい」
ガシャン! ズバァァァッ!!
ブォン! ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!
骸の鎌で切り裂いた事によって空間が開き、赤黒い空間ではあるが魔物は出現する事は無かった。
骸「此処から先は邪神の瘴気によって身体が蝕まれますので、僕からちょっとした加護を付与します」
キュイーン……キュイィーン……
リセイ「何だこれ……身体が軽くなったみたいだ」
アレク「これであの空間に入っても大丈夫な奴か」
エイジ「凄い……」
ダーク「抗体のような物か……」
骸「それでは行きましょう」
4人「「「「あぁ……!!」」」」
ブォン!
こうして五人は黎斗達の居る世界に向かっていった。これが後に善意と悪意の戦いが幕を開ける事となる。
その頃、ガイア泊地では……
黎斗「えっと…………ごめん。君達に見せて貰った物も、聞かせて貰った話も、何も思い出せないんだ」
白露「そん……な……」
夕立「提督さん……」
ガイア泊地では黎斗が記憶を失った事により、艦娘達がどうにか記憶を蘇らせようとあらゆる手段で思い出させようとしたが、結果は失敗。もうどうにもならなかった。
如月「司令官……本当に思い出せないの……?」
黎斗「……ごめん」
シロル「くろ…………と……」ポロポロ
−亜空間−
骸「もう間もなく突入出来ますよ!」
アレク「しゃぁっ!思いっきり暴れてやるぜ!」
エイジ「程々にしておきなよ!」
リセイ「エイジの言う通りだ!」
アレク「うるせぇ!」
ダーク「気ままな奴等だな……」
骸「……っ!?皆さん!」
4人「っ!?」
ブォォォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!
突如として赤黒い波動の様な物が四人に襲い掛かったが、難なく回避に成功し、周囲を警戒する。
?「へぇ、やるじゃない。流石は黎斗のお父さんが造った機械ね」
骸「何者ですかっ!?」
ダーク「お前は……まさか……!」
?「初めまして。私は『リナ』。この亜空間のガーディアンと言っておきましょうか」
赤黒い波動を放ったのは黎斗やシロル、ソード、アリスの友人、リナが行く手を阻んでいた。
ダーク「何故……お前が此処に居る……?」
リナ「そんな事はどうだっていいよ。私はこの亜空間を守るだけ。あのお方の意志のままにね」
エイジ「どうやら、彼女を倒さないと先には進めないみたいだね」
アレク「よりによって女かよ……たが、敵ってなら容赦はしねぇ。ぶっ潰してやるよ!」
リセイ「いや待て、あのリナって子の目が黒く濁ってないか?」
ダーク「操られているのか……」
骸「……皆さん、此処は僕が引き受けます。今、時間を掛ける訳にはいきません。先に行って下さい」
ダーク「分かった…………リナを頼んだ……」
骸「えぇ」
リセイ「骸、此処は任せたぞ」
アレク「おい骨!女なんかに負けんじゃねぇぞ!」
エイジ「僕達は先に行くけど、気をつけてね」
ダッ!
リナ「なっ!?行かせない!」
ガキン!
骸「貴方の相手は僕ですよ!」
ダーク「リナ……」
リセイ「あの子を知っているのか」
ダーク「アイツは……黎斗の友だ…………」
リセイ「……そうだったのか。友達を操るなんて……許せないな」
エイジ「……見て!あれが出口じゃないかな!」
アレク「ようやくか……早く暴れてぇ!」
リセイ「本当しょうがない奴だな……っ!?」
バゴォォォォォォォォォォォォォォン!
黎斗達の居る世界に繋がる入口が見えてきた辺りで、四人に謎の爆発が襲い掛かる。
リセイ「くっ……今度はなんだ!?」
?「寸度の所で躱したか!確かに我が主が此処を死守するように命じる筈だ!」
?「敵は黄泉へと誘う。それが我が主の命なり」
四人の前に着物を来た二人の青年が行く手を阻む。一人は二本の鬼の角を持ち、紅蓮の炎を纏う大剣を持った鋭い目つきの青年。もう一人は白銀の狐耳に九つの尻尾、清流の波動を纏った刀を持つ青年が見下すように四人と対峙する。
アレク「誰だてめぇら!」
?「俺の名は伊吹鬼!鬼神にして我が主、イヴィル様の右腕だ!」
?「我が名は犬神。我が主、イヴィル様の左腕なり」
エイジ「イヴィル様? 恐らく邪神の事だろうけど、敵で間違いなさそうだね!」
リセイ「悪いが、力ずくで通させて貰うぞ!」
伊吹鬼「なら俺はお前らと相手してやるよ!うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!」
犬神「我が氷結の地へと誘おう。はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
伊吹鬼と犬神が亜空間を揺るがす程の雄叫びを放つ。すると空間から炎や氷が湧き出す。それが空間の扉となり、やがて吸い込み始める。
アレク「くぅ……!がぁぁぁぁっ!?」
エイジ「アレクッ!うわぁぁぁっ!?」
リセイ「アレクッ!エイジッ!あぁぁぁっ!?」
ダーク「……仕方ない……!リセイ……!」
アレクとエイジの二人は伊吹鬼の創り出した炎の空間に、リセイとダークの二人は犬神の創り出した空間に吸い込まれていった。
−獄炎の間−
アレク「ぐぅ…………なんだ此処は……!?」
エイジ「あ、熱い…………!?」
伊吹鬼「クッハッハッハッハッハッ!此処は俺の闘技場みたいなもんだ!思う存分楽しもうじゃねぇか!行くぞおおぉぁあ!!」
戦闘BGM「煉獄庭園 覇裟羅」
ズダン! ブォォォォォォォォッ!
伊吹鬼は剣を地面に突き刺し、拳を打ち付けて炎を纏った。その後、アレクとエイジに向って突撃する。
エイジ「させないよ!」
ギュィーン! ズドォォンッッ!
対するエイジは超能力でバリアを展開する。しかし伊吹鬼は構う事なくバリアへと拳を振りかぶる。
エイジ「うぅっ……!」
展開したバリアは一瞬で破壊され、その爆風によってエイジは吹き飛ばされた。
アレク「エイジッ!てめぇ!」
ドドドドドッ! ズダンッ!
アレク「うぉぉぉぉぉぉぁぁぁっっっ!!」
アレクは駆け出し、勢い良く灼熱の地面を蹴って伊吹鬼に突撃し、拳を振りかぶる。しかし……
パスッ……
アレク「なっ……!?」
伊吹鬼は人差し指だけでアレクの振りかぶった拳を止めた。
伊吹鬼「おいおい、この程度か? もっと力入れろよゴラァァァァァァァァッッ!!」
バゴォォォォォォォォォォォン!
伊吹鬼の振りかぶった拳が、アレクの肉体に衝撃を与えて吹き飛ばした。
吹き飛ばされたアレクは轟音と共に灼熱の地面に落ちた。
アレク「ぐっ……がはっ……」
エイジ「ア……アレク……」
アレクは血を吐き出し、エイジは地面に倒れたまま彼に手を伸ばす。
伊吹鬼「んだよ、この程度で倒れるなんてよ。所詮人間如きが俺に勝てる訳もないか。イヴィル様は心配性だな」
嘲笑う様に二人の前に立ち、つまらなそうに剣を抜き、引きずりながら二人に向って歩き出す。
伊吹鬼「まぁいい。此処で終わらせてやるよ。じゃあな。下等生物が」
ブゥゥゥンッ!
伊吹鬼はアレクの前に立ち、剣を振り上げる。そして、振り下ろした。
ガシッ!
しかし振り下ろされた剣は、アレクが真剣白刃取りをした事によって防がれた。
伊吹鬼「あ?」
アレク「勝手に終わらせるんじゃねぇよ……俺はまだ……戦える……!」
伊吹鬼「はっ!そんな体で何が出来る!お前がこの俺に勝てるとでも思ってんのか!」
グググッ!
アレク「ぐ……ぅ……!」
伊吹鬼は剣に力を入れ、アレクは押し出されそうになる。
ガシッ!
その時、エイジが伊吹鬼の剣を掴み、押し出されるのを防ぐ。
エイジ「僕も居る事を忘れないで欲しいかな……!君を倒すのは僕達だ……!」
伊吹鬼「ふんっ、一人二人居た所で、お前らは俺には勝てねぇよ!」
エイジ「いや、僕達は負けない……!絶対に……!そうだろう、アレク……!」
アレク「……あぁ。俺は、俺達は負けねぇ。生きている限り、俺達はてめぇなんかに負けて、たまるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」
ググググググッ!
伊吹鬼「ば、馬鹿なっ!?体力は消耗している筈だ!何処にそんな力がっ!?」
アレク「俺達を、ナメるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
ググググググッ! ドドォォォォォォォンッ!
二人は逆に伊吹鬼の大剣を押し出し、危機的状況を回避した。
伊吹鬼「……へっ、やるな!たかが人間にこんな力があるとは……。ますます面白くなってきたじゃねぇか!」
更に闘争心を増した伊吹鬼は大剣を投げ飛ばし、力を溜めるような動作をする。体全体に煉獄のオーラを放ち、二本の鬼の角が更に伸びた。
伊吹鬼「行くぞおおぉぁあ!!」
ズダン! ゴオォォォォォォォォッッ!
アレク「やってやるぜおらぁあああぁぁっ!!」
ズドドドドドドドドドォ!
伊吹鬼の煉獄の拳とアレクの拳の打ち合いが空間全体を揺るがし、歪み始めている。
エイジ「はっ!」
ヒュイィーン!
一瞬で伊吹鬼の背後を取ったエイジは手刀の型をとり、冷気を纏わせた刃で斬りかかる。
伊吹鬼「ちぃっ!」
それに対抗し、伊吹鬼は足に炎を纏わせ、後ろ蹴りで防御した。
ドゴォォォッッ!
エイジ「うっ……!」
アレク「ぐっ……!」
防御の体制を取っていた伊吹鬼は体を捻らせ、蹴りをエイジとアレクの二人に喰らわせて吹き飛ばす。
伊吹鬼「うおぉぉぁぁあらぁぁぁぁぁっっ!!」
ドドドドドドォォォォッッッ!!
その隙に地面から片手で大剣を引き抜き、二人に向って駆け出す。そして横薙を繰り出した。
アレク「負けるかぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
エイジ「はぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
ガギィィィィィィィィィィンンッッッ!!
吹き飛ばされたアレクとエイジは地面にうまく着地し、アレクは刀を創り出し、エイジは冷気を纏わせた手刀で伊吹鬼の大剣と打ち合う。
ガギギギギギギギィィィィィィィ!!
ギギギギギギィィ! ピキピキィ!
伊吹鬼「なっ……!?」
長く打ち合っていた伊吹鬼の大剣にヒビが入り、刃がボロボロと割れ始める。
伊吹鬼「馬鹿なっ……!こんな事が……!」
エイジ「君の武器は悲鳴を上げているみたいだね……! そろそろ終わらせるよ……!」
アレク「いい加減倒されやがれ角野郎……!」
伊吹鬼「認めない……!こんな事は認めんぞ……!俺が……俺が人間如きにぃぃぃ……!」
ピキピキィ! バリィィィィィィィィンッッ!
アレク&エイジ「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
ズバァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!!
伊吹鬼「がっ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!」
ドガァァァァァァァァァァァァァッッッン!!
二人の斬撃は大剣を破壊し、伊吹鬼を真っ二つに切断し、切断された伊吹鬼は叫び声と共に爆発四散していった。
エイジ「……僕らの勝ちだ」
アレク「……あぁ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
伊吹鬼が倒された事により、獄炎の間の空間が崩壊し始めていた。
エイジ「っ!?急いで此処から出よう!」
アレク「っ!そうだな!」
−氷華の間−
リセイ「此処は…………一体……!?」
ダーク「大丈夫か……?」
リセイ「あ、あぁ……それにしても、此処は寒過ぎるぞ……北極や南極なんか比じゃないくらいに……!」
犬神「ふん、所詮人間。この犬神がイヴィル様に代わり、黄泉の国へと誘ってやろうぞ!」
戦闘BGM「結界師 鳥森妖奇談 ボスバトル」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!
犬神は刀に氷結を纏わせ、神々しく光を放つ。その光が二人を襲った。
シュバッ!
ヒュンッ!
ダークとリセイは左右に別れて光を回避する。
装備『真飛竜刀【双獄炎】』
ガチャン!
チャキ!
ダダダダッ!
ダークは最終強化されたリオレウスとリオレイアの太刀を、リセイは刀を装備して犬神の元へと駆け出す。
リセイ「せやぁっ!」
ダーク「ふっ……!」
ガギィィイィィィィンッッ!
犬神「ほう、それなりの力はあるようだな」
氷結を纏わせた刀で二人の攻撃を防御した犬神は、それだけ言うと眼光をギラギラさせる。
「「っ……!?」」
シュバッ!
シュンッ!
ギュイギュイギュイギュイィィィィィッッ!
犬神の眼光がギラギラさせた事で二人は瞬時に後方に飛び退く。その数秒後に下から氷の針が無数に突き上がった。
リセイ「危なかった……!後一歩遅れていたら……」
ダーク「口より先に手を動かした方が良い……奴は危険だ……」
リセイ「あぁ、そうだな!」
ダダダダッ!
ジャキン! ジャキン!
ガギィンガギィン! ガギィン!
ガギィィン! シュバッ!
犬神「ふっ!」
ザクッ! ゴチゴチゴチゴチゴチィィィ!
犬神は刀を地面に突き刺すと、氷の針がランダムで突き上がる。
ズザァァァッッ!
リセイ「くっ……!」
ダーク「リセイッ……!」
氷の針がリセイの腕をかすり、彼の腕が徐々に凍り始める。
犬神「我が氷結の槍は一度触れれば最後、触れた者の全てを凍結させ、黄泉の国へと誘う。そこらの火や炎で溶かす事は出来ぬ。そのまま我が氷結によって朽ち果てよ!」
ダーク「ならばっ……!」
ゴオォォォォォォォォォォ……!
シュウゥゥゥゥゥゥ……!
ダークは太刀を使って凍ったリセイの腕に近づけた。すると氷が徐々に溶け始めた。
犬神「あ、有り得ぬ……!我が氷結がそんな炎で……!?」
リセイ「ダーク……」
ダーク「俺のこの太刀は火属性最強の太刀だ……。俺達は……お前と相手している暇はない……!」
ジャキン!
ダーク「行くぞリセイ……!」
リセイ「っ……!あぁ!」
チャキ!
シュバッ!
シュンッ!
ダーク&リセイ「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」
犬神「人間が我と対峙するなど、愚か者がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」
ギュンッ!
ガギィィイィィィィィィィィィィィィン!
ガキンガキン! ガガガガガ!
リセイ「でぇえやっ!」
ズバァァッ!
犬神「ぎぃゃっ……!?」
ダーク「せぇいやっ……!」
ズザァッッ!
犬神「がぁっ……!?」
二人の攻撃が犬神の力量を越え、ダークが攻撃を防御し、リセイが犬神の腹部を切り裂き、次にダークが犬神の刀を飛ばし、腕に斬撃を加えた。
犬神「き、貴様らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
リセイ「これで終わりだ!」
ヒュゥゥゥゥゥゥ……!
怒りのあまり攻撃が単調になっている犬神は、なんの構えもなく二人に突進する。それを見切り、リセイが刀を素速く抜刀。
犬神「がっ……ぁ……あぁぁぁぁぁぁっ!!」
最早体力の無い犬神は最後の力を振り絞り、目の前に現れたダークを見て刀を持ち、彼に迫る。
ダーク「狩技発動……『鏡花の構えⅢ』……!」」
ヒュゥゥゥ……!
ズシャャャャャャャャャャャャャャャャャャャャャャャャャャャャャャャッッッッッッ!!!
ダークは太刀を構え、犬神の刀が迫りくる直後にカウンターを放ち、最後の一太刀を犬神に向けて斬り放った。
犬神「……ぁ……ぁぁ……」
ドガァァァァァァァァァァァァァッッッン!!
呻き声と共に犬神は地面に倒れ、爆発四散していった。
リセイ「……案外、呆気なかったな」
ダーク「あぁ……そうだな……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
犬神が倒された事により、氷華の間の空間が崩壊し始めていた。
リセイ「っ!?不味いな……空間が崩壊し始めている……!」
ダーク「先を急ぐか……!」
リセイ「あぁ、勿論だ!」
シュバッ!
めっちゃ続きが気になります!
更新が待ち遠しいです!
頑張ってください!