トラブルから始まった幸せ
着任早々大湊警備府に転属になった若葉を待っていたのは変わり者の提督だった,,,
キャラブレないようにするの大変,,,色々とおかしいところがあると思いますが初投稿に免じて許して下さい。
できればコメントもお願いします。
ープロローグー
私が発見されたのは、近くにあった鎮守府の正面海域だった。
その時会った艦隊の面々は駆逐艦ばかりだったが、初対面でも理解出来る程に彼女達は高練度で
これからそんな艦娘ばかりであろう鎮守府で暮らす事に、一抹の不安を感じながら私は彼女らの鎮守府へと向かった。
ー変遷ー
響と名乗る艦娘(周囲からはヴェールヌイとも呼ばれていたが)に案内され執務室へ向かうと、突き当たりに大きな扉が見えてくる。
響「司令官、新しく来た子だよ」コンコン ガチャ
舞鶴提督「私が此処の提督だ。君は?」
若葉「若葉だ」
舞鶴提督「若葉か、これからよろしくな」(難しそうな子だな,,,」
響「口に出てるよ、司令官」
此処、舞鶴鎮守府の提督だと名乗った男はピシッとした制服に短く刈った髪、精悍とした顔つきの如何にもな職業軍人だった。
配下の艦娘達にも好かれているらしい。指揮官としても有能だろう。
上官として不足は無い,,,そんな事を考えていた矢先、執務机の上の電話が鳴る。 ガチャ
舞鶴提督「私だ,,,どうした、欠員?そんな事があるのか?(チラッ),,,分かった、こっちで手配する、後でまたかける」
「欠員」そう聞こえた瞬間嫌な予感がした。私は此処の新参者、現状は戦力でもない状態だ。そして電話の相手と話しながら横目に私を
見た舞鶴提督。隣の響が何か言おうとしたが、その前に彼が切り出した。
舞鶴提督「あー若葉,,,私と同じ提督の友人から連絡が来てな,,,単刀直入に言うと、着任したというのに初期艦が居ないらしい。大本営
の手違いらしいが,,,偉いさんは、こちらでは用意出来ないから他の鎮守府から貰えとの事らしい」
当たった。昔からあまり運には恵まれなかった気がするが、それがこんなところで作用するとは。
その後の事はうろ覚えだ。私は予想通り急遽転属となり、転属先は大湊警備府と伝えられた。大湊といえば青森の下北半島陸奥湾に面する
むつ市の港町だ。北方戦線に従事していた関係上寒い土地には慣れているが、舞鶴鎮守府は京都にある,,,片道旅行レベルの距離だ。
向こうの指揮官が有能であることを願ってヘリに乗り込む。此処の艦娘達と殆ど話していなかったのは幸運だ、未練は無い方がいい。
響「,,,本当によかったのかい?」
舞鶴提督「良いも悪いも、あいつなら大丈夫だと思うぞ、変わり者だけど」
響「初期艦が居ないって言ってたけれど、偶然だと思う?」
舞鶴提督「どうせ元帥の嫌がらせだろうなあ、あの事をまだ根に持ってるんだろ」
響「まったく,,,君には苦労させられてばかりだね」
舞鶴提督「こっちはそれ以上に毎夜苦労させられてるけどな」
響「ふふっ,,,今日は寝かせないよ」
舞鶴提督「夕張に精力剤頼んどくか,,,]
イチャイチャ,,,
提督「あいつ後でかけるっていってたよな,,,?]
ー邂逅ー
提督「各施設のチェックも済んで一段落したところで,,,っと、ヘリはいつ着くんだろうな?着任早々初期艦は愚か大淀さえ居ないとはな,,,
陰湿な嫌がらせが好きだよなーほんとあのじじいは,,,」
バラバラバラ,,,
提督「着いたか、それじゃ迎えにいきますかね」
提督「おーい,,,って護衛とかいないのか?」
若葉「急な事で用意出来なかったと聞かされたぞ」
提督「うおっと、名前訊いていいか?」
若葉「若葉だ」
提督「若葉,,,な。じゃ、中入るか若葉」
若葉「ああ」(ノリが軽いな,,,大丈夫なんだろうか)
提督「ノリが軽いなこいつって顔してるな」
若葉「えっ?い、いやそんな事は思って,,,」
提督「こればっかは直せんからな、まあその内慣れるだろ」
舞鶴の提督が言っていたのはこういう事か,,,。
ー執務室ー
提督「さて若葉、とりあえず自己紹介から、俺が此処、大湊警備府の提督だ。舞鶴のとは古い友達でな、今回の一件でも頼りにさせて
もらった。で、此処の現状説明をすると通常最初に支給される筈の資材が一っっっ切ない」
若葉「!?」
提督「大淀も居ない!」
若葉「!!??」
提督「食堂も俺の部屋も無い!!」
若葉「!!??,,,?]
提督「あと工廠が最低限の機能しかつかえません!!!]
若葉「それを先に言ってくれ!」
提督「まあこんな感じだ」
若葉(何なんだこの人,,,」
切り替えの速さについていけない。
提督「口に出てるぞオイ」
提督「資材はどうしようもないから今は保留だ。最重要問題は食堂と若葉の部屋だな」
若葉「私の部屋がどうしたんだ?」
提督「艦娘の宿舎を見てきたんだがかなり老朽化しててな,,,おまけに部屋の中は何もなかった」
若葉「つまり建物はあるがとても使えるような状態ではないということか。私は構わないが」
提督には強がりと捉えられるかもしれないが、本心だ。何なら寝なくてもいいと思っている
提督「アホか若葉をそんな所で寝かせられるか。けど部屋が無いからその場合はここで寝てもらうことになる」
了承されないのは想定内だが、執務室でと言ってくるのは想定外だった。何を考えているんだこの人は。
若葉「執務室でか?提督は何処で寝るんだ」
提督「通信室でも使うさ。俺の部屋無いしな」
若葉「そうか」
提督「一緒に寝ようとは言ってくれないんだなー残念」
若葉「言うわけ無いだろう」
そうは言ったが少し心配ではある。体調を崩されては艦隊の運営に支障が出る。(とても艦隊と呼べる状態ではないが)
提督「若葉の部屋問題が解決したということで次は食堂だな、衣食住の食に当る大切な要素だ」
若葉「言い方が胡散臭いな、本当はどうなんだ」
提督「適当でもいいだろ」
若葉「ほれみろ」
やはりこういう人だ。
提督「けど初対面の時よりよく喋るようになったな、いい傾向だ」
若葉「ッッ!その為にわざとふざけていたのか?」
提督「いーやこれが素だ」
若葉「ふっ、本当に変わった人だな」
提督「よく言われる。じゃ、まず食堂を建てるには資材が必要ってのは解るよな?で今は資材が無いから無理、よって保留
。ということで若葉が来る前に色々買っておいたから車から降ろすの手伝ってくれ。
若葉「どういうことか解らないが用意がいいな」
提督「実は此処に来たのは二日前でな、その間色々やってたわけだ」
若葉「寝床はどうしていたんだ?」
提督「執務室でごろ寝」
若葉「,,,」
まさかそんな事を言うとは思わなかった。
提督「どうした?若葉」
若葉(私が着任する前から提督は苦労していたのか,,,)
提督「おーい?」
若葉「いや、何でも無い。さっさと降ろしてしまおう」
提督「おうよ」
ー荷降ろしを終え、再び執務室ー
提督「あ゛ーやっと終わった,,,若葉もお疲れー」
若葉「何、この程度どうということは無い」
嘘だ。ついそう言ってしまったが疲れた、座りたい。
提督「我慢すんなって、足震えてるぞ」
そう言うと、提督は軽々と私を持ち上げ膝の間に座らせる。普段なら立ち上がって移動しているところだが、
足が言うことを聞かない。それに、このままでもいい気がした。
提督「zzz,,,」 若葉「zzz,,,」
ー起床ー
提督(やってしまった、荷降ろしの疲労で寝てしまったが、普段なら三時間も寝る事は無い。原因は俺の膝の間で寝息を立てている
若葉だ。普段甘えたりしない子だから誰かと一緒に寝て安心したのか、ぐっすり眠っている。しかも好奇心で覗いた寝顔がめちゃ
くちゃ可愛い。誰かの体温を感じられるだけでこんなにも安心するものなのか,,,っと、また寝てしまいそうd,,,,,,寝る!?
ヤバい、衣食に気を取られて住の寝るというところをすっかり忘れていた。寝具が一切無い。若葉が聞いたら「ほれみろ」とか
言いそうだな、とにかく、まだ18,00、いますぐ買いに行けば間に合う,,,しかし、この状況)
脳内闇提督「こんなオイシイ状況逃す手はねえだろ。寝具は明日買いに行けばいいじゃねえか」
脳内光提督「こんな素敵な状況を逃すなんてもったいない。寝具は明日でも大丈夫じゃないですか」
提督(一致しただと!?もう迷うことは無い、寝よう)zzz,,,
ー真夜中ー
若葉「んっ,,,」
背中が暖かい。意識がはっきりしてくると、提督が背中から覆い被さるようにして寝ているのが分かった。包みこまれるような安心感
がある、おかげでぐっすり眠ることができた。それに,,,悪くない。
若葉「ふふっ、提督も疲れていたんだな,,,」
窓の外は暗い。誰が消したのか、執務室の明かりは消えていたが薄らと見えた時計の針は23,30を指していた。
特にすることも無く、改めて今日を振り返ってみる。舞鶴鎮守府の正面海域で発見され、響に案内されて会った提督は
如何にもな職業軍人。これから此処で暮らすのだと思っていたら、急な欠員でこの大湊警備府へ転属になりそこの提督は舞鶴提督の旧友で
相当の変わり者。けれど、仲間のことを第一に考えて大切にしてくれる優しい人。
正直、転属先が大湊警備府と伝えられた時は内心落胆した。「転属になるなら最前線が良かった」と、本気でそう思った。
でも、今日此処に来てからの時間が楽しくなかったと言えば嘘になる。他では考えられないような性格の提督、軍人としては問題かも
しれないが、変わり者故に他の人間には無い魅力がある。自分もそれに魅せられたのかもしれない。これから此処で暮らす中で苦労は
絶えないだろう。それでも、そんな日常を想像すると思わず顔が綻ぶ。こんな顔を見ても、提督は「どうした若葉?」と少しニヤけな
がら訊いてくるのだろう。,,,寝起きでまだ呆けているのかもしれない。夜はまだ長い、明日に備えてもう少し寝ておこう,,,ふふっ。
ー思いがけない事故、そしてー
ー翌朝ー
提督「すまんな若葉、朝食はレトルトカレーだ」
若葉「それしか無いんだから仕方ないだろう」
提督「今日の予定は朝食の後にでも話すとするか」
提督「モグモグ,,,」 若葉「モグモグ,,,」
提督(昨日の若葉可愛かったなあ,,,) 若葉(また昨日みたいにしてもらえるのだろうか,,,)
提督&若葉「,,,」
提督&若葉(何を考えてるのか大体分かるな)
提督「よし、腹ごしらえも出来たところで今日の予定はっと,,,午前中の内に寝具を買いに行って、午後からは生活環境の整備と
あいつへの物乞いだ」
若葉「そのあいつが誰なのか想像に難しくないな」
提督「そういうこと。じゃ、最初は買い物だな」
若葉「私も行くのか?」
提督「そりゃもちろん」
ー某大手家具屋ー
提督「俺こういう所苦手なんだよなあ,,,さっさと終わらせて帰ろー若葉」
若葉「同感だ。早く帰ろう」
提督「げっ,,,若葉、先にこっち行くぞ」
若葉「?寝具から見るんじゃないのか」
提督「いいから,,,(やべ、目会った)」
??「おやあ?まだ午前中だというのに何をしているんですかな?艦隊司令ともあろう人間が」
提督「元帥殿,,,(最悪だ。てか何でお前こそ此処にいんだよ!)」
元帥「何をしているのかと訊いている」
若葉(元帥!?敬礼を,,,)スッ
提督「!」サッ 若葉制し
元帥「何だ、君の艦娘は上官に敬礼も出来んのか」
若葉(敬礼をさせなかった,,,?何故?)
元帥「,,,まあいい、で?此処で何をしている」
提督「見ての通り不足している物の調達ですよ。誰かさんのせいでね」
元帥「ハッ、まあ出来損ないの秘書艦と一緒にせいぜい頑張ることだな」
若葉「キッ」元帥睨み
元帥「何だ?解体してほしいのか?出来損ないが はっはっはっはっは」立ち去り
・・・・・
提督「ああいう奴だ、気にすんな」
若葉「悔しくないのか?提督」
提督「もう慣れっこだ。あんな奴と張り合っても仕方ないしな」
理屈は解る、だが理性では納得できない。
若葉「,,,さっさと済ませて帰るぞ」
ー車中ー
若葉「,,,提督」
提督「詳しい説明は執務室で、だ」
若葉「,,,」
提督(何でこんなことになっちゃったんですかねえ,,,」
若葉(口に出てる,,,)
ー執務室ー
提督「,,,で、一刻も早く聴きたそうな顔だな」お互いにソファー座り
当然だ。提督と元帥の間に感じられた因縁、そもそも最初から妙だった。艦娘の一大拠点とは思えない程杜撰に管理された施設、
支給されない資材、存在すらしていない食堂に明らかに一枚噛んでいる元帥。
気にならない者などいない。
提督「簡単に言うと、俺は元々舞鶴鎮守府の提督だ」
若葉「!」
提督「で、左遷されてこの大湊警備府の提督になった」
若葉「なら、今の舞鶴提督は,,,」
提督「勘違いするなよ?あいつは俺が居なくなった鎮守府を元帥の駒にされないように地位を捨てて提督になったんだ。あいつには頭が
上がらないよ。」
何もかもが予想外だ。二人の仲が悪いだけかと思っていたのに、提督が元舞鶴提督で今の舞鶴提督は地位を捨てて提督になった?
一体何をして左遷された?それに提督が此処に着任したのは今から三日前だ。つまり左遷はつい最近の出来事ということになる、
何も理解出来ない、何も分からない,,,
提督「理解出来ないって顔をしてるな」
誰がこんな事を簡単に理解出来るというのか。
提督「理由は単純だ。若葉が知っているかは知らんが半月前に大規模作戦があってな、その時無理進軍を命じられた俺の艦隊は
敵主力まであと一歩というところまで追い込んだんだが、その時点で大破多数、他も皆中波していてこれ以上の戦闘継続は
轟沈の可能性が極めて高かった。だが大本営からの命令は進軍シ、敵艦隊ヲ撃滅セヨの一点張り」
提督「そこで作戦の成功と艦隊の仲間を天秤にかけた結果、俺は命令違反を起こした」
提督「艦隊の撤退だ」
若葉「!」
提督「まあ最終的に辛くも勝利を収めたわけだが、俺達が抜けた穴を埋める為に大本営の艦隊まで出撃する羽目になって、
命令違反とそれによって発生した諸々の物資の消費を国民の血税を無駄遣いしたとして俺は軍法会議にかけられた。
結果は国家反逆罪で無期懲役」
若葉「なっ,,,」
提督「けど判決が言い渡された直後、あいつが彼の責任は直接の上官である私の責任でもあるって言ってな、元帥と交渉した結果
俺は全ての階級と勲章、そして名声の剥奪と既に運用されていない大湊警備府へ転属もとい左遷を言い渡され、あいつは
新米同然の階級で舞鶴鎮守府に着任となった。あいつからは、俺の配下の艦娘を元帥のいいようにさせない為にっって思惑も
あったことを後日聞かされた」
地位を捨てたというのはそういうことだったのか。
若葉「その命令違反は、本当に提督自信の意思によるものなのか?」
提督「鋭いな、命令違反は紛れもなく俺の意思だが、そうなるように仕組んだのは元帥だろうな。
あの時の俺は戦果を挙げて軍内で悪目立ちしていたからあれは何とか俺を失脚させようとした結果なんだろう。出過ぎた杭は
打たれるってわけだ」
若葉「提督と元帥の仲が悪い理由は解った。なら此処の扱いがあまりにも適当なのもそれが理由なのか?」
提督「施設の老朽化とかは此処が長らく運用されていなかったのが原因だが、それ以外は全部元帥の嫌がらせだ」
若葉「元帥は随分と小さい人間なんだな」
提督「若葉も分かってきたな」ニヤリ
提督「さて、これで疑問は解消できたか?」
若葉「ああ。でも何故私にそこまで話してくれたんだ?」
提督「今更気にしてるわけでもないし、若葉にならいいかな、と」
若葉「ッッ///」
提督「,,,どうした?急に俯いて」
若葉「いや、何でも無い。少し嬉しかっただけだ」
提督「?」
若葉(私になら,,,か、悪くない)キラキラ
提督「oh,,,」(これまでで一番嬉しそうな顔してる,,,俺何か言ったっけ?)
提督「ま、身の上話も終わったことだし、次は生活環境の整備だな」
若葉「ああ!なんだってやってやるぞ!!」
提督(キラキラ着くとこうなるのな,,,)
ー寝室ー
提督「まずは寝室の確保だな」
若葉「!」
若葉「ここで上手く誘導すれば,,,」ブツブツ
提督「若葉ー?」
若葉「ひゃいっ!?」ビクッ
提督「若葉はどうしたい?」(すげえ声出たな,,,)
若葉「わ、私,,,か?そうだな,,,」
ど、どうするべきなんだ?本人には言えないがあれ以来提督と一緒に寝た時のことが頭から離れない,,,。正直に一緒に寝てほしいと言う
べきか?それとも我慢をして一人で寝られると答えた方がいいのか?,,,私は,,,。
若葉「わ、私は一人で大丈夫だぞ」
提督「ん、そうか。じゃあどうするかなんだが,,,宿舎の部屋を二つ修理しようと思う」
若葉「修理か,,,それも悪くない」
提督(適当に返された気がする)
提督「で、具体的な案だが,,,今日買ってきた物の中に木の板と壁紙があったが、ここで使う」
若葉「木の板は補強、その上に壁紙ということだな」
提督「そ。他にも色々買ってきたからそれも使ってDIYするぞー」
若葉「おー」
提督(やっぱ適当に返されてる気がする)
ー部屋前ー
提督「やっぱ傷んでんなー,,,」
若葉「骨が折れそうだな」
提督「,,,本当に折るなよ?」
若葉「ものの例えだ」
----------------------------------------------------
提督「そっち持ったかー?」
若葉「いつでもいけるぞ」
提督「せーのっっと」ガタン
ギュイイイイイイイイイイ,,,
提督「ふう,,,これで床の補強はバッチリだな」
若葉「お疲れ様」
提督「おお?初めて若葉から労いの言葉をもらった」
若葉「おかしいか?」
提督「いやもっと言ってほしい」
若葉「,,,/////」キラキラ
提督「その後、キラキラの着いた若葉のお陰で作業は順調に進み、予定より一時間早く作業を終えることができた」
若葉「誰に言っているんだ」
提督「これで問題は一つ片付いたし、物乞いの前に腹ごしらえだな。というか昼食べてなかったのか俺達」
若葉「色々あったから仕方ないな」
提督「どうした?若葉、顔がニヤついてるぞ?」ニヤニヤ
若葉「ッッ//////」
あの夜想像したことが現実になってしまった。
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プルルルルルルルル,,, ガチャ
提督「久しぶり」
舞鶴提督「どうした?もうそこでの生活が嫌になったか?」
提督「んなわけあるか。可愛い秘書艦と上手くやってるよ」
若葉「ッッ///////」
舞鶴提督「若葉だったろ?難しそうな子だったけど」
提督「いや?作業とか手伝ってくれるし寝顔とか特に可愛いぞ」
若葉「ッッ//////// !!」
やはり見られていた。
提督「まあその話は後だ」
若葉「,,,ギュッ」カオマッカ
思わず袖を掴んでしまった。悪くない,,,悪くないのだが、これ以上の褒め殺しは耐えられそうにない。
提督「あー、悪いそれはナシで」
舞鶴提督「で?大方資材が無いから分けてくれとでも言うつもりなんだろ」袖でも掴まれたか? ヒソヒソ
提督「ご明察」そんなところだ ヒソヒソ
舞鶴提督「まあこっちは資材余ってるし、各五千ぐらいいけるぞ」
提督「ホントか!?有難い、初期資材が支給されなくてな」
舞鶴提督「また嫌がらせか,,,いつまで根に持つつもりなんだろうな」
提督「さて、ね,,,」
舞鶴提督「資材は今日中に準備して明日の朝一で送ってやる。昼ごろには着くだr「ヘーイ提督ゥー!!電話の相手ってもしかして提督
デスカー?」ドアバーン!
舞鶴提督「ドアを破るな。あとややこしい」
提督「ははっ、金剛は相変わらずみたいだな」
舞鶴提督「ああ,,,この感じだと最低五人は動向することになるな」 提督ゥー!
提督「お前は来ないのか?」 提督ゥーー!!
舞鶴提督「行けるか。その内休暇でもとってのんびり行かせてもらうよ」 提督ゥーーー!!!
舞鶴提督「ああもうやかましいわ!」 ヒエエ,,,
提督「いつでも来いよー」
ガチャ
若葉「どうだった?」
提督「明日の朝一で送ってやるとのことだ。それと何人か動向してくる様子だった」
若葉「提督のかつての仲間,,,私も会ってみたいな」
あわよくば提督の過去も詳しく訊けるかもしれないしな。
提督「よし、これで今日の予定は終わったな、飯でも作るか」
若葉「,,,大丈夫なのか?」
提督「失敬な、オムソバだけはレシピ無しで作れるぞ」
若葉「カレーは,,,」
提督「チキンカレーは好きだけど普通のはちょっと,,,」
いいことを聞いた。提督はカレーがあまり好きではないが、チキンカレーは好き。悪くない,,,悪くない,,,。キラキラ
提督(最近すぐ発光するなこの子)
提督「じゃあちょっと待っててくれ、すぐできる」
ー十五分後ー
提督「はいよ、お待ち同様」
若葉「,,,本当にすぐだったな」
二人分なのに十五分しか経っていない。,,,本当に大丈夫なんだろか。だが鼻腔をくすぐるこの匂い、それは紛れもなく机の上で湯気を
立てているこのオムソバからきている。それにこの匂いは,,,動いて疲れた身体を、精神を揺さぶる。
提督「言ったろ?レシピ無しで作れるって、レシピ確認する時間が省けるだけでも結構早くなるぞ」
提督は簡単そうに言うがそれだけではここまで早くならないだろう。練習しているのか、やはり適当に,,,ふと昨日会ったばかりの
頃の会話がフラッシュバックする。
提督『次は食堂だな、衣食住の食に当る大切な要素だ』
若葉『言い方が胡散臭いな、本当はどうなんだ』
提督『適当でもいいだろ』
提督『適当でもいいだろ』,,,
提督『適当でもいいだろ』,,,,,
提督『適当でもいいだろ』,,,,,,,
提督『適当でもいいだろ』,,,,,,,,,
提督『適当でもいいだろ』,,,,,,,,,,,
若葉「ダメだな」
提督「ひっでえ!食ってから言えよ」
若葉「そこまで言うなら,,,」口に含み
若葉「,,,」モグモグ
「,,,」モグモグモグ
若葉「,,,負けた」
悔しいが、認めざるをえない。
提督「な?」ニヤニヤ
若葉「たった十五分でこれだけの物を二人分も,,,どうやって?」
提督「作り方は体で覚えてるからな、調味料の量から焼き時間まで全部体感でやってる」
俄かには信じられないが,,,目の前のオムソバは事実を物語る。
若葉「美味しい」
その反応に満足したのか、提督も自分のオムソバに手をつける,,,
若葉「,,,大きくないか?」
提督「どこでそんな知識身に付けた?,,,って冗談だ、冗談。俺のは確かに若葉のより大きく作ってあるぞ」
若葉「何故だ?」
提督「そりゃお前、若葉がどれくらい食べるのかまだ把握できてないし」
嘘をついている眼だ。私の反応を楽しんでいる。
提督「まあそうなる可能性も考慮して,,,」
いそいそと簡易キッチンへ向かい、戻ってきた提督の手にはまだ湯気を立てているが食べごろに熱のとれた三つめのオムソバ。
用意してくれていたのだ。しかし、
若葉「私が足りないと言わなかったらどうするつもりだったんだ?」
そもそも、足りないとすら言っていないのだ。提督のオムソバの方が大きくないか、と言っただけで考えていることを読まれてしまった。
提督(顔に出てるんだよなあ)「その時は刻んで次の料理に混ぜるつもりだった」
この人には敵わない、出会った二日目にして思い知らされた。
ー入浴ー
提督「ふう,,,肉体労働の後に入る風呂は格別ってね」ザパーン
若葉「全くその通りだな」スイー
提督「くぁwせdrrftgyふじこlp!!??」
若葉「どうした提督、顔が赤いぞ」
提督「いや何違和感無く入ってきてんだよ、というか今どっから出てきた?」カアアア,,,
若葉「ずっと向かいの所に居たんだが」
提督「まじか,,,無駄に広いんだよなこの風呂、他は全然なのにここだけしっかりしてるし本当に何考えてんだあのじじいは」
若葉「そういうところは変わらないな、まあゆっくり入浴ができるならそれでいだろう」
提督「まさか若葉に言い包められる日がくるとは」
若葉「私もやられっぱなしでは不満だからな、ささやかな仕返しだ」
提督「ははっ、それにしてもたった二日で若葉も随分柔らかくなったな」
若葉「そうか?そこまで変わっていないと思うが」
二度目の嘘、此処に来た時と今では提督に対する評価も抱く感情もまるで違う。今考えていることも提督にはお見通しなのだろうか、
そんなことを考えてしまう程に私は急速にこの人に惹かれている。,,,自分でも理解出来ない程に。
提督(やべえこうなることなんか全く予想してなかった、タオル持ってきてよかったけど問題の解決にはなってねえ。どうする?
流石に若葉にその気は無いと願って平静を装うか?それとも適当に理由つけていますぐ上がるべきなのか!?)
若葉(私はこの感情を上手く理解出来ない。だが、ここで一歩踏み込めば何か掴める気がする,,,私はこの感情を理解したい)
提督(うん、これ以上は無理。上がろう)
提督「ザバアッ」 若葉「提と,,,」
提督&若葉「えっ」
最悪だ。一回目なら勢いに任せて言うことも出来る。しかし、二回目は一筋縄ではいかない。それが意を決しての一言なら、尚更のこと。
提督(あ、ヤバい。急に風呂から上がると貧血起こすってこと忘れてた,,,。視界が,,,,,狭,,,,く,,,)バタッ
若葉「!?提督?提督?」ユサユサ
若葉(意識が無い!?心肺停止は起こしてない、倒れる前、額を押さえて平衡感覚を失っていたということは貧血!?
ならまず脱衣所に運んで頭より足を高くして脳に血液を,,,後は安静にしていれば大丈夫,,,そう、大丈夫,,,,,)
思い切って相談してみようとしたのが、こんな方向に転ぶだなんて思わなかった。
----------------------------------------------------
提督(ん,,,身体がだるい、腹が苦しい,,,。目を,,,)
提督「ここは,,,脱衣所か。そうか、昨日の夜、急いで風呂から上がろうとして貧血を起こして、若葉が手当てしてくれたのか,,,
涙まで流して、よっぽど心配してくれてたんだな。腹が苦しかったのは若葉が上で寝てたからみたいだな」
提督「,,,」
提督「有難うな、若葉」頭撫で
若葉「ふふっ、悪くない,,,悪くない,,,,,」スー、スー、
提督「ッッ///」カアアア,,,
提督「今度は若葉に二度も赤面させられるとはな,,,これじゃやられっぱなしだ。時計は,,,05,00。また変な形で日を跨いだな。
今日は金剛達が来るまで出来ることもすることも無いし、若葉が起きるまでこのままでもいいか」
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若葉「ふあ,,,」頭撫でられ
頭に暖かいものを感じて、目が覚めた。
若葉「,,,!?提督、もう大丈夫なのか?」
提督「ああ。心配かけたな、若葉 ,,,?」
若葉「グスッ,,,」
提督「若葉,,,?」
若葉「提督が、ていとくが無事でよがっだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」抱きつき
若葉「うぁ、うぁぁ、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!よがっだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
提督(そうか,,,見た目以上に想われてたんだな、俺)背中さすり
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若葉「グスッ,,,」
提督「,,,落ち着いたか?」
若葉「ああ,,,情けないところを見せてしまった」目真っ赤
つい泣いてしまった、それも思いっ切り。だが、本当に提督が目を覚ますのか心配で心配で、目を覚ましたことが本当に嬉しかったのだ。
提督「いや、若葉が俺のことを心配してくれてたのはよく伝わったし、素の若葉が見られてよかった」
若葉「,,,どう思った?」
もし万が一嫌われたりしないだろうか。
提督「普段から素でもいいんだぞ?」
若葉「,,,本当か?」
提督「こんなところで嘘はつかん」
そう言い切った提督の眼は、いつもの何処を見ているでもないような眼ではなく、どんなことでも受け入れてやるという強固な意志と
覚悟のこもった眼だった。〈目は口ほどにものを言う〉とはよく言ったものだ。
若葉「そうか,,,そうだな,,,,そういうところは、本当に変わらないなっ!」抱きつき
提督「うおわっ!?」
若葉「隠さなくていいんだろう?」
提督「あ、ああ,,,」
そうだ、隠さなくていい。この人は受け入れてくれる、本当の私を、私の想いを。
ずっと感じていた違和感を、どうしても自分だけでは理解できなかったことを。やっと理解できた。
若葉「提督、私は,,,,, あなたが好きだ」
ーその後ー
金剛「ヘーイ提督ゥー!あなたの愛しの金剛がやって来ましt,,,」ドアバーン!
提督&若葉「んっー」
金剛「あうう,,,」プスプス
加古「金剛さん撃沈!」
ナンダッテー!? イッタイナニガ? ヒエエエ,,,,, レディーニマカセナサイ!
提督「これからまた忙しくなるな」
若葉「此処を立て直して、仲間を増やさないとな」
提督「相当骨が折れそうだな」
若葉「,,,本当に折るなよ?」
提督「ものの例えだ」
End?[link_sstoko: SS投稿速報作品URL ]
[link_ssmatome: SSまとめ速報作品URL ]
警備府か鎮守府、どっちで書くか悩んだ挙句「此処」を多用しました。一体どうすればいいんだ,,。
若葉可愛い
鎮守府>警備府>要港部≠駐満海軍部らしいですねー
若葉は可愛い
舞鶴みたいに、鎮守府→要港部→鎮守府もあるのを思い出したのでこに…
最後になりましたが、若葉が可愛い
コメント有難うございます。
あなたのコメントも踏まえて続編では警備府と書いてみたのですが、
違和感が強くて結局〈此処〉のままになりました。
若葉のssって少ないんですよね,,,。
続編も近日投稿予定ですので、お楽しみに。