提督と○○13
提督と艦娘たちが鎮守府でなんやかやしてるだけのお話です
注意書き
誤字脱字があったらごめんなさい
基本艦娘たちの好感度は高めです
艦娘達は提督の見てるアニメやら何やらに影響されて妙な事をやりだすかもしれません
ちょっと長いかもしれない
13回めになりました
楽しんでいただければ幸いです お目汚しになったらごめんなさい
ネタかぶってたら目も当てられませんね
設定とか少し
提督:髪長い・軍服の上から着物羽織ってる
土地神様・まあ色々できる:主兵装:刀
皐月:提督LOVE★x10
秘書艦:主兵装12・7cm連装砲B型改2・4連装酸素魚雷・33号水上電探・etc
睦月:提督LOVE★x7
遠征要員:主兵装:12.7cm連装高角砲(後期型)・3連装酸素魚雷・33号水上電探・ドラム缶・etc
如月:提督LOVE★x10
遠征要員:主兵装:12.7cm連装高角砲(後期型)・3連装酸素魚雷・33号水上電探・ドラム缶・etc
弥生:提督LOVE★x5
対潜艦:主兵装:三式水中探信儀・九三式水中聴音機・三式爆雷・二二号水上電探改・etc
卯月:提督LOVE★x7
防空艦:主兵装:10cm高角砲+高射装置・12cm30連装噴進砲・13号対空電探改・etc
文月:提督LOVE★x6
いーじす艦(かり・主兵装:33号水上電探・13号対空電探改・三式水中探信儀・九三式水中聴音機・etc
長月:提督LOVE★x7
重雷装駆逐艦・主兵装:12.7cm連装高角砲(後期型)・五連装(酸素)魚雷・33号水上電探・etc
菊月:提督LOVE★6
砲戦型・主兵装:12・7cm連装砲★10・33号水上電探・etc
三日月:提督LOVE★x9
夜戦要員・主兵装:12.7cm連装高角砲(後期型)・3連装酸素魚雷・33号水上電探・探照灯・照明弾・etc
望月:提督LOVE★x10
夜戦要員・主兵装:12.7cm連装高角砲(後期型)・3連装酸素魚雷・33号水上電探・探照灯・照明弾・etc
金剛:提督LOVE★x9
高速戦艦・主兵装:46cm三連装砲・46cm三連装砲・徹甲弾・3式弾・32号水上電探・etc
球磨:提督LOVE★x10
火力馬鹿・主兵装::20.3cm(3号)砲・15.5cm三連装副砲・4連装酸素魚雷・32号水上電探・水上観測機・etc
多摩:提督LOVE★x5
元・防空巡洋艦 現・遠征要員・主兵装:15.2cm連装砲・8cm高角砲・14号対空電探・水上観測機・ドラム缶etc
木曾:提督LOVE★x7
重雷装艦(汎用・主兵装:15.5cm三連装副砲・五連装(酸素)魚雷・甲標的・etc
北上:提督LOVE★x8
重雷装艦(ガン積み・主兵装:五連装(酸素)魚雷・艦首(酸素)魚雷・甲標的・etc
大井:提督LOVE★x7
重雷装艦(ガン積み・主兵装:五連装(酸素)魚雷・艦首(酸素)魚雷・甲標的・etc
夕張:提督LOVE★x5
でっかい駆逐艦・主兵装:3式探信儀・3式爆雷・25mm三連装機銃・14号対空電探・etc
瑞鳳:提督LOVE★x6
軽空母・主兵装:彗星12型・流星改・烈風・彩雲・etc
それではこの番組は
睦月「皐月の良いとこ見てみたいっ」
卯月「皐月やるなら今しかないぴょんっ」
皐月「え、ほんとにやらないとダメ?」
文月「まあ、本編じゃやる所無さそうだしね」
弥生「そういう問題なの…」
如月「もしかしたら、新しい自分が見つかるかもよ?」
三日月「それは、ないとおもう…」
望月「いいからやりなよ、進まないじゃんか…」
皐月「それじゃあ…」
皐月「露出狂?くだらん、この姿は艦娘が轟沈しない限界ギリギリの姿、それを俗な価値基準で恥じるなど、
まさに己の小ささの証明、この睦月型5番艦、皐月、艦隊の勝利の為なら、天下に乳房を晒そうと
恥もなければ怯みもない!暁の水平線に1点の曇りなぁし!!」
菊月「おおっ、皐月カッコイイぞっ!」
長月「…ま、おつかれ」
皐月「あーもー恥ずかしいじゃんかさー」
夕張「ま、名前ネタよね…」
瑞鳳「純血着てる皐月か…」
北上「んーこの…」
大井「ただの罰ゲームじゃないの、それ」
球磨「いやいや、提督なら鼻血出すクマ、きっとそう」
提督「ださねーよ」
多摩「我慢しなくてもいいにゃ」
提督「してねーよ」
木曾「なら金剛に着せれば…」
金剛「Why?」
提督「いや、なんか違うだろう…」
金剛「あ、始まるデース」
以上のメンバーでお送りします
↑後「提督と球磨」
ー鎮守府近海・海上ー
皐月「うひゃぁ!?」
ル級の主砲が皐月の頬をかすめ、その後ろで大きな水柱を立てる
皐月「っつぅ!いったいじゃんかさぁ!」
球磨「さーつーきー!ちょっと前に出過ぎクマ!こっちくるクマー!」
皐月「だいじょーぶ、だいじょーぶ。駆逐艦はボクがどうにかするから、後おねがーい」
戦艦ル級1・軽空母・軽巡1・駆逐2
敵艦隊の編成は概ねこんな感じだった
大したことは無いといえばそうだし、場合よっては面倒ってレベル
どうあれ、鎮守府の近くにこんなのが湧いてるのは面白い話ではないのだけれど
皐月「それじゃ、ちょっと可愛がって上げようかな」
そう言って、皐月がさらに前に踏み込んだ
ー
木曾「ったく、あのお転婆が…」
敵陣に突っ込んでいく皐月の背中を見送りながら、木曾がぼやく
多摩「まさか皐月も じゃじゃ馬に言われるとは思ってないはずにゃ」
木曾「誰がじゃじゃ馬だ、誰がっ」
多摩「誰とは言ってないにゃ…キソーには自覚があったようだキソー」
8cm高角砲を構えながら多摩がそんな言葉を返していた
球磨「きーそーっ!!喋ってないで魚雷撃つクマー!魚雷撃たない木曾なんてただの木曾クマー!」
と、そこに球磨の大声が耳に届く
遮る物のない海上では、より一層やかましく聞こえる
木曾「魚雷撃っても、俺は俺だっつーの…ったく」
愚痴を零しながらも木曾が発射態勢を整える
木曾「おい、球磨…別に全部沈めてもかまわねーんだろ?」
球磨・多摩「…」
挑発的な笑みを浮かべる木曾とは裏腹に姉2人は呆れ顔だった
木曾「んだよ?」
球磨・多摩「冗談は格好だけにするクマ(にゃ)…」
格好だけ…眼帯に外套…理由が無ければそういう趣味の人見たいな木曾の衣装
木曾「しゃーっ!見てろよお前らっ!皐月!あたんじゃねーぞっ!」
鎧袖一触とばかりに、木曾が外套を翻し中に仕込んでいた酸素魚雷を一斉に射出した
球磨「さて、多摩…」
多摩「言葉は不要かにゃ…」
多摩の視線の先、その上空。軽空母から発艦した敵艦載機が次々と落とされていた
多摩「…まったく、こういうのは卯月に譲ったつもりだったのに…」
ぼやいていても、その照準は的確に艦載機を海の藻屑に返していた
多摩「球磨、道は開けたにゃ…行くならさっさと」
球磨「当然クマ」
15.5x2+20.3x1,いつもの主砲群を展開して球磨が一気に加速して敵陣に突っ込んでいった
木曾「結局自分も突っ込むんじゃないか…」
多摩「良いから援護する、皐月に怪我でもさせたら提督が発狂するにゃ…」
木曾「球磨は良いのか…って、そうだな、うん」
球磨は良いのかって…そんなの心配するだけ無駄だった
ー
「皐月!あたんじゃねーぞっ!」
駆逐2隻と戦闘中だった皐月の耳にそんな言葉届く
皐月「木曾さん?」
チラリと声の元を確認してみれば木曾が魚雷を射出している所だった
皐月「OK、それなら…魚雷、1番から2番発射だよっ!」
皐月が駆逐艦2隻分の主砲を掻い潜りながら魚雷を射出する
綺麗な雷跡を描き直進する魚雷、そして追撃にと主砲も付け加えた
それに気付いた敵駆逐が回避行動を取ろうと進路を変更する
皐月「そうそう、わざわざ見えるように撃ったんだからさ…」
別に外れるように撃ったつもりは無いけれど
そこに避けてくれるようには撃っていた…そして
程なくして水柱が二つ立ち上る
皐月の攻撃を避けたその先に、木曾の放った魚雷の進路が綺麗に重なった結果だった
皐月「よしっ!」
小さくガッツポーズを取る皐月
皐月「それじゃ、残りはってうわっ!?な、なんなのさっ!?」
残りの敵を探して、辺りを見回していた皐月の直ぐ横を
何かが猛烈な勢いですっ飛んでいった
慌てて視線を向けてみれば、敵の軽巡が横倒しになりながら海上を滑っていた
ついでの砲撃音。その直後、軽巡に砲弾が直撃して火柱があがった
球磨「さーつーきー!ごめんクマー!」
皐月「あ、うん。大丈夫だからー…」
遠くで手を振っている球磨に、手を上げて応える
そして…もう一度軽巡に目を向ける
沈んでいくその姿に、何があったのかと問いたくなった
ー
球磨「いい加減、沈むクマー!!」
球磨とル級
すでに何合の打ち合いを繰り返し未だにケリがつかずにいた
球磨からすれば、敵が堅いし
ル級からすれば当たらない
不毛とも思える打ち合いをただただ繰り返す
皐月「ごめん、遅くなったかな?」
球磨「皐月?丁度いい、ちょっと手伝うクマ」
皐月「うん、魚雷でも撃とうとか?」
球磨「皐月…それはダメクマ…」
皐月「へ?でも、主砲じゃ流石に無理が…」
ガシっと球磨が皐月の肩を掴む
皐月「え、なに?」
球磨「球磨達が魚雷で活躍したら、木曾の出番がなくなるクマ!!ねーちゃんそんな可哀想な事できないクマ!!」
皐月「あ、うん…そう、だね?」
なんか力説された
ー
木曾「…」(←聞こえてる
多摩「木曾。固まってないで、あの置物さっさと沈めるにゃ」
あの置物=軽空母
多摩の対空砲によりすでに艦載機は全損した模様で
しょっぱい火砲を撃ってくる位になっていた
ー
皐月「おっとっとっ」
ル級主砲が皐月を掠める
皐月「そうはいうけど、どうするのさ、このままじゃボクらも危ないって」
球磨「球磨と皐月の攻撃を同じ所にぶつけるクマっ!20.3cm連装砲+12.7cm連装砲で66cm砲!大和の主砲もびっくりクマ!」
皐月「えー…」
その理屈で言えば、46cm3連装砲で138cm分の大和砲のが上になるのだが
とりあえず、お口にチャックをしておく皐月ちゃん
球磨「それじゃー、せーのっで行くクマー」
皐月「はーい」
皐月と球磨、2人が主砲をル級に向けたその直後
皐月「へ?」
球磨「クマ!?」
突然、ル級の足元から水柱が上がる。そして大爆発と共にル級が海に沈んでいった
木曾「よっしゃー!どーだ球磨、俺だってちゃんとやれるんだぜ」
木曾の酸素魚雷がル級に直撃した瞬間だった
球磨「きーそーっ!何やってるクマー!」
木曾「は?」
球磨「あ・れ・は、ねーちゃんの獲物クマー。なに横取りしてるクマー!」
木曾「何かと思えば…そんな所でチンタラしてるからだろーが」
球磨「物事には順序とタイミングがー」
木曾「悪・即・斬に限るだろうがっ」
球磨「もー、怒ったクマ!今からねーちゃんが粛清してやるクマっ!}
木曾「やってみやがれこのバカグマ」
球磨「吠えたな木曾っ。この球磨に、この一番艦にっ!」
木曾「お前こそっ、いつまでも自分が一番とか思ってんじゃねーぞっ。この木曾が、この重雷装艦がっ、引導わたしてやらー!」
面倒臭い姉妹喧嘩が始まった
多摩「皐月、おつかれにゃ…」
皐月「あ、多摩さん。お疲れ様…あれ、どうしようか」
あれ、とは。無論、現在進行形で無駄弾を撃ちあってるバカ二人
多摩「多摩は帰って昼寝の時間…ふわぁぁ」
興味無さそうな多摩があくび一つ零す
皐月「はぁ、しょうが無いんだから…じゃあ…」
2人っきりの戦場に皐月が踏み込み、両者の間に割り込んだ
皐月「二人共ストップだよ…これ以上続けるなら…」
ガチャリと皐月の腕が伸びその主砲が球磨と木曾を捉える
皐月「このボクが、鎮守府秘書艦が…相手になるけど、いいよね?」
針の様な細く、それでいて鋭い殺気が、2人を射すくめその動きを止めた
球磨・木曾「うぐぅ…」
球磨 皐月 木曾。3人が一直線に並び動きが止まる…
球磨「ちっ、ヤメだクマ」
木曾「わーったよ」
皐月「うん。素直な娘は好きだよ、ボクは」
球磨と木曾が艤装を仕舞ったの確認して皐月も主砲を下ろす
皐月「ふぅ…ぃっ…」
皐月が一息つくと、気が抜けたせいか
先ほど頬を掠めた砲弾の傷が急に痛み出す
指で触れてみると軽く血が滲んでいた
皐月「…ま、ちょっとわざとなんだけど…」
ぺろりと血のついた指先を舐めとる
これで司令官に少しは心配して貰えるなら…なんて、ちょっとした独占欲だった
多摩「皐月ーはやく帰るにゃー」
皐月「うんっ、今行くよー」
ー
~回想~
~鎮守府執務室前~
皐月「すぅ…はぁ…」
執務室の扉の前で皐月が大きく深呼吸する
緊張に強ばっていた体が少しは楽になった気がした
初めての鎮守府、初めての艦娘、初めての秘書艦で
初めてづくしの彼女は目が覚めた時からドキドキしっぱなしだった
皐月「よしっ!」
コンコンコン…
気合を入れなおして扉をノックする…
皐月「あれ…」
返事は無い。もう一度扉を叩いてみても相変わらず
試しに扉のノブを回してみれば…
皐月「司令官…はいるよ?」
ゆっくりと扉を開けて皐月が執務室の中に顔だけ覗かせる
きょろきょろと部屋中を見回しても、司令官らしき人の姿はおろか もぬけの殻だった
皐月「あれ…部屋、間違えたかな?」
一旦外にでて部屋のネームプレートを再確認する
皐月「んー…」
何度見たって「執務室」だった
皐月「よ、妖精さんっ!」
妖精「なんぞ?」
仕方ないので、その辺をうろついていた妖精さんを捕まえる
皐月「司令官は?」
妖精「しらぬ?」
妖精「存ぜぬ?」
妖精「分かりませぬ?」
妖精「オゾンより下なら関係ありませぬ」
妖精「鎮守府の中には居るはず」
妖精「引きこもりですからな」
皐月「えー…ち、鎮守府には居るんだよね?」
妖精「おったらいいなぁ」
つまるところ消息不明だった
皐月「もー、しれいかーんっ、どーこーっ」
たっと、皐月が司令官を探して駈け出した
~鎮守府・屋根の上~
「しーれーいかーん…」
提督「あれが、艦娘か…」
自分のことを探しながら敷地内を駈けずり回っている皐月を
提督が屋根の上から眺めていた
提督「外見は人と変わらんのね…深海棲艦みたいなのが来たらどうしようかと思ってたけど…」
ー可愛い艦娘と一緒に悪い深海棲艦をやっつけよう…ー
ふと、どっかでみた一文が頭を過る…
提督「なるほど、確かに可愛い…重畳だな」
金色の髪が、走る少女を追いかけるように、ひょこひょこ揺れているのを眺めながら
そんな事をつぶやいていた
妖精「お会いになりませぬ?」
提督「そのうちね…今はまぁ…」
そう今はまあ…
可愛い娘が自分の事を探しまわっているっていう事実。そのちょっとした愉悦を愉しんでおこうと
提督「ほんと、可愛いなぁ」
妖精「だめだこりゃ…」
ー
~執務室前~
すでに日が傾き始めた頃
皐月が疲れきった顔をして扉の前で膝を抱えて座っていた
ドキドキとかワクワクとか最初にあった期待はすっかり鳴りを潜めている
皐月「はぁ…司令官、どこいっちゃったのさ…」
独り言が物寂しい廊下に消えていく
提督「飼い主に捨てられた子犬みたいな顔ね?」
皐月「べつに…そんな顔してないし…ていうかキミ、誰さ?」
音もなく現れたその人に皐月が怪訝な表情を向ける
自分が今いる廊下、それどころかさっきまで人の気配すらなかった鎮守府に
いきなり現れたそれ
なんか着物羽織ってるし、とても軍人なんて風ではないその人影を怪しまずにはいられなかった
提督「だれってそりゃ…」
提督が羽織っていた着物をずらして階級章を露出させる
2本の黄色のラインに桜の花が一つ、いわゆる少佐の階級章だった
皐月「うわっ!?、ごめんなさいっ…」
皐月が慌てて立ち上がり、気をつけ&敬礼をする
提督「楽にしてどうぞ。見ての通り不良軍人だしな…」
皐月「あ、うん…えと、ボクは睦月型5番艦の皐月だよ、よろしく、ね?司令官」
提督「ん、よろしく皐月。私が提督だ」
ぎこちなく挨拶する皐月と別に気にもしてない提督
皐月「えと、司令官…いままで何処に?」
提督「何処って…可愛い金髪の女の子が、私の事を探しまわってるのが愉しくて眺めていたんだけど?」
皐月「へ?じゃ、じゃあ、なに?」
提督「鎮守府の探検は出来たか?」
提督が悪戯っぽく笑ってみせれば、皐月の肩がわなわなと震えだす
皐月「し、しれいかん…」
提督「ん?」
皐月「見てたんなら、さっさと出てきなよっ!もうっ!いっぱいいっぱい探したんだからなっ!」
怒られた
ー次の日・食堂ー
朝の柔らかな陽の光が食堂内に差し込み
開け放たれた窓からはゆるやかな風が朝特有の肌寒さを運んでいる
そんな中、提督が1人朝食をとっていた
提督「…(むしゃむしゃむしゃ)」
割と無表情に淡々と消費されていくクロワッサンと牛乳
本日5個目のそれにさしかかろうとした所で
皐月「あ、おはよう司令官。ちょっと遅くなったかな?」
提督「ああ、おはよ、皐月。んや、まだ5個目だし…(むしゃむしゃ」
皐月「…たべすぎ」
提督「普通だろ」
皐月が自分の分の朝食を用意してる間に更に3つのアンパンが提督の胃の中に収まることになる
提督「それじゃ、食べながらで良いんで話をしよう。昨日できなかったし」
対面に皐月が座ったの確認して提督が口を開く
皐月「できなかったって、誰のせいさ」
提督「皐月が私の事を見つけられなかったのが悪い」
皐月「ボクのせいにしないでよ」
提督「私のせいでもない。よかったな、悪者はいなかったんだ」
皐月「はぁ…。もう、なんでもいい…」
がっくりと、うなだれる皐月だった
提督「駆逐艦、皐月」
皐月「へ?な、なにさ?」
と、そこへ急に真面目そうな声で呼ばれて、皐月の背中がしゃんと伸びる
提督「まず最初の質問だ」
皐月「う、うん…どうぞ?」
居住まいを正し、皐月が耳を傾ける
提督「駆逐艦ってなに?」
皐月「へ?えーっと…へ?」
あまりにも初歩的な質問に皐月が答えに窮していると
今一度提督が同じ問を繰り返す
提督「駆逐艦ってなぁに?」
皐月「いや、聞こえなかったわけじゃ…」
提督「じゃーこたえてよさー」
皐月「いやだって、そんな事聞かれるとは思わなかったから…」
提督「じゃー3サイズでも聞かせてもらおうか?」
皐月「…司令官、ボク怒るよ?」
皐月が冷めた目線を提督に向けた
提督「おーけーふろいらいん。しかしな、じっさい戦艦と何が違うのか?そもそも駆逐艦も戦艦の一種じゃないの?ってさ」
皐月「はぁ…わかったよ。それじゃあ、今から説明するから、ちゃんと聞いてなよ?」
提督「わーい」(ぱちぱちぱち
ため息一つき、講義を始める皐月だった
ー
皐月「って、訳なんだけど。わかった?」
メガネと白衣を進呈したくなるほど長い説明だった
提督「うん。でっかい艦が戦艦で、ちっちゃい艦が駆逐艦ってのは」
皐月「うん。だめじゃんか、なんとなくそんな気はしてたけどさ…」
提督「いやいや、とりあえず皐月1人じゃど~にもならんってのは理解したよ」
皐月「むっ、その言い方は何か引っかかるけど…まあ、そうかな」
提督「じゃーどうしようか?しばらく私と遊んでおくか」
皐月「そうもいかないって。とりあえず、哨戒…海の様子くらいは見てこないと」
そういって食べ終わった食器を片付けて皐月が席を立つ
提督「待った。食器は私が片付けておくわ」
皐月「いいのかい?」
提督「提督暇なの」
皐月「いや、いろいろ有るでしょ?次の建造とか補給のこととかさ…」
提督「だからさ。皐月が早く返って来てくれないと」
提督がにっこりと微笑みかけた
その笑顔は暗に手伝えと言っていった
皐月「あー…うん。わかった、そうする…」
その意を汲みとって、皐月がやれやれと肩をすくめた
提督「それとこれも…」
皐月「へ?」
提督が皐月の左手を取り、その薬指に銀色の指輪をはめた
皐月「これ…」
提督「それつけてりゃ強くなれるって聞いたけど?」
皐月「それは、そうだけど…こういうのはもっとこう、戦艦の娘とかさ?」
提督「皐月…もう、お前は私のものだ。なんでもいいから、帰って来い」
提督の視線が皐月を見据える
さっきまでの巫山戯ていた空気はなく
ただただ真剣にその言葉の意味を伝えてくる
皐月「うっ…司令官のって…」
ほんのりと皐月の頬が赤く色づく
提督「いらないか?」
皐月「…いる」
皐月が小さく頷いた
提督「じゃ、いってこい待ってるから」
皐月「うん、それじゃあ、行ってきます司令官」
はにかんだ笑顔を向けて皐月が応える
その背中を軽い感じで手を振って提督が見送った
ー
~入渠ドッグ~
皐月「ふわぁ…死ぬかと思ったぁ…」
皐月が湯船に体を沈めると、体から力を抜いた
小さな体にはあちこちに傷が出来ており、満身創痍といった風だった
皐月「はぁ…でも、失敗したなぁ」
ちょっと見て回るつもりが、駆逐艦と戦闘になり、あげく軽巡まで出てきて
皐月「指輪、貰ってなかったら…」
そう考えると少し背筋が寒くなった
左手を持ち上げて薬指にはまったそれを見つめる
皐月「うぅぅ、どうしよう…指輪使っちゃった…」
艦娘の力を飛躍的に増大させはするものの
大なり小なり提督に負担をかけるその力
出来るなら使いたくは無かったけれど…
皐月「んー…ごめんなさい?は、なんか違うような…」
必死に提督への言い訳を考え始める皐月だった
提督「どうした?喜び勇んで飛び出したはいいけど。大破するわ、指輪使うわで、どんな顔して司令官にあったらいいんだろうって顔して?」
皐月「へ…しれい、かん?…うわぁぁっ!?」
声を掛けられて顔向けてみれば提督が隣の入渠ドッグに浸かっていた
なんで、とか、いつから、とか、そんな事をすっ飛ばして皐月が慌てて湯船に体を沈める
皐月「い、いつからそこに…」
提督「皐月の下着が白なのを確認した辺りから」
皐月「し、しろじゃないし…」
提督「なんだ、違うのか…」
皐月「…教えないからね?」
提督「じゃー確認してこよう…」
提督が湯船から出ようと体を持ち上げると
皐月「うわーっ、ちょっとストップストップだめ、だめだからっ!」
皐月が慌てて提督の手を引いて引き止める
提督「いいけど、あんまりはしゃぐと見えるよ?」
皐月「っぅぅぅ…司令官のばかぁぁっ!」
皐月の叫び声がドック中に響き渡った
ー
皐月「で、司令官…いつまでここに居るのさ?」
口がお湯に浸かりそうなほど湯船に体を沈めながら、皐月が口を開く
提督「でも私が先に出たら…」
皐月「う…」
提督「ま、皐月が入渠終わるまで一緒なんじゃない?」
皐月「ろりこん…」
提督「かもね」
ぽつりと呟いた皐月の言葉に、提督があっけらかんと答えた
皐月「…あの、司令官…ごめんね?指輪つかちゃった…」
しばしの沈黙のあと、恐る恐るといった具合の皐月の問いかけ
提督「私は戻って来いって言って、皐月はちゃんと戻ってきた。それでいいじゃない?」
皐月「うん、ありがと司令官」
ー
~回想終わり~
ー入渠ドッグー
皐月「ふぅ…」
皐月がゆったりと湯船で体を伸ばしていると
隣から声をかけられる
提督「おつかれ、皐月」
皐月「司令官…まーた勝手に入ってきて…」
皐月も慣れたものだった
提督「皐月が出撃の度に怪我するのを止めてくれれば考えるけど…」
提督が高速修復剤の中に指を突っ込んで皐月の頬
その、切り傷にすっと塗りこんだ
皐月「いっ…もうちょっと優しくしてよ」
小さな抗議になんて気にも止めずに提督が傷口に塗ったくってると
次第に傷口がふさがっていった
提督「はぁ、もしかしてわざとやってるんじゃないのか?」
皐月「うっ…そんなわけないじゃんか…」
提督「ま、いいけどねぇ…」
地味に顔を背けた皐月に気づかないふりをして提督が湯船に体を伸ばす
ー
「なら、こんど司令官と一緒にお風呂に入りましょうか…」
提督「ん?」
皐月「如月…また、変なコト言ってる…」
壁越し、となりの大浴場からそんな言葉が漏れてくる
提督「…」
皐月「司令官、ダメだからね…」
嫌な予感がして皐月が手を伸ばす…が、それが提督を掴む前にその姿が掻き消えていた
皐月「…しーらないっ」
程なくして大浴場方が騒がしくなる
球磨「…ほんとに行きやがったクマ」
皐月「あ、球磨さん…」
思い出したように皐月が球磨の方へ視線を向ける
球磨「皐月、いちゃつくのは構わないけど、球磨が居るのは忘れないで欲しい。ちょっと悲しくなるクマ」
皐月「別に、いちゃついてなんて…」
球磨「提督、ボク提督に構って欲しくてっ」(きらきらきら
球磨が皐月の真似をしてか妙な声でしゃべりだす
皐月「わーストップストップっ!いってないーそんな事言ってないからっ」
それを皐月が慌てて止に入る
球磨「はぁ…バレてないと思ってるクマ?」
皐月「うっ、それは…まあ、うん…」
球磨「ま、別に良いクマ。提督がロリコンでもなんでも、かまいやしないし」
そう言って球磨が湯船に浸かりなした
皐月「そいや、球磨さんは?恥ずかしかったりしないのかい?」
球磨「恥ずかしい?提督に見られるのが?」
皐月「うん」
球磨「ふんっ、くだらんクマ」
そう一言で切って捨てると、ざっばーんっと湯船から勢い良く立ち上がった
球磨「この球磨型一番艦、提督の目の保養の為ならばっ、天下に乳房を晒そうとも、恥もなければ怯みもないクマ!
我が愛情に、一点の曇りなぁしっ!!」
きーんっと球磨の声がドック内に響く
皐月「いや、それはおかしいとおもうよ」
球磨「クマ」
冷静な皐月の突っ込みに球磨も一つ頷いた
球磨「まあ、でも。提督に見られて困るような体はしてないクマ」
えっへんと、そこそこある胸を張る球磨ちゃんだった
ー大浴場ー
時間は少し戻って
皐月意外の睦月型の面々がお風呂に入っていたそんな頃
卯月「そーいえば、うーちゃん。司令官がお風呂に入っているの、見たこと無いぴょん」
だだっ広いお風呂の中で犬かきしてた卯月がふと動きを止めて、そんな事を口にする
弥生「そういえば、そうかも…」
菊月「夜にでも入ってるんじゃないのか?」
長月「まあ、昼間だと私達と鉢合わせになりかねんからな…」
文月「皐月ならしってるかも?」
睦月「いまは、入渠中だっけ?」
なんとなく皆で壁一枚向こう側の入渠ドックの方へ目を向ける
望月「案外、司令官と一緒だったりしてなぁ…」
三日月「い、いくらなんでも…それは…」
ない、と言い切りたかった三日月だがその絵面が容易に想像出来てしまう辺り…
そして想像してしまった結果、分かりやすいほどに頬を染めていた
望月「みーかーづーきぃ、顔赤くなってるよー?」
三日月「なってませんっ!」
ほっぺたを望月に突っつかれて、ふいと反対側へ顔をそむける三日月だった
如月「なら、こんど司令官と一緒にお風呂に入りましょうか」
ぽんっと両の手をあわせ、名案とばかりに如月がそう提案する
卯月「うーちゃん、賛成でっすっ♪」
菊月「ん?まあ、良いんじゃないか」
睦月「睦月も睦月も~、お背中流してあげるしぃ♪」
文月「しれいかん も、こそこそする事無いのにねぇ」
望月「ま、一人増えたくらいで狭くなるお風呂でもないしねぇ…」
概ね賛成の5人…ではあるが、大半がその手の話に疎い娘だった
弥生「私はちょっと…恥ずかしい」
三日月「…(こくこく)」
こちらが正常な反応でございます
司令官とお風呂…
その言葉になんとなく状況を想像してしまい、二人して必要以上に湯船に体を沈めていた
長月「おい、やめろ。そんな事言ってると、あいつほんとに来るぞ…」
如月「あらあら、珠のお肌がみられちゃう~♪なーんてね?」
長月「はぁ…」
もじもじと自分の体を抱く如月
姉の妙な行動に対してか、予想通りの展開に対してか長月が深い溜息を付いた
提督「うん、たしかに綺麗な肌だな」
如月「ひゃぅっ!?」
すっと、提督の指が如月の背中を刷り上げる
提督「おまけに良い声で鳴いてくれるし…」
提督がにやにやしていた
如月「ちょ、ちょちょちょっとー!?、なんでここに司令官がいるのよっ!」
提督に気付いて如月一気に距離を離す
水中に体を隠しながらなのに随分と機敏な動きだった、さすが艦娘
提督「なんでって…「なら、こんど司令官と一緒にお風呂に入りましょうか」って」
なんか提督が裏声出して如月の真似をしていた、似てはないが
長月「別に呼んだわけではないがなぁ…」
提督「そんなさっさと出ていけだなんて…」
しゅんと肩を落としてみせる司令官
長月「別にそうは言っていないだろう…」
提督「そんな司令官と一緒に入りたいだなんて、長月大胆、きゃっ♪」
気持ち悪いぐらいにもじもじとする提督
長月「そこまでも言ってないっ!…が、ま、来てしまったしな…追い出すのも、あれだろう…」
提督「何だツンデレか?このこの」
長月「やめろっ、近づくんじゃないっ、ひっつくなぁ」
ぬるぬると長月に這いよって提督が長月に引っ付く
菊月「ん…」
長月「ん?どうした、菊月」
菊月「いや、別に…」(←お姉ちゃんっ子
その反対側で菊月が長月に引っ付いていた
提督「ふふ。愛されてるねぇ、長月」
長月「何がだ?ていうか、あんたはいい加減に…」
提督「はいはい」
長月に押されるままに提督がすこし距離をとる
文月「しれいかーん」
文月がいつもの調子で抱きついてこようとしてか、湯船から立ち上がった
三日月「ちょっ、文月!? 立ち上がったら見えちゃうってっ!?」
文月「およよっ」
「慌てて立ち上がった」三日月が文月の肩を抑えて、湯船に戻す
↑これ、重要
弥生「あ…三日月…」
文月「見せられないよっ!」
文月の代わりに立ち上がった三日月。その体、その大事な部分を文月が両手を上げて何とか隠す
三日月「きゃぁっ!?み、みないでぇ~」
そして慌てて湯船に沈む三日月。なんかモグラ叩きみたいだった
提督「ちっ、惜しい」
素直に舌打ちをする提督
長月「惜しいじゃないよ、バカ」
提督「いいもん、長月の見るから」
長月「見せるわけがないだろうっ!」
提督「おっと」
再び擦り寄ってきた提督を裏拳で追い払う長月だった
ー
卯月「司令官っ」
睦月「提督っ」
卯月「うーちゃんがっ」
睦月「睦月がっ」
卯月・睦月「お背中ながしてあげるぴょん(にゃしぃ」
きらりーんっと音がしそうな感じで2人が妙なポーズを決める
提督「おう、定番だね」
卯月「それじゃーこっちに来るぴょーん」
睦月と卯月2人が提督の腕を掴んで引っ張っていった
提督「あーれー」
幼女?少女?に提督が曳航されていった
ー
三日月「うぅ…恥ずかしい…」
弥生「ん、大丈夫。司令官、もう向こう行ったから」
三日月「もうお嫁にいけないぃぃ…」
弥生「そんなこと…」
文月「しれいかん に貰ってもらえば良いんじゃないかな?」
三日月「っぅぅぅ」
それを聞いて何を思ったのか、三日月がお湯の中に顔を突っ込んでしまった
弥生「もう、文月…あんまりからかっちゃ、めっ」
文月「えへへへ…(割と本気だったんだけどなぁ)」
ー
望月「で?如月はなーんでこんな隅っこに居るのさ?」(にやにや
お風呂場の隅っこ、提督から一番遠くなる所で如月が膝を抱えてお湯に埋まっていた
如月「べ、別にいいでしょっ、あなたも向こうにいってなさいな…」
望月「ほら、司令官だぜ?喜べよ、如月姉?」
その時、望月は理解した。自分の姉は責められると弱い方だと
如月「いい、私は良いからっ」
望月「背中流してあげないのか?司令官喜ぶぜぇ?」
如月「定員オーバーでしょう、もう」
実際、すでに両側を卯月と睦月が占領してはいたが…
望月「いや、まだだね。背中が空いてる…体で流してあ・げ・る❤とかしてこいよー」
望月がちょんちょんっと如月の肩を突っつく
如月「あ、あなたは…何処でそんな事覚えて…」
望月「自分の部屋、探してみればいいんじゃない?」
如月「っぅぅ!?み、みたの?ねぇ、あれ見たのぉ!?」
驚きのあまりガクガクと望月の肩を掴み揺さぶる如月、その顔はゆでダコみたいだった
望月「お、おぅ…あるのかよ、ほんとに…あたしゃ自分の姉ちゃんが心配だよ…」
如月「あーもうっ!」
なにか望月は悟ったような目をしていた
そしてそのとき、如月は自分で墓穴を掘り抜いたことに気付いた
できるなら掘り抜いたその穴に飛び込みたい気になるほどに、羞恥で体が焦げていた
如月「どーして、こーなるのよー!」
如月の悲痛な叫びお風呂場に響く
ー
「この球磨型一番艦、提督の目の保養の為ならばっ、天下に乳房を晒そうとも、恥もなければ怯みもないクマ!
我が愛情に、一点の曇りなぁしっ!!」
菊月「ん、球磨か…断言するとは流石だな」(←賞賛
壁一枚挟んだ入渠ドックから妙な叫びが聞こえてきた
提督「…言われる方も、大概恥ずかしいな、これ」
卯月「…さ、流石にうーちゃんも、お外で裸になる度胸はないぴょん…」(←呆れ
睦月「…何という覚悟…球磨殿の提督掛ける思いをみたし…」(←驚嘆
弥生「…球磨さん、すごい…」(←感心
文月「あははははははwwwww」(←爆笑
三日月「…(ぶくぶくぶく」(←潜ってて聞こえてない
望月「もう、どーすんだよ この艦隊…」(←不安
如月「く、球磨さん、そこまで司令官の事…」(←驚愕
長月「頼むから、風呂くらい、静かに入らせてくれ…頼むから…」(←懇願
大事なことなので二回言った長月だった
ー
ー大浴場前ー
提督「ふぅ…」
湯上がりかまたは別の理由で提督がホクホクなっていた
北上「あ、提督じゃん…なんか、ここで見るの初めてかも…」
大井「お疲れ様です、提督」
提督「お、私もここで2人に会うのは初めてだな」
北上「そりゃ、提督が私達を避けてるからでしょーよー」
提督「なんだ、一緒に入りたかったのか?それとも更衣室で鉢合わせでもしたかったか?」
北上「あははは、いいねそれ。ラブコメの王道だ」
大井「ちょっと、提督。北上さんで変な事考えるのやめてもらえません?」
大井が北上を庇うように抱きしめ、提督を白い目で見てきた
提督「考えてないよ、そんなこと」
大井「北上さんの魅力が足りないっていうですか、提督は」
さらにジロリと睨まれた
提督「え、じゃー…ブルマとか水着とか下着とか…」
北上「いやーん、提督のえっちー」
大井「魚雷、撃ちますね」
わざとらしい北上様とは対照的にマジな大井さん
提督「おい、どうしろってんだよ…」
大井「取り敢えず、どいてくれません?そこに立ってられると私達お風呂に入れないわ」
提督「おっと、それは失礼」
言われてみれば入口に真ん前だったのを思い出し提督が横にそれた
大井「それじゃあ、行きましょうか北上さん」
北上「あいあい。それじゃ、提督、覗いちゃだめだよっ」
ぽんっと北上が提督の肩を叩き中に入っていく
大井「ま、どうしてもって言うなら…私で考えれば良いんじゃないですか…それでは」
提督「…」
北上の後に続いて大井が中に入り扉が閉められる
置いていくように呟かれた言葉が提督の頭のなかで反響していた
提督「それこそ、どうすればいいんだよ…」
ー
北上「ふふ、大井っちも言うじゃない?」
服を脱ぎながら北上がそう口にする
大井「別に、北上さんが使われるくらいならってだけです…」
北上「私は別に良いんだけどねぇ…」
大井「そんなこと言うから提督が勘違いするんですぅ」
北上「だから良いって言ってんじゃん」
さっさと服を脱いだ北上が浴室に向かっていく
大井「もうっ、北上さんったら…」
北上「…」
大井「北上さん?」
その後を追うとした大井だったが不意に足を止めた北上に前を塞がれた
北上「提督…お風呂で何してたんだろうねぇ…」
視線の先には睦月型の制服が勢揃いだった
大井「ああ、ロリコンですね。魚雷撃ちましょう」
北上「ま、まあ性癖は人それぞれ…うん、それぞれ」
ー
ー廊下ー
皐月「ふぅ…」
湯上がりの火照った体を冷ますため
ついでに鎮守府内の見回りも兼ねて皐月がその辺をうろついていた
瑞鳳「へーい、皐月。今暇かなー?」
皐月「瑞鳳さん?どうしたのさ?金剛さんの真似?」
瑞鳳「あはは、一回やってみたくって」
皐月「ああ、うん。それは何となく分かる。それで?」
瑞鳳「ちょっと聞きたいことがあってさ?」
皐月「うん、ボクに答えられることなら」
瑞鳳「そ、それじゃあ…皐月は提督と一体どこまで…」
そう言いかけた瑞鳳のその後ろから…
金剛「Hey♪皐月、瑞鳳、今はFree Timeですかー?」
本家が現れた
皐月「あ、金剛さん。こんばんは」
金剛「GoodEvening♪」
夕張「私もいるよー」
ひょっこり金剛の後ろから夕張が顔をだす
皐月「二人とも今からお茶会?」
もはや定番だった
夕張「うん」
金剛「デース、皐月達も一緒に来るデース」
皐月「瑞鳳さん、さっきのお話はみんなと一緒でも?」
瑞鳳「うん、私は良いよ?私はね?」
皐月「ん?」
瑞鳳「…(なるほど、聞こえてなかったのか、ちゃーんす♪皐月ちゃんを公開処刑よっ)」
ニヤつく瑞鳳に皐月が首をかしげていた
ー食堂ー
皐月「さて、二人共ごめん。瑞鳳さんが話があるみたいだから、そっちからで良いかな?」
4人でささっとお茶会の準備を終えて、皐月が最初に口を開く
金剛「OKデース」
夕張「というか、私達も聞いちゃっていい内容なの?」
瑞鳳「へーきへーき。と言うか、2人も気になる内容かもよ?」
夕張・金剛「?」
皐月「もう、さっきからずっとニヤついてるけど、なんなのさ?」
瑞鳳「こほん、それでは」
わざとらしく、瑞鳳が咳払いをして切り出した
瑞鳳「皐月は提督と何処まで行ってるのかなって?」
金剛「…(ああ、Loveの話ですか)」
夕張「…(ああ、恋の話か。瑞鳳って意外と…)」
お茶を楽しみながら、話の成り行きを見守る2人だった
皐月「えーっと、何処って?」
きょとーんとした皐月がそう返していた
瑞鳳「いや、ほら、あるじゃない?AとかBとかCとか…」
夕張「…(瑞鳳ちゃん、表現が古いよ)」
金剛「…(ゆうばり、ゆうばり、ABCってなんです?兵器のお話ですか?)」(ひそひそ
夕張「…(ぷふっ、ちがうちがう。えーっとABCっていうのはね…」(こそこそ
皐月「ん?、そのABCって何さ?」
瑞鳳「だからその…手繋いだりとか、一緒にお風呂入ったりとか…一緒に寝たとか…さ?」
次第に声が小さくなっていく瑞鳳。どことなく赤くなっていた
夕張「…(瑞鳳…意外と子供だったわ)」
金剛「…(おう、瑞鳳はPureデスネ)」
皐月「ああ、そのぐらいだったら」
瑞鳳「そのぐらいっ!?え、なに全部したのっ!?」
皐月「え、あ、うん、まあ…」
ガバっと食いついてくる瑞鳳に皐月が面食らって引いていた
夕張「ああ、でも。その位だったら金剛さんだって、ね?」
金剛「Hey夕張その先はマウスにチャックデース」
夕張が金剛に意味深な笑顔を向ける
瑞鳳「ふぇっ、金剛さんもなの?」
金剛「それはその…そう、若気の至ってやつデース、今はもう大人しいデス」
夕張「違うわ、間違っているぞ金剛」
金剛「ほ、Why?」
ティーカップを傾けていた金剛に夕張がバシっと指先を突きつける
夕張「貴女のそれは、関係が進展して逆に身動きが取れなくなってる女の子のそれよっ」
金剛「うぐっ…な、何故それを、夕張はエスパーですか…」
皐月「あははは、みてれば分かるって」
金剛「チューブが抜けてるデース!なんてこった」
瑞鳳「…」
夕張「どうしたの、瑞鳳?みんな意外と肉食系でびっくりした?」
神妙な顔している瑞鳳に、夕張がからかうような笑みを向ける
瑞鳳「うん、それはまあ、あるけど…そ、それじゃあさ、二人共?」
皐月・金剛「?」
「キスってしたことある?」
ー
ー執務室ー
ぱっぽぅ…
朝、皐月が執務室に入ってすでに数回目の鳩時計の音がなる
皐月「んー、そろそろ起こそうかな」
いい加減日も高くなって来たし、なにより確認してもらわなきゃいけない書類も程よく溜まっていた
皐月「しれいかーん。ほら、そろそろ起きなよ」
皐月が提督の寝てるソファーの側まで近づき、ゆさゆさとその体を揺すってみる
提督「…あと5分」
皐月「ボクはそう言った人が起きたのを見たことがないよ…」
反対側のソファーで眠っている望月しかり、だった
提督「私が…最初の人になるわ…」
皐月「じゃー今起きなよ」
提督「…皐月がちゅーしてくれたら、起きるわ…」
皐月「うっ、ちゅーって…また、そうやってボクの事からかって…」
提督「ふふふふっ、出来ないならおやすみなさーい」
皐月「あ、もう司令官ってば…」
ー「キスってしたことある?」ー
不意に昨日の瑞鳳の問が頭をよぎる
その時は金剛さんと二人して曖昧に誤魔化したけれど…
皐月「…(今なら、いけるのかな)」
提督の寝顔をじっと見つめる皐月
皐月「…」
後ろの望月が気になって、なんとなく視線を送ってみるけど
今のところは寝てるっぽい。いや、聞き耳立ててる可能性は否定は出来ないけど…
けど、それでも…
皐月「…(司令官がしろって言ったんだからな…)」
寝ている提督はおろか、自分ですら聞き逃してしまいそうなほど小さな声で皐月がつぶやく
そして…提督の唇に皐月のそれが軽く触れた
皐月「ほ、ほら…司令官、してあげたんだから、起きてよ…」
皐月の顔が赤くなる。恥ずかしいのもあったろうけれど、どちらかと言えば嬉しそうだった
皐月「司令官?」
提督「…」
しばしの沈黙、その後
ガバっともの凄い勢いで提督が布団を頭からかぶる
ちなみに、布団の中の提督は顔真っ赤です
皐月「ちょっとっ!?」
提督「起きるとは言ったがいつ起きるとは言ってないっ」
皐月「5分後って言ったんじゃんかっ」
提督「まだ5分立ってないしっ」
皐月「はい5分っ、いま5分たったからっ」
提督「そんな適当なの認めるかーっ」
皐月「だれも現在時刻でなんて言ってないだろっ、いいから起きろー」
自棄になった皐月が提督の布団をひっぺがしにかかる
提督「いーやーだー」
皐月「は、初めてだったんだからっ、責任とってよっ」
提督「うるさいっ、ほんとにする奴があるかっ、ムードとタイミング位考えろよっ」
皐月「なに、金剛さん見たいな事いってるんだよっ」
「いい加減に起きろー!」
皐月の抗議が執務室中に響いた…
望月「うるさい…」
望月が頭から布団をかぶり直していた
ー
おしまい
はい、というわけで最後まで読んでくれた方。本当にありがとうございました
貴重な時間が少しでも楽しい物になっていれば幸いです
気付けば2クール目な話数になっていますが自分でもよく続いたと思います、快挙です
これも一重に閲覧して下さる方々のお陰かとおもいます、ありがとうございます
それではこの番組は
三日月「初めて…責任って…」
睦月「ムードとタイミング?金剛さんごっこだし」
如月「あーこれは」
文月「扉を開けたら勘違いってフラグ」
弥生「望月、中に居るんだよね…」
菊月「なんだ、司令官が皐月になにかしたのか?」
長月「知らんでいい、知らんでいい」
菊月「むぅ…」
望月「いつ起きりゃいいんだよ…あたしは…」
夕張「ねー瑞鳳、恋のABCってさ…」
瑞鳳「へ!?そうだったの?わ、わたし、べつにそこまで、は…」
金剛「瑞鳳、可愛いデース」
北上「そっかぁ、提督はロリコンかぁ」
大井「魚雷、今こそ魚雷よっ」
皐月「起きないと…もう、ちゅ、ちゅーしてあげないんだから、な…」
提督「む、それは困る、ひじょーに困る」
木曾「はぁ、次回予告だよ」
多摩「木曾、もうちょっとやる気出すにゃ」
木曾「上の流れから、やる気なんて出るかよ、甘ったるい」
多摩「仕事にゃ、割り切れよ」
木曾「へいへい、次回は俺らの姉貴の予定だとよ」
多摩「鎮守府最初の軽巡にゃ、そして「じゃー全部球磨型でいいだろう」って多摩達が勢揃いが確定した瞬間にゃ」
木曾「それじゃーな、また会おう」
多摩「にゃー」
以上のメンバーでお送りしました
ー
ー以下蛇足に付きー
ー
♪教えて皐月ちゃんのコーナー♪
皐月「艦これ2周年だよ、司令官」
提督「そうだね、私が着任したのはいつだったか」
皐月「最初の夏頃だったような気がする」
提督「じゃ、皐月とあったのもその頃か」
皐月「うん、まあ、そうだね…」
提督「あの頃は皐月も司令官司令官っていつも私の後を…」
皐月「うん、思い出を捏造するのやめようね」
提督「はいはい…」
皐月「さて、今日の解説は妖精さんの扱いとかどうだろう」
提督「良いんじゃない?今回鎮守府でうろついてたし」
皐月「基本的にはその辺に彷徨いてるイメージだね」
提督「ま、座敷童的な英語で言うとブラウニー、お手伝い妖精だな」
皐月「工廠で夕張さんの手伝いしてたり、入渠ドックとかの施設の整備してたりだね」
提督「しゃべり方があれなのは私の趣味。いやあの妖精さんの口調の真似は難しいな」
皐月「お見苦しいものをお見せして申し訳ありません」
提督「こんな所か」
皐月「ん、そうだね」
♪皐月ちゃんラジオ♪
皐月「はい、司令官。休んでる間にもおコメントきてたよ」
提督「今回は?}
皐月「 「クマ姉ちゃんは最強だっぜ」だってさ」
提督「だって、球磨だもん」
皐月「それが理由になるの?」
提督「なるなる、そういうことにしておけ」
皐月「ま、でも。そうは言っても軽巡だからね、ボクも練度高くても駆逐艦だし」
提督「46cm単装砲とかあったら装備できないかな?」
皐月「…イギリスにそんなの乗っけた軽巡が」
提督「あるのかよ…」
皐月「英国面英国面」
提督「こんど作るかうちでも…」
皐月「あははは、まあ程々に?
それじゃーここまで読んでくれてありがとう、またねー」
提督「またなー」
このSSへのコメント