2015-05-04 11:41:23 更新

前書き

アルアニ

悲しい結末
短い


エレン「でだ、二人に相談があるんだよ」


アルミン「相談?」


アニ「なんだい」


エレン「いやぁ、ミカサのことが、その、好きなんだよ…」


アルミン「!?…エレン、熱でもあるのかい?」


アニ「大丈夫?」


エレン「え、真顔やめろ」


アルミン「で、協力してほしいと」


エレン「そうそう」


アニ「仕方ないから乗ってあげる」


エレン「ありがとよ!」


アルミン(エレンが付き合える確率は…)


アルミン(ほとんどない。幼馴染に亀裂が走ることだけ、避けよう)


エレン「軍師アルミン、なんか策はねえか?」


アルミン「え!?うーん、そうだな。こんどの休日に二人で出かけたら?僕らも後を付けるからさ」


アニ「最善の選択ってやつだね」(アルミンと、お出かけ!)


エレン「解った!さっそく誘ってくる」ダッ




休日


エレン「ミカサ、おなかすいてないか?」


ミカサ「特には…」


エレン「じゃ、いつでも言えよ!」


アルミン「うまくいってる、のかなぁ?」


アニ「微妙…」


アニ(今日はいつもよりおしゃれした)


アニ(パーカーが水色だ。アルミン、気づいたかな…)


アルミン「アニ、はいこれ」


アニ「ん、ソフトクリーム?」


アルミン「いや、シャーベットだよ。氷で、上にジャムをかけているんだ。アニがブルーベリーで、僕がイチゴ」


アニ「ありがと」


アルミン「なんの、これくらい!」


エレン「ミカサ、ほら花がきれいだろ?観光地として有名らしいぜ」


ミカサ「…確かに美しい」


アニ「あの女、花に興味あるの?」


アルミン「ヒューヒュー♪(口笛)」


アニ「…もういいわかった」


エレン「こっちがキキョウ、スイセン…と。スイセンって、なんか似合いそうだな」


ミカサ「ありがとう。とてもうれしい」


アルミン「スイセンはダメ」


アニ「何故?」


アルミン「汁に毒があってね、さわると…」


エレン「ぐわっ!かゆいっっ!」


アルミン「…かぶれる」


アニ「あいつは調べもしなかったのか…」





食堂

エレン「はぁ…」


アルミン「お疲れ、エレン」


アニ「あんた、酷すぎ…」


エレン「アルミン~!」


アルミン「はいはい」


アニ「このホモが」


アルミン「ホモじゃない!…エレンはともかく」


エレン「え、ひどくない?」


アニ「今日のあれを見ればこうもなるでしょ」


アルミン「途中から胃が痛かった」


アニ「胃薬飲んだ」


アルミン「下調べくらいしときなよ」


アニ「このままじゃ確率はマイナス100%」


エレン「ごふっ!」


アルミン「もう、あきらめじゃだめ?」


エレン「あきらめて、なるものかー!」


アニ「疲れるんだけど…」


アルミン「今ぐらいあきらめ良くなって」


アニ「ミカサがジャンを好きなことは解ってんだろ…」


エレン「そういえば、二人に好きな人はいないのか!?」


アルミン「話題をそらさない」


エレン「そらしてない!」


アルミン「はぁ。僕は…同じ金髪碧目で、背の小さい子、かなぁ」


アニ(クリスタか。美人だしね。…はぁ)


エレン(クリスタだろうな)


アニ「私は別に」


エレン「名前を、言えよなお前ら」


アニ「お願いしてるのに?」がすっ


エレン「…ごめんなさい」




数ヵ月後

アルミン「告白スポット、ねえ…」


エレン「ああ!ついに告白するときが来た!」


アルミン「僕はストレスで白髪が数本生えてきたんだけど」


エレン「案ずるな!」キリッ


アニ「案じろよ」


アルミン「もういい、あきらめた」


エレン「で、どっかないか?」


アニ「うーん…地獄?」にこっ


エレン「アドバイスするきないだろ。却下!」


アルミン「図書室!」キラキラ


エレン「それはお前が今行きたいところだろ…却下」


アニ「食堂」


エレン「見世物にするきだろ…却下」


アルミン「灯台、とか」(僕が告白するとしたら灯台だな)


エレン「いいかもな!それ」


アルミン「と、エレン。本気でミカサに告白するのかい?」


エレン「?あたりまえだろ」


アルミン「振られたらどうするの?」


エレン「あきらめきれねえよ。またがんばるさ」


アニ「あんた、ホント馬鹿だね…」(アルミンを見てさっしろよ)


エレン「もしかしてアルミンもミカサがすきなのか!?絶対わたさないぞ」


アルアニ 口ポカーン


アルミン「…エレン」


アニ「…あんたさ」


アルアニ「一度死ね」


エレン「え?」


アルミン(考えろ、考えるんだ)


アルミン(二人の仲が普通に、持続する方法を)


アルミン(僕のとりえは考えること)


アルミン(ならばアルミン、そのとりえを生かして考えろ!)


アルミン(いじめから助けてもらった恩返し)


アルミン(僕がするんだ!)


アルミン(はっ!…思いついた)


アルミン がしがしがし


アニ「そんなに頭かいてると、髪の毛がぼさぼさになるよ」


アルミン「!?なにしてるの?」


アニ「とかしてる」(アルミンの金髪ふわふわさらさら)


アルミン「あ、ありがとう///」


エレン「じゃぁ、灯台で告白するぜ!」※進撃の巨人に灯台はありません


アニ「…せいぜい頑張れ」


アニ(どうせアルミンは幼馴染の仲をひきさかないよう、エレンに告白させないはず)


アニ(正解を導くアルミンのことだ、エレンのご飯に薬を入れたりして阻止するだろう)


アニ(はぁ…)


アニ(アルミンアルミンアルミンアルミンアルミン)


アニ(よし、チャージ完了)キリッ


アルミン「はぁ…頑張れ」





灯台

エレン「おい、ミカサ」


ミカサ「何?」


エレン「夕日がきれいだよな」


ミカサの横顔が、きれいなオレンジに染まる。エレンは自分を勇気ずけるがごとく、マフラーをおさえる。


ミカサ「確かに、燃えるような夕日だ。アルミンにも見せたい」


エレン「俺さ…その…」


ミカサ「?」


エレン「昔から…」


中断したのは、テナーよりも高めの声を持つ、金髪の少年だった。


「ずっと前から好きでした。僕と…付き合ってください」


エレン「あ、アルミン!?」


そう。アルミンの考えた策は、これだったのだ。

自らを犠牲とする、残酷な作戦。


ミカサ「申し訳ない、アルミン。私は、ジャンが好き。だから、あなたとは付き合えない」ダッ


走っていくミカサに、アルミンはうなずいた。


アルミン「だってさ、エレン」


エレン「おう。でも、俺は負けないぜ。お前にも、ジャンにも」


去っていくエレンを見て、アルミンは羞恥に顔を赤らめて下を向いた。そして、小さくつぶやいた。

「これで、よかった」と。

金髪は、オレンジ色に染まっていた。




アニ「アルミン!」


アルミン「なんだい、アニ」


アニ「どうして、あんたはいつもいつも!自分を犠牲にするんだい!?」


アニ「それで壊れたら、そこまでの関係だったってだけだ!」


アルミン「嘘でも、空虚でも、殻でも。僕は、二人と仲良くしたい。幼馴染だから」


アニ「それが、本当の理由?」


アニ「あんたの頭脳をもってすれば、もっといい終わりにできたはずだ」


アニ「しなかったのは、あんたが冷静じゃないから」


アルミン「…」


アニ「本当の理由は、恩返しだろう」


アニ「自分は弱くてなんの役にもたたない、犠牲になることしかできない。そんなことを思っているんじゃないのかい」


アルミン「…アニは、観察眼が相変わらず鋭いよね」


アニ「そりゃどうも」


アルミン「僕は、役にたたない。この世界はわかりやすい。残酷の世界…」


アルミン「ならば、弱い僕が食われなくてなんに…」パチン


アルミン「!?」


アニ「悲しむ人たちがいるだろう!エレンやミカサだけじゃなく、私も悲しい!同期もみんな悲しい!」


アニ「これ以上、私を悲しませるな!」


アルミン「ご…ごめんね」


アニ「あんたのことが好きな奴が、どれだけ、どれだけ心に傷を負うか…」


アルミン「…好きな奴?」


アニ「私のことだよ!どうせあんたはクリスタが好きなんだろうけど、でも…」チュッ


アニ「!?」


アルミン「僕は、アニが好きなんだよ。それにね、話には続きがあるんだ」


アニ「続き?」


アルミン「されど、とても美しい、ってね」


アニ「確かに…美しい」


アルミン「こんな僕だけど、よろしくおねがいします」


アニ「こちらこそ…」




エレン「やった!うまくいった!」コソコソ


ミカサ「アルミンを振るときは胸がとても痛んだ…」コソコソ


エレン「あとで、あやまっとこうぜ」


ミカサ「もちろん」






アルミン「僕を…確認した?」


アニ(アルミンくらいなら)


アニ(生かしといても…どうせ死んでしまうのだから)


アルミン「まさか…いやだ…嘘だ…嘘だ!!!」


ジャン「どうしたアルミン」


アルミン「どうして僕の頭は、考えてしまうのだろう…。やはり、この世界は」


アルミン「残酷、なんだ」





エレン巨人「ぐるうぉぉぉ!」びりっ


アニ(アルミンに、ここまで追い詰められるなんて)


アニ(この世界はとても残酷だ)ポロリ


アニ(でも)


アニ(アルミンとの楽しかった思い出は、いつまでも残る)


アニ(私という暗闇を明るくする、光輝く碧い水晶のように)


アニ(あんたの言う通りだ、アルミン)


アニ(されど、とても美しい)ピキピキ


ハンジ「なんだ!?あの結晶は!」


ミカサ「光る青い水晶?」


ジャン「くそ、出てこいよ!卑怯だぞ!」


アルミン(僕は、やっぱりやくたたずだ)


アルミン(恋人も救えず、事実を知ることもできず…)


アルミン(巨人と人間、という名の壁)


アルミン(それが、僕らを断ち切った)


アルミン(なんて…残酷なんだ)


アルミン(でも、アニの作った水晶は)


アルミン(僕らの大切な思い出のようだ)



アルアニ(この世界は)


アルアニ(残酷だ、されど…)


アルアニ(思い出は、とても美しい)


後書き

終了です。
ハッピーエンドも書くかもしれません


このSSへの評価

2件評価されています


SS好きの名無しさんから
2021-03-29 17:51:32

SS好きの名無しさんから
2015-06-19 18:06:20

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