ケッコンカッコカリ オコトワリ オコトワリ
オコトワリ勢をオコトワリしてもいいじゃない
大井「……」トボトボトボ
北上「お、大井っちじゃん。おーい、大井っち~」
大井「北上さん……?うぅ、ぎだがみ"ざぁ~~~ん!!」
北上「ちょ、ちょっと、どうしたのさ大井っち」
大井「私、私……もう駄目みたいです……」
北上「おぉ、これは大分落ち込んでるね~。まずは深呼吸してー。……そうそう、よし。じゃあ、ある程度のことはそこそこに解決出来るかもしれないこの北上さまに相談してみなよ」
大井「はいぃ……グスッ……実は―」
北上「ほうほう」
大井「私にもとうとう異動命令が来ちゃったんです……」
北上「ほ~ん、で?」
大井「なっ!?それだけですか?」
北上「いやまぁ、アタシ達って艦娘な訳だし、一応軍に所属してるからそりゃ異動の話くらいはあるよね~」
大井「そうですけど!正論ですけど!北上さんと会えなくなると思うと、もうご飯も通りませんよ」
北上「! あ~、なるほどねー。ホントにそれだけの理由なのかな~?」
大井「な、なんですか、その目は……。私は本気で悩んでるんですからね!」
北上「まぁまぁ、それで?それって提督から直に聞いたの?」
大井「はい……。今朝、執務室に呼ばれて、その時にこの紙を渡されて異動の話を聞いたんです……」ピラッ
北上「どれどれ…………………………ふ~ん?」
大井「北上さん?」
北上「ねぇ、大井っち、提督に抗議しに行こっか?」
大井「きゅ、急にどうしたんですか?さっきまであんなに適当だったのに」
北上「いいから! 付いてきて!」スタスタスタ
大井「えっ、でもそっちは執務室じゃないですよ」
北上「こういう時は数を連れてった方が効果的だからね。早く来ないと置いてくよ!」スタスタスタ
大井「ま、待ってください」タッタッタッタッタッ
◇
大井「北上さん?ここって天龍さん達の部屋ですよね?」
北上「そうだよ。正確には龍田さんの方に用があるんだけどね」
北上「龍田さ~ん、ちょっと良いかな~?」コンコンコン
天龍『!? 北上か?今はちょっとまずいから後にしてくれ』
北上「ふ~ん。そっちも大変そうだけどさ~?こっちもそんな悠長な事言ってられないんだよね~」ガチャ-
天龍「お、おい、馬鹿!勝手に」
龍田「うえ~ん、提督に見捨てられちゃったわ~。どうすればいいの~?天龍ちゃ~ん」ピエーン
北上「」
大井「」
天龍「はぁ……。だから言っただろ、後にしてくれって。とりあえず龍田、鼻をかめ」
龍田「ちーん」ブー
北上「いや、断りも入れないで入っちゃったのは悪かったけど、こっちだって早めに何とかしないと手遅れになっちゃうからさ」
天龍「大方これの事だろ?」ピラピラ
北上「おー、流石だね。じゃあ私の言いたいことは分かる?」
天龍「まぁ、ここまで露骨にやられるとな?こんなのでも俺の妹だし、何とかしてやりてぇよ」
大井「どういう事です?」
北上「大井っちは自分の事であっぷあっぷだったから気付かなかったんだろうけど、この異動の話でリストアップされてる艦娘達を見て何か共通点があるって思わない?」
大井「えっと、私に龍田さんに……………! これってオコトワリ勢……ですね」
龍田「!! そんな!?天龍ちゃ~ん、やっぱり私、提督に見捨てられたんだわ~」ビエーン
天龍「まだそんな事言ってんのか。こんな事で見捨てる奴なんかこっちから見捨ててやればいいだろ」
龍田「天龍ちゃん?もしかして今、提督の事を悪く言ったのかしらぁ?」ズイッ
天龍「ひっ、言ってない、言ってないっつーの!もしもの話だから!つーか北上達は何しに来たんだよ、茶化しに来たんならもう帰ってくれよ!」
北上「違うって。ちょっと力を貸して欲しいだけなんだってば」
天龍「力?貸して欲しいのはこっちだよ!ほら、龍田。鼻ちーんしろ」
龍田「ちーん」ブー
北上「一緒に提督の所に来てほしいだけなんだってば~」
天龍「抗議にでも行くのか?」
北上「そうだよ。2人で行っても効果は薄そうだからね。なるべく沢山の人で行けばちょっとは効くかもでしょ」
大井「それは……駄目ですよ。提督が決めた事なんですから」
北上「あのねぇ、この異動の話が上官としての判断ならアタシも放って置いたよ?だってめんどくさいじゃん」
大井「めんどくさい……」
北上「でもこれは明らかに私情が入ってるよね?」
大井「それは……確かにそう見えますね」
天龍「くそっ。見所がある奴だとは思ってたけど、腹いせ紛れにこんなけつの穴の小さい事をする奴だとは思わなかったぜ」
龍田「また提督の悪口、言ったわよねぇ?」ギロッ
天龍「あーもう!言ってねえよ。つーか龍田も行くぞ。お前だって他所の鎮守府には行きたくねぇんだろ?」
龍田「……私は提督の所には行かないわ。だって断ったのは事実だもの。例えそれで提督が私情を挟んだとしても、先に私情を突きつけたのは私よ?それなのに今更何かを言うなんて都合が良すぎるでしょ?」
大井「……」
天龍「はぁ、分かったよ。ただ今回の事、俺は納得してないからな。勝手にやらせてもらうぞ」
龍田「お好きにどうぞ」
天龍「ほら、お前らもさっさと行くぞ。とっとと出た出た」ガチャ
大井「良いんですか?その、置いていっても?」
天龍「良いんだよ。龍田はああなると長いからな」
北上「でもさー、あれだけ提督のこと想ってるならなんで指輪を受け取らなかったんだろうね」
天龍「いいか?よく考えてもみろよ。普段、Sっ気のある態度してた奴にケッコン話が急に来たからって二つ返事で引き受けられるか?提督もあっさり引いたみたいだし、龍田は自分からケッコンを迫れるようなキャラでもないだろ?」
北上「なるほどね~。急に素直になんてなれないもんね。ね、大井っち」
大井「……」
天龍「まぁ、龍田は今まで提督に甘えてきた天罰だ、なんて思ってたが、今回の処遇は突然過ぎるし幾らなんでも重いだろ。俺達が何とかしてやんねーとな!」
北上「おー、頼りになるねー」
◇
天龍「んで?次はどこに行くんだ?数集めてんのにまさか3人でって訳でもないんだろ?」
北上「ん~、金剛さんのとこかな?あそこも突っ走りそうな人達が多そうだし」
天龍「あー、それで真っ先に俺らの所に来たのかよ」
北上「そういうこと~。龍田さんがああなってたのは意外だったけどね~」ケタケタ
天龍「個別に動かれると提督に各個撃破されそうだもんな」
大井「そこまで考えてたんですね。流石、北上さん!」
北上「大井っち~。無理に明るく振る舞わなくてもいいから。今は自分の事だけ考えてなよー」
大井「……そう、ですね」
◇
天龍「着いたな。てっきりワーワー騒いでるかと思ったけど随分と静かだな」
大井「先にもう提督の所に行ってしまったとか?」
北上「とりあえず入ってみようよ。おーい、金剛さ~ん」コンコンコン
金剛『なんデス?今、大事な話をしてるので後にして欲しいデス』
北上「多分、その大事な話に関係があると思うんだよねー」
ガチャッ
北上「お、開いたね」
霧島「どうぞ中へ」
大井「お、お邪魔します」
金剛「それで何の話デス。悪いんデスけど関係の無い話だったら帰って貰いマスヨ?」
天龍「お前に抱きついて泣きべそかいてるそいつに関係のある話だよ」
比叡「……」
金剛「なるほどネー」
大井「比叡さん、突然で申し訳ないんですけど私達と一緒に提督の所に来て欲しいんです」
金剛「ワタシ達が行けばテートクの心が変わるとでも思うんデスカ?メデタイ考えデスネ」
天龍「んだと!?」ガタッ
北上「まぁまぁ天龍さん。落ち着いて。金剛さん、いくらアタシ達もそんな甘い事は考えてないよ。だって提督が出した人事だよ?簡単に変えられないことくらいは知ってる。たださー、意思表示くらいはしといた方が良いんじゃないかなー、なんてアタシは思うんだよね」
金剛「……」
大井「……私は行くことにしましたよ。私に非があるにしてもこんな形で北上さんと……皆さんと別れるなんて嫌ですから。金剛さん達が行かないならそれでも構いません。でも私は後で後悔なんてしたくないんです」
金剛「……分かりマシタ。ワタシもテートクのこのやりようには賛成出来まセンから。それで比叡、アナタはどうしマスカ?」
比叡「……お姉さまが私の為に動いてくれるんです。私も行きます!」
金剛「それでこそワタシの自慢の妹デース。それじゃあ行きマスヨ」スクッ
榛名「あ、あの私達も付いて行っては駄目でしょうか?」
霧島「人数合わせくらいにはなると思いますが」
天龍「おお、来いよ。多ければ多いほど提督もビビんだろ。もしかしたらチビったりするかもな」カラカラ
金剛「それはテートクの」ジッ
榛名「陰口ですか?」ジッ
天龍「ひっ、お前らもかよ……」チョロッ
◇
天龍「で、次はどっちにするんだ?」
大井「人数も増えてきましたし二手に別れませんか?」
金剛「オゥ、さすが大井。良いこと言うネー」
北上「じゃあアタシと大井っちと天龍さんは千代田さんの所に行ってくるから、金剛さん達は山城さんのとこに行ってもらえる?終わったらここに集合ってことで」
金剛「任せるネー。じゃあ比叡達は付いてくるネ!」タタタ
比叡・榛名・霧島「はい」タタタ
天龍「金剛のやつ、なんだかんだでノリノリだったじゃねーか」スタスタ
北上「長女だからって色々と我慢してたんでしょ。こんな身勝手で理不尽な処罰だもん。勝手に動けば今度は榛名さん達に被害が及ぶ可能性もあるでしょ?アタシだって可愛い妹がこんなことになってなきゃここまでなんてしなかったし」
大井「北上さん……」
天龍「まぁ、姉っていうのは大変だよな」
北上「姉……?」
天龍「あ?なんだよ。姉だよ!さっき龍田をあやしてる所見てただろーが!?」
大井「そうですね。あれで私"そういえば天龍さんって姉でしたっけ"って気付きました」
天龍「止めろ!俺をイジるのは龍田だけで十分だ!」
千歳「あの、静かにして貰えませんか?今、千代田が塞ぎ混んでいまして」
天龍「おー、目的の場所に着いたみたいだな」
千歳「目的?」
北上「そうだよ。アタシ達、その千代田さんに急ぎの用事があるんだよね。ぶっちゃけちゃうと異動の件でね」
千歳「なるほど、そうでしたか。……では中へどうぞ」
天龍「邪魔するぞー」ガチャ
大井「あの、千代田さん?ちょっと今良いですか?」
千代田「何か用?私、今、虫の居所が悪いから機嫌が悪いんだけど」
北上「んー、単刀直入に言うとさ、一緒に提督の所に抗議しに行かない?異動の件でちょっとばかりさ」
千代田「……嫌よ。提督の顔なんて見たくもない」
千歳「千代田……」
北上「あっそ。じゃあそうやってへそでも曲げてればいいよ。もし異動の件が撤回になっても千代田さんは乗り気だったって提督には言っとくからさー」
千代田「っ! 乗り気のわけ無いじゃない!!」ギロッ
大井「じゃあ一緒に行きましょうよ。望みは薄いかも知れませんけど、もしかしたら、があるかもしれませんよ?」
千代田「……怖いのよ」
天龍「怖い?」
千代田「提督にこれ以上拒絶されることが……。多分、次に面と向かって要らないなんて言われたら私、耐えられないと思う」
北上「ふ~ん。提督の事は拒絶したのにされるのは嫌だなんて随分と都合の良い話だよね~」
千代田「……………」
千歳「……それでは代わりに私が行きます。誰も行かないよりはマシでしょうし。千代田はここで待ってなさい」
北上「お、良いね~。そうと決まったらさっさと」
千代田「待って!」
天龍「なんだよ、行かないんなら邪魔しないでくれねぇか?」
千代田「……行きます。私の尻拭いを千歳お姉にさせるなんて出来ませんから」
千歳「千代田……」
北上「んじゃ決まったね。それじゃあ金剛さん達との合流場所に急ごうか」
千代田「千歳お姉はここで待ってて。踏ん切り付けて来るから」
千歳「ええ、朗報を待ってるわね」
◇
金剛「……」
比叡「……」
榛名「……」
霧島「……」
扶桑「……」
山城「はぁ、不幸だわ……」
金剛「(ワタシ、こういう重苦しい雰囲気は苦手ネ。比叡、アナタに任せマース)」ポショポショ
比叡「(私がですか!?うぅ、金剛お姉さまの頼みなら頑張ってみます!)」
金剛「(ファイトデース)」
比叡「……」チラッ
山城「はぁ……」
比叡「あ、あのー。山城さんも今回の異動の話には不服なんですよね?」
山城「当たり前じゃないですか。なんで私が扶桑姉さまと別れなきゃいけないんです?」キッ
比叡「(うっ、怖い)それは私達がオコトワリしたから……」
山城「あれはお互いの意思次第だったんですよね?なら断っても問題ないじゃないですか」バンッ ボコォ
扶桑「山城、机を叩くのは止めなさい。壊れてしま……壊れてるけど止めなさい」
山城「はぁ、あんな男に一時でも気を許した私が馬鹿でした」
金剛「ん?気を許した、デスカ?」
山城「あっ、ち、違います。私は別にあんな男の事なんて!」
扶桑「……………もう隠さなくても良いわよ、山城」
山城「な、何がです?私が扶桑姉さまに隠し事なんてする訳ないじゃないですか」
扶桑「山城。あなた、秘書官の日はやけに早起きしてたわね」
山城「あ、あれは……。何か失敗をしてあの男に弱味を見せないように早めに起きていただけです。そう、それだけです!」
扶桑「そう。それで手作りのお弁当を?」
山城「」ビクッ
扶桑「ねぇ、山城。私が提督に淡い想いを寄せてる事。あなたの事だから勘付いてたのよね?」
山城「……はい。薄々とは」
扶桑「私の想いだけをあなたが知ってるなんて不公平よね?ねぇ?あなたは提督の事どう思ってるのかしら?」
山城「……私は別になんとも思ってません。むしろ扶桑姉さまに近付く害虫の類いだと思って鬱陶しいとさえ思っていましたから」
扶桑「そこまで提督の事を忌み嫌っているのなら、中庭であの人と一緒に食べるお昼ご飯はさぞ地獄だったでしょうね?でも何故かしら?私には山城が嬉しそうに微笑んでいるように見えたわ」
山城「それは……」
扶桑「ねぇ?私 が 気 付 か な い とでも思ってた?」グワッ
山城「ヒッ」
金剛「(これが噂のヤンデレってヤツデスカー?)」
比叡「(ヒエー)」
榛名「(榛名は大丈夫じゃないです……)」
霧島「(私の計算によると将来的に刃傷沙汰になる可能性は89.3%を越えていますね)」クイッ
山城「ち、違うんです!それは敵を騙すにはまず味方からと言いますし…」
扶桑「 山 城 ? 正 直 に 言 い な さ い 」ジリジリ…
金剛「(これはまずそうデスネ。いざとなれば私が何とかシマス。援護は任せマシタヨ)」
比叡「(お姉様の事は何があっても私が守ります!)
榛名「(凶器になりそうなものは今のうちに遠ざけておきますね)」サササッ
霧島「(もしもの時の為に医療班にはメールで知らせておきました)」
山城「それは、あの、私はそんなことは」アワアワ
扶桑「………もう。私に気を使うなんて本当に馬鹿な子ね」ギュッ
山城「えっ?」
金剛・比叡・榛名・霧島「えっ?」ポカーン
扶桑「山城の幸せを犠牲にして手に入れた幸せ。そんなもので私が喜ぶ、山城は本当にそう思ってるの?」
山城「違います!これは私が勝手に……」
扶桑「なら私にバレてしまっているのだから、もう気を使う必要は無いわね?」
山城「でも……」
扶桑「勘違いしないでね?別に私は山城に譲った訳では無いのよ?山城と私の一番の違いは提督と一緒にいた時間の長さ。遅れて着任した私が不利なのは当然なのよ。でもこれからはそうはいかない。この意味、山城なら分かるでしょう?」
山城「……そういう事ですか。思えば私達は欲しいものでも互いに譲りあっていましたね」
扶桑「そうね。やっとこうして欲しいものを取り合う事が出来るのね」
山城「……なんだかようやく本当の姉妹になれた気がします」
扶桑「ええ、確かに……そうね。じゃあ私に追い越されないように早く提督の所に行ってきなさい」
山城「はい、では行ってきますね。姉さま」スクッ
扶桑「……山城」ギュッ
山城「姉さま?急にどうしたんですか?」
扶桑「私がもっと早く、あなたのその想いに気付いていれば、こんなことにはならなかったのにね……」
山城「それは違います!私は姉さまを言い訳にして臆病な自分から逃げていただけなんです。自業自得なんです。だから謝るなんてしないで下さい!」
扶桑「山城……」
山城「そうです!良いことを考えました。扶桑姉さまの元気が出るように今からとっておきの不幸話を持ってきますから」
扶桑「それは私の?それとも山城の不幸話かしら?」
山城「それは提督の裁量次第ですね」
扶桑・山城「ふふふ、うふふふふふ」
金剛「(いい話のはずなんデスけど、ナゼか冷や汗が止まりマセ-ン)」
比叡「(羨ましいくらいの姉妹愛なんですけど、どうしても良くないことが頭を過りますね……)」
榛名「(やっぱりお二人の陰鬱な雰囲気のせいなんでしょうか?)」
霧島「(不幸の代名詞は伊達じゃありませんね)」
山城「待たせてしまいましたね。では、行きましょうか」
扶桑「金剛さん。山城のこと、よろしくお願いしますね?」
金剛「イエース、泥舟に乗った気持ちで任せるネー」グッ
霧島「泥舟ではなく大船です。金剛お姉さま」
金剛「細かいことは気にしないノ。北上達を待たせないように待ち合わせの場所へ急ぎマスヨー」
◇
北上「お、やっと来た。おーい、こっちこっち~」
金剛「ソッチも合流出来たみたいデスネー。じゃあ早速行きマショウカ」
比叡「うう、緊張してきました」
榛名「元気を出してください。きっと大丈夫です!」
大井「でも、これで駄目だったら本当に飛ばされてしまうんですよね?」
天龍「おいおい、戦う前からそんな弱気でどうすんだよ」
千代田「元々勝ち目なんてないもの。もっと気楽に行けば良いのよ」
霧島「まぁ、これ以上悪化することは余程の事が無い限りまず無いでしょうから」
山城「(私の場合はその余程の事が起こり得るのよね、不幸だわ)」
金剛「では出発デース!」
◇
~執務室~
コンコンコン
提督『入れ』
ガチャ
北上「失礼しまーす」
ゾロゾロゾロ
提督「何かあったのか?こんなに引き連れて?」
北上「提督さー、この面子を見て何か思うことはないの?」
提督「……異動の件の話か?」
天龍「そうだよ!お前のチンケなプライドのせいで大変なことになってンだよ!」
提督「プライド?」
金剛「そうデース。指輪を受け取らなかったくらいでこれはやり過ぎデース」
提督「指輪を受け取らなかった"くらい"?お前ら、本当にそう思っているのか?」
北上「あー…………、その言葉を聞くまでは何か他に事情があるのかも、なんて思ってたけど、その様子だとホントに受け取らなかった事が原因で異動させるって事なんだね」
提督「確かにその通りだが。それがどうしたんだ?」
大井・比叡・千代田・山城「……………」
金剛「比叡……。………ワタシ、決めたヨ。テートクが比叡を他所へ行かせるならワタシも付いて行くことにしマス」
比叡「えっ?」
天龍「おー、そりゃ良いな。確か艦娘の置かれてる環境がどーのこーの騒いでる人権団体があったよな?俺らには関係ねーなんて思ってたけど、そこに駆け込みゃすんなり異動させてくれるだろうよ」
北上「良いねー。痺れるね~。私も大井っちが心配だし付いて行くことにするよ」
大井「そんな!?北上さんに迷惑はかけられません」
北上「良いの良いの。こんなとこにはもう愛想尽きたからね。さっさと出ていっちゃおうよ」
大井「でもそれじゃ何の解決にもならないんじゃ……」
北上「解決なんてする訳ないじゃん。だって提督の考えと私達の考えが離れすぎてるんだもん」
提督「……お前ら、本気なのか?」
北上「こんなこと冗談なんかで言えるわけないでしょ-」
提督「そうか。また俺のせいでか……」
大井(また?)
提督「………分かった。正直、金剛達までとなると厳しいかもしれんが、大井達の件と一緒に掛け合ってみよう」
天龍「なんだ?意外とあっさりしてんな。あの手この手で妨害してくると思ったぜ」
提督「俺が原因なんだろう?そしてお前らは出ていきたいと言っているんだ。止める事なんて出来ないよ」
大井・比叡・千代田・山城「……」
提督「それに戦力的にウチはまだ余裕がある方だしな。お前達にも随分助けて貰った事だしなんとかしてみせるさ」
天龍「はん!その男らしさをもっと別の所で見せて欲しかったな!」
提督「それで榛名達はどうするんだ。俺としてはここに残ってて貰いたいんだが」
榛名「榛名は……」チラッ
金剛「榛名はここに残りなサイ。この人数が出ていけばテートクは勿論、艦隊のみんなにも迷惑をかけてしまいマス」
榛名「金剛お姉さま……」
霧島「では私も残りましょう。榛名だけでは心細いでしょうから」
金剛「榛名は霧島を、霧島は榛名を支えて下サイ。二人とも、後の事は頼みマシタヨー」
提督「……助かるよ。人事異動の件は俺が責任を持って迅速に事にあたる。他に何か言うべき事や要望等はあるか?」
天龍「ああ!?用も要望もある訳ねーだろ!おい、お前らも用事は済んだんだろ?さっさと行くぞ!」
金剛「そうデスネ。では行きましょうか」
榛名・霧島「……はい」
北上「はー、面倒事が終わって清々したよー。間宮でも行ってなんか食べよーか」
ゾロゾロゾロ
大井「あの、提督。今までお世話になりました」
提督「ああ、新天地でも気を抜かず精進してくれ」
比叡「司令……。ここで一緒に過ごせた事。私、忘れませんから」
提督「……俺も楽しかったよ」
千代田「私がいないからって千歳お姉に手は出さないでよ」
提督「勿論だ。千代田も元気でな」
山城「提督。扶桑姉さまの事、くれぐれもよろしくお願いします」
提督「ああ、任された。今までと変わらず、俺に出来るだけの事はするつもりだ。山城も無茶だけはするなよ」
大井「それじゃあ皆さん、行きましょうか」
4人「……」トボトボトボ
提督「……………」
◇
~翌日~
北上「うあ゛ー、異動の話っていつ頃になるんだろうね、大井っち~」
大井「なんでも大本営に掛け合って、それから上の人達で決めるらしいので、もう少し先だと思いますよ?」
北上「んー、話が出たのが昨日でその後にあのゴタゴタがあった訳だから、提督は今頃、その申請書でも書いてるのかねー」
大井「さぁ?どうなんでしょうか。ただ迅速に済ませるとは言っていましたからね。もう大本営にその旨は送っているのかもしれませんね」
北上・大井「……………はぁ」
大井「……北上さんも本当はここに残りたいんですよね?」
北上「ん?まぁ、そりゃそうだよ。なんだかんだ言ったことはあったけど、ここは色々と慣れてるし居心地もいいもん。それに他所の鎮守府は良くない噂の方が多いしね」
大井「………やっぱり北上さんの事だけでも今から撤回しに行きましょうよ」
北上「いや~、あれだけの啖呵きっておいて翌日にやっぱ無しにしてよ、なんて無理に決まってんじゃん。根本が解決してるならまだしも、それはもう無理な話なわけだし」
大井「すみません、私のせいで……。こんな事になってしまって」
北上「それはもう良いんだって。勢いとはいえ、ああしなきゃ私も気が済まなかっただけだし、大井っちはなんも悪くないよ。それよりなんか食べに行こうよ。鳳翔さんのとこも、もういつ食べ納めになるかも分かんないじゃん」
大井「そう……ですね。行きましょうか」
北上「あー、カレーも良いけど日本人ならやっぱ和食定食かなー」テクテク
大井「ありがとうございます……北上さん」ボソッ
~鳳翔のお食事処~
北上「これこれ~。やっぱ鳳翔さんの和食定食は最高だね~」
大井「ですね。良かったらこっちのカレーもどうぞ」
北上「お、悪いね。じゃあ私は代わりにこのカツをあげよう。カツとカレーが合わさり最強に見える」キリッ
鳳翔「ふふ、相変わらず仲が良いんですね」
北上「お、鳳翔さん。お邪魔してまーす」
大井「いつも美味しい食事、ありがとうございます」
鳳翔「いえいえ、私は皆さんが幸せそうに食べている所を見るだけで十分ですから」
北上「流石、艦隊のおかん。出来た女だね」
大井「ふふ、北上さんったら」
鳳翔「でもこの時間に来て頂けるなんて珍しいですね」
大井「えっと……」
北上「あー、隠しててもいずれ分かることだし言っちゃっても良いんじゃない?」
大井「……ですね。その、私達に異動命令が出てまして、こうして鳳翔さんの手料理を食べれるのもいつまでになるか分からないので食べに来ようかって話になったんです」
鳳翔「やっぱり提督はそうご決断なされたんですね」
北上「ん?鳳翔さんは知ってたの?」
鳳翔「ええ。提督は夜遅くにここに来て遅い夕飯を取っていく事がたまにありまして、その時に」
大井「そうでしたか。提督はなんて言ってました?」
鳳翔「出来れば手放したくはない、と珍しく愚痴を溢していましたね」
北上「へー、でも勝手な言い分だよね。手放したくないならこんなことするなって話だよ。カッコカリを断った艦娘達を追い出すなんてちょっと女々しすぎない?」
鳳翔「女々しい……ですか?むしろ私達、艦娘の事を考えての事だと思いますが」
大井「……どういう事です?」
鳳翔「提督は言ってらっしゃいましたよ。"俺の所にいるよりももっと信頼し合える提督の元へ行った方が皆の為だ"って」
北上「え?指輪を受け取らなかったからって飛ばそうとしてたんじゃないの?」
鳳翔「いえ、それは間違ってはいませんよ。ただ、細かく言うと受け取らなかった事自体ではなく、戦力強化を断られた事で提督は気を落としているようでした」
大井「……………すみません。用事ができました。私、提督に会ってもう一度話を聞いてみます」
鳳翔「何か良くない誤解が生まれてたみたいですね。他の異動される方々も誤解をしているのなら、ここを出ていく前に一度ちゃんと話し合った方が良いのではないでしょうか?」
北上「……そうだね。もう一回、集まってもらおうかな。鳳翔さん、ありがとうね。勘違いしたままお別れするところだったよ」
大井「私からもお礼を言わせて下さい。ありがとうございます」
鳳翔「お礼は良いですから早く他の皆に教えてあげて下さい。もし、誤解が解けたならまたここにお食事に来て下されればそれで良いですから」
大井「はい……はい!」
北上「うんうん、商売上手だねー」
◇
大井「~という話みたいなんです」
天龍「なんだそりゃ?なんであいつが落ち込んだからってそれで龍田達を飛ばすって話になんだよ。単に鳳翔さんに良い格好したかっただけじゃねぇのか?」
榛名「提督はそんな姑息な手は使いませんよ?」ゴゴッ
天龍「な、なんだよ。だってそうとしか考えられねぇじゃねぇか」
千代田「ここで言ってても分からないんだから本人に聞くしかないわよ」
山城「そうですね。いつ辞令が下されるか分からない以上、早めに行動した方がいいと思います」
金剛「……デース」
北上「さっきから静かだけど金剛さんと比叡さんはなんかあったの?」
霧島「それが金剛お姉さまは提督に苦言を呈した事、それともう少しで提督との別れが来てしまう、という事実を目の当たりにして昨日かずっと意気消沈しています」
金剛「……デース」
北上「なるほど……」
霧島「比叡お姉さまは自身が思っていた以上に提督に依存していた事に今更ながら気付いて、尚且つ、提督と会えなくなるという現実に打ちのめされている最中です」
比叡「……」
山城「同じ状況の私達は笑えないわね……」
大井「そうですね……。ではお二人の為にも、いえ、私達の為に提督の元へ急ぎましょうか」
◇
~執務室~
コンコンコン
提督『入れ』
北上「失礼しまーす」
ゾロゾロゾロ
提督「……今度はどうした?」
北上「いやー、この前はアタシ達、だいぶ興奮してたでしょ?あんまり話し合えなかったからさ。今日はちょっと詳しく話がしたいなって。時間は大丈夫?」
提督「これだけの人数で来るんだ。大切な話なんだろ?時間くらいは空けるさ」
北上「おー、流石、提督」
天龍「ご託は良いって。単刀直入に聞く。あんたはなんで龍田達を異動させようと思ったんだ?」
提督「? それはこの前も説明しただろう?龍田達が指輪を受け取らなかったからだ」
大井「聞きたいのはそこじゃありません。指輪を断られた後に異動する考えに至った理由です」
提督「理由か……。そうだな。指輪を受け取らなかったという事は俺との信頼関係が薄いという事だ。それは分かるな?」
千代田「そういう見方してたんだ……」ボソッ
提督「それでだ。指輪の力は説明しなくても分かるよな?あれは艦娘の能力の限界を超えて、その力を引き出してくれる貴重なものだ」
北上「それでそれで?」
提督「指輪を受け取って貰えれば他の者は勿論の事、指輪を付けてる艦娘自身の安全もぐっと上がる」
山城「それではまさか異動させる事になった原因って?」
提督「お前たちとの信頼関係をしっかりと結べなかったのは俺の責任だ。女性にとって……、いや違うか。俺達、人間にとっては薬指にはめる指輪は特別な意味がある。戦力強化とはいえ信頼できない者とはカッコカリとはいえ容易く結べない事も承知済みだ」
大井「そういうつもりでは無かったんですけど」ボソッ
提督「お前達を蔑ろにしたつもりは無かったが、きっと俺の裁量が足りなかったんだろう。だからこの前の様に責められても仕方の無い事だと思っているし、信頼を得る為の時間を割けなかった事、反省してもしきれない。すまない、この通りだ」ペコッ
榛名「そんな!提督!頭をお上げ下さい!」
提督「いや、お前達の安全を少しでも確保する事が俺の役目だ。その役目を全うする事が出来なかった俺にはこうして謝る事しか出来ない」
千代田「そんな……」
提督「だからこそ他の鎮守府にお前達を委ねることにしたんだ。お前達の力を最大限に生かす事が出来なかった俺の代わりとなってくれる鎮守府に。……金剛達まで出ていく事になってしまったのは予想外だったが、今ではそれも仕方の無い事だと思っている」
天龍「つまりはこういうことかよ?今回の話は俺達に対する嫌がらせなんかじゃなくて、この戦いを生き抜く為にした事だったってことか?」
提督「嫌がらせ?……そうだな、姉妹艦と引き離す事をそう受け取るのなら嫌がらせになるんだろうな」
千代田「それじゃあ提督は本当に私達の事を思って……?」
提督「なるべく近くの鎮守府に送るつもりだったし、会えなくなる訳では無いからと考えていたが、まさか一緒に出て行くとまで言うとはな……。お前達の姉妹愛を甘く見ていたよ。どうやらその辺りの配慮も足りてなかったようだ。重ねて謝る。この通りだ!」スッ
金剛「……テートク、異動願いの書類はドコデース」ヌゥッ
提督「? 少し前に今日の秘書官の五月雨に頼んで大本営に届けに行かせてるぞ?」
金剛「は?」
大井「ま、待って下さい!それが大本営に届いたら……」
提督「書類が大本営に届いた時点で人事権はあちらに移るから、金剛達の要望通りになるぞ。付け足した要望として姉妹艦ごとに配属するように一筆添えておいたからな。あちらが難癖を付けなければ比叡と離ればなれになることも無いぞ。良かったな、金剛」
金剛「あ゛あ゛あ゛あ゛!! ワタシは全然! 少しも! これっぽっちも! 良くナイネーーーーー!!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
提督「お、おい!大丈夫か!金剛!? くそ!度重なる戦場で精神的にやられたのか? 比叡!直ぐに医療班を呼べ!!」
北上「あー、金剛さんは正気だから大丈夫だって。正直、アタシも発狂したい気分だけど」
金剛「じゃあナンネー!?ワタシは誤解でテートクにひょっこりはんを突き付けたって事デスカー!?」
霧島「金剛お姉さま、ひょっこりはんではなく三行半です」
天龍「いや、三行半もおかしいだろ」
比叡「あの、司令?もし、もしもですよ?私達の気が変わってやっぱり指輪を受け取りたい、なんて我が儘な事を言ったらここに残れたりって……したんですか?」
提督「ん?そうだな。そうであればどんなに良かったことか。未練がましいようだが渡すはずだったお前らの指輪も、ほら、ここに置いてあるんだよ。裏側に掘ってあるイニシャルもまだ残してあるだろ?」スッ
比叡「私達の……指輪……」
提督「もし比叡が心からそう望んでくれるのであったならば喜んでこの指輪を渡してたよ。そもそも指輪を渡そうとしてお願いをしたのはこっちだしな。断る理由なんて無いだろ」
比叡「そう、ですか……」
榛名「比叡お姉さま……」
山城「(遅すぎたのね、何もかもが)」ボソッ
千代田「(仕方無いわよ……。これは私達が提督の気持ちに甘えてた罰なんだから)」ボソッ
大井「……………」
がちゃっ
五月雨「ふぇ~~~ん、提督~~~!」
提督「五月雨?随分と早かったな? ってどうしたんだ、それ!」
五月雨「うぅ、ぐすっ……。提督のお使いの途中で車に水を跳ねられてしまいました。ドジでマヌケな五月雨はお使いも出来ましぇんでした~。ごめんなさ~い」グスッ
提督「そうか……。それで五月雨はなんとも無いんだな?」
五月雨「ふぇ?は、はい。泥水をかけられただけなので……」
提督「そうか、五月雨が無事ならそれでいい。代わりの服はあるよな?」
五月雨「は、はいぃ。でも届けるはずの重要な書類もこんなにびしょびしょに……」
提督「いいさ。重要な書類といっても所詮はただの紙。最悪、頭の1つや2つを下げれば良いだけの話だ。俺はな?五月雨。お前がこうして無事に帰ってきてくれた、それだけで嬉しいんだぞっ、と」グイッ
五月雨「て、提督!今、五月雨を抱っこしたら提督の服が!」アワワ
提督「俺は気儘だからな、そんな事は気にしないんだ。それとも五月雨は俺に抱っこされるのは嫌か?」
五月雨「そんなことないです!提督の抱っこは五月雨の元気の源ですから!」ニコ
提督「ははは、やっぱり五月雨はそうやって笑顔でいるのが一番似合ってるな。……そうだ!今度は2人で大本営に手紙を届けに行こうか」ギューッ
五月雨「えっ、でも提督は忙しいんじゃ……」
提督「いいさ。執務にも飽きてきたところだし、暫くあそこにも出向いてなかったからな。挨拶がてら一緒に、な?」
五月雨「はい!五月雨、楽しみにしてますね!」
提督「それとお使いのご褒美として帰りに五月雨の好きなものでも買おうな。皆には内緒だぞ?」シーッ
五月雨「え?で、でも……。皆さん、凄い顔で見てますけど」オドオド
提督「え?おわっ! ……ち、違う!これはサボりとか贔屓とかじゃなくて純粋に五月雨を労おうという気持ちからでだな?決して私欲とか五月雨が可愛いからとかそういう気持ちは!」
大井「提督、五月雨ちゃんの持ってるそれってもしかして私達の異動願いの書類ですか?」
提督「そ、そうだ。でも安心してくれ。内容が内容なだけに今日中に書き上げて送るのは流石に厳しくなったが、なるべく早く済ませるから」
金剛「五月雨、それを寄越すネー……」
五月雨「これですか?泥まみれですけど、どうぞ」スッ
金剛「hoooo!!やったネー!これでワタシは晴れて自由の身ネー!」ビリビリビッリィィィ
五月雨「」
提督「お、おい、五月雨になんの恨みがあるんだ!」
金剛「恨み?五月雨には感謝しか無いデース!五月雨のドジもたまには役に立ちマース!サンキューネ!」
五月雨「ふぇぇ?」
比叡「司令!先程、言ってましたよね?指輪が欲しいと言えば頂けるって!」
提督「え?ああ、言ったな」
千代田「今更かもしれないけど私達、やっぱり指輪が欲しいかったの」
提督「なんだ?急にどうしたんだ?」
山城「急にではないです。本当はずっとずっと欲しかったんです」
提督「は?」
大井「そうですね……。ただ自分の気持ちに素直になれなかっただけだったんです」
提督「お、おお……」
大井・比叡・千代田・山城「指輪、頂けますよね?提督(司令)?」
~おまけ~
提督「で、俺はしつこいくらいに龍田に迫って指輪を渡せば良いんだな?」
天龍「ああ、最後には絶対受けとるから。俺はそこの扉の陰から見とくからよ!」
提督「いや、しかしだな。最初に渡したときのあの"それ以上しつこく言い続けるのなら未来永劫なぶり続けるぞ"みたいな表情を思い出すと受け取ってくれるとは到底思えないんだが」
天龍「さっきのオコトワリ勢の豹変っぷり、お前も見ただろ?龍田もあれと一緒だって!」
提督「そうか……。まぁ、龍田だけ異動のままというのもどうかと思うし、出来るなら俺も行かせたくはないからな。分かったよ、駄目元で覚悟を決めて行ってこようじゃないか」
天龍「よっしゃ、覚悟が決まったところで善は急げって言うだろ?さっさと行ってこいよ!」
提督「……………」
天龍「おい、どうしたんだよ?」
提督「もし、何かあったら最低限の援護は頼むぞ?」
天龍「分かったから早く行けって!」バッチィィィン
提督「いてててて。天龍のやつ、本気で叩くことも無いだろうに。まだ背中がじんじんする……」
龍田の部屋の扉「」オォォォォォォォォ
提督「見る者によって雰囲気は変わるというが、まさにそれだな。龍田と会う時の緊張感はまるで、士官学校での上官に相対する時と同じ緊張感だ……。しかし、こうしてても仕方あるまい。提督、気合い、入れて、行きます!」
コンコンコン
提督「…………いないのか?」
コンコンコン
龍田『……煩いわねぇ、誰ぇ?勝手に入っていいわよ~』
提督「俺だ。入るぞ」
龍田「え?て、て、て、提督!?」ババッ
提督「龍田、単刀直入に言う。もう一度、この指輪を受け取ってもらえないだろうか?」
龍田「え?え?でも私はもう他所に移るからぁ」ワタワタ
提督「いや、色々あってあれは一旦、ご破算になったんだ。だからこうしてもう一度頼みに来ている」
龍田「で、でも私には天龍ちゃんがいるからその、そういうのは間に合ってるかしら~?」
提督「天龍の事は今は置いておけ!俺が聞きたいのは龍田、お前自身が指輪を受け取りたいか、そうでないかだ!」
龍田「私は~、その~」ドギマギ
提督「ええい、もういい!龍田!左手を出せ!」グイッ
龍田「ひゃいっ!」
提督「これが俺の気持ちだ!受け取れ!」スッ
龍田「あっ、指輪……………」
提督(天龍には強引に行けと言われてたが、いざやってみると生きた心地がしないな。果たして俺は五体満足で明日を迎えられるのだろうか?)
龍田「…………………………」
提督「た、龍田?」
龍田「………うふ」
提督「」ビクッ
龍田「提督ったら本当に仕方無いわねぇ?分かったわ。この指輪は受け取ってあげる」
提督「本当か?」
龍田「用は済んだのよね?済んだのなら早く出ていって欲しいんですけど?」
提督「あ、ああ、そうしよう。では邪魔をしたな」
バタンッ
提督「……………っはぁ」
天龍「な、言った通りだったろ?」
提督「様子はかなりおかしかったが確かに受け取ってくれたな。しかし、生きた心地はしなかったぞ。見ろ、この背中の冷や汗を」
天龍「いくらなんでもビビりすぎだろ」
提督「あの薙刀で毎度のように薄皮を切られてみろ。そんな事は言えなくなるぞ」
天龍「ええ……(龍田は普段から何してんだよ。オコトワリとか以前の問題じゃねーか!)」
提督「まぁ、あのスリルがまた味わえるんだ。これくらいなら安いもんだな」
天龍「……提督ってマゾなのか?」
提督「そうじゃない。今日会えていた者と明日には会えなくなる。金剛や比叡ならば互いの時間さえ合えば休みの日にでも会えるが、休日を使ってまで俺と会おうとする子は五月雨のような一部の駆逐艦くらいだろう。お前達にとっては私との繋がりは薄いと感じてるかも知れないが、俺は今回の件、結構堪えてたんだよ」
天龍「俺らだってあんたと会えなくなるのは辛いに決まってんだろ」ボソッ
提督「おっとつい愚痴ってしまったようだな。天龍が相手だと思わず本音が漏れてしまうようだ。この人ったらしめ」
天龍「勝手にお前がしゃべってただけだろーが」
提督「ははは、それもそうだな。では用事も無事に果たせた事だし、これ以上ベラベラと話してしまう前に執務室に戻るとしよう」
天龍「さっさと行っちまえ」
提督「……天龍。さっきの話だがな、あれはお前にも言える事だからな?」
天龍「はぁ?何がだよ」
提督「ここへ残ってくれてありがとう。本当に嬉しかったよ。心の底からそう思う。……ではまた後でな」
天龍「……んだよ。顔真っ赤にしやがって!気持ちわりぃやつだな」カァァァァッ
ガチャ
天龍「龍田~。戻ったぞ~」
龍田「やん!やん!提督ったら本当はあんな強引だったなんて知らなかったわ!」キャー
龍田「"左手を出せ。これが俺の気持ちだ"」キリッ
龍田「」トゥンク……
龍田「いま思い出しても心臓が破裂しそうよ~!さては提督、私をドキ殺す気ね!そんなこと、許さないんだから!許さないんだから!!」キャッキャ
天龍「……龍田が元に戻るまで暇な奴でも捕まえて模擬戦でもしてくっか」ギィー パタン
◇
~ケッコンカッコカリ オコトワリ オコトワリ~
提督「ここで良いんだよな?」
北上「お!なになに。提督がこんなに早く来るなんて今日は雹でも降るんじゃない?」
提督「ん、北上か。いや、今回の件がここまで大事になってしまったのは俺の責任だからな。"ここで残留を祝う会をやるから来て欲しい"、なんて誘われれば真っ先に行かなければなるまい」
北上「殊勝な事だね。まぁ鳳翔さんは今回の件の立役者だからね~。事が終わったらここで食事をとるって約束してたんだよー」
提督「そうだったのか。鳳翔さんにも迷惑をかけてたみたいだな。後で謝っておかないと」
北上「謝るよりもここで一緒に晩酌でもした方が鳳翔さんも喜ぶと思うよー」
提督「ふむ、ではそうするとするか。しかし、北上が一番乗りだとは驚いたぞ」
北上「今回の幹事はアタシが引き受けたからね。色々前準備の為に早めに来てたんだ。ていうかそんなとこに突っ立ってないでとりあえずそこに座りなよ」
提督「ああ、失礼する」
ゾロゾロゾロ
北上(お。みんな来たみたいだね。……………そうだ♪)
北上「それでさー、提督?結局は誰と結婚すんの?」
大井・龍田・天龍・金剛・比叡・榛名・霧島・千歳・千代田・扶桑・山城(!!!?!!?!!!!!?!?)
提督「何言ってるんだ?ケッコンならもう大分してるだろ」
北上「カッコカリの方じゃなくてさー、ガチの方だってば」
提督「……結婚かぁ。願望はあるんだが、この仕事柄上、出会いなんか無いんだよなー」
北上「何言ってんの?私達がいるでしょーよ。選り取り見取りじゃん」
提督「艦娘達の事か?お前達は部下だし、そもそも俺には高嶺の花だろ?」
北上「そういうのは良いからさ。艦娘の中では誰が良いとか考えた事あるでしょ?」
提督「そんなこと考えた事も無いって。毎日を生き抜くだけで精一杯だしな」
北上「んじゃ今、考えてみなよ」
提督「急に言われてもな……」
北上「じゃあ例えばアタシはどう?」
北上以外の艦娘「」ビキビキ
北上(いひひ、みんなビキってるビキってる♪)
提督「北上か……。案外、いい奥さんになるかもな」
北上「へ?」
提督「いや、普段は怠けたり、そうやって飄々としてるけどやる時はやるだろ?」
北上「そんなことないってば。アタシ、絶対食っちゃ寝の生活とかする自信あるし!ろくな奥さんにならないよ」
提督「ははは、なんでそんなに自信満々なんだよ。ていうか今回、幹事を引き受けたのも大井達に気を使っての事だろ?異動の件もお前が主導で動いてたみたいだしな」
北上「そりゃ大井っちを焚き付けたのはアタシだけど……」
提督「それだよ。大井の為にあそこまで動いたんだ。いざとなったら旦那の為にも尽くすだろうな。お前に愛される奴が羨ましいよ」
北上「う、羨ましいって……」カァァッ
大井以外の艦娘「」イライライラ
北上(あっ、これはまずいですよ)
北上「ア、アタシの話はもう良いから!次いこ、次!」
提督「次って……。だから俺は選ぶような立場じゃないって」
北上「そんな深く考えないでいいからさ。軽い気持ちで、ね!(このまま終わったらアタシの身が危ない……!)」
提督「まぁ、別に構わないが」
北上「じゃあ次は~……、オコトワリしてた皆は後にして、まずは金剛さんかな?」
提督「金剛か。……金剛を奥さんにして文句が出る奴なんているのか?」
金剛(イエス!!)ガッツポ
北上「だいぶ評価高いねー」
提督「そりゃそうだろ。明るくて綺麗で皆の信頼も厚い上に情まで深い。まさに天真爛漫って感じだ。ああ見えて頭だって切れるしな。欠点を挙げろって方が難しいだろ」
金剛(アゥ……///)プシュー
北上「ふむふむ、じゃあ榛名さんは?」
提督「榛名か……。一言で言うと大和撫子だよな」
榛名(///) エヘヘ
提督「榛名は絶対、夫を立てる良妻になるぞ。それだけに悪い奴に捕まらないか心配だな。出来る事なら榛名が望む相手と幸せになって欲しい」
榛名(榛名は、榛名は幸せ過ぎてもう倒れてしまいそうです///)ウーン
北上「ほー、軒並み好評価だねー」
提督「ここにいると麻痺してしまうが、正直言ってお前達は相当レベルが高いぞ。揃いも揃って才色兼備だしな」
北上「それほどでもあるかな。じゃあ次は霧島さん」
提督「霧島は普段から淡々とした態度を取ってるし、旦那を尻に敷くタイプだな。子供が出来たらしっかり育ててくれそうだ」
霧島(提督との子供……)ポワワ
北上「なんか分かる気がする」
提督「しかもああ見えて甘えん坊らしい。良く榛名の布団に潜り込んでるみたいだ。正直、甘えられたい」
霧島(提督に私が甘える……?あ///)ポワワワワワン プシュー
北上「これは意外な真相だね。んー、じゃあ次は天龍さん」
提督「天龍か。天龍は異性というよりはなんでも話せる友人って感じだな」
天龍(んだよ……。くそが……)グスッ
提督「って思って無いと理性がぐらつく。北上、あいつに無防備な態度は取るなって注意してくれないか?俺を異性として見ていないのか、ふとした仕草がいちいち刺激的なんだよ」
天龍(んだよ///くそが///)ウキウキ
北上「自分で言いなよー?」
提督「言ったら言ったで絶対"変な目で見てんじゃねー"とか言うだろ?」
北上「言うねー。でも言わない。はい、次、千歳さん」
提督「……榛名に感じが近いな。良妻賢母の一言」
千歳「///」
北上「んー、なんか他には無いの?」
提督「榛名は旦那を立ててつつも、いざとなれば自分が無理をしてでも動くタイプだと思うんだ。だから駄目男に引っ掛からないか心配だ」
榛名(榛名は提督一筋だから大丈夫です)キリッ
提督「対して千歳は旦那を立てる。そこまでは一緒だと思うが、最後まで表には出ないで旦那を叱咤激励して奮起させそうな雰囲気が出てるんだよな」
千歳(提督の為なら鬼にもなりますよ///)
提督「まぁ、アルコールだけは程ほどにして欲しいが」
北上「なるほどねー。じゃあ扶桑さんは?」
提督「……甘やかしたいな」
扶桑(えっ?///)
提督「扶桑はいつも不幸だって言ってるだろ?実際のところ、確かに運も悪いと思う。だから落ち込んでる扶桑をこれでもかってくらいに甘やかしたい」
扶桑(不幸になればなるほど甘やかしてくれる……?提督が?)ファー///
北上「提督ってもしかしてママ属性とか持ってるの?」
提督「まま属性?お母さんって事か?」
北上「あの時も五月雨ちゃんの事を過剰に甘やかしてたじゃん」
提督「あれは仕方無いだろ。お前は駆逐艦達にキツく当たれるのか?」
北上「当たれるよ。少なくとも重要な書類をおじゃんにしたら叱るくらいには」
提督「くぅっ……」
北上「まぁ、提督はそのまんまでいてよ。そんな提督だからあの子達も頑張れるんだから」
提督「北上……」
北上「な、何さ」
提督「ママって呼んでも良いか?」
北上「蹴るよ?」ゲシッ
提督「イッ、もう蹴ってるじゃないか……」
北上「はー、次、次。お待ちかねのオコトワリ勢だよー」
提督「オコトワリ勢か……」
北上「ん?急にどうしたの?」
提督「いや、北上も知ってるようにあいつらって指輪を受け取らなかったろ?」
北上「まぁね。でも素直になれなかっただけってちゃんと分かったでしょ?それともホントは根に持ってたりするの?」
提督「そんな訳無いだろ。ただな?戦力強化の効果が無ければあの5人に指輪は渡さなかっただろうなって」
北上「」
提督「何だよ?男だって結婚に幻想を抱いてるんだぞ?カッコカリとはいえ理由も無く、誰にでも指輪を渡せるわけ無いじゃないか」
大井・龍田・比叡・千代田・山城「」
北上「ちょ、ちょっと待ってよ!?だってさっき、ここの艦娘は俺には高嶺の花だって!」
提督「いや、高嶺の花は花なんだけど、それで結婚か?ってなるとそうじゃないだろ?北上はイケメンで良い奴だったら誰とでも結婚するのか?」
北上「そ、そう言われると何も言い返せないけど(や、やばい。お遊びのつもりがとんだ地雷を踏み抜いちゃった。折角素直になった大井っち達が提督の後ろで死んだ魚の目をしてるよ。どーすんの?どーすんの、北上!?)」
提督「上司と部下の関係とかで、ある程度の距離感があるとか、恋人止まりの関係なら良いとは思うが、俺は頭が古いからな。付き合うなら墓場までって考えなんだよ」
北上「ん?恋人止まりは良くて奥さんは駄目ってどういう事?」
提督「恋人だってずっとそのままの関係って訳にもいかないだろ?普通は結婚して一緒になるか、それとも別れるかの2択しかない。死に別れなんてのもあるが」
北上「まぁ、そうだよね」
提督「数年なら良いんだよ。きっと刺激があって下手すると今、出てきた艦娘達よりも楽しく過ごせるんじゃないか?」
北上「なら問題ないじゃん」
提督「問題はその付き合いの長さだ。結婚すれば数十年という付き合いになるんだぞ?」
北上「? 数年も数十年も愛さえあれば良いんじゃないの?」
提督「考えても見ろ。俺は自他共に認める仕事人間で帰りもかなり遅い。というより自宅にはなかなか帰れない。人の命に関わる業務を扱っている以上、当たり前の事だ」
北上「確かに……。提督の自宅って実際ここだもんね」
提督「笑えない冗談は止めろ!それでだ、たまに帰って来るとするだろ?」
北上「うんうん」
提督「出迎えるのはあのオコトワリ勢だ。飛んでくるのはまず間違いなく罵詈雑言」
北上「いくらなんでもそれはないんじゃ……」
提督「"ちっ、なんて時間"」ウラゴエ
提督「帰ってみればまず舌打ちがお出迎え。そこから延々と愚痴の嵐」
大井「」
提督「"次の休みは金剛お姉さまの家に行くって約束してたじゃないですか!?楽しみにしてたのに信じられません"」ウラゴエ
提督「疲れて帰ってきたのに金剛についてのマシンガントーク」
比叡「」
提督「"提督~。最近、ちょっと帰りが遅いんじゃないかしら~?これはお仕置きね~"」ウラゴエ
提督「急いで帰ってきてもおしおきという名の薙刀の暴力」
龍田「」
提督「"千歳お姉のところに帰らせていただきます 千代田"」ウラゴエ
提督「突然の家出の置き手紙」
千代田「」
提督「"何よ!私よりも仕事の方が大事なんでしょ?だったら仕事と結婚すればよかったじゃない!?"」ウラゴエ
提督「ヒステリー」
山城「」
北上「ス、ストップ!いくらなんでもそれは無いってば!考え過ぎだよ」
提督「これ、全部似たような事は既にされてるからな」
北上「ええ……大井っち達、何やってんの……?」
提督「別に旦那の後ろを3歩下がって付いてこい、なんて時代遅れな事は望まないし言いたくもない。しかし家に帰ってきた時くらいは"おかえり"の一言を、ちょっとした安らぎを望んでも罰は当たらないはずだろ?」
北上「……だね~」
提督「これがこの先、数十年と続くと思うと流石にな?」
北上「……うん」
提督「とまあ少し熱くなってしまったが、こんな感じだな。まぁ、俺が高嶺の花である艦娘と結婚なんてあり得ないから全部、杞憂の話だけどな」
大井(後ろの5人が恐くて見れない。提督を使ってちょっと遊んでみようなんて馬鹿な事するんじゃなかったよ、トホホ)
提督「それにしても皆遅いな」クルッ
北上「あっ」
オコトワリ勢「」チーン
金剛・榛名・霧島・天龍・千歳・扶桑「///」モジモジ
提督「」
この後、自分達に染み付いてしまったイメージを払拭しようと、甲斐甲斐しく提督の身の回りのお世話をするオコトワリ勢がいたり、自分の長所を生かして猛烈アタックをしたり、天龍が何気無い仕草でHなアピールをして空回りしたり、ママ属性の噂を聞き付けたぽいぬを筆頭にする駆逐艦勢に全力で甘えられたり、ママ属性を持った艦娘達に逆に息子にされそうになったりと、各々の思惑を抱いた艦娘達で執務室が溢れたりしたのはまた別の話
おわる
面白かったです!
最後の騒動も文章として読んでみたいです!
コメントありがとうございます
今のところ続きは考えていませんが、面白そうな話が出来そうならここに加筆するか、新規に作るかしていきたいと思います
こんな拙いssを最後まで読んで頂いてありがとうこざいました
めちゃくちゃ面白かったです。
コメントありがとうございます
自己満足で書いているだけですが、そう言って頂けると励みになります
この作品では無いかもしれませんが、これからもポツポツ書いていくつもりなので良かったら読んで貰えると嬉しいです
めっちゃくちゃ好みの内容でした!もっとこのようなお話読んでみたいです
・・・余計なお世話かも知れませんが龍田さんの武器は鎌じゃなくて薙刀なのです
貴重な指摘ありがとうございます。助かります
読み返して誤ってる箇所を見つけ次第、修正しておきます
読んで頂いてありがとうございました
話がシンプルで分かり易くて面白かったです。
それにしても…龍田の武器を鎌と間違えたのが自分だけじゃなくて安心しました。
コメントありがとうございます
鎌に見えますよね。また書くときには間違えないように注意します