榛名「所詮、私はただの肉便器だったんですね?」
榛名は肉便器じゃない
ガチャ
提督「……」スタスタスタ
吹雪「司令官。皆さん、既に集まっています」
提督「よし。皆も疲れているだろうからな。早速本題に入らせて貰おう。君達の中にも薄々と感じている者もいるだろうが、うちにもとうとうケッコンカッコカリシステムの指輪が届いた」
金剛「やったネー!念願のケッコンダヨー」
提督「金剛。静かに」
金剛「おぅ、ソーリーネ」
提督「皆も承知の通り、この指輪は大本営によって大幅な戦力強化が見込めるとのお墨付きが出ている。そこで私はこれを大和、もしくは長門辺りに贈ろうと思っているのだが、何か具申したい者はいるだろうか?」
艦娘達「……」
提督「何も無いようだな。ではこれは後程―」
榛名「所…、………だの………だ………ですね?」
提督「ん? 榛名。言いたい事があれば遠慮せずに言って良いぞ?」
―――所詮、私はただの肉便器だったんですね?―――
提督「」
艦娘達「」
提督「お、おい、榛名!お前、こんな所で突然なんて事を……!!」
榛名「いえ、榛名は大丈夫です!提督が私をただの肉便器として扱っていた事がたった今分かりましたので!例え指輪が貰えなくとも榛名は、いえ―」
榛名「 肉 便 器 は 大 丈 夫 で す !」
提督「ちょっ!なに言ってんの!?根も葉も無い言い掛かりでいっそ清々しい!?」
榛名「言い掛かり……?あれを言い掛かりと言うのですか?提督は……」
提督「いや、むしろそんな事実があるのなら教えてほしいのだが……」
榛名「……構いませんよ。肉便器は提督に受けた辱しめを、この公衆の面前で包み隠さず全て話して差しあげます!」
提督「自分の事、肉便器って言うの止めろよ!ホントお願いします!」
榛名「……分かりました。でも話は続けますからね?」
提督「お、おお……。頭の整理が全く追い付いていかないが、よろしく頼む」
榛名「では話していきましょうか。あれは半年程前の話です―」
~榛名回想シーン 戦艦・榛名内 遠洋上~
提督「この海上で必死に頑張ってくれている艦娘達にこんな事はとてもじゃないと言えないが、たまにこうして海に出るのも良い気晴らしになるな」
提督「連れてきてくれた榛名には後でお礼でも言っておかねば」
提督「……っと、海を見ているたら用を足したくなってきたぞ」
提督「トイレ、トイレっと」スタスタ
戦艦・榛名『……』
提督「…………」ジョロロロロロ…
提督「……ふぅ」フリフリ
戦艦・榛名『……』
~榛名回想シーン終了~
榛名「榛名は提督の肉便器…………ね?」フフ…
提督「えぇ……」
金剛「提督ゥー!」
提督(あ、これあれだ。このまま糾弾されるパターンのヤツだ)
金剛「そんな馬鹿みたいな論調に付き合う必要なんて無いネー」
提督「……あれ?」
金剛「どうしたんデスカー?」
提督「あ、いや。金剛はこっち側なんだなって」
金剛「こっち側?良く分からないけど、私はいつも提督の味方ネー」
提督「おお……。今ほど金剛を頼もしいと思った事は無いよ」
金剛「そうでショウ、そうでショウ。そもそもその程度で肉便器になれるならワタシなんて……」
提督「ん?なんかこれ、流れが変わらなそうなヤツっぽい!」
~金剛回想中 戦艦・金剛内 沖合い上~
提督「比叡カレーを振る舞って貰ったお礼にと、比叡に"金剛と2人で沖合いを警備して来てほしい"なんて言われたから来てみたが、やはり海は良いものだ。海軍所属の軍人として改めてそう思うよ」シミジミ
提督「……む?」グルル…
提督「くっ、昼間に食べたあの比叡カレーが今になってクルとは……。謎に美味しかったから油断してしまった」グルルルル…
提督「……くっ、もう駄目だ!」ダダダダダッ
戦艦・金剛『……』
提督「ふぅ。鎮守府内でなくて助かったな。もしあそこにいたら、今頃駆逐艦達に襲撃されていたぞ」フキフキ
提督「……しかし、我ながら良く出たな」ポイッ
戦艦・金剛『……』
~金剛回想シーン終了~
金剛「どうですカ?ワタシなんて提督が下したモノまで受け入れましたヨ?小を受け止めた位で正妻気取りとか、これだから清純枠は困るネ」
比叡「」
榛名「金剛お姉さまはそんな高度なプレイまで……!」
提督「清純枠とは……?頭が痛くなってきた……」
霧島「お姉さま方。私を忘れてもらっては困ります」
金剛・榛名「!」
霧島「真打ちは後から遅れてやって来る。そう相場は決まっているんです。良いでしょう。私と司令とのエピソード、存分にお聞き下さい」クイッ
提督「霧島もかー。なんだか心がざわついてきたなー」
~霧島回想シーン~
提督「……」カリカリ… カリ… カリ…
霧島「司令」
提督「! な、なんだ?霧島」ハッ
霧島「もしかして昨日もあまり寝ておられないのですか?」
提督「すまない。うつらうつらとしてしまっていたな。これでは上官失格だ」
霧島「いえ、私達の為に日頃から執務漬けの毎日を送っている事くらいは知っていますから。それよりも―」
提督「なんだ?」
霧島「もし良かったら少しお休みになられたらどうですか?」
提督「いや、それは出来ない。今も海上で頑張っている艦娘達がいるんだ。睡魔などには負けていられん」
霧島「しかし、その状態で仕事を続けても効率は上がりません。ましてや何か間違いでも犯せば取り戻しも効きません」
提督「……ぐうの音も出ないな」
霧島「ではこちらへ」ポンポン
提督「……もしかしなくてもそれは膝枕か?」
霧島「はい。何も無いところで寝るよりは寝心地も良いかと思いますので……」
提督「……ふっ。その耳まで真っ赤にしているお前に免じて、お言葉に甘えることにしようか」
霧島「///」
~霧島回想シーン終了~
金剛「ノーマークだった霧島がまさかの参戦ですカ。しかしワタシのスカトロには勝てまセーン」
提督(どう考えても霧島の圧勝なんだよなぁ……。もっと言うなら金剛は断トツ最下位なんだよなぁ……)
榛名「私のエピソードが一番インパクト薄いです……」
提督(金剛のエピソードさえ無かったら榛名さん、ぶっちぎりです。おめでとうございます)
霧島「手応えが感じられない?とっておきの話だったのに……」ショボン
提督(他が酷いから霧島が輪をかけて可愛く見えてきた)
翔鶴「待ってください」
提督(え?金剛型で終わりなんじゃないの?)
瑞鶴「私達だって負けてないわよ!」
金剛「オゥ……。手をこまねいている内に次から次へと……」
翔鶴「私だってヤるときはヤれるんです」
提督「なんかニュアンスが違って聞こえるなぁ」
~翔鶴回想シーン~
翔鶴「……」
ガチャ
翔鶴「!」
提督「はぁ~。今日も疲れた~」
翔鶴「……」
提督「先ずは風呂にでも浸かって疲れでも落としてくるか」スタスタ
翔鶴「……」
カポーン アー、イキカエルー
翔鶴「……」
提督「やっぱ風呂に入ると疲れも眠気も吹っ飛ぶな」
翔鶴「……」
提督「眠気も薄れた事だし、今日は久々に酒でも飲んでゆったりするか」
翔鶴「……」
提督「賑やかなのもいいが、こうして1人で飲むのも乙なものだ」
翔鶴「……フフ」
提督「? ……気のせいか」
~翔鶴回想シーン終了~
提督「こえーよ!なんだよこれ!?翔鶴の回想シーンなのに翔鶴が一言も喋ってねーじゃねーか!つーかどこにいたんだよ!答えろよ!教えて下さい!お願いしますから!」
翔鶴「ふふ、秘密です♪」
提督「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!壁に耳あり、障子に目あり!!!!!」
翔鶴「どちらもハズレです。正解はベッドの下でした♪」
提督「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」
瑞鶴「まぁまぁ、翔鶴姉にこれだけ想われるって凄い事なんだから、そこは誇っときなさいよ」
提督「そんな誇りより、これからどうやってベットの下の埃を掃除すれば良いんだよ!?怖くてもうベッドの下も覗けねーよ!」
瑞鶴「提督さんがこれだけ喜ぶなんて翔鶴姉は流石ね!」
翔鶴「そんなに褒めても何も出ないわよ?」
提督「まず翔鶴は俺のベッドの下から出ていこう?」
瑞鶴「じゃあ次は私の番ね!」
提督「聞きたくない!最初の方でもう既に聞きたくなかったけど、ホラー要素が更に無理!」
~瑞鶴回想シーン~
瑞鶴「それでね?最近の翔鶴姉ったら提督の事ばっかりで私の事、全然構ってくれなくなったのよ?」
提督『そうか。じゃあ次はこっちを頼む』
瑞鶴「なっ!?も、もう提督さんたら嫉妬深いんだから!……大丈夫よ。私は翔鶴姉の事も好きだけど、それと同じくらいに提督さんの事も好きなんだから///」
提督『助かるよ。他の奴らはあまりそう言ってくれないからな』
瑞鶴「……私だっていつも素直って訳じゃ無いんだからね?今日は特別なんだから!」
提督『そうだな……。後で食事でも奢らせてくれ』
瑞鶴「えっ、それってデートのお誘い?……うれしい!」
提督『良いんだよ。お前が秘書艦の時は執務が捗るからな。ありがとう、大t「ブツッ」
瑞鶴「私と喋ってる時は他の女の名前なんて出さないで!!!」クワッ
~瑞鶴回想シーン終了~
提督「はわ、はわわわわわ!」ガクガクガク
瑞鶴「どうだった?提督さん!」
提督「な、なんか会話の繋がりがおかしかったかなーって。後、最後のブツ切った音は何だったのかなーって」
翔鶴「もう、瑞鶴ったら。また執務室に盗聴器を仕掛けてたのね。あれほど電波が混信するから控えなさいって言ってたのに」
瑞鶴「違うわよ、翔鶴姉。私と提督さんはいつでもどこでも繋がってるから、離れてても会話出来るのよ!」
翔鶴「……一理あるわね」
提督「無いよ!次いでに倫理も道徳も無いよ!無法地帯だよ!」
金剛「翔鶴も瑞鶴もアグレッシブネー」
榛名「私ももっと自分に正直にならないと駄目なんでしょうか……?榛名、今日から本気を出します!」
提督「出さないで!今でも十分にブッ飛んでる榛名は本気出さないで!」
霧島「わ、私も……」
提督「霧島はそのままでいて!自分を信じて!believe in yourself だよ!」
金剛「び、びりーぶいにゅあせるふ……?」
提督「金剛、エセかわいい!」
金剛「提督にカワイイって言われたヨ//」エヘヘ
赤城「待って下さい」
加賀「私達を忘れてもらっては困ります」
提督「……これは俺でも分かるぞ。ヤバい奴らが来たってな!」
加賀「この様子だと赤城さんが出るまでも無いようですね。ここは私に任せて頂戴」
~加賀回想シーン~
提督「戻ったぞー。ん?……加賀?」
加賀「Zzz」
提督「なんだ、待ちくたびれて寝ちゃったのか。申し訳ない事をしてしまった」
加賀「Zzz」
提督「……普段のクールっぷりが嘘みたいな、幸せそうな寝顔だな」
加賀「……ん、んぅ……」
提督「おっと、起こしちゃ可哀想か。毛布を掛けて、っと」ファサ
加賀「……」
提督「……記念に一枚だけなら良いよな?」パシャ
提督「可愛らしい写真が撮れた。これで今日も頑張れそうだ」
~加賀回想シーン終了~
榛名「う、羨ましいです!」
金剛「提督ゥ!ソープリティーデース!」
加賀「今思い返してもニヤニヤが止まりません」ニヤニヤ
提督「あれ起きてたの!?つーか、エグいヤツの合間にちょいちょいほっこりエピソード持ってくるのなんなの!?」
赤城「じゃあエグいのいきますね♪」
提督「ほっこりでお願いします!」
~赤城回想シーン ~
提督「……」カリカリ
赤城「……」カリカリ
提督「……ん?」カリカ…
赤城「どうされました?」
提督「あ、いや。どうやらインクが切れたらしい。いや、違うな。これは詰まってるのか?」
赤城「その万年筆も長い事使われてましたもんね」
提督「ふむ、そろそろ買い替え時か……」
赤城「! では、その万年筆は私に頂けませんか?」
提督「構わないが、見ての通りガタが来てるぞ?良いのか?」
赤城「食べるのには支障は無いですから!」
提督「そうか。赤城がそれで良いなら構わないぞ、ほれ」ヒョイ
赤城「ありがとうございます!」
提督「……ん?今、食べるって……?」
赤城「では、少し休憩を取らせて頂きますね!」
提督「お、おう……」
~赤城回想シーン終了~
提督「まさかあれ食ったのか!?大食漢の上に変食家って、健康面からも流石に見過ごす訳にはいかんぞ!」
赤城「大丈夫ですよ。ほら、提督の万年筆ならここにありますから」スッ
提督「! なんだ。意味深な話だったから、てっきり万年筆を食ってしまったのかと思って焦ったぞ」
赤城「流石に食べませんよ。……上のお口からは」
提督「そうか。流石にそれは無いよな?良かった良かった。……ん?上?」
赤城「提督の手垢の付いた万年筆で、私の下の前後のお口はもうガバガバです♪」
提督「」
加賀「赤城さんはオナニーも激しいですから。そんな細い万年筆でも乱暴に扱えばガバガバになるのも無理は無いでしょう」
赤城「これは実質、提督からの間接手マンと言っても差し支え無いですからね。燃えない訳がありません!」
翔鶴「2穴間接調教……ですか。流石、赤城さんですね。お見逸れしました」
提督「赤城ぃ……。ほっこりの方でお願いしますって言ったよね?」
赤城「? ほっこりの方ですけど?」
提督「……そうか。赤城ってスゴかったんだな……」
金剛「それで提督は指輪を誰に渡すか決めたんデスカ?」
榛名「榛名は肉便器なので指輪が無くても大丈夫です!」
提督「……少しだけ時間をくれ。1人で色々と考え直したいんだ……」
その後、提督がこの惨状に耐えかね、田舎に出戻ろうとしているとの情報を盗聴した瑞鶴がそれを阻止しようと画策していたり、瑞鶴経由で情報を得た翔鶴が、これは好機だとばかりに提督の実家に潜り込んで提督の母親に気に入られたり、自分の寝顔の写真が提督の私室の机に飾られていた事を知って赤面する加賀さんがいたり、提督の手袋や指揮棒に挑戦する赤城さんの姿が見受けられたとかそうでないとか。
~おまけ・提督の自室~
金剛「ワタシ達が姉妹で争ってしまったのが今回の敗因デース」
霧島「それで、その、姉妹全員で寝込みを襲いに来たという訳ですか///」
榛名「榛名は提督の肉便器ですから当たり前の権利です」
比叡「」
提督「Zzz」
金剛「そろそろ布団を捲るヨ?準備は良いですカ?」
霧島「そ、そうですね。ここまで来たら私も覚悟を決めましょう」
榛名「肉便器は大丈夫です!」
比叡「」
提督「Zzz」
金剛「それじゃあ出撃の時間ダヨ!!」バサッ
吹雪「?」チュポチュポチュポ
提督「うっ!」ビュルッ
金剛・比叡・榛名・霧島「」
おわる
提督の貞操は風前の灯火
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