提督「スケジュール」
大淀「提督、お時間です!」
提督「ん」
この提督は常時、レイプ目です
コンコンコン
提督「入れ」
大淀『失礼します』
ガチャ
大淀「提督。今日もお早いんですね」
提督「ああ、やらなければならない事が出来てな。時間は有限。いくらあっても足りない。ならばどうするか。寝る時間を削らねばなるまいて」
大淀「無理はなさらないで……と、言いたいのですが、今日もスケジュールはぎゅうぎゅうに詰まっていまして……」
提督「大淀が謝ることはないさ。お前にもかなりの負担を掛けさせてしまっているからな。それにスケジュールを毎日管理する事の大変さも知っているつもりだ」
大淀「提督……」
提督「ふ、しんみりした空気は嫌いだ。どれ、お前が必死になって調整してきてくれた今日のスケジュールを読み聞かせてくれ」
大淀「はい!それでは読み上げていきます。この後、マルロクマルマルから―」
大淀「艦娘達のお着替えの手伝いがあります」
提督「ん」
大淀「大多数が駆逐艦ですが、加賀さんを始めとした甘えん坊艦隊の皆さんも列に並ぶ事になっています」
提督「そうか。俺が着任したばかりの頃の加賀は、1人で何でもこなしてしまう様な完璧超人だったのにな……」
大淀「そうですね。空母勢で未だに着替えられないと駄々をこねているのは加賀さんだけですからね」
提督「俺は甘やかしすぎてるのか……?」
大淀「ハッキリ申し上げますとそうですね」
提督「……そうか」
大淀「しかし、それが提督の良いところでもあります」ニコッ
提督「ふ、良く言うわ」
大淀「こほん。では続きです。着替えのお時間は1時間を予定してます」
提督「終われるかギリギリのところだな」
大淀「そこは提督の力の見せ所ですよ。その後のマルナナマルマルからは―」
大淀「艦娘達のお食事を養って頂きます」
提督「ん」
大淀「基本的に先程と同じお着替えメンバーの方々ですが、新たに霧島さん、武蔵さん、雲龍さん、那智さんが加わります」
提督「あいつらの好き嫌いはまだ直らんのか?」
大淀「はい。提督が食べさせなければ絶対に口は開けんぞ、と豪語しています。その凛々しくも整然と振る舞う姿には、駆逐艦達も皆、羨望の眼差しを向けてしまっているようです」
提督「困ったものだな。確か霧島はナス、武蔵はピーマン、雲龍はカリフラワー、那智はニンジンだったな?」
大淀「流石です、提督」
提督「あい分かった。俺直々に鼻を摘まみ、一つ一つ丁寧かつ、迅速に平らげさせよう」
大淀「助かります。お食事も1時間を予定しています」
提督「そうか」
大淀「それが終わりましたら、30分間ほどの空き時間が出来ます。そこで必要な準備などなさっておいて下さい」
提督「承知した」
大淀「マルハチサンマルからは、今日、お休みを頂いている子達のお買い物に付き合って頂きます」
提督「ん」
大淀「今日は30分毎に、大和さん、日向さん、飛龍さん、瑞穂さん、名取さん、春風ちゃんに山風ちゃんの順です」
提督「割りと大人しめの子が揃ったな」
大淀「最近の提督のお仕事っぷりを見ていると些か根を詰めすぎかと思いまして。勝手ながらその様に調整させて頂きました」
提督「見事な采配だ。良く考えている。しかしその反動で、元気な子も後で押し寄せて来るというわけか」
大淀「ふふ。今日休んで頂く分、明日以降は激務が待ってますよ」
提督「はは、こやつめ!」
大淀「そして正午からは艦娘達との会食を予定しております」
提督「ん」
大淀「場所はまだ決まっていませんので、その時々で対応して下さい」
提督「……それはいつものメンバーか?」
大淀「はい。鳳翔さんを始めとした、"提督を骨の髄まで甘えん坊にしたい艦隊"の皆さんです」
提督「そうか……」
大淀「……前々から気にはなっていたんですが、お嫌なんでしょうか?」
提督「いいや。決して嫌では無いんだが、時々、自分が自分で無くなるような感覚に陥ってな……。正直、得体の知れない深淵に片足を突っ込んでいる気分になるんだ」
大淀「大丈夫ですよ。巷ではそれを"バブみ"と呼んでいるらしいです。安心して身を任せて下さい」
提督「"バブみ"……か。奥深いがどこか恐ろしさを感じる言葉だな」
大淀「続いて、会食が終わり次第、お昼寝の時間です。予定ではヒトサンサンマルからです」
提督「ん」
大淀「約2時間半を予定していますが、何か不備はあるでしょうか?」
提督「……暁にオムツを履くよう、大淀からも一言言っておいてくれないか?」
大淀「暁ちゃん曰く、提督を悦ばせる為のそういうプレイらしいですよ」
提督「なるほどな……。暁は子供だ、子供だと可愛がって来たが、いつの間にか俺を越えていたんだな……。寂しいものだ」
大淀「子供達の成長は早いですからね」
大淀「続けます。お昼寝が終わり、ヒトロクマルマルからは分単位で動いて頂きます。ここが正念場ですよ」
提督「気合いを入れねばな」
大淀「出撃から帰還してきた艦娘一人一人に労いの言葉と、怪我を負った箇所一つ一つに"痛いの痛いの飛んでいけ~♪"をして頂きます」
提督「ん」
大淀「なるべく重度の外傷を負ってる子を優先して下さいね」
提督「……前々から思っていたんだが、大破の子達には"痛いの痛いの飛んでいけ"なぞしていないで一刻も早く入渠させた方が良くはないか?」
大淀「!! ……貴方は必死に戦ってきた艦娘達に死ねと宣告なされるんですか!? 勇猛果敢に、時には健気に役目を終えた艦娘達に"朽ち果てろ、その場で死を待て"と棄て去るんですか!?そんな……!?見損ないましたよ!?提督!!」
提督「…………………………。すまない。俺がどうかしていたんだ。そうだな。"痛いの痛いの飛んでいけ"は入渠なんかよりも大事だったな。事の発端である俺がこんな事を言うのは勝手だと思うかも知れないが、どうか今の言葉は忘れてはくれないか?」
大淀「…………ふふ。冗談ですよ。提督が心からそんな事を言うはずがない、という事は分かっていましたから」
提督「…………そうか。……そうなのか?」
大淀「では気を取り直して続けていきますね。欠損箇所から擦り傷まで、大小関係無く"痛いの痛いの飛んでいけ~♪"をして頂くので、数百回、時には数千回にまで及んでしまうと思いますが、なんとか2時間で終わらせて下さい」
提督「尽力する。……ところで大淀、もう一度"痛いの痛いの飛んでいけ"って言ってくれるか?」
大淀「"痛いの痛いの飛んでいけ~♪"」
提督「ん」
大淀「///」
大淀「皆さんのお迎えの儀を終えるとヒトハチマルマルです。ここからは皆さんのお風呂タイムです」
提督「ん」
大淀「体の隅々まで丹念に、念入りに洗って下さいね。艦娘によっては内側まで所望される方もいると思いますので、希望に沿ってあげて下さい」
提督「……内側か」
大淀「提督の掃除器具でしっかり悦ばせてあげて下さい」
提督「……そうだな」
大淀「フタヒトマルマルからは夕食のお時間です」
提督「ん」
大淀「ここでは皆さんが花嫁修行と称して作ってくる料理の数々を食して頂きます。おざなりな感想は駄目ですよ?」
提督「しかし目の前の数百という料理に、何一つとして似たような感想は言うな、というのは幾分、酷ではないか?」
大淀「それでも構いませんが、これは艦娘達のモチベーションに関わる事ですから……」
提督「……その言い方はずるいぞ」
大淀「ふふ、頑張ってくださいね」
大淀「頑張って頂いた後はフタサンマルマルまでご休憩なさってて下さい」
提督「ん」
大淀「そこからはマルサンマルマルの就寝時間まで夜戦のお時間です」
提督「…………」
大淀「どうかしましたか?」
提督「風呂場でのあれは夜戦では無いんだよな?」
大淀「はい。全くの別物です」
提督「いや、しかしやってる事はそこまで変わら「別物です」…………そうか」
大淀「別なんです」
提督「ん」
大淀「では私はその他の微調整をする為に皆さんの所へ行って参りますね?」
提督「ああ。宜しく頼む」
大淀「はい。失礼します」スッ
提督「……大淀!」
大淀「はい。なんでしょうか?」
提督「提督とは…………いや、何でもない」
大淀「ふふ、おかしな提督ですね。では、改めて。失礼しました」
ガチャ
提督「……提督って何なんだろうな?」
提督「さて、皆の着替えの時間までユー○ャンの保育士資格と房中術の入門書でも読み耽るか……」
おわる
提督ってなんだっけ?(白目)
提督と艦娘の間には筆舌し難い絆があるからね、仕方無いね
コメントありがとうございます