2021-05-07 12:53:16 更新

概要

『やっと提督になれた!』そう言って喜ぶ煩悩にまみれ気味の男、風川仁志(かざかわ ひとし)。着任した先はのどかな島の警備府でした。


前書き

今書いてる作品の息抜きがてら書いてます。どこまで続くか未定。あと、この話の時間軸は現代から数十年進んだ未来です。それから登場する人物、建物、団体、地名は全て架空のものです。


横須賀提督養成所を卒業して半年。遂に辞令が下りて、俺は横須賀鎮守府の雑用係を卒業し、近畿地方に最近できた沼島警備府の提督になった。俺は大本営に辞令を受け取りに向かい、そこで元帥から言われた言葉は


元帥「沼島は船がないと不便だから、着任までの間に船の免許を取りなさい」

俺「(゜Д゜)」ポカーン

元帥「それから、向こうは島だから補給が途絶えることがあるかもしれん。資材の浪費を防ぐため、建造や開発する際は儂に連絡して理由も説明するように」

俺「(゜Д゜)」ポカーン


いや、マジかよ。俺、建造しまくろうと思ってたのに。巨乳の艦娘をいっぱい建造しておっぱいランドを作ろうと思ってたのに。つーかなんだよ船の免許って。船がないと生活できないってウッソだろお前。


元帥「煩悩にまみれた顔をしているぞ」

俺「そんなことないです」キリッ

元帥「ほら、さっさと教習所に行きなさい」

俺「失礼します」


パタン


元帥「……まったく。あいつは何時まで経っても馬鹿だな。でも、それがいい」フフッ



・・・



俺「わーれーはうーみnぼえぇぇぇぇぇ!!」オロロロロロ

漁師「兄ちゃん大丈夫か~?船首は揺れるから船尾の方に行った方がいいぞ~」

俺「わ、わかりまsおぼぇぇぇぇ!!」オロロロロロ


数ヶ月後。俺は船の上で朝食のステーキ定食を口と鼻から盛大に吐き散らして魚に餌を与えていた。1500円の肉は美味いか魚共。


船の免許を取得し、元帥が中古の漁船を用意していたけど、風が強くて波も高かったことを心配した沼島の漁師さんが態々迎えに来てくれた。感謝しかない。多分来てくれなかったら船酔いでまともに船を操縦できずに今頃遭難してる。


胃の中にあったステーキ定食を全て吐き終え、胃液も出し切った頃、漁師さんが俺にスポーツドリンクを手渡しながら話しかけてきた。


漁師「兄ちゃん若そうだけど幾つだ?」

俺「22歳です」

漁師「22か!若いねぇ~。島にゃ若いのがあんまりいねぇから、提督さんとはいえ、若いのが来てくれると嬉しいねぇ」


うん。知ってる。ここに来る前に地図で見てみたら、めちゃくちゃ小さい島じゃん。小学校と中学校はあるけど高校ないし。ゲーセンないし。人口も1000人足らずだし。何なら人口分布も見てみたら2020年ぐらいまでは500人切ってたし。今も絶賛少子高齢化の場所だし。


漁師「うちは昔は集落全体が消滅するかもしれなかったのに、深海棲艦との戦争が始まってから島に引っ越してきた人達が居着いてくれたお陰で人口が回復して嬉しい限りだよ」

俺「そうですか」

漁師「ほら、もうすぐ到着だ」


漁師の指差す先には島の防波堤に並んで手を振る島民の方々が見える。いかん、船酔いしている場合じゃない。鼻をかんで、口をゆすいで、ブレス○ア食べて……よし。鏡で顔色確認……顔が死人のレベルで青白いけど問題ない。


漁師「ほい、じゃあこの縄を防波堤に向かって投げてくれ」

俺「わかりました」


防波堤に近づくと、漁師さんは俺にロープを渡してきた。俺が力一杯ロープを投げると、防波堤にいた方々がロープをキャッチして手際よく係留フックにロープを巻き付けてくれた。


漁師「到着だ。ようこそ沼島へ」

俺「本当にありがとうございました。そうだお名前は?」

漁師「あ、俺は淡島(あわしま)だ。これからよろしく」

俺「風川仁志です。よろしくお願いします」


淡島さんと俺は握手を交わすと、沼島に上陸した。上陸するなり島民の皆さんに囲まれる。若い女の子ばかりだったら最高なんだけど、残念ながらほぼお爺さんかお婆さんだ。


爺1「態々こんな所にまで来てくださって、ご苦労様です」

婆1「何にもないところですが、どうかよろしくお願いします」


……うん。マジで何にもない。全体的に建物は古めで、老朽化も目立つ。漁協もあるけど建物が錆だらけだ。


俺「あの、警備府は何処に……」

婆2「警備府はここから北にまっすぐ行ったところですよ」

爺2「艦娘の皆さんも待ってます」

俺「成程。ありがとうございます」


ふむ、既に艦娘は来てるのか。書面では戦艦、軽巡、正規空母がそれぞれ1。残りは駆逐艦5の計8人。艦名はわからない。元帥が教えてくれなかった。にしてもめちゃくちゃアンバランスな人選だ。普通こんな田舎の警備府だったら正規空母じゃなくて軽空母で十分だろ。火力も本土から程近いこの警備府では重巡で十分だ。ま、大本営がいいって言うのなら別にいいけどな。うん。戦艦と正規空母には巨乳の艦娘が多いって言うし。戦艦に関しては外れ無しだ。軒並みデカい。正規空母は……3人程ペッタンがいた気がする。その中でも特に絶壁なのは2人。まぁ確率は低いと言っていいだろう。


俺は島民の皆さんにお礼を言うと、荷物を持って警備府に向けて歩き出した。歩くこと10分。俺の着任する警備府の建物が見えてきた。3階建ての至ってシンプルな建物に、小さな工廠。そして山の斜面を掘って作ったらしい資材倉庫が見える。


俺「ここが俺の警備府か……」


正門の横には『沼島警備府』と墨書された木の板が掛かっている。今日から俺はこの警備府の提督になる。俺は大きく息を吸い込み、期待に胸を膨らませて正門をくぐった。


??「誰ですか?」


しばらく歩き回っていると後ろから声をかけられた。今この敷地内には艦娘しかいないはず。つまり、声をかけてきたのは艦娘。いったい誰なんだろうか。俺はクルリと向きを変えると声の主を見た。……うん、絶壁まではいかないけど、小さい。


俺「今日からこの警備府の提督を務める風川だ」

??「提督さんでしたか。私は夕張。軽巡洋艦です。この警備府の艤装の手入れや開発、設備維持をしています」

俺「よろしく頼む」


夕張の髪、銀髪って言うのかな。綺麗な髪をしてる。あとへそが見えててエロい。タイツもエロい。


夕張「どうかしましたか?」

俺「いや。さて、まずは執務室に行こうか」

夕張「では案内しますね」


夕張に案内されるままに俺は建物に入る。


夕張「警備府自体は地上3階地下2階です。地下1階には食料や水などを備蓄する倉庫、地下2階には屋内トレーニング場及び非常用シェルターとなってます。緊急時にはこちらに執務室や無線室を移して指揮を執ります」

俺「成程」

夕張「地上1階は食堂と入渠施設、それから物置。2階は艦娘居住区。3階は執務室と無線室、それから提督の部屋があります。提督の部屋には浴室もあります」

俺「ありがたいね」


正直自室に浴室があるのはありがたい。入渠施設が風呂場も兼ねてたりすると、艦娘達と時間の調整をする必要があったりするから大変なんだよね。横須賀にいるときに学んだ。うっかり艦娘が入っている時に入ったら大事件になりかねない。


夕張と共に3階に上がり、突き当たりにある少しだけ豪華な扉の前まで来ると夕張は立ち止まった。


夕張「ここが執務室です」

俺「案内ありがとう」

夕張「どういたしまして」


この扉を開ければ、俺は警備府の提督として働くことになる。どんな艦娘達が待っているのだろうか。俺は期待に胸を膨らませて扉を開いた。


俺「し、失礼するぞ」ガチャッ


俺が執務室に入ると、7人の艦娘達がソファーを囲んでトランプをしていた。


俺「……すまない。部屋を間違えたようだ」

夕張「あってますよ。ここが執務室です。皆、提督が警備府に着任したわよ。これより、艦隊の指揮に入ります」


夕張の言葉に、艦娘達は慌ててトランプを片付け、横一列に整列し、俺に向かって敬礼してきた。


艦娘達「「遠路はるばるありがとうございます!」」

俺「出迎えありがとう。早速だが、艦種、艦名、練度、改装状態を教えてほしい。夕張も改めて頼む」

夕張「はい。夕張型軽巡洋艦の夕張です。練度は88で、改装状態は改二。この警備府の副官を務めさせて頂きます」

俺「ありがとう。次」

??「金剛型戦艦、3番艦の榛名です。練度は35で、改装状態は第一次改装が終了しています」


榛名、胸デカいな……。他は……残念だな。つーか練度の落差が凄まじい。夕張や榛名はまとめ役という意味で配属されたんだろうか。夕張ほどの高練度艦がここに配属されるってのも珍しいけど。こんな田舎の警備府だったら普通は榛名ぐらいの練度の艦娘がまとめ役になるんだけどな。


??「あなた。何か嫌らしいこと考えてたんじゃない?」

俺「ソンナコトナイヨー」

??「はぁ……雲龍型航空母艦の葛城よ。練度は10。未改装よ」


……改装したらあの断崖絶壁は少しは膨らむのだろうか。駆逐艦と同等もしくはそれ以下なのは少し可哀想にすら思える。


俺「成程……残りは駆逐艦だな」

夕張「はい。駆逐艦は全員白露型で、練度は全員5です」

俺「成程。じゃあ皆自己紹介を頼む」

??「はーい!じゃあ私から!白露型駆逐艦1番艦の白露です!!よろしくお願いします!」

俺「よろしく」


すごい元気だな。


??「時雨だよ。提督、よろしくね」

俺「ああ。よろしく」


時雨は白露と違って落ち着いてる感じだな。駆逐艦達の中のまとめ役かな?


??「夕立っぽい!提督さん、よろしくお願いしますっぽい!」

俺「ああ」


一瞬犬に見えた。超人懐っこそう。不審者にでもホイホイ付いていきそうだから気をつけないと。


??「は、春雨です。よろしくお願いします……」

俺「こちらこそよろしく頼む」


時雨みたいに落ち着いてるっていうより、どちらかというと控えめっぽい感じの子だな。


??「海風です。よろしくお願いしますね」

俺「ああ。よろしく」


ザ・普通。何というか、すごく普通な子に見える。


俺「さて、俺だな。俺は風川仁志。階級は少佐。出身は京都だ。何か質問はあるか?」

白露「はい!」

俺「白露」

白露「何歳ですか!」

葛城「流石にいきなり年齢を聞くのは失礼よ……」

俺「いや、いいよ。歳は22だ」

榛名「随分若いですね。海軍には何時入隊したんですか?」

俺「中学卒業してすぐだな。だから15か。しばらくは一般兵として働いて、19の時に提督候補生として横須賀の養成所に入った」


実は俺の家、あまり裕福な方じゃなくて、勉強がよくできる妹や弟のために高校に行かなかったんだよね。高校に行かないって言ったら中学校の教師からは物凄く引き止められたし、親も反対したけど、それを振り切って中卒でも入隊できて、高収入の海軍に試験をくぐり抜けて入隊した。以来、給料の7割は実家に仕送り。2割は貯金。1割は自分のために使っている。養成所時代は衣食住は確保されていたからそれで何の問題もなかった。提督はそれより高収入だから、このままでも問題ないだろう。俺は弟も妹も大学まで行かせてやるつもりだ。


夕張「じゃあ中卒ですか?」

俺「いいや。一般兵時代に高卒認定を取ったから一応高卒だ」

海風「随分苦労されてるんですね」

俺「ま、この話は置いといてだな……他に質問は?」

榛名「じゃあ、特技は何ですか?」

俺「特技……か。釣りと日曜大工、それから家庭菜園かな。旋盤、溶接一通りのことなら何でも出来るぞ」

夕張「え?すごっ」

春雨「素人の域を超えてる気がするのですが……」

時雨「今までどんなのを作ったんだい?」

俺「え?う~んそうだな……箪笥とか、小物入れとか。バイクとか車も直したことがあるな。あと屋根の修理も」

夕立「提督さん、元々所属していたのは工兵隊っぽい?」

俺「ああ」


俺は一般兵時代、工兵隊に配属させられていた。元々物作りが好きだったこともあって、みるみるうちに色んな技術を習得して、気付けば業者に混じって兵舎の屋根の修理や水道、電気工事とかもしていた。『貴様、軍人であることを忘れてるな』と上官に呆れられたこともある。


俺「他に質問は?」

春雨「はい。京都ってお寺がいっぱいあるんですよね?よくお寺には行きましたか?」

俺「いや……よく皆が思い浮かべる京都のイメージって基本的に『京都市』のイメージだからな」


これ重要。一部の人はお茶で有名な宇治市や、日本有数の海軍基地のある舞鶴市を言ったりするが、8割方の人は京都と言ったら寺社仏閣を思い浮かべるだろう。しかし俺の生まれは京都市でも舞鶴でも宇治でもない。俺の出身は京都市に隣接する地方都市、南丹市だ。その南丹市の中でも福井県や滋賀県に近い旧美山町だ。冬は京都府内でもそこそこの豪雪地帯で、かやぶき屋根の有名な場所。でも……


時雨「じゃあ、何処出身なんだい?」

俺「当ててみろ」

榛名「舞鶴」

俺「違う」

夕張「宇治」

俺「違う」

夕立「あれ?他に何処があるっぽい?」


これだよ。とにかく知名度が低い。それはもう悲しくなるぐらいに。関西圏からでれば最早京都市、舞鶴以外は皆京都の市町村って知らないんじゃないかって疑うレベルだ。


俺「……南丹だ」

葛城「何処よそれ」

俺「京都市の隣だ。なんで知らないんだよ。南丹って結構広いぞ」

葛城「はぁ?あのね、私達は何時も海に出て深海棲艦と戦ってるのよ?そんなイノシシやシカ、サルしかいないようなクソ田舎、知ってるわけないじゃない。どうせ広いって言っても、山しかないんでしょ」

俺「(´・ω・`)」ショボン

白露「流石に言いすぎじゃない?事実かもだけど……」


事実なのが辛い……。


俺「と、とにかく、出身の話は置いといてだな、この警備府の目的は何だ?」

夕張「この警備府の目的は漁船警護及び救助、対潜警戒が主目的です。それから、遠方から帰投した艦隊の補給及び応急修理拠点という側面もあります」

榛名「この警備府の目の前の航路は神戸、淡路、瀬戸内、高松といった鎮守府の艦隊の通り道ですからね……」

海風「少し離れたところには徳島鎮守府もありますしね……」


うん、まぁ警備府の任務はこんなもんだろうな。この数、この練度で近海哨戒は無理だし。対潜警戒と言っても葛城は正規空母。対潜警戒には向かない。なんでここに送り込んだ。


俺「さて、こんなもんにして今日はお開きにしよう。明日からは本格的に任務を開始する。以上、解散」


今日はもう疲れた。任務依頼が来るのは明日からだから今日は警備府の敷地散策だな。


俺「さて、荷物を置きに行くか」


執務室を出た俺は執務室の隣にある『提督私室』と書かれたプレートが掛かった部屋のドアを開ける。


俺「思ってたより広いな」


部屋は大体10畳程の広さで、和室だ。押し入れに箪笥、本棚。小さめのテレビとちゃぶ台が置かれ、カセットガスのコンロが置かれた狭い台所にトイレと風呂が付いていた。窓を開けると、腰掛けられる程のスペースがある。丁度物干し竿を架ける場所もあるし、ここで洗濯物も干せそうだ。


俺「風呂もまぁまぁ広めだな。洗濯機まであるのか」


これならかなり快適に暮らせそうだ。必要な家具は最悪作ればいい。



・・・



俺「さて……と」


荷物を一通り片付けた俺はリュックサックを背負い、地下足袋を履いて、地図を片手に警備府の北側の山を歩いていた。警備府の敷地はかなり広大だが、大半が山になっている。沼島は島の中央部に住宅などが密集しているから、島の北部と南部はほぼ山になる。警備府のある北部も、警備府より北は山のみだ。


俺「島だから買い出しに苦労しそうだしな……」


もういっそ開墾して畑でも作ろうかな。現時点で警備府の人員は俺を含めて9人。皆で働けば畑の維持は可能だろう。実家のある南丹に比べてシカやイノシシもほぼいないだろうし、※連作障害と害虫と鳥さえ気をつけていればいいだろう。


※連作障害……同じ畑で同じ作物を作り続けると年々収量が減っていくなど、正常に栽培ができなくなること。一般的にトマトやナス、ピーマンなどは連作障害が起こりやすい。逆にタマネギやニンジン、カボチャ、サツマイモなどは連作障害が起こりにくい。


俺「流石にコメは作れないな……」


この島、一応水はあるにはあるけど、コメ作りを遠慮なくできる程の水量はない。すぐ隣の淡路島から水道やガス、電気、電話線を海底ケーブルで繋いではいるものの、やはり水は貴重だ。下手に使えない。雨水を溜めて使うことが前提だ。


俺「となると畑を作って何か育てるしかないか……後はニワトリでも飼うか」


ニワトリからは玉子が採れる。年老いて玉子が採れなくなれば、味は悪いが鶏肉にできる。


俺「早速準備するか……」


俺は山を下りると工廠に向かった。工廠には様々な機械が所狭しと置かれ、オレンジ色の作業着を着た夕張が1人でせっせと動き回っていた。


俺「夕張」

夕張「はい!何ですか?」

俺「チェーンソーを貸してくれ」

夕張「はい、どうぞ……って。着任早々何するつもりですか?」

俺「土地のリフォーム」

夕張「成程~ってなるわけないじゃないですか。説明してください」

俺「いや、万が一のことを考えて、食べ物を作ろうって思ってな。すぐそこの山を切り拓いて畑でもしようかと」


俺の言葉に夕張が疑いのまなざしを向けてくる。まぁ、着任早々畑を作るなんて言ったら普通そうなるよな。


俺「ここは離島だ。万が一敵に攻撃されたら、食料不足になるのは確実。それに備えるというわけだ。警備府の敷地内なら、多少のことは許される。住民の迷惑にならない程度にするつもりだ」

夕張「成程……そう言うのでしたら……」


そう言って夕張はチェーンソー2台にリヤカー1台、そしてロープを持って来た。


俺「おい、チェーンソーは1台でいいぞ」

夕張「私も手伝います。1人で山仕事は危険ですから」

俺「手伝ってくれるのか?」

夕張「着任早々怪我をされたら困りますから」


夕張は素早く地下足袋を身に着けると、壁に掛かっていたヘルメットを俺に押し付けてさっさと歩いていく。あ、俺がリヤカーを牽くのか。



・・・



夕張「で、どういうイメージで開拓するつもりですか?」

俺「大体のイメージはこんな感じだな」


俺は持っていた紙切れに畑の完成図を描く。地形的に斜面をならすのは難しいから、段々畑にすることにした。水は雨水に頼ることになるから、貯水タンクを作る必要があるな。山頂付近に貯水タンクを作ってみようか。


俺「一つ一つの畑の面積はそれ程大きくはならないが、それぞれの畑に違う作物を植えて栽培しようと考えている」

夕張「成程……住民の許可は?」

俺「警備府の敷地内で多少土地をいじることは許されている。問題ないだろう」


俺は早速倒しやすそうな木を見つけると、チェーンソーのエンジンをかけた。


夕張「提督。チェーンソーを使ったことは?」

俺「実家で何度か使ったぐらいだ」


実家にいた頃、親父が体調を崩していた時に台風で山の木が倒れて道路を塞いだことがあった。慢性的に若者が少ない地域ということもあって、仕方なしに近所の動ける爺さん達と一緒に木を切ったことがある。ただ『流石に子供に無理をさせるのは良くない』と周囲に言われて結局やったのは数回だけだ。


俺「あっちの方向に倒そうか」

夕張「わかりました」


俺は木の根元にチェーンソーの刃をあてて、切り込みを入れる。ある程度切ったところで夕張がくさびを打ち込み、艤装を展開して木を押し倒した。


俺「おお。すごいな夕張」

夕張「とはいっても、これでもかなり出力を抑えてますけどね」

俺「もういっそ艤装使った方が早く終わらないか?」

夕張「馬鹿言わないでください。艤装を使うと燃料を消費するんですよ?出撃も演習もしてないのに燃料が大幅に減ってるなんて大本営にバレたらただでは済みませんよ?」

俺「……確かに」

夕張「ですので、艤装の使用は最小限にしましょう」

俺「わかった」


その後も俺は夕張と共に木を伐採し、枝を全て切り落とした。目標の半分程の木を伐採したところで日が暮れたから今日の作業を終えることにした。


俺「こんなもんかな」

夕張「切った木はどうするんですか?」

俺「幹は段々畑の土留めに使う。枝は焼却処分だな。明日以降は書類作業の合間を見つつ木の伐採と根っこの除去だな」


とは言ってもこんな辺境の警備府の書類作業なんてたかがしれてるから、どうせすぐに終わる。1日の大半はこの作業に費やせるだろう。


夕張「じゃあ私はシャワーを浴びてきます」

俺「ご苦労さん」


工廠について道具を所定の場所に戻した後、夕張と別れた俺は私室にあるシャワーを浴びた。シャワーを終え、浴室から出て軍服に着替え終えたタイミングで内線が鳴った。


俺「はい。提督だ」

榛名「提督、榛名です」

俺「どうした?」

榛名「あの、警察の方達がお見えです」

俺「警察?」


俺、何かやらかしたっけ?心当たりないんだけど。


榛名「執務室にご案内してよろしいでしょうか?」

俺「ああ。お茶を出して待って貰ってくれ。すぐに行く」



・・・



俺「お待たせしました。沼島警備府提督の風川です」


数分後。俺は大急ぎで執務室に入り、ソファーでくつろいでいた警察の服を着た3人組に敬礼をした。パッと見た感じでは、2人はそれなりの立場の人達っぽいが、1人はまだ20代に見えるから、恐らく沼島を管轄している警察官だろう。


警察官1「兵庫県警本部長の永井です」

警察官2「南あわじ署署長の桑島です」

警察官3「灘駐在所の吾妻です」

俺「態々ご苦労様です」ペコリ

永井「早速話に入らせてもらいますが、実は風川さんに警察が持つ一部権限を貸し与えようと思い、本日は来ました」


……は?何で?


桑島「沼島は以前より警察が常駐していません。管轄は灘駐在所ですが、何せ沼島は離島で船で行く必要がある。天候によっては何かあっても急行できないという欠点がありました」

永井「そこで、警察の持つ一部権限を移管し、風川提督に実質的な駐在官となって貰いたいのです」


マジかよ。提督やりつつ警官もするのか俺。ちゃんとやって行く自信ないんですけど。


俺「しかし、それは私1人で判断できることでは……」

永井「既に海軍と協議をして、風川提督が承諾すれば構わないと許可は得ています」


それって拒否権ないって言ってるのと同じじゃん。


俺「そもそも、今までは灘駐在所で対応できていたんですから今のままでもいいのでは?私は警察の業務はさっぱりですよ?」

永井「そこは我々がフォローします。何か困ったことがあれば遠慮無くこちらに電話して頂ければ」

桑島「簡単な業務マニュアルも作成しましたので、こちらも参考に」


桑島さんから受け取った冊子は結構分厚かった。表紙をめくると、目次が数ページにわたってびっしりと書いてある。最早教本レベルだ。


俺「……わかりました。引き受けましょう」


最早俺に拒否権はない。



・・・



俺「……と言うわけでここ沼島警備府は警察的な役割も持つようになった」

葛城「唐突ね」


1時間後。俺は食堂に集まった皆に対して説明を行った。


榛名「でもまぁ、特段驚くことではないですね。十分あり得た話でしょうし」

俺「まぁな」


俺が承諾した後色々聞いた話によると、本当は警備府の一角を間借りし、駐在所のようにしたかったのだが、海軍が軍事機密の漏洩の可能性があるとしてこれを拒否。交渉を重ねた結果、警備府の提督に警官をやらせよう。となったらしい。


葛城「具体的には何をするの?」

俺「拾得物の保管、事故や事件のあった際の現場の維持、他には道案内とかかな。あ、あと飲み屋とかの喧嘩騒ぎの仲裁もやらないといけない。んで、毎日日報をつけて提出」

夕張「結構多いですね」

俺「普通の警察がやる仕事に比べれば遥かに少ないぞ。提督の仕事もあるけどそれも普通の鎮守府に比べりゃ午前中で終わるようなものだしな」

時雨「本業よりも副業の方が忙しくなりそうだね」

俺「どうだかねぇ。ま、俺からすれば一応手当がつくから別にいいけど」

白露「いいんだ……」

海風「ところで提督。挨拶を終えた後はどちらへ?」

俺「山で木を切ってた」


俺の言葉に食堂は静まりかえる。え?俺、何か悪いことを言った?


榛名「木を切るって……何のためにですか?」

俺「食費を浮かすために畑を作ろうと思ってな。山の一部分を段々畑にして作物を育てるつもりなんだ」

葛城「着任早々とんでもないことを始めたわね……」

俺「皆が出撃したら俺は殆どすることがない。警察業務も、提督としての仕事もたかがしれてる。つまり俺の暇つぶしという側面もある」

春雨「普通は暇つぶしに裏山を開拓したりしませんよ……」

俺「ま、極力迷惑にならないように気をつけるからさ、これぐらいはさせてくれ。もちろん、一緒にやりたいなら大歓迎だ」


皆でした方が楽しいし、効率も上がるから、皆でやった方がいいに決まってる。でも、やっぱり好き嫌いがあるだろうから強制するべきではないだろう。


夕立「面白そうだから、夕立も手伝うっぽい!」

白露「私もー!」

時雨「僕も」

春雨「私も」

海風「姉さん達がするのなら、私もお手伝いします」


……マジかよ。意外。正直無理かなって思ってたのに、この反応は意外だった。


夕張「ま、私も暇を見繕って手伝いますよ」

榛名「よく分かりませんが、榛名も手伝わせてください」


残るは葛城。さて、君はどうするのか。皆の視線が一斉に葛城に注がれる。葛城は大きくため息をつくと仕方なさそうに顔を上げた。


葛城「……わかったわよ。この状況で私だけ拒否したらおかしいじゃない。ただし、暇な時だけよ」

白露「わ、これ、ツンデレって言うんじゃ……」ニヤニヤ

葛城「し・ら・つ・ゆ~?」グリグリ

白露「わー!痛い痛い!ごめんなさい!!」

俺「おいおい……」


・・・



俺「さて。着任から1ヶ月が経ったわけだが……」

夕張「見事な段々畑が出来上がりましたね」


俺が着任して1か月。皆が協力してくれたお陰で山の斜面には見事な段々畑が完成していた。それぞれの畑に違う作物を植えているから、色んな作物が採れる。大きな丸太は土留めに利用し、枝は焼却処分した。


夕張「あとは山頂に貯水タンクを造るだけですね」

清太「それと水路だな」


今は水を下から上の段々畑まで運んでやっているけど、毎回それはキツい。そこで段々畑の中央に水を流す水路と、格段ごとに水を溜めるための穴を掘った。山頂には濾過機能を搭載した貯水タンクを設置する。栽培する作物によっては水はそこまでやる必要はないというものもあるけれど、いざという時のためだ。


清太「タンクは工廠にあるガラクタを溶かして造るか」

夕張「そうですね」


まず工廠で不要なガラクタをかき集め、溶鉱炉でそれらを溶かす。型に流し込んで形を形成して、取水口等を取り付け、それを夕張達に頼んで山頂に運ぶ。


夕張「すごく大きくなりましたね」

俺「デカいに越したことはないけどな」


出来上がった貯水タンクは容量が軽く500Lを超える代物になった。定期的に水を入れ替えたりすることも考えると、畑の面積的にも十分まかなえる水量だろう。


俺「水路はひとまず手掘りのままで様子をみようか。必要になったらU字溝を埋めよう」

夕張「そうですね」

榛名「提督~!」


俺が夕張と話し込んでいると、榛名が駆け寄ってくる。何かあったのだろうか。


俺「どうした?」

榛名「今無線が入って、南方作戦に出撃していた神戸鎮守府の艦隊がここに寄港するそうです。何でも大破した艦娘が複数いる上に燃料が足りないらしくて……」

俺「成程。で、どれぐらいで到着しそうだ?」

榛名「距離的に恐らく3時間程かと」

俺「そうか。夕張、入渠の準備をしてくれ。それから榛名は葛城に誘導の艦載機を飛ばすように指示を出してくれ。んで、葛城、白露、夕立、時雨を連れて何時でも救助に向かえるように準備。俺は春雨と海風とで補給の準備をする」

榛名・夕張「了解」


警備府に着任して1か月。こういうことが時たま起きる。遠方から帰投する艦隊は大抵疲弊しているから、うちみたいな補給拠点が必要になる。場合によっては2、3日休んでから帰ることもあるぐらいだ。ちなみに出撃体勢を整えるのは過去にうちに向かっていた艦隊が敵の襲撃に遭って危うく轟沈者を出すところだったから。あの時は本気で焦った。


俺は急いで山を下りると春雨と海風に声をかけ、燃料の補給体制を整えるように伝え、さらに警備府にある軽トラを飛ばして島の商店で食料を買い込んだ。俺の話を聞いた商店の店主は、周りにも声をかけて今日の競りで売れ残った魚を大量に分けてくれた。


俺「さて、いつ来るかな?」


俺は警備府の屋上に上がると、双眼鏡を使って艦隊が来るであろう方角を見る。


俺「流石にまだ見えないか……」

葛城「提督。艦載機が艦隊を見つけたわ」


俺が双眼鏡から目を離すと、後ろから葛城が歩いてきた。


俺「状況は?」

葛城「大破3名、中破2名、小破1名ね。大破の3名のうち、2人は空母。艦隊は先程大破者の主機が停止して小破者と中破者が曳航。かなりの微速で航行中」

俺「……艦隊、すぐに救助及び護衛に向かえ」

葛城「了解よ」


幾ら微速航行してるとはいえ、もし敵艦隊に遭遇すればひとたまりもない。そう判断した。



・・・



俺「お、来た来た」


待つこと5時間。榛名達に曳航されてようやく神戸鎮守府の艦隊が到着した。無線で聞いていた通り大破者は正規空母だった。正規空母2人は到着した途端、グッタリとした様子で座り込んでしまった。


俺「榛名、葛城、入渠ドッグまで肩を貸してやれ。他の皆も、動けそうにない者の手伝いを。入渠が終われば食堂に案内するように」


俺の指示に榛名達はテキパキと動いて入渠ドッグに負傷者を運んでいった。一方の俺は料理の準備の続きだ。上着を脱いでエプロンを身に着けて調理場に入る。皆腹が減っているだろうから大量に作るぞ。魚の刺身の盛り合わせ、アラ汁、煮付け、ポテトサラダ、フルーツポンチ、カレー、唐揚げ、トンカツ……勿論1人では全部できないから皆に手伝ってもらう。


時雨「提督、トンカツが揚がったよ」

俺「揚げ物はそこの大皿に順次盛り付けてくれ」

春雨「司令官、麻婆春雨できました」

俺「あれ?俺作ってって言ってたっけ?」

春雨「勝手に作っちゃいました」

白露「ポテトサラダできたよー」


こんな感じで大騒ぎしながらも次々に料理を作りあげ、神戸鎮守府の艦隊が入渠を終える頃には見事に料理が完成していた。でも中々当の艦娘達が来ない。


海風「おかしいですね。もう入渠は終わってるはずなのに……」

俺「道に迷ったのか?」

白露「まさか」


そんなことを言っていると神戸鎮守府の艦娘達がやって来た。何て言うか、皆元気がない。俺の経験で言えば、こういう時は大抵目的を果たせずに戻って来たパターンが多い。


俺「ようこそ沼島警備府へ。神戸鎮守府には俺から連絡を入れておくから、数日ゆっくり過ごしてくれ。飯はいくらでもあるから好きなだけ食べてくれ」

??「神戸鎮守府南方作戦艦隊旗艦、陸奥よ。この度は曳航に護衛までしてくれて感謝するわ。お言葉に甘えて数日間ここでお世話になるわね」


陸奥……か。色気がすごいな。大人のお姉さんって感じ。胸デカい。スタイルいい。パンツ見えそう。


俺「さ、皆飯食うぞ。今日は大盤振る舞いだ」


俺は調理場の奥からジュースや酒を引っ張り出して皆のグラスに注ぐ。任務に失敗して帰還しようが、成功しようが、生きて帰ってこれたことをまずは喜ぶべき。だから俺は必ず他所の鎮守府の艦隊を受け入れる時の最初の食事は乾杯をする。


俺「皆グラスを手に取ってください……では、えー……ま、色々あったかと思いますが、今は任務とかそう言うことは忘れましょう。今日一日無事に生きられたことに乾杯!!」

一同「「乾杯!!」」



・・・



俺「ん?」


乾杯をしてすぐ。俺がカラオケで人生○ワタを熱唱していると、視界の隅に1人の艦娘がそっと食堂を出て行くのが見えた。


俺「じゃ、次は沼島警備府の歌姫(笑)、葛城による残酷○天使のテーゼだ。皆、心して聞くように」

葛城「は、はぁ!?ちょっと何言ってんのよ!!」

夕張「そうだそうだー!もっと提督のアホ歌聞きたいぞー!!」

夕立「ぽいー!!」

俺「馬鹿野郎。もう喉がカラカラなんだよ。水分補給させろ」


俺は壇上(食堂の長テーブルをつなぎ合わせたもの)から降りると、急いで食堂を出た。


俺「何処行った?」キョロキョロ


外に出て辺りを見回すと、艦娘達が出撃する浜辺に誰かがいるのが見えた。


俺「おいおい。俺の美声を聞かないで何をしてるんだ?」

??「……」


返事がない。ただの屍のようだ(ド○クエ並感)。俺の方を一切見ないもんだからちょっと心配になって近づいてみると、微かに体が震えているのに気がついた。


俺「泣いてるのか?」

??「……」

俺「……」カチッ


チッチッチッチッオッ○ーイ!!ボインボイ○ン!!


??「!?」ビクッ

俺「お、反応した」


こんな音楽大音量で流されたら誰だってビックリする。これは俺が小学校の頃動画サイトで見て以来心の師の1人となったアニメキャラの曲だ。とてつもない馬鹿キャラ。でも、芯が通っていてここぞという時はカッコイイ。そんなキャラだ。俺もそんな風になりたい。


??「なっ何ですか今の下品な曲はっ!!」

俺「パ○コ・フォルゴレの『チチ○もげ』だ。声をかけても反応しないから流してみた」

??「その場の空気というのが分からないんですか!?」

俺「鬼○ちひろの『月○』でも流して欲しかったのか?」

??「曲をかけるなということです!!」

俺「ま、いいじゃないかそんな細かいこと。で、本題に入るがなんで泣いてるんだ?」


俺の目の前にいる艦娘は神戸鎮守府所属。正規空母の翔鶴だ。陸奥に聞いた戦闘経過によれば、敵艦隊と戦闘状態に入った直後、敵戦艦の砲撃と航空攻撃で翔鶴は大破。正規空母の翔鶴が戦闘開始早々に行動不能になったために制空権を取られ、相手方に損害をほぼ与えることなく一方的にやられて撤退となったらしい。泣いている理由としてはこれが原因だろう。


翔鶴「ただ自分が不甲斐なくて……情けなくて……」

俺「ドンマイ。次がある次が」

翔鶴「聞くだけ聞いといて何ですかその反応は!」

俺「いや、真面目な話。翔鶴は運がいいぞ。本当に運が悪ければ今頃僚艦纏めて海の底だからな。生きて帰ってこれたってことは幸運艦じゃないか。んで、生きて帰ってきたってことは次があるってことだ。今は気の済むまでいじけて、泣いて、キレて、気分をスッキリさせて次の作戦に備えればいいんだよ。また次頑張ればいいんだ」

翔鶴「でも、次も生きて帰れるとは……」

俺「馬鹿野郎!生きて帰ってくるんだよ。生きて帰ってきて、ここで俺の用意した飯を腹一杯食う。これがお前が次に沼島に来たらすることだ。任務の成功とか失敗はこの島では関係ない。俺も咎めるつもりはない。何なら任務とか関係無しにプライベートで来ても全然構わない」

翔鶴「は、はぁ」

俺「さ、他の皆が心配するから食堂に戻るぞ」

翔鶴「はい」


その後、食堂に戻った俺と翔鶴が最初に目にしたのは耳まで真っ赤になった葛城と、その葛城にひたすらアンコールと言いまくる酔っ払い艦娘達だった。ちなみに葛城の歌はかなり上手かったらしく、滅茶苦茶好評だったそうだ。俺も聞きたかった(´・ω・`)。



・・・


















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2021-04-30 10:03:37

2021-03-30 20:07:52

SS好きの名無しさんから
2021-01-10 18:47:06

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2021-01-10 17:57:58

SS好きの名無しさんから
2021-01-10 12:57:19

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