「…もー、冗談止めてよね。この前も働くとか言い出してビックリしたけど、結局働かなかったじゃん。どうせ今回も空回りかドッキリなんでしょ？」

「…今回は本気？ふふっ、その言葉何度聞いたかなー。もうビックリするのにも飽きてきちゃったよ。どうせなら『結婚してくれ！』とか、嬉しくなるドッキリがいいな〜」

「別に本気で求婚してくれてもいいんだけど………は？面接受けて受かった？なんで？なんで勝手にしてんの？」

「…ッ！ていうかそもそも働かなくていいじゃん！何？お小遣い足りなかった？それとも何か欲しい物でもあるの？」

「…え？この前壊しちゃったものの弁償…？」

「もう怒ってないって言ったじゃん…！そんなものいいから家にいてよ…！離れていかないでよ…！」

「ッ！だからッ！もう怒ってないの！あんなガラクタもうどうでもいいから！！だから…！！」

「……何したら出ていかないでくれますか」

「何をしたら捨てないでくれますか…！」

「教えてください…！お願い…お願いします…！」

「……あぁ…そっか…弁償しないでいいことを証明すればいいんだ…」

バリン！バキッ！ガシャン！

「ふふっ…もうないよ…？これで私が集めてたものは全部ない…」

「ね…？これであれがガラクタだって分かったでしょ…？だから弁償しないでいいんだよ？働かなくていいんだよ…？」

「面接した所には私から言っておくから…ね？」

「…ふふっ…良かったぁ…〇〇くんが出ていかないでくれて…」

「…もし、もし仮に本気で働くとか言い出したら…」

「私、狂って死んじゃうかも…なんてね」