ヤンデレ後輩とヤンデレ先輩と俺(修羅場)
金髪ピアスヤンキー系金持ちヤンデレ後輩vs黒髪ロング清楚系金持ちヤンデレ先輩vsダークライ
紛うことなきラブコメです。初の長編挑戦なので、何卒宜しくお願いします。
後輩「えー?聞こえませんでしたー…もう一度言ってくれませんかー?」
先輩「何度だって言うよ。私の〇〇くんから離れて」
「……また…始まってしまった…」
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俺はただの平凡な高校生、〇〇。つい最近二年生になって、ちょっと浮かれた気分になっている。
…だが、その浮かれた気分をブチ壊す奴らが、俺の周りに存在していた。
後輩「せーんぱいっ!一緒に帰りましょー!」ギュッ
「うおっ、びっくりした。…おい離れろ。胸当たってる」
後輩「むふふ〜、当ててるんですよ…って言ったらどうします?襲っちゃいます?それとも家に持ち帰っちゃいます?」
「変わらん。離れろ」
後輩「う〜…先輩のいけず!少しはなびいてくれてもいいじゃないですかぁ!……もしかして私のこと…」
「いやいやいや!嫌いとかそういうのじゃなくて!…ただ離れてくれないと少し、かなり面倒な事になるんだよ…」
後輩「…へ〜…例えば何ですか?私のこと好きになり過ぎちゃうとかですか?それだったら全然ウェルカムなんですけどね〜」
「いやお前も分かってるだろ!こうやって抱きついてると先輩g」
後輩「は?」
「ッスー…」
後輩「なんで 先輩の口から 私以外の 女の名前が 出るんですか? おかしいですよね? 今は 私と 喋ってるのに そんなに あのクソ女が 好きなんですか? あのクソ女を 優先する 理由が あるんですか? ないですよね? ね?」
「いやぁ…あの…なんといいますか…」
??「そこら辺にしてあげた方がいいよ。〇〇くん困ってるよ?」
「はっ…!貴女は…先輩!」
先輩「やっほー、〇〇くんだけの先輩だよー。大丈夫ー?変な奴に絡まれてるけど」
後輩「チッ…クソ女が…いつも自分が有利なときだけ来やがって…」
先輩「…そんな小さい声で陰湿なこと言うから、〇〇くんもアナタのこと嫌いなんじゃないかなー?」
後輩「は?先輩は私のこと大好きですけど?もちろん私も大大大大大大大大大大大大好きです。先輩以外の男とは話もしないし、視界にすら映さない。毎日24時間ずっと、先輩のことを想い続けてます。…他の男とも話すし、都合の良いときにしか現れないお前の方が嫌われてるんじゃないですか〜?」
先輩「はははっ、分かってないなぁ…〇〇くんはね、アナタみたいな重いタイプは怖くて嫌いで仕方ないんだよ?その点私はちゃんと他の男の子と話すし、〇〇くんがウザくない程度に会ってるでしょ?」
後輩「ふふ…だったら"他の男の子"やらとずっと話してればいいのに。その方が先輩も安心しますし、なにより素敵な出会いがあるかもしれませんよ?」
先輩「…馬鹿にしないで。怖がらせないために他の人と形だけ話してるだけで、あんな奴らそこら辺に生えてる雑草程度にしか思ってないよ」
後輩「うわぁ…先輩聞きました?仮にも人なのに、それを雑草呼ばわりしましたよ?こんな危険なヤツ、先輩にはふさわしくないですよ」
「えっと…とりあえず落ち着こうぜ」
後輩「私は落ち着いてるんですけど〜この女が勘違いして必死こいて話しかけてくるんですよ〜。…ほら、先輩からも言ってあげてくださいよ。俺は、貴女なんかには、興味ありません。って…ね?」
先輩「はぁ?〇〇くんはそんなこと言わないし、思ってない。むしろアナタの事をうざったらしく思ってるよ。…ほら、さっさと"私の"〇〇くんから離れなさい」
後輩「えー?聞こえませんでしたー…もう一度言ってくれませんかー?……誰の、ですって?」
先輩「何度だって言うよ。私の、〇〇くんから離れて」
後輩「…てめぇクソ女…やんのか?あ?」ハイライトオフ
先輩「ふーん…〇〇くんの前だから優しくしてあげたけど…今ここで殺してもいいのよ?…羽虫が」ハイライトオフ
「あーー!!!なんか!!パフェ食いたいなーー!!誰かいい店知らないかなーー!!!」
後輩「あ、それならとっても美味しくて映えるお店知ってますよ!!"私と二人で"一緒に行きませんか?もちろん奢りますよー!」コロッ
先輩「こんな人が選ぶ店なんてたかが知れてるよ!だから私と一緒にいこう?"二人きり"で、とっておきのお店に…ね?」コロッ
「いやいやいや、ファミレスで充分だ!!だから"三人"で仲良く食べようぜ!!」
…浮かれる暇すらない、毎日絶えず修羅場が生むそんな後輩と先輩が、俺の周りに存在していた。
【2話 手料理】
後輩「ーーーで、ですよ?そこでなんて言ったと思います?ねぇ、どんな事言ったと思います??」
「…さぁ、なんだろうな」
後輩「『とてもお似合いなカップルだね』って言ってくれたんですよ〜!私と!先輩が!お似合いのカップルって思われてるんですよ〜!!」
「へぇ…それはそれは」
後輩「むー!もうちょっと嬉しそうにしてくださいよー!先輩だってこーんな可愛い後輩とカップルだって思われて、舞い上がりそうでしょ?でしょ??」
「いや、別に……てか、お前ここがどこだか分かってんのか?」
後輩「…?教室ですよね?」
「2年の!教室だ!いくら昼休みだからって、チャイムと同時に入ってくるなんておかしすぎるだろ!」
後輩「えー別にいいじゃないですか!減るもんじゃないし!」
「少なくともお前のお腹は減ってるだろ!せめて飯食ってからこい!!」
後輩「あー…3時間目にもう食べちゃいました。お腹空きすぎるあまりに…あはは…」
「早弁かよ…」
後輩「でもまだお腹減ってるんですよねー…どこかにお弁当分けてくれる優しくてかっこいい先輩がいないかなー…チラッ!」
「チラッて口で言うなよ。…まぁ分けてやりたい気持ちは山々だが、生憎自分だけで食べてって言われてるからな…」
後輩「??先輩のお母さんはそんなこと言うんですか?」
「いや、先輩からお弁当渡されてさ。全部自分で食べて、食べたら感想とかくれって」
後輩「…………へぇ。あの女そんなことしてるんですね。…でもその割にはそのお弁当マズそうですねー。食べない方がいいんじゃないですか?なんか変なもの入ってそうですし」
「いやマズそうは食べてる俺にも失礼だろ…それにちゃんと美味しいぞ?流石、厳しい家庭に育てられてたってだけはあるな」
後輩「…先輩に流石とか…言われたことない…」ボソッ
「ん?何か言ったか?」
後輩「いや…何でもないです。…先輩は、手料理とか出来る人の方が好きなんですか?」
「んー…そういう訳じゃないが、出来たら凄いし尊敬はするだろうな」
後輩「…じゃあ、先輩はあのクソ女の方が好きなんですか?」ハイライトオフ
「いやだから好きとかじゃないって!!ただ凄いと思うだけだし、弁当貰えんのもありがたいってだけで…」
後輩「……むー…私も先輩にスゴいって言われたいです…」
「諦めろ。家庭科の評定が2の奴には無理だ」
後輩「うわーん!」
先輩「……あ!〇〇くん、教室にいたんだ。いつもの所にいないから、心配したよ」トコトコ
「あぁ、先輩。今日は中庭が結構人いたので、教室で食べる事にしたんです」
先輩「そっか。…あ、私のあげたお弁当、食べてくれてるんだね。…美味しい?」
「はい!とっても美味しいです!」
先輩「ふふっ…良かった。たくさん食べてね?」
後輩「…チッ」
先輩「…ん?どうしたのかな?後輩ちゃん。舌打ちなんかして、もしかして僻み?」
(…!なんか嫌な予感がする…!)
後輩「いやぁ…たかが弁当一つで先輩を籠絡したつもりになってるクソ女が、偽物の愉悦に浸ってるのが何とも無様で不快で…気持ち悪いなぁ、って」
先輩「…よく言うよ。その"たかが弁当"の一つも作れずに、〇〇くんの胃袋に触る事も出来ないで…さ」
後輩「そんなの作れなくたって、私はいくらでも先輩を幸せに出来ますけどね?欲しいものは何だってあげれますし、して欲しい事は何でもしてあげます。…結局はお金と忠誠心なんですよ?」
先輩「ふふっ、可哀想…自分の物でもない親のお金で粋がって、薄っぺらい忠誠心を自慢気にひけらかしてるなんて…」
後輩「…そうやって余裕さ出しといて、内心焦ってんだろ?先輩に近付く口実が弁当しかなくて…しかも、その弁当も大した効果は得られてない。哀れ、ってやつだよなぁ?ホント…」ハイライトオフ
先輩「ふぅん…焦ってるのはどっちかしら?何の理由もなしに〇〇くんに金魚のフンみたくついていって、日に日にウザがられてる現状。貴女の方がよっぽど…ふふっ…」ハイライトオフ
(胃が…胃が…)キリキリ
(もう食えん…)カパッ
先輩「!!どうしたの?〇〇くん。美味しくなかった?それともなんか変なところでもあったかな?」
「いや…別にそういう訳じゃなくて…。なんかあんまりお腹減ってないなって…放課後食べます」
後輩「…ははっ。先輩、別に食べなくてもいいんですよ?放課後にはマズくなってると思いますし」
「いやそんな訳にもいかんだろ…せっかく貰ったんだし」
先輩「…そっか。じゃあ弁当箱、家まで取りに行くね?私放課後生徒会の仕事があるし、そっちの方が好都合でしょ?」
「あー…分かりました。お手数かけます」
先輩「いやいや、いいんだよ〜」
後輩「………は?先輩の家?」
【3話 彼女さん?】
ピンポーン ガチャ
先輩「やっほ、〇〇くん。弁当取りに来たよ〜」
「あ、先輩。分かりました…取ってきますね」テクテク
先輩「ん?ちょっとちょっと!」
「はい?」
先輩「せっかく〇〇くんの家まで来たのに、入らずに弁当箱受け取るだけって…それはないでしょ」
「えー…でも俺の部屋散らかってますし、面白いもの何もないですよ」
先輩「それがいいんでしょ!ねぇねぇ、上げてよ〜」
「うーん…分かりました。じゃあ母さんに許可取ってOKだったら……」
母「あら?お客さん…って!凄い美人さんじゃない!もしかして〇〇の彼女さん?」
先輩「かっ…!?か、彼女だなんてそんな…まぁ否定はしませんけど…」テレテレ
「いや否定してくださいよ!母さん!彼女じゃないからな!」
母「〇〇も立派になったものね…こんなに美人な彼女まで作って…」ホロリ
「違うってば!!」
先輩「…そこまで激しく否定されちゃうと、ちょっっっっとだけショックかな〜…」
「あ、いや、誤解されたら先輩も困るでしょ」
先輩「んーん?困らないよ。全然」
先輩「…〇〇くんの周りに引っ付いてる羽虫にも…分からせる事が出来るしね…」ボソッ
「え?何か言いました?」
先輩「いや?何も言ってないよ?」
「そうですか…」
母「ほらほら!あんたも玄関先に彼女立たせてないで!さっさと自分の部屋に通しなさい!」
「えっ、でも…」
母「でもじゃない!ほら彼女さん、上がっていいよ。飲み物とかは後で持っていくから、遠慮なく寛いでいってね」
先輩「わぁ〜ありがとうございます!じゃあお言葉に甘えて失礼しまーす!…部屋は二階だよね?」
「あっはい。付いてきてください」
先輩「ふふっ…楽しみだなー〇〇くんの部屋」トコトコ
「大したものないですよ」
先輩「だから、それがいいんだって〜」
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先輩「うーん…てっきりエッチな本とか隠してると思ってたけど…ないなぁ」
「あ!お菓子取りに行った隙に漁ってる!」
先輩「ふふん、彼氏の物の管理も彼女の仕事の内だよ!」
「だから彼女じゃ…はぁ、もういいです。好きなだけ荒らしてください」
先輩「あっ…ごめん。勝手に色々触られるの嫌だったよね?本当にごめんなさい……!きっ、嫌いになってない?」ハイライトオフ
「(やべぇ!目の色が!!)いやそんなことで嫌いになるわけないですよ!大丈夫ですって!!」
先輩「そっ、そっか…そうだよね。ごめんね!〇〇くん!」ハイライトオン
「いえいえ、平気ですよ」
(よ…良かった…目の色が戻った…)
ピンポーン
先輩「ん?誰か来たよ?」
「多分配達とかじゃ…」
母「〇〇ー!もう一人の彼女がきたよー!?」
「…え?」
先輩「…は?」ハイライトオフ
(あっ…目の色が消えた…)
【4話 もう一人…?】
後輩「せ〜んぱいっ!カワイイカワイイ彼女が遊びに来ましたよ〜!」
母「ほらあんた!彼女って言ってるじゃない!まさかあんた浮気してるんじゃないでしょうね!私はそんな子に育てた覚えはないよ!」
「いや彼女じゃないし!後輩なんだって!」
後輩「カワイイことは否定しないんですね〜…先輩ったら優しい!」
「ッ〜〜!もうそういう事でいいからお前は大人しく帰ってくれ…!ややこしくなるだろうが…!」
後輩「…あのクソ女はいるのに?」ハイライトオフ
「(あっ…もうダメだ…修羅場決定だ…)」
後輩「なんであの女はよくて、私はダメなんですか?おかしいですよね?先輩を想う気持ちはアイツより強いのに、先輩に尽くす心は誰よりも強いのに、あの女を選ぶ必要なんてないじゃないですか」
「い、一旦落ち着け。…そうだ、お前も家に上がってゆっくり母さんに説明を…」
先輩「その必要はないよ、〇〇くん」
「………(やべぇ…やべぇよ…)」
先輩「ちょっと後輩ちゃんは勘違いしているだけだから、私がきちんと話してあげるね。〇〇くんのお母さんにはもう説明してあるから、〇〇くんは部屋に戻って休んでて?」
「(えっ、もう説明し終わったの?早っ!さっきまで母さん怒ってたのに、先輩はどんだけ器用なんだ…)」
「(でも戻れと言われてもこの空気じゃ殴り合いに発展しかねん…)」
「い、いや俺もここにいますよ」
先輩「うーん……ま、いいか」
後輩「……で?何が勘違いなんすか?さっさと説明して欲しいんですけど。先輩の家に上がる時間が無くなるじゃないですか」
先輩「…チッ、あー…ごめんね!私…最初に"勘違い"って言ったんだけど、そうじゃなかったね!」
先輩「ーーー思い上がり…だったね!」
「(……ッ!!?何言い出してんだこの人!!?説明どころか喧嘩売ってんじゃん!!!)」
後輩「はぁ?」
先輩「だって、そんな身なりで、そんな口調で、そんな振る舞いで、〇〇くんに似合う訳ないじゃん。ましてや家に上がるなんて、人生を何万回繰り返しても不可能、分不相応だよ」
後輩「身なりぃ?学生服ですけど?アンタも同じの着てますけど?バカなんすか?」
先輩「同じ服装でも雰囲気はまるで違うよ。馬子にも衣装が良いところじゃないかな?そんなんだから〇〇くんにも嫌われるんだよ」
後輩「…いい加減にしろよ、テメェ。先輩は私を嫌ってない。嘘しか吐けないんならその口縫い合わすぞ…いや、今からボコボコにして嫌でも針で縫わせてやろうか?」
先輩「わぁ…またそうやってすぐ暴力に頼る…馬鹿の一つ覚えっていうか、野蛮な思考回路だね。〇〇くんも嫌だよね?こんな奴」
「い、一旦落ち着きましょう。後輩も落ち着いて」
投稿されてる作品全部読見ましたがマジで神。めっちゃ応援してます