穂乃果「インチキ体育祭だよ!」
こち亀の両さんのように破天荒な性格の穂乃果ちゃんSS第2話です。※皆さんの知っている穂乃果ちゃんとはほぼ別人だと思ってお読みください。
(昼休み、廊下)
ことり「もうすっかり秋だね〜」テクテク
穂乃果「いやー、どの季節でもやっぱりパンは美味いっ!」モグモグ
海未「穂乃果、歩きながら食べるなんて行儀が悪いですよ」
穂乃果「だって購買でパン買ってから教室に戻るまでなんて、長すぎて待てないじゃん!このパンだって1分1秒でも早く私に食べて欲しいって言ってるよ!」
穂乃果(裏声)「ウチ、ハヤクホノカチャンニタベテホシイネン!」
穂乃果「ほらね!」
海未「ほらね、じゃありません!そもそもなんで関西弁なんですか…」
ことり「穂乃果ちゃんはホントにパンが好きなんだね〜」
ワイワイ ガヤガヤ
穂乃果「ん?なんか掲示板の前に人が集まってるよ」
海未「何か重要なお知らせかもしれませんね、見に行きましょうか」
『音乃木坂学院 クラス対抗!体育祭実施のお知らせ』
学年とクラスの枠を越えた頂上決戦!栄えある優勝は一体どのクラス?
ことり「あっ、体育祭だ!」
海未「そういえば、もうそんな季節でしたね」
穂乃果「ふーん、まあ穂乃果はあんまり興味ないけどね」
ことり「えっ、なんで?」
穂乃果「だって所詮、どこにでもあるような女子高の体育祭でしょ?ラブライブと違ってパッとしないイベントだし、優勝したところで何かいいものが貰えるワケでも…」
ことり「あっ、優勝したクラスには購買のパン無料券が贈られるんだって」
穂乃果「‼︎」ピクッ
穂乃果「パン無料券………⁉︎」
海未「ええ、しかも結構な金額分の」
穂乃果「それなら話は別だよ!よぉ〜しクラス一丸となって頑張って優勝を目指すよ‼︎気合い入れて行こー!」ビシッ
海未「全く、単純な人ですね…」ハァ
ことり「でも、優勝は結構難しいと思うよ穂乃果ちゃん」
穂乃果「なんで?」
海未「やはり体力勝負なら年上の3年生のほうが有利でしょうし…」
ことり「実際、過去の体育祭でもほとんど3年生が優勝してるらしいよ」
穂乃果「フン、そんなの関係ない!パン無料券のためなら私は何が何でも優勝するんだ、やるったらやる!」
ことり「穂乃果ちゃん…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(放課後、穂乃果の家)
穂乃果「はぁ…さっきはつい海未ちゃん達の前で大口たたいちゃったけど、確かに体力で3年生に勝てる自信無いんだよなあ」
穂乃果「でも優勝はしたいし、一体どうすれば……あーあ、3年生にだけ何かハンデでも付けて欲しいなあ」
穂乃果「ん?ハンデ……?」
穂乃果「………そうだ!この手があったか!」ピーン
穂乃果「うへへへ…この作戦がうまくいけば優勝はウチのクラスに決まりだね!」ニヤリ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(体育祭前日)
ことり「いよいよ明日は体育祭だね!」
海未「体育館も校庭も、本番に向けて競技の練習をする人で溢れかえっていますね」
ことり「そういえば穂乃果ちゃんは絶対優勝するって張り切ってたけど…」
海未「あれからどうなったのでしょうね?特に何かの練習をしているようには見えませんでしたが…」
海未(まさか、またおかしなことを考えているんじゃ…)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(その夜、体育倉庫の前にて)
穂乃果「ふふふ…やってきました夜の学校!」
穂乃果「体育倉庫のカギは昼のうちに職員室からガメてきたよ!」スッ
穂乃果「代わりにダミーのカギを職員室に置いておいたから、先生にバレる心配もなし!穂乃果ってやっぱり天才だね!」
穂乃果「じゃ、早速お邪魔しまーす」カチャカチャ ガチャン!
穂乃果「うんうん!綱引きの綱、玉入れのカゴ、リレーのバトン…明日の体育祭で使う道具が全部揃ってるね!」
穂乃果「さて、この道具たちにちょ〜っと手を加えて………と」ガサゴソ
穂乃果「よし、完ペキ!」
穂乃果「これで明日の優勝はウチのクラスで決まりだね、そして賞品のパン無料券は穂乃果のモノ…くっくっく」
穂乃果「さーて、早く帰って寝て明日に備えますか!」ピュー
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(体育祭当日 校庭)
『第100回 音乃木坂学院体育祭』
実況「さあいよいよ始まりました、音乃木坂学院体育祭!実況はこちらのテントより、放送委員の○○がお送りいたします‼︎」
解説「解説は同じく放送委員の☆☆です、よろしくお願いいたします!」
実況「今回は記念すべき第100回、果たして優勝するのはどのクラスなのか!最後まで目が離せないアツい戦いになることを期待しましょう!」
解説「それでは、選手の入場です!」
[1年1組]
凛「負けないにゃー!」
花陽「頑張ろうね凛ちゃん!」
真姫「私はあんまり自信ないわね…」
……………
………
…
[2年2組]
穂乃果「ふふふふ……来たよ来た来た、ついにパン無料券が手に入る日が!」
海未「もはや優勝する前提の発言ですね」
ことり「やっぱり何か策があるのかな…」
……………
………
…
[3年2組]
絵里「私たち3年生は最後の体育祭ね」
希「せやね、頑張ろ絵里ち!」
[3年3組]
にこ「にっこにっk
実況「さあ!それでは早速最初の競技を始めましょう!」
にこ「ちょっと!最後までやらせなさいよ‼︎」
『第1種目 玉入れ』
実況「最初の競技は玉入れだぁー!」
解説「体育祭で最初に玉入れなんかやる学校もなかなか無いと思いますが、細かい事は気にしません!」
実況「一戦目は1年1組vs2年2組です!選手の皆さんは配置に着いて下さい!」
海未「玉入れのコツは、一度にたくさんの玉をまとめて投げるといいんですよ」
ことり「へぇ〜そうなんだ」
穂乃果「海未ちゃん、そんなことしなくても勝てるよ〜♪」
海未「何故です?」
穂乃果「まあ見てなって」ニヤリ
[スタート!]
凛「そりゃー‼︎」ポイッ
花陽「え、えーいっ!」ポイッ
真姫「よっと……ってあれ?なんか全然入ってなくない?」
花陽「た、確かに…」
凛「明らかにカゴに入ってるハズなのに玉が全部下に落ちちゃってるにゃ!」
花陽「ドウナッテルノォ⁉︎」
真姫「イミワカンナイ‼︎」
穂乃果( 計 画 通 り )ニヤニヤ
穂乃果(説明しよう!実は昨日体育倉庫に侵入したとき、相手チームの使うカゴの網目を大きいものに取り替えておいたのだ!)
穂乃果(だからいくら玉をカゴに投げ入れても全部網目を通り抜けて下に落ちちゃうってワケ!)
穂乃果(皆が不正に気つかず、かつ玉がきちんとすり抜ける網目の大きさを調整するのは大変だったけど…上手くいったみたいだね)ウシシ
ことり(穂乃果ちゃんが凄いニヤついてる…)
海未(これは後で穂乃果を問い詰める必要がありそうですね…)
[ゲームセット!]
実況「さあここで試合終了!これは玉の数を数えるまでもなく、圧倒的大差で2年2組の勝利だぁ〜‼︎」
穂乃果「やったやったー‼︎」
凛「にゃあああ!納得いかないにゃー!」
海未「穂乃果!あなたまた何かしたんですか⁉︎」
穂乃果「え〜何のことぉ〜?証拠もなしにそんなこと言われても〜♪」
海未「くっ…」
ことり「まあまあ海未ちゃん、確かに穂乃果ちゃんが何かしたって証拠も無いし、とりあえず次の競技がんばろう?」
穂乃果(ふふ…まだまだこんなもんじゃ終わらないよ!)
穂乃果(これから始まる全ての競技にトラップを仕掛けておいたからねっ!)
『第2種目 借り物競争』
にこ「えーと、にこが借りる物は…」バッ
(犬のフン)
にこ「はあああ⁉︎そんなもの持ってる人なんかいるわけないじゃない!」ガビーン
ことり「ことりのは…」バッ
(イ○ローのサインボール)
ことり「む、無理だよぉ!」
穂乃果「ことりちゃん、私サインボール持ってるよ!」ジャーン
にこ「なんで持ってんのよ、おかしいじゃない‼︎」
穂乃果(昨日のうちに、借りる物を書いた紙は全て、まず誰も持ってないような物しか書かれてない紙にすり替えておいたのさ!)
穂乃果(でもそれらの物は全て私は持ってきてるから、ことりちゃんが何を借りることになっても対処可能!)
穂乃果(まあサインボールはちょっと入手に手間取ったけどね)
『第3種目 クラス対抗リレー』
希「絵里ち、急いで!」
絵里「ええ、このまま1位であなたにバトンを…」ダダダダ
穂乃果「…………」ポチッ
ビリビリビリビリッ‼︎
絵里「いっだああああああっ‼︎」ドシャーン
希「ど、どうしたん絵里ち⁉︎」
穂乃果(相手のクラスが使うバトンは全て事前に、静電気の流れるビリビリバトンに取り換えておいたよ!)
穂乃果(穂乃果が手元のボタンを押せばそのつどバトンに電流が流れる仕組みね!)
穂乃果(みんなが痛さで悶えている隙にゴールだよ‼︎)ダッ
…………………
……………
………
…
『第7種目 障害物競走』
海未「これまでの総合得点はウチのクラスがダントツトップですが…」
ことり「さっきから何かおかしいよね…」
海未「ええ…私はやはり穂乃果が怪しいと思うのですが」
ことり「って、そういえば穂乃果ちゃんは?」
モブ「あ、穂乃果ちゃんならさっき校舎の中に入っていくのを見たよー」
ことり「えっ、何のために?」
モブ「わかんないけど…でもすっごいニヤニヤしてたかなぁ」
海未「何だか嫌な予感がしますね…」
海未「ちょっと見てきます‼︎」ダッ
審判「さあそれでは位置に着いてー!よーい……ドン‼︎」
ワーワー ガンバレー マケルナー
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(空き教室)
穂乃果「次は障害物競走だね、というわけで今回は空き教室にやってきたよ!」
穂乃果「ここで何をするのかと言うと………ジャジャーン、箱詰めになった大量のロケット花火‼︎」バン
穂乃果「これを校庭に向けて発射して他のクラスを妨害するよ!あ、ちゃんと人には当たらないように発射の角度、着弾位置は計算済みだから安心してね!」
穂乃果「さて、導火線に火をつける為のチャッカマンを用意して…と」カチッ ゴオオオオ
穂乃果「うまくいけば相手の目の前にロケット花火が着弾して足止め出来るってワケ‼︎おまけに障害物競走という競技の性質上、このロケット花火も障害物のひとつとして認識されるから皆も違和感は感じないはず…」ウシシシ
海未「……そうでしょうか、だいぶ無理があるような気がしますが?」
穂乃果「だいじょぶだいじょb……って海未ちゃああああん⁉︎何でここにぃ⁉︎」
海未「ほ〜の〜〜かぁぁ?これまでの競技、妙にウチのクラスばかり勝つと思ったら……やはりあなたの仕業でしたか‼︎」ギロリ
穂乃果「いいい嫌だなぁ海未ちゃん‼︎穂乃果はね、このロケット花火を打ち上げて体育祭を盛り上げようとしただけで…」アセアセ
海未「嘘おっしゃい!全て聞いていましたよ、ホントにこの馬鹿は…!」ギチギチ
穂乃果「いででででで‼︎海未ちゃんギブギブ、腕ひねるのはやめてぇぇぇ!」ブンブン
バシッ!
チャッカマン「」ポロッ ドサッ
導火線「」ゴオオオオオ
海未「あっ…」
穂乃果「チ、チャッカマンの火が束にしてた花火の導火線に一斉に…」
シュ〜〜ッ……
海未「うわぁぁまずいです‼︎このままじゃ爆発しますよ⁉︎」アタフタ
穂乃果「ヤバぁぁぁいっ‼︎ととと、とりあえず箱ごと外へブン投げよう!」ブンッ
海未「いや校庭の方に投げてどうするんですかぁ‼︎人がたくさんいるのに!」
穂乃果「し、しまった!ああでも…ムリ‼︎もう間に合わないっ!」
ババババババババン‼︎ ズドォォォン‼︎
シュルルルル… バヒューン‼︎
ドゴォォォォン‼︎ ズババババン‼︎
絵里「イヤああああああ‼︎何よコレぇぇぇぇぇ!」
凛「こ、こっち飛んできたにゃああああああっっっ‼︎」
にこ「あぢゃぢゃぢゃぢゃっ‼︎」
花陽「ひぃぃぃ!ダレカタスケテー!」
実況「な、なんということでしょう‼︎おびただしい数のロケット花火が、突然校庭を飛び交い始めたぁーーっ‼︎」
解説「イヤこんな時まで実況しなくていいから!てかこっち飛んできたああああああ‼︎」
シュルルルル……バコーン‼︎
実況「とっとにかく競技は一旦中止です!皆さん避難してくださあああい‼︎」ドタバタ
ギャアアアアアア‼︎ アツイイイイ‼︎
コッチコナイデー‼︎ ウワアアアアア‼︎
……………………
………………
………
…
ことり(結局、この花火事件が決め手となり体育祭は中止になってしまいました)
ことり(もちろん優勝賞品のパン無料券はお預けです)
ことり(さらに犯人が穂乃果ちゃんだということも全校に知れ渡ってしまい、私たちのクラスは他のクラスから白い目で見られるようになりました)
(後日、部室にて)
凛「あれ、穂乃果ちゃんは?」
にこ「体育祭で花火ぶっ放した件が理事長に伝わって、無期限停学になったわよ」
絵里「たぶんもう二度と戻ってこないでしょうね…」
海未「あのおバカ………‼︎」ギリギリ
ことり(このSSを読んでいるみんな、スポーツはルールを守って楽しくやろうね!ことりとのお約束だよ♪)
END
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