海未「ゴーストライター穂乃果」
ちょっぴり破天荒な性格の穂乃果ちゃんが大活躍するSS第12話です!
(部室)
穂乃果「スランプ⁉︎」
海未「はい…最近全く良い歌詞が浮かばなくなってしまって」ズーン
真姫「しかも結構深刻なレベルなのよね」
凛「そうなの?」
海未「恥ずかしながら事実です…何というかこう、作詞する時の感覚を忘れてしまったのです」
にこ「どうすんのよ!次のライブも近いっていうのに、早く新曲を完成させないと練習の時間が…!」
ことり「もう誰か別の人が作詞するしかないのかな?」
絵里「そうは言っても…ことりは衣装作りで忙しいし」
にこ「1年生はもうすぐ修学旅行で準備に追われてるみたいだし」
真姫「かといって3年生も模試が近いから、あまり負担はかけられないし」
希「となると残ってるのは…」チラッ
穂乃果「…………えっ私⁉︎」
にこ「……そうね、不本意だけど穂乃果に頼むしかないわね」ハァ
凛「え〜穂乃果ちゃんが作詞するのぉ⁉︎音楽史に残る最低の歌詞が出来そうで怖いにゃ」
花陽「凛ちゃん!確かにそうだけど言っちゃダメ‼︎いくらなんでも失礼だよ」
穂乃果「お前も大概だぞ小泉‼︎」
真姫「とにかく決まりね、来週までに歌詞を完成させて私のトコに持ってきてちょうだい、すぐに作曲始めるから」
真姫「ちなみに今回のテーマはクールな恋愛の曲よ、頼むわね」
穂乃果「うぇぇ…全くやる気出ねぇ……」
(穂乃果の家)
穂乃果「作詞のヒントになるかと思ってノートに恋愛に関するワードを書き出してみたが…」
・レズ
・不倫
・ヤンデレ
・BL
・セ○レ
穂乃果「うわああ何故だ!何故ゆがんだ言葉しか思いつかないんだ‼︎」ジタバタ
穂乃果「そうだ、ちょっと雪穂の意見を聞きに行ってみるか…」スタスタ
(雪穂の部屋)
雪穂「……ふーん、それなら私が読んでる少女漫画貸してあげようか?」
穂乃果「少女漫画か…確かに参考になるかもな!よし借りよう」
穂乃果「ふむふむ…少女漫画も中々面白いね」ペラッ
穂乃果「どうやったら髪に芋ケンピがくっつくのかは知らないけど」ペラッ
穂乃果「なんかインテグレーション?みたいなのが湧いてきた気がする‼︎今ならきっといい歌詞が書けるぞぉ!」ダッ
※インスピレーションです
穂乃果「書ける、書けるぞ‼︎もしかして私、作詞の才能あるのかも!」スラスラスラ
そして穂乃果は一晩かけ、意外にも素敵な歌詞を書きあげた。
タイトルは『soldier game』である。
(翌日)
穂乃果「どうよ?真姫ちゃん」ドヤァ
真姫「す、凄いわ…まさかたった1日でこんないい歌詞を書いてくるなんて」
絵里「見直したわ穂乃果‼︎」
凛「穂乃果ちゃんみたいな脳筋おバカにも良い所はあったんだにゃー!」
穂乃果「星空、あとでちょっと体育館裏来ようか?」ニッコリ
(帰り道)
穂乃果「いやぁ良かった良かった、作詞なんて初めてだから緊張したけど上手くいったみたいだな♪」テクテク
穂乃果「おや?あそこの公園でベンチに座ってるのは……」
亜里沙「海未さんは凄いです!ミューズの為にいつもあんなハラショーな歌詞を書いていて…」
海未「そ、そうですか?ありがとうございます」
穂乃果(海未ちゃんと亜里沙ちゃんか…帰りにバッタリ会って話してるのかな)
穂乃果(よし、隠れて会話をこっそり聞いてみよう)スッ
亜里沙「今度またライブやるんですよね!今回も海未さん、素敵な歌詞を書かれたんだろうなぁ…」
海未「へっ?あ、ええと…」ドキッ
亜里沙「もし良かったら今度、海未さんの書いた歌詞見せてくれませんか?」キラキラ
海未「うっ…それは」
海未(い、言えない!実は代わりに穂乃果に書いてもらったなんて‼︎)
海未(亜里沙にスランプだなんて知られたら、カッコ悪いですよね…)
海未「わっ…分かりました!そこまで言うのなら明日お見せしましょう、今回”私が”作詞した『soldier game』という歌の歌詞を‼︎」
穂乃果(は⁉︎)
亜里沙「やったあ‼︎ありがとうございます‼︎」ワーイ
海未「で、では明日の放課後この公園で待ち合わせという事で」
亜里沙「はい!楽しみにしてます、ではまた明日‼︎」タタタ…
海未「ええ、お気をつけて…」
穂乃果(あ…あの野郎!私が頑張って書いた歌詞を自分の手柄にしようとしやがって…‼︎)
穂乃果(もう怒った…どうするか見てろよ‼︎)ゴゴゴゴゴゴ
(翌朝)
海未「穂乃果!」
穂乃果「なにー?」
海未「その…『soldier game』の歌詞カードを私に頂けますか?」コホン
穂乃果「ああいいよ!本来は海未ちゃんが作詞担当だし、持ってた方がいいもんね」ゴソゴソ
穂乃果「この封筒に入ってるから、はいどーぞ!」ニコッ
海未「あ、ありがとうございます!ではまた…」タタタ…
海未(ふぅ…助かりました、これで私のメンツも保てますね)ホッ
穂乃果(計 画 通 り)ニヤリ
穂乃果(今渡した歌詞カードには、私が小学生のころ勢いに任せて作った『ウンコの歌』の歌詞が書かれているのだ!)
穂乃果(あんなの見せたら絶対嫌われるぞwwざまぁwww)
(放課後 公園にて)
海未「亜里沙、お待たせしました!」タタタ…
亜里沙「海未さん!」
海未「約束通り私が作詞した歌詞を持ってきましたよ、この封筒に入ってます」スッ
亜里沙「ハラショー!ありがとうございます」
海未「ぜひ感想を聞かせて下さい」
亜里沙「では早速…」ペラッ
亜里沙「…………えっ」
海未「亜里沙、どうしました?」
亜里沙「海未さんの……」プルプル
亜里沙「海未さんのバカァーーー‼︎」ダッ
海未「ちょ、亜里沙⁉︎……行ってしまいました」
海未「気に入らなかったのでしょうか?結構いい歌詞だと思うのですが…」ペラッ
海未「ん⁉︎」
『ウンコの歌』 作詞:園田海未
ぶりり〜ぶりり〜 ぶりぶり〜ん♪
オイラのウンコは ちょっぴり硬め♪
ケツから出てきた かりんとう♪
ぶりり〜ぶりり〜 ぶりぶり〜ん♪
今日の夕飯 カレーライス♪
下痢便みたいに ドッロドロ♪
海未「」
(穂乃果の家)
ガラッ!
海未(鎧姿)「穂乃果はどこだ‼︎あのバカどこへ行った‼︎」ガシャンガシャン
雪穂「作詞の修行がしたいと畑亜貴さんに弟子入り志願しに行きました!」
END
こち亀