(放課後 部室)

ことり「今日はプランタンの曲の打ち合わせってことで3人で集まったワケだけど…」

穂乃果「いやー、今日もパンが美味い！」モグモグ

花陽「穂乃果ちゃん…食べてないでちゃんと話し合いしないと、また海未ちゃんに叱られちゃうよぉ」

穂乃果「まあ何とかなるって！いざとなったら他のスクールアイドルの曲でも幾つかパクって組み合わせれば新しい曲が出来るだろ」モグモグ

花陽「そ、そんなのダメd…

ブルルルルルルルルルルル…

ことり「ちゅんっ⁉︎」

花陽「い、今なにか羽音が…」

穂乃果「ああ、それならアソコに飛んでる…」指差し

ゴキブリ「」ブルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル

穂乃果「ゴキブリだね」

ことり「ぴぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ‼︎」ガシャン！ガタッ‼︎

花陽「いゃあああああああああああああああああああああああああああ‼︎」ズデン！ドサッ‼︎

穂乃果「情けないな…2人とも怖がりすぎだよ」ハァ

ことり「普通は怖いよぉ！」ガタガタ

花陽「穂乃果ちゃんは平気なのォ⁉︎」ブルブル

穂乃果「暑くなると毎年のように見かけるじゃん、さすがに慣れるだろ」

花陽「凄いです…」

ことり「とっ、とにかく早く何とかしてよハノケチェン‼︎」ウェーン

穂乃果「誰だよハノケチェンって…まあいい、とりあえずコイツを追っ払うか」

穂乃果「窓を開けて外に捨てよう」ガラガラ

ゴキブリ「」ブルルル…ピトッ

穂乃果「壁に止まったトコロを見計らって…それっ」ヒョイ

ことり「ヴェェェェ⁉︎」

花陽「素手で掴んじゃうのォ⁉︎」

ゴキブリ「」ジタバタ

穂乃果「よし、外に飛んでけっ」ポイッ

ゴキブリ「」ブルルルルルルル…

花陽「ハァ、ハァ…良かったぁ…」ヘナヘナ

ことり「もうダメかと思ったよぉ」ホッ

穂乃果「全く大袈裟なんだから…別に猛獣が出たワケじゃないんだぞ？」

ことり「ある意味ゴキブリは猛獣なんだよ…」

花陽「って穂乃果ちゃん！窓閉めて、窓っ‼︎」

穂乃果「ん？」

ゴキブリ「」ブルルルルルルルルル‼︎

ことり「イヤああああ‼︎また戻って来たああああああああ‼︎」ガッシャーン！

花陽「ダレカタスケテー‼︎」ドッシャーン！

穂乃果「ゴメンゴメン、今度こそちゃんと逃がすから」

ゴキブリ「」ブルルルルルルル

穂乃果「1度ゴキブリが何処かに止まるのを待って…」

ゴキブリ「」ブルルル…ピトッ

穂乃果「ああっ‼︎」

ことり「穂、穂乃果ちゃんの食べかけのパンの上に止まっちゃった…」

花陽「あらら…もう食べられないね」

穂乃果「…………………っ‼︎」プルプル

ことり「えと…穂乃果ちゃん、怒りたい気持ちも分かるけどとりあえず今は早いとこゴキブリを逃がしてくれるかな…」

花陽「そ、そうだよパンならまた今度花陽が奢ってあげるから…」

穂乃果「そのパン…今日までしか買えない期間限定のパンなんだけど」ゴゴゴゴゴゴ

ゴキブリ「wwwwww」

穂乃果「こっ……この野郎ゆるさねぇぞ！絶対に殺してやる‼︎」ガラガラッ！ バタン！

ことり「ちょ、何で窓とドア閉めるの⁉︎」

穂乃果「逃げられないようにする為に決まってんだろ！何としてでもアイツを仕留めないと、私の腹の虫がおさまらないよ‼︎」

花陽「腹の虫…ゴキブリだけに？」

穂乃果「黙ってろ‼︎」ダンッ

花陽「ぴゃあっ！」ビクッ

ことり「気が立ってるから余計な事は言わない方がいいよ…」

花陽「うう…場を和ませようとしただけなのに」シクシク

穂乃果「とりあえず、何か叩く物は無いか⁉︎新聞紙を丸めて作った棒とか！」

ことり「そう言われても…」

穂乃果「………おっ！」

A-RISEのポスター「」キラキラ

穂乃果「コレだ！コレを丸めて棒の代わりにしよう」クルクル

花陽「ア、A-RISEでゴキブリを叩くなんて……」

ことり「て言うかそのポスターにこちゃんの私物なんじゃ…」

穂乃果「よ〜し…狙いを定めて…」ソロ〜リ

ゴキブリ「！」ピクッ

穂乃果「で ぇ い ‼︎」バコォ‼︎

ゴキブリ「」ブルルルルルルル

穂乃果「ちっ、外したか」

花陽「ひゃああっ！コッチコナイデー‼︎」アタフタ

穂乃果「ちょこまかと逃げやがって！死ね‼︎死ね‼︎」バンッ！ バンッ！

ゴキブリ「」ブルルルルルルル

ことり「も、もう限界だよ〜！ドア開けて逃がしちゃおう‼︎」ガチャッ

ゴキブリ「♪」ブルルルルルル…

穂乃果「あっバカ！廊下に逃げちゃったじゃんか！」

花陽「もうそれでイイよぉ〜」シクシク

穂乃果「追いかけなきゃ！食べ物の恨みがどれだけ恐ろしいか、死をもって思い知らせてやる‼︎」ダダダダダダ…

ことり「穂乃果ちゃん…」

花陽「曲の話し合いもあれだけ本気でやってくれたらなぁ…」ハァ

(廊下)

ゴキブリ「」ブルルルルルルル

穂乃果「くそ、夏場だからどの教室も窓やドアは全開か！早く仕留めないと外に逃げられちゃう！」ダダダダダダ

ゴキブリ「」ブルルルルルル…

穂乃果「あっ！生徒会室に入って行ったぞ！」

穂乃果「てことは…のぞえりコンビが危ない‼︎」ダッ

(生徒会室)

絵里「ふぅ、書類整理もひと段落ついたわね」

希「絵里ち、休憩ついでにポテチでも食べる？」スッ

絵里「その奇妙なパッケージは…最近新しく出たヤツよね」

希「せや！コンソメバナナ味‼︎」

絵里「それホントに美味しいの？…なんとなく敬遠してたのだけど」

希「コレが意外と美味しいんよ、試しに食べてみなって」ビリビリッ←袋を開ける音

絵里「じゃあ1枚…」ヒョイ パクッ

絵里「…ハラショー！何コレ美味しい、癖になる味ね‼︎」

希「せやろ？ココに袋置いとくから好きなだけ食べてな」

絵里「ハラショー…ハラショー…」モグモグ

希「ふふ、絵里ちも意外と食いしん坊やからなぁ」

絵里「も、もう！希ったら///」

アハハハ…

………この時、2人は気づいていなかった

ゴキブリ「」ブルルルルルル…

生徒会室に侵入したゴキブリが……

ゴキブリ「」ブルルル…ガサッ！

ポテチの袋の中に入りこんでしまったことに………

希「じゃ、ウチも食べようかな」スッ…

穂乃果「のぞえりィ！無事か⁉︎」ダッ

絵里「穂乃果⁉︎どうしたの」

穂乃果「今ここにゴキb……あっ！そのポテチ、新製品のコンソメバナナ味じゃん！」

希「せやで、食べる？」

穂乃果「いいの？やったぁ！」ワーイ

絵里「じゃ、仲良く3人でたべましょうか！」

ゴキブリ「」←袋の中

地獄のロシアンルーレットが始まった…

穂乃果「どれどれ…」ヒョイ

つポテチ

穂乃果「うんめぇー‼︎ウワサには聞いてたけど、コンソメとバナナがこんなにも合うなんて！」モグモグ

絵里「ホント、奇跡の組み合わせよね」ヒョイ

つポテチ

絵里「思いついた人の頭の中を覗いて見たい気分だわ…美味しい」モグモグ

希「これぞスピリチュアルやね！」ヒョイ

つポテチ

希「そういえば穂乃果ちゃん、プランタンの曲の話し合いは終わったん？」モグモグ

穂乃果「え…？あっ、実はまだ…」ヒョイ

つポテチ

穂乃果「う、海未ちゃんには内緒でお願いします…」モグモグ

絵里「全くもう…しっかりしなさいよ？あと半年で3年生になるんだから」ヒョイ

つポテチ

絵里「まあ、海未には黙っておいてあげるわ」モグモグ

希「意外と絵里ちも甘いトコあるよなぁ」ヒョイ

つポテチ

希「ま、そういうトコロも絵里ちの魅力なんやけどね」モグモグ

穂乃果「あはは、言えてるね」

絵里「照れるからやめてよ…そういうこと言うの///」ヒョイ

つゴキブリ

絵里「……ん？」ピタッ

ゴキブリ「」←絵里が持ってる

3人「はっ……………？」

絵里「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ‼︎」バッ

希「コックローチやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ‼︎」

ゴキブリ「」ブルルルルルルル

穂乃果「おのれ貴様‼︎ポテチの袋なんかに隠れやがって‼︎」バンッ！

ゴキブリ「」ブルルルルル…

穂乃果「また廊下に逃げた！あの野郎、パンのみならずポテチまで台無しにしやがって……許せん‼︎」

穂乃果「待ちやがれェェェ‼︎」ダッ

希「絵里ち！絵里ちしっかり‼︎気を確かに保つんや‼︎」

絵里「……ワタシ……サワッチャッタ………コックローチ………スデデ……サワッチャッタ……」ガクッ

希「絵里ちぃぃぃぃぃぃ‼︎」

………それからも、穂乃果とゴキブリの追いかけっこは続いた……

(剣道部の道場)

ゴキブリ「」ブルルルルルルル

穂乃果「うおおおおお！絶対殺してやるううう‼︎」ブンブン

生徒1「な、何事⁉︎」

生徒2「また高坂先輩の奇行か…」ハァ

生徒3「アレでアイドルとか…正直ネタだよね」

穂乃果「おい、そこのお前！」

生徒3「やばっ、聞こえてた⁉︎」ビクッ

穂乃果「ちょっとその竹刀貸せ‼︎A-RISEのポスターは振り回しすぎてもうボロボロだ！」

生徒3「ええっでもこれは今部活で使って…」

穂乃果「イイから寄越せっ！」バシッ

生徒3「ひぃっ！」

穂乃果「うらあああああ！逃がさんぞおおお‼︎」ブンブン

ゴキブリ「」ブルルルルル…

穂乃果「また廊下に…待てェェ！」ダッ

生徒3「し、竹刀ブン回しながら出て行っちゃった…」

生徒1「もはや悪魔だ…」

生徒2「もう辞めようかな、この学校…」

(廊下)

ゴキブリ「」ブルルルルルルル

穂乃果「ぐぬぬ…拉致があかない！さっさと殺したいのに‼︎」ブンブン

ゴキブリ「」ブルルル…

穂乃果「はっ！アイツ………理事長室に入りやがった‼︎」

穂乃果「バカめ、理事長の前なら私がおとなしくなるとでも思ったか！」

穂乃果「強行突破だぁ‼︎」ダッ

(理事長室)

理事長「ふぅ、今日も暑いわね…」

理事長「さて、花瓶の花にお水でもあげようかしら」

花瓶「」ピカピカ

理事長「ふふ、夫が結婚記念日にプレゼントしてくれた大切な花瓶だもの、やっぱり目の届くところに飾っておきたいわよね」

ゴキブリ「」ブルルルルル

穂乃果「突入ッ！」バッ

理事長「こっ、高坂さん！いきなり何ですか⁉︎竹刀まで持って…」

穂乃果「理事長ォ！窓を閉めてください、逃げてしまいます‼︎」

理事長「え、逃げるって何が…」

ゴキブリ「」ブルルルルル

理事長「ひっ！ゴキブリ⁉︎」

穂乃果「大丈夫です理事長、ソイツは私が仕留めます！」

穂乃果「でええええええい！今度こそ殺してやるうう‼︎」ブンブン

ゴキブリ「♪」ブルルル

理事長「ちょ、やめなさい高坂さん‼︎そんな闇雲に竹刀を振り回したら大事な花瓶に…」

穂乃果「おりゃあ！」ブンッ

ガッシャアアアアアアアン‼︎

理事長「ああああああああああああああああああああああああ‼︎」

花瓶「」バラバラ

理事長「こ、高坂さんアナタねぇ…！」ゴゴゴゴゴ

ゴキブリ「」ブルルル…ピトッ

穂乃果「あっ、ゴキブリが理事長の肩に！」

穂乃果「理事長！動かないでくださいね」ジリ…ジリ…

理事長「ま、待ちなさい高坂さん！まさかその竹刀で私の肩を…！」

穂乃果「そこだああああああああああああああああああああああああああああああああああ‼︎」ブンッ

バキィッ！ グチャッ！

理事長「いっだああああああああああああああああああああああ‼︎」ズシャアッ

ゴキブリ「」チーン

穂乃果「っしゃあ！ついに殺ったぞ！理事長、私アナタの為に頑張りましたよ！」

理事長(な、何がアナタの為だこのクソアマ…！)プルプル

理事長「こ、高坂さん…」ヨロッ

穂乃果「イヤイヤ、お礼なんかいいですって！私は人として当たり前の事をしたまでです」

理事長(他人の大事な花瓶割ったうえに竹刀で殴っといて、”人として当たり前の事をした”だぁ⁉︎)ゴゴゴゴゴゴ

理事長「……そうね、じゃあそんな立派なアナタにはご褒美をあげようかしら」

穂乃果「マジすか⁉︎やったあ」

理事長「とりあえず校庭まで付いて来てちょうだい」スタスタ

穂乃果「はーい！(いったい何くれるのかなぁ〜♪)」ウキウキ

(部室)

花陽「穂乃果ちゃん遅いなぁ…」

ことり「まだゴキブリと闘ってるのかな？」

海未「ことり、花陽！」バッ

花陽「海未ちゃん！」

ことり「何かあったの？」

海未「校庭で穂乃果と理事長が大変なことになってるんですが…アレはどういうことですか⁉︎」

ことり「えっ、何それ⁉︎」

海未「その様子だと何も知らないようですね……とにかく来てください！」ダッ

ことぱな「う、うん！」ダッ

(校庭)

ことり「あっ………」

花陽「えっと……」

理事長「全くアナタという人は‼︎」ブンッ

穂乃果「いだああああっ‼︎」バキィッ！

理事長「人を馬鹿にするのも大概にしなさい‼︎」ブンッ

穂乃果「ぐはああああっ‼︎」ドカァッ！

花陽「穂乃果ちゃんが木に吊るされて理事長に竹刀でボコボコに殴られてる…」

海未「いったい何をすればあそこまで理事長が怒るんですか⁉︎」

穂乃果「なんで私がこんな目に遭わなきゃいけないんですかぁ！あのままゴキブリが生きてたら理事長だって困ったでしょうに！」

理事長「フツーに窓から逃がせば済む話でしょうが‼︎」ブンッ

穂乃果「うぎゃあああああっ‼︎」ズドォッ

花陽「た、助けた方がいいのかなぁ…」

海未「…まあ大丈夫でしょう、穂乃果はゴキブリ並の生命力を持っていますから、アレぐらいでは死んだりしませんよ」

ことり「あ、あはは……」

END