2015-12-27 13:33:41 更新

概要

「あ、あれ?14000で止まった?」どうもマグロです。いらない部分落としたら割と収まりが良くなりました。それでも過去最高の長さ。大変だとは思いますが読んでやってくださいm(_ _)m


前書き

恐龍病にゴア・マガラに黒龍伝説。
謎が謎を呼ぶこの世界。
穂乃果達はどうなるのか?


第15話 ゴア・マガラと黒龍伝説


海未「やはり狂龍化の影響で突然倒れた。というのが自然でしょうか?」


穂乃果「そうだね。ウイルスに身体を蝕まれて結局…って感じだろうね。」


凛「じゃあ変な方向に攻撃したり無駄に暴れてたのは、そのウイルスが苦しかったからかにゃ?」


海未「それが妥当でしょうね…」


やはり三人の目にも突然倒れたリオレイアは異様に見えたらしい。


狂龍化とは?


狂龍化ウイルスとは?


謎は深まるばかりだ。


穂乃果「でも立ち止まってても仕方ないよ。早くゴア・マガラを倒さないとね。」


海未「そうですね!奥地へと進みましょう!!」



そうして三人は更に奥へと足を進めるのだった。





_______________________





A-RISEの三人もまさしく狂龍化リオレイアと対峙していた。



木々の間を美しい音色が流れる。


ドルセッザの狩猟笛の音色だ。



ドルセッザ「はい!防御強化と攻撃強化の音色よ!」


狩猟笛から流れるメロディーが三人を鼓舞する。


イローエ「助かる!!」


ドルセッザを庇うようにアラとイローエが立つと、アラが駆け出す。


アラ「鬼人回転斬りで気をひく!イローエはフルバーストの準備を!」



イローエ「任せろ!!」



アラは太刀を引き抜くと狂龍化リオレイアの足元に潜り込んだ。


アラ「はぁぁぁぁっ!!」




ザンッザンッザンッザンッ




アラの太刀が狂龍化リオレイアの体力を削ぎ落としていく。


アラ「くらえっ!!鬼人回転斬りっ!!」


ザンッッッッ!!!




アラの太刀は赤く発光しているどうやら三回目の鬼人回転斬りだったようだ。




アラ「イローエ!!今よ!!」



イローエはアラの指示のもと一気に狂龍化リオレイアとの距離を詰める、そして。



イローエ「フル、バーストッッ!!」




ドガァァァン!!!




強烈な破裂音とともに狂龍化リオレイアの身体が吹っ飛ぶ。



打ったイローエ本人も後退する凄まじい威力の攻撃だ。



龍化リオレイアは倒れ、狂龍化の症状は鎮静した。



アラ「ふぅ。なかなかめんどくさいわね狂龍化ってのわ。」


イローエ「やたら動きが速かったな。私の武器はやりにくかった。」


三人はリオレイアを囲み考察する。


ドルセッザ「この子背甲に傷があるわね。しかもこの爪痕見たことないわ。」


倒れたリオレイアの背甲には確かに傷があり、傷口は紫色に大きく変色していた。


アラ「これが爪痕…?何かもっと鋭利な…牙とかツノでやられたような印象だな。」


イローエ「いまはそれについて考察するのは得策じゃないぞ。先を急ぎゴア・マガラを倒すことに集中せねば。」


イローエはどちらかというとガンガン行きたいらしい。


ドルセッザ「そうね。早いとこいきま…」


そうドルセッザが言いかけた時…


ボンッと激しい破裂音がアラ達を通り抜けた、


ドルセッザ「アラ!!発煙筒よ!!」


直後空を見ると白い煙が打ち上げられている。


アラ「何!?どっちからよ!!」


イローエ「あれは遺跡の方角だ!!急ごう!!」



穂乃果達はゴア・マガラを見つけたのだろうか。


不安と期待のもと、三人は走り出した。



_______________________




アラ達が狂龍化リオレイアと対峙しているのと同時刻、穂乃果達は遺跡の方角へと進んでいた。


穂乃果「なんだか天気が悪いね。ずーっと曇りじゃん。」


今日は確かに曇りが続いている。

どんよりとした、ジメジメとした雰囲気がなんとも過ごしずらい。


凛「雨も降りそうだにゃ。早いとこ帰りたいにゃ。」


海未「そうもいきませんよ?ミストルの三人を見捨てて戦線放棄なんて知れたら居場所をなくしてしまいます。」


凛「冗談がきついにゃー。」



しばらく三人が歩いていると。


足元に紫色の結晶が転がり始めるようになった。



海未「これは…なんでしょうか?見たことのない鉱石ですね。」



その結晶は薄紫色の半透明な物体だった。



穂乃果「綺麗だね。ちょっと持って帰ろっと。」


凛「あ!ずるいにゃ!!凛もそうするにゃ!!」



二人は下を見ながらせっせと結晶を拾いながらズンズン進んで行ってしまった。


海未「あ!二人とも!待ってください!!」


海未も遅れて2人を追うのだった。


三人は導かれるように原生林の奥へと進んでいった。



_______________________




穂乃果と凛が結晶拾いに夢中になりながら進んでいくと…



穂乃果「うわ…なにこれ…」



凛「おっきい水晶だにゃ…」



二人は気づけば遺跡の中に来ていた。



そしてその中にはモンスターが一匹入りうる大きさの水晶が地面から生えていた。


海未「穂乃果!凛!待ってくださ…」


海未も遅れて遺跡内部に侵入。


そしてその結晶を発見する。


海未「大きい…」


凛「すっごいにゃ。全部売ればこの先働かなくて良さそうにゃ!!」


穂乃果「え!?そうする!?これ持って帰っちゃう!?」


海未「あんなに大きなのは無理ですよ!!」



三人で会話をしていると…



シュワシュワシュワ…



巨大な結晶が煙を纏い始めた。


まさしくゴア・マガラのそれと、


狂龍化ウイルスのそれと同色の煙を纏い始めたのだ。



海未(この水晶から煙が…?まさか!!)



海未「穂乃果!凛!今すぐ結晶を捨ててください!!それは固体化したウイルスです!!」


穂乃果「え!?嘘!?!?」


凛「またあれは嫌にゃ!!」


穂乃果と凛がせっせと水晶を捨て始める。


ポーチの中のそれも少しずつ形を失いながらウイルスを放っていた。



巨大な結晶はみるみる内に昇華し、中からモンスターが顔を覗かせる。



全身が黒く、禍々しいオーラを纏ったモンスター。



穂乃果「あれが…」


凛「ゴア・マガラ…!」


黒々しい身体は水晶から半分以上飛び出しており今にも襲いかからんと動き始めていた。


海未「二人とも遺跡の外に出ましょう!!私達だけでは勝ち目が薄いです!



穂乃果「わかった!アラさんたちを待とう!!」



三人は広がり行くウイルスを尻目に遺跡の外へと飛び出す。


凛「海未ちゃん!!発煙筒!!」


海未「今打ちます!!」




ボシュン!!




煙が打ち上がりアラ達に場所を知らせる。


直後。



ギャァァァァァァァァァ!!!!



ゴア・マガラの咆哮が遺跡から聞こえてきた。




_______________________



発煙筒を打ってから数分でアラ達は三人に合流した。



アラ「ホノカさんたち!!無事!?」


穂乃果「はい!問題ありません!」


イローエ「さっき空に多数の飛行艇を確認した!!相当な量のハンターが増援に来ているらしい!!」


海未「本当ですか!!心強いです!!」


ドルセッザ「そんなことよりゴア・マガラよ!!これ以上ウイルスを拡散させてはダメ!!」


凛「遺跡内で凛達で時間を稼がなきゃダメにゃ!!」


穂乃果「六人でどうにかしましょう!!」


アラ「よし!!行くわよ!!」



五人「了解!!」








_______________________



遺跡内部ではゴア・マガラが瘴気を放ち、穂乃果達を待ち受けていた。



ドルセッザ「攻撃、防御を付与するわ!!全員私の曲を聴きなさい!!」


遺跡内部を雄壮な音楽が流れる。



身体の芯から力が湧いてくるような感覚が穂乃果達を襲う。



アラ「準備は整った!!各々仲間の邪魔の無いよう、ゴア・マガラを攻撃して!!」




5人「了解!!」




六人が、ゴア・マガラに突っ込んでいく!!



穂乃果「はぁぁぁぁっ!!」



ザンザンザン!!



穂乃果の攻撃がゴア・マガラを襲う。


この世界に来てから数ヶ月ずいぶん様になった攻撃だ。




凛「本日3度目!!エッキスハンター!!射出!!」


凛は操虫棍を振りよっちんを射出。


初使用なことを感じさせない見事な棍さばきだ。


帰ってきたよっちんに触れ凛が薄く発光。


凛「キタキタキタキタ!!凛ちゃんマンいつでもいけるにゃー!!」





海未「今まで練習してきた技…いきます!!」


海未「はぁっ!!」

海未(ラブ・アロー・シューット!!)



キリキリキリッと弦音が悲鳴を上げながら最大限まで引き絞られる。



ビュン!ビュン!ビュン!



海未の放った矢は三本とも同じ点に刺さった。


一点集中、寸分狂わぬ素晴らしい射撃だった。





アラ「あの子たちやるじゃない!!私たちも見せてやりましょ!!」


巨大なモンスターを前にアラは純粋に楽しんでいるらしい。



強者の余裕を見せる。

流石最強のハンターだ。




アラ「くらえ!桜花気刃斬!!」



アラは大きくバックステップを踏むとゴア・マガラに向かって突貫。



ゴア・マガラを斬りつけ通過する。



遅れて切断部が爆発。



追い打ちをかける技のようだ。





イローエ「アラがヤル気なら私ものろう!!」



イローエはグッと腰を落としゴア・マガラに照準を揃える。



イローエ「覇山龍撃砲!!!」



イローエのガンランスから火の玉が放たれゴア・マガラの頭部にクリーンヒットする。




キシャァァァァァァァ!?!?




流石のゴア・マガラもここまでの連撃に怯んだようだ。



ドルセッザ「私が何かする前に怯んじゃったわね!!

まぁ、私もするけどねっ!!」



ドルセッザはここではじめてゴア・マガラとの距離をつめ、狩猟笛で音を奏でながら打撃を加える。



打撃音と笛の音が混ざり合い不思議な音が辺りに広がる。



ドルセッザ「くらいなさい!音撃震!!」




グワッ!!!




突如彼女の狩猟笛から爆音が放たれた。




ゴア・マガラを簡単にノックバックさせる凄まじい威力の一撃だ。




穂乃果「あれ!?私だけ普通の攻撃しかしてなくない!!」



凛のエキスハンター


海未のラブアローシュート

(トリニティレイブン)


アラの桜花気刃斬


イローエの覇山龍撃砲


ドルセッザの音撃震


穂乃果の攻撃



海未「私たちは練習したんです!!焼き鳥食べてる暇があったら練習すればよかったじゃないですか!!」



穂乃果「ぐやじいぃ!!」



アラ「喋ってないで攻撃しなさい!!相手は未知の生物よ!!!」



穂乃果「す、すみません!!」


穂乃果は再び攻撃に参加。


アラはここで後退し砥石を刀にする。




(しかしおかしいわ。なぜゴア・マガラは反撃してこないの?)





熟練ハンターのアラは疑問を覚える。


はじめて戦う相手だ、気を抜けないギリギリで闘い続けなければならない。


判断ミスは命取りだ。




(このまま押し切れれば…)




そこまで考えた所でアラは感じ取った。



アラ「全員下がりなさい!!」



人体の最速、脊髄反射でアラは叫ぶ。



全員が下がった直後、



キシャァァァァァァァ!!!!



ゴア・マガラが咆哮。



ズボッ!ズボッ!



丸みを帯びていた頭に突如紫色に輝く二本のツノが生えた。



ゴア・マガラを纏う瘴気はさらに量を増していく。



我慢の限界に達したゴア・マガラがキレたらしい。




しかしミストル最強のハンターは全くひるまなかった。



イローエ「さぁ、ここからが本番だ。」


鋭い目つきをさらに鋭くし獲物を見据えるイローエ。


ドルセッザ「能力強化かけ直すわね。」


笛を担ぎバフをかけるドルセッザ。


アラ「私達はこの病原体を仕留めなければならない…」


決意を秘めたアラの目がゴア・マガラを射抜かんとする。



アラ「行くわよ!!」


イロドル「了解!!」




穂乃果「私たちも続こう!!」


海未「えぇ!」


凛「もちろんにゃ!!」



ハンター達はゴア・マガラにそれぞれ接近する。




キシャァァァァァァァ!!




ゴア・マガラが羽を振ると黒い鱗粉が舞い上がり六人を覆った。


穂乃果「うわ!?また!?」


六人の身体を瘴気が纏う。


ドルセッザ「ここでビビらないで攻撃を続けなさい!!さっさと克服するわよ!!」


イローエ「隙があれば効龍石を使うんだ!!使えるものはどんどん使え!!」




六人が攻撃を加えるがゴア・マガラのウイルスのせいでダメージをなかなか出せない。


その時、ゴア・マガラの爪が穂乃果を襲った。


穂乃果「つぅ!?」


盾でガードするがウイルスの影響で大きく仰け反ってしまう。


海未「くっ!!照準が揃わない…!」


海未もウイルスに苦戦をしているようだ。



苦しむ味方を見た凛はここで操虫棍を

構え直す。



凛「ここは凛がいくにゃ!!二人ともチャンスに備えて欲しいにゃ!!」



そういうと凛は距離を取り助走をつける。


凛「お前にも乗ってやるにゃ!!」



凛は棍を軸に大ジャンプ。



ゴア・マガラの頭上に躍り出る。




それと同時にアラはイローエの方へ向かった。


アラ「イローエ!!火力抑えめにね!!」



そう言うとアラはイローエの

ガンランスの先端に飛び乗った。



イローエ「わかった!!いくぞ!!」



ダンッ!!



なんとアラがイローエのガンランスの爆風を使い凛と同じ高さまで飛んできたのだ。



凛「アラさん!?」



アラ「これ位私達なら当然よ!

さぁ!一緒に叩きつけるわ!!」



凛「わかったにゃ!!」




アラりん「だぁぁぁぁぁぁぁ!!」




太刀と棍はゴア・マガラに向かって一直線に落ちていく。



アラりん「おりゃあぁ!!」



ズゥゥゥン!!



二人の斬撃がゴア・マガラの四肢を折り地面に叩きつける。



凛「いまにゃ!!みんな!!」



ドルセッザ「よくやったわ!!」



海未「ナイスプレイです!!」



ゴア・マガラに各々の攻撃が入る。



穂乃果(チームプレイってすごい!!こんな凶悪なモンスターを相手どれるなんて!!)


穂乃果のテンションは上がり続ける。


まさしくアイドル活動をしていたその時のように。


穂乃果(アイドル活動…)


穂乃果(わかった!!穂乃果にも必殺技できるじゃん!!)



穂乃果は構えを取ると。



穂乃果「くらえ!!ブレイドダンス!!」



ザババババババババ!!!!



凄まじい斬撃がゴア・マガラにヒットしていく。


踊るような剣捌きはまさしく演舞のようだった。



アラ「戦いの中で思いついたの!?


ホノカさん…やっぱり私が見込んだとおりの人物ね!!」



アラは穂乃果の様子を見て興奮していた。




穂乃果達の攻撃が止みわずかなクールタイムが生まれた時ゴア・マガラは距離を取った。



そして…



ゴァァァァァァァァァァ!!!!



本日最大の咆哮を上げると、瘴気を多量に出現させる。ツノの発光は一際艶めかしくなり、羽は大きく広げられる。


大きな予備動作は強力な技の予兆なのはどの生物にも共通なことだ。


アラ「間違いなく大技が来るわ!!みんな構えて!!」



アラの指示が飛び六人が構える。



得体の知れないモンスターの何かわからない大技に対して構えろなんて無茶な相談だと、アラは思った。


右に飛び退くべきか左に飛び退くべきか、どんな攻撃が来るか。五人がそれぞれ予測する。



瘴気の発生が収まり、まさにゴア・マガラの攻撃準備が整いつつあるその時、




遺跡の入り口から男の声が聞こえてきた。


ハクガイ「楽しそうなことしてんじゃねぇかホノカ!!俺らも混ぜてくれや!!」


懐かしい声が聞こえてきた。



マキ「助けに来たわよ!!」



聞き慣れた声が聞こえてきた。



なんとハクガイ達が駆けつけたのだ。


穂乃果「ハクガイさん!!マキちゃん!!」



その二人の後ろからも続々とハンターが出てくる。


イローエが言っていた増援が到着したのだ。


「ちっこいのによくやるぜ!!ここからは俺たちも加わるぜ!!」


「アラ達にいいとこ取らせるかよ!!」


「戦績を上げるのは俺だ!!」


「ハクガイくたばれ!!」



ハクガイ「誰だくたばれとか言ったやつ!!」


ぞろぞろとハンター達は穂乃果達の元に駆け下りてくる。



ハクガイ「盾系ハンターは前に!!ゴア・マガラの攻撃に備えろ!!」



「おう!!!!」



ハクガイの指示により穂乃果達の前に強固なハンター達が立ち塞がる。



「俺たちに任せな!!」


「お前らは砥石でも回復でもなんでもしてていいぜ!!」




ハクガイ「ボウガン、弓職は盾の後ろから奴を狙え!!」



「任せろ!!」


「ハクガイ死ね!!」



ハクガイ「さっきから誰だマジで!!」



ダダダダダダダダ!!!


ヒュンヒュンヒュン!!



力の暴力といえばそこまでだが駆けつけて来たハンター達はとても心強かった。




攻撃寸前のゴア・マガラも敗戦することを察したのか攻撃を中断。



何も無かったかのように遺跡を飛び去ろうとしはじめた。


直後ハクガイは何かナイフのようなものをゴア・マガラに投げる。


それはゴア・マガラに着弾すると体内に溶けていった。


そんなことは気にもとめずゴア・マガラは飛び去っていってしまった。



討伐とはいかなかったが原生林の危機は去ったのだった。



ハクガイ「よっしゃぁ!!ゴア・マガラを追い返したゾォォ!!」



「「「「うぉぉぉぉぉ!!!!」」」」



ハンター達は雄叫びを上げる。

あっちでわいわいこっちでわいわい軽いお祭り騒ぎだ。


アラ「ちょい待て!!おいおい!!」


ゲシッ


アラはらしくない声を上げハクガイを蹴る。



ハクガイ「んだよ痛えな。なんだよ。」



アラ「私たちは!!ゴア・マガラを狩りに来たの!!追い返しに来たんじゃないの!!」


ハクガイ「んなこといいだろ?なぁみんな!!」


「おう!」


「そうだそうだ」


ハァ?と言いたげな顔でアラは続ける。


アラ「あれ逃したら!!またウイルスが撒かれて狂龍化モンスターが増えるのよ!?」



ハクガイ「あぁ、それならこの先100年は問題ないぞ?」



アラ「無責任なこと言ってんじゃないわよ!?」


ハクガイ「お前見てなかったのか?俺が刃物を投げたの。

あれさ、抗狂龍病薬に20年近くつけ込まれてたナイフでよ。あれに刺されたら最後、どんな狂龍病も一発で黙らせる代物なんだってよ。」


アラ「そんな都合のいいものがあるわけ…」


ハクガイはアラの言葉を遮り強く発言する。


ハクガイ「ある。あれを作ったのは伝説の四人だからだ。」


アラ「っ!?………なら、まぁ。信用するわ。」


抗狂龍病?伝説の四人?

穂乃果達が知らない単語が次々と出てくる。



穂乃果「お二人でお話中悪いんですけど…」


穂乃果が二人に話しかけるとハクガイが乗り出してきた。


ハクガイ「おぉ!!ホノカ!!久しぶりだな!!」


二人はとりあえず握手を交わす。


穂乃果(あ、これは聞けなくなる流れだ…)


穂乃果「イマイチ状況を理解できてなくて…」


ハクガイ「残念ながら俺もだよ。俺らはカイルさんにこれをゴア・マガラにぶち込んで来いって言われただけだからよ。」


そう言ってハクガイは刃物を取り出す。


穂乃果「その抗狂龍病薬のナイフだけですか…」


マキ「まぁ、詳しいことはギルドに戻って聞けばいいんじゃない?」


穂乃果「そうだね、マキちゃんの言うとおりかも。」



穂乃果は助けに来たハンター達の方を向くと。



穂乃果「来てくださったハンターのみなさんもありがとうございました!!」


穂乃果の礼に対し、ハンター達は明るく返事をする。


「良いってことよ!!」


「若いのによく頑張ったな!!」


「いつでも呼べよ!!」


「ハクガイ死n…」


ハクガイ「見つけたぞ!!テメェだな!!」


「ギャァァァ!!」



穂乃果はハンター達から向きを変え、アラ達の方へ向かう。


穂乃果「アラさん大丈夫ですか?」


アラ「釈然としないわ…」


イローエ「まぁ、良いじゃないか。脅威は去ったんだし。」


ドルセッザ「ホノカちゃん達にはお礼を言わないとね。」


海未「お礼だなんて!!そんな!!」


凛「凛達はむしろ助けられてたにゃ!!お礼を言うのは凛達にゃ!!」


ドルセッザ「ならお互いお礼はチャラにしましょうね」


海未「それが一番かもしれませんね。」


あっはっはっ。


先程までの緊張感は何処へやら。

六人の女ハンター達は笑っていた。




グラグラグラ…



穂乃果「え?地震?」


突如細かな揺れが遺跡を襲った。


アラ「ゴア・マガラとの戦闘のせいで遺跡の壁がが緩んだんだわ!!」


ハクガイ「おいホノカ達もこっちに来て固まっとけ!!」



グラグラグラグラグラグラ…



地震が一際大きくなり、ハクガイの元に穂乃果達が到着した直後、



ピシッ!!



遺跡の壁面に大きくヒビが入り、



ガラガラガラガラ…



壁面は崩れ去り新たな壁が剥き出しになった。



穂乃果「うそぉ!?そんなことってある!?」



穂乃果達は壁が剥がれたことに驚いているが、


ハクガイ「こいつは驚いた…」


アラ「えぇ、ここにこんなものが隠されていたなんて…」


イローエ「まさかとは思ったが間違えないな。」


マキ「[黒龍伝説]で、間違い無いわね…」


この世界の住民穂乃果と違って壁画の絵や文に驚いていた。



凛「コクリュウデンセツ…?」



ドルセッザ「その昔この世界を襲ったとされているモンスターの逸話のことよ。

モンスターの名前こそ不明だけど数々の歴史書が見つかってることからほぼ間違いなく存在したとされているわ。」


イローエ「各地域に様々な方法で伝承され、地域によってはわらべ歌にもされてるらしい。」


ハクガイ「って言ってもお前らも知ってることだよなw」


もちろん三人は頷くしかなかった。


ハクガイ「てか、これ全部古代文字かよ。読めたもんじゃねぇな。」


穂乃果達の目から見ても字とは思えない字が並んでるようにしか見えない。


しかし、


穂乃果「数多の飛竜を駆逐せし時伝説は蘇らん。数多の肉を裂き骨を砕き血を吸ったとき彼の者は現れん」


アラ「ホノカさん?」


海未「土を焼くもの黒鉄を溶かすもの水を煮たすもの風を起こすもの木を薙ぐもの火を生み出すもの。

その者の名はミラ・ボレアス」


ハクガイ「お前ら読めるのか…?」


凛「その者の名は宿命の戦い。

その者の名は避けられない死。

喉あらば叫べ耳あらば聞け心あらば折れミラ・ボレアス」


マキ「イ、イミワカンナイ…」


穂乃果「天と地とを覆い尽くす彼の者の名を。

天と地とを覆い尽くす彼の者の名を

彼の者の名を…」



穂乃果、凛、海未はつらつらと文を述べた。


魔法使いが使い慣れた魔法を唱えるように。


商人が言い飽きた売り文句を語るように。


ハクガイ「ミラ・ボレアス……」


イローエ「それが伝説の龍の名前…」


穂乃果「ちょちょちょ!待ってください!!適当に読んだだけだしあってる確証なんて!!」


アラ「いや、合ってるわ。あなたたちが読んだ文は私の生まれた地域のわらべ歌にそっくりだったわ。間違いなくそのモンスターの名前は[ミラ・ボレアス]よ。」


ミラ・ボレアス。

また不思議な名前のモンスターの存在があらわになった。


海未「自分で読んでおいて何ですが、そんな恐ろしいモンスターがいたなんて…」


凛「この世界もシャレにならないにゃ…」



こうしてゴア・マガラと狂龍病による危機は去ったが新たな謎が浮上した。


黒龍伝説


そして


ミラ・ボレアス


この二つがハンター達の不安を掻き立てるのだった。


_______________________


〜飛行艇〜


穂乃果達は原生林からの帰途をハクガイ達が乗ってきた飛行艇で過ごしていた。


マキ「ほら、コーファ淹れたわ。」


ハンター8人はコーファを口にしながら出来事の考察を行っていた。


ハクガイ「んじゃあ狂龍化リオレイアってのは普通のとは全く違う雰囲気だったんだな?」


海未「はい、足はとても遅かったのですが、攻撃がとても強くて…」


イローエ「待ってくれ、私達が戦ったリオレイアは足が早かったぞ?」


マキ「狂龍化による能力の変化は個体差があるってこと?」


ハクガイ「そうなるな。」


ふーむ、と皆が唸っていると。


凛「そうにゃ!凛達が戦ってたリオレイアは急に倒れたにゃ。倒れたらウイルスもふわふわふわ〜って消えたにゃ。」


ドルセッザ「私達が戦ったリオレイアは討伐後狂龍病の鎮静を確認したわ。」


ハクガイ「ますますわけわかんないな。これはかえって親父に聞くしかないな。」


脳筋のハクガイはうーんと唸り始めた。


穂乃果「え?ゲンナイさんにきくんですか?なんで?」


マキ「ホノカ知らないの?ゲンナイさんは、





伝説の四人の一人よ?」


(伝説ってそんなに身近な人でいいの?)

そう思った穂乃果は、


穂乃果「………へ?」


と、気の抜けた声を出す他なかったのだった。


_______________________



〜ギルド本部〜



ゴア・マガラ討伐後8人は本部に呼ばれ今に至っていた。


カイル「よぉホノカ、驚かせて悪かったな。」


穂乃果「伝説の四人ってお知り合いばっかりだったんですね……」


そう言った穂乃果の前に座るのは、


カイル「黙っといて悪かったなw」


穂乃果の命の恩人カイル。


ゲンナイ「雪山ぶりだな。元気にしてたか?」


行商団のリーダーゲンナイ。


リエ「黙ってて悪かったね。あんまり話したくなかったもんでね。」


ミストルハンターズギルドのリエ。


ホープ「やっほーホノカちゃん。いいことあった?」


行商団のメンバーホープ。


海未「ホープさんにだけ年齢の差を感じます…」


ホープ「龍神族は長生きなんよ。」


龍神族は本当に謎が多いと海未は思った。


ごほん、と咳をするとカイルは改まり、


カイル「さぁ、本題に入ろう。」


カイル「まず謝罪だ。ホノカ達、お前達を危ない目に合わせて悪かった。ギルドを代表して謝る。」


カイルは深く頭を下げる。


海未「顔を上げてくださいカイルさん!」


カイルは気にせず続ける。


カイル「そしてアラ達。突然の申し出に答え、こいつらを助けてくれてありがとう。」


アラ「礼には及びません。」


と、余裕ありげなアラ。


ハクガイ「親父の友の頼みを断る理由はないさ。」


父親の前なせいなのか少し硬めに答えるハクガイ。


カイル「ありがたい…」


謝るカイルを差し置いてリエが穂乃果達に聞いた、


リエ「次はあんた達の質問に答えるよ。なんか聞きたいことはあるかい?」


海未は真っ先に手を挙げ発言する。

日本での優等生のクセは健在らしい。


海未「では、抗狂龍病薬とは?」


リエ「あれは私とホープが40年前のゴア・マガラ襲来の時の経験を元に作成した薬さ。


結晶化したウイルスに何でもかんでもぶっかけて、試行錯誤した結果完成したのさ。


今回のようなことが起きた時のためにね。」


続いて凛が素直に思っていたことを質問する。


凛「じゃあ、なんでゴア・マガラに攻撃されるとモンスターは発病して人間は発病しないにゃ?」


リエ「それは推測の域なんだけどねぇ…多分頭の良し悪しが関係していると思う。私たちの連れのアイルーは感染しなかった点から考えたんだけどね。


あ、でも小型のモンスターはウイルスそのものに耐えれなくてそのままお陀仏って感じよ。」


穂乃果は、原生林の時から溜め込んでいた質問をする。


穂乃果「じょあ伝説の四人ってなんですか?」


リエ「ご存知の通り、私達四人のことさ。超大型モンスターの討伐の指揮とか古龍の討伐とか…あとはゴア・マガラ討伐がこの肩書きに大きく影響してんのかな?あとはホープがハイステータスで色々できたからって感じかしら?」


リエ本人もよくわからないらしい。



リエ「他には?」


特には、と首を振る。



すると、ほっとかれていたカイルが身を起こし穂乃果達の前に出る。


カイル「よし、じゃあ穂乃果達三人だけ俺についてきてくれ。」


穂乃果「え?私達だけ?」


カイル「そうだ。あって欲しい奴がいる。」


カイルはあまり気乗りしないらしいのかいつものような喋り方ではなかった。


海未「私達だけに会いたい人物なんているんでしょうか?」


凛「凛達はさほど有名じゃないしね〜」


カイル「とりあえずミストル城へ行くぞ。」


王城といえば王様が住んでいるところだ。


三人「王様に会うの(ですか)(にゃ)!?」


カイル「いや、王様よりよっぽど重要で、よっぽど厄介な奴にあってもらう。」



カイル「落葉の魔術師と呼ばれているやつだ。」


_______________________



〜ミストル城地下〜


穂乃果達は石で出来た扉の前にいた。

装飾は申し訳ない程度しかなく、城の一室としては物足りない感じだ。


カイル「俺はここで待ってるから中のやつと話して来い。」


穂乃果「え?カイルさんは来てくれないんですか?」


カイル「俺も行きたいんだが、中の奴がそれをいやがるんだよ。」


カイルは「はぁ」とため息を吐くとビールを取り出した。


カイル「ほら、酒飲んで待ってるから行って来い。」


そう言いながら早速1本目を開けるカイルだった。


穂乃果達三人はカイルに押され謎の部屋に入っていった。


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〜???〜


部屋の中はとても薄暗くとても奇妙な雰囲気だった。


部屋の中心には曇り一つ無い水晶が置いてある。


丁度穂乃果達が武器を決める際に触れたものと同じような物だ。



凛「おじゃましま〜〜す…」



穂乃果「誰かいませんか〜〜?」



恐る恐る暗闇に声をかけると返事が聞こえてきた。


???「穂乃果ちゃん!?凛ちゃん!?」


三人「え!?」


突如暗闇から一人の少女が飛び出してきた。


その少女を誰か確認する前にその少女は穂乃果と凛に飛びついた。


???「会いたかったよぉ!!やっと来てくれたんだね!!」


フードを深くかぶりローブに身を包んでいたため姿は確認できなかったが、それは良く知った人物だった。



海未「その声…ことりですか!?」


穂乃果「やっぱりそうだよね!ことりちゃんだよね!!」


ことり「そう!ことりだよ!!μsの南ことりだよ!!」



そう言ってフードを取ると確かにことり本人だった。



泣いているせいか目尻は少し赤い。


ことり「本当に良かった!!水晶でみんなを見つけてからいつここに来るかってずっと心配してたんだからね!!」


水晶でみんなを見るという不可思議な話が飛び出る。


海未「ことり!待ってください!!いまいち理解が及んでいないのですが…」


ことり「あ!!ごめんね!!順を追って説明するからここ座って!」


ことりに案内され四人で一つの机を囲む。

久しぶりの再会にじっとしていられないことりは終始何処かを動かしている。



ことり「私がこの世界に来たのは穂乃果ちゃんがこの世界に来るより1ヶ月早かったの。


しかもこの世界にきたら知らない格好で知らない部屋にいたの。


びっくりしてそわそわしてたら耳の奥から私の声が聞こえて…

[この世界のあなたは、昨日命を引き取った。しかしこの世界には災厄が迫っている。だから別の世界の私にここに来てもらった。


お願い。貴方が信頼できる人と共にこの災厄を、私が止めれなかった災厄を止めて欲しいの。


私が今……蓄えた知識……貴……受け渡……わ…




………頑張って………]


その人は落葉の魔術師って言うらしくて、話の中の貴方がことりのことで、私が落葉の魔術師だったの。


それから私は落葉の魔術師の真似を続けながら来るべき日への準備をしてたの。


私は頼れる人、昔から仲の良かった穂乃果ちゃんと海未ちゃんに来てもらおうと思ったの。


穂乃果ちゃんが私の下駄箱に来るように誘導して、海未ちゃんの前でそれで遊ぶ…


完璧な作戦だと思ったんだけど…


凛ちゃんと絵里ちゃんもそこにいて!

にこちゃんも後から遅れて来ちゃって!



穂乃果ちゃんと海未ちゃん以外は手続きをふんでないから能力に偏りがあったり、魂だけこっちに来ちゃったりしたの。」


突然様々なことを言われ海未はまた狼狽する。


海未「ことりがこの世界に来たのは一ヶ月前って…私達がこの世界に来る一ヶ月前ことりは普通に生活していたじゃないですか!!」


ことり「私がこの世界に来たのは多分海未ちゃん達がこの世界に来た日の朝だと思うの。


そして、この世界の時間経過と私達の世界の時間経過には大きなズレがあるの。こっちの1時間はあっちの1秒みたいな感じらしくて。」


凛も思っていたことを質問する。


凛「もしかして凛ってこっちの世界に来なくても良かったってことにゃ…?」


ことり「ごめんね凛ちゃん!!それは本当に申し訳なく思ってるの!!」


凛「Oh…」


穂乃果は仲間の安否を心配する。


穂乃果「絵里ちゃんは!?絵里ちゃんは無事なの!?」


ことり「絵里ちゃんは今ドンドルマでハンターをしてるよ。でも…」


穂乃果「でも?」


ことり「ちょっとおバカになっちゃってて…」


そう言うとことりは水晶に手をかざした。


水晶の中に絵里が映る、


凛「あ!!絵里ちゃんにゃ!!」


海未「買い物の最中でしょうか?」


絵里は雑貨屋の前で気の良さそうなおじさんと話していた。



絵里[この回復薬を10こ買います、]



[あいよ、一個75zね。」



絵里[はい。]


そういう絵里は50z一枚と10zを二枚、5zを一枚出した。


[嬢ちゃん嬢ちゃん。これじゃ一個しか買えないんだけど。]


絵里[へ?だって75zの回復薬を10こ買ったら75zでしょ?]



[なんで!?!?]



三人「うわぁ…」


ことり「言葉はおかしくないし考えもしっかりしてるのに数学だけほんっとうにダメで…見てるこっちがヒヤヒヤしてるの…」


穂乃果「早いとこ絵里ちゃんに合流しないと…」


海未「絵里の身が危ないですね…」


ことり「お願いね…」




四人は水晶から離れテーブルに戻ったあとにお互いのことを話し合った。


この世界に来てからあったことや驚いたこと。

もし日本に戻れたら、など他愛も無い話を話していた。



ことり「じゃあ、絵里ちゃんを連れ戻したらもう一度ここに来てくれる?その時に黒龍伝説を終わらせるためのいろいろを教えるから。」



会話は途切れ、ことりが三人に提案する。


穂乃果「いいけど…連絡はどうするの?」


電話のないこの世界の連絡手段は手紙が主なのだ。


しかしことりは自信ありげに続ける。


ことり「ふっふっふっ。この世界のことりちゃんはハイスペックなんだよ!!世界中のアイルーの目はこの水晶とリンクしてるのです!!」


ドヤッとふところから水晶を取り出す、なんでも水晶にやらせるこちらのことりは少し抜けてるところがあるのだろう。


ことり「だから安心して行ってきて。この世界の私は酷く困ってたの。私はこの人の力になりたいとおもったの。だから協力してくれないかな?」


ことりは穂乃果達を見据え懇願する。



穂乃果「もちろん!!」



ことり「ことりの頼みなら断る理由はありません!!」



凛「凛達に任せて欲しいにゃ!!」



三人はことりを見つめ返し決意をあらわにする。




ことり「みんな…本当にありがとう!」






ゴア・マガラの討伐を経て穂乃果達はこの世界に迫る災厄の存在を知ってしまった。



ミラ・ボレアスとはなんなのか。



しかし今は絵里と合流すべくドンドルマに向かうのが最善の一手だろう。



千里の道も一歩から。穂乃果達の冒険はこれからも続くのだった。



〜第2章 完〜



To be continue?






後書き

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