2016-01-10 12:08:54 更新

概要

というわけで、ごちうさ短編シリーズ2作目です。ぶっちゃけこっちが本命。
今回のゲストにまつわる『ある事件』の後日談のようなもの。その後の物語にも影響する設定なので、かなり重要な意味を持っています。
・・・という想像のひとつなんですけどね。笑




~ラビットハウス・バータイム~



カランカラン・・・



タカヒロ「いらっしゃいませ」



外国人女性「・・・長居するけど良いかしら、今日は飲みたい気分なの」



タカヒロ「構いませんよ、宜しければカウンターへお座りください」



外国人女性「・・・じゃあ、シェリー酒を瓶で」



タカヒロ「(訳ありか・・・)かしこまりました」



ティッピー(あの外人、ムカつく婆さんに似た声じゃのう)






ゴク ゴク・・・ カラン・・・



外国人女性「・・・シュウ、どうしてそんなに早く逝ってしまったの・・・」グスン



タカヒロ「・・・差し出がましいようですが、お悩み事でしたら私にお話いただけませんか?」



外国人女性「・・・ただの客なのに、心配してくれるの?」



タカヒロ「・・・先程から、随分と飲まれているようなので」



外国人女性「・・・数日前、元カレを亡くしたのよ・・・」



タカヒロ「・・・そうでしたか・・・」



ティッピー(想像以上に重い話が飛び出してきたのぉ・・・)



外国人女性「・・・仕事で厄介な状況に追い込まれて、彼の愛車ごと黒焦げにされてしまったわ・・・」



ティッピー(い、いきなりキナ臭くなったわい!何者なんじゃこの女!!?)ゾゾゾ



タカヒロ(よく見ると、懐に拳銃・・・只者ではなさそうだ)



タカヒロ「・・・お辛いとは思いますが、その彼氏さんと別れられた理由は・・・」



外国人女性「・・・仕事上どうしても必要で、彼と『ある女性』が付き合うことになったのよ」



外国人女性「彼は『2人を同時に愛することはできないから』ってちゃんと訳を説明してくれたわ・・・」



外国人女性「別れた後も、私に対して気軽に接してくれたわ。私も、側で仕事ができるだけで幸せだったし・・・」



タカヒロ「誠実な方だったのですね」



外国人女性「ええ。少し不器用な所もあってね」フフフ・・・



タカヒロ(良かった。少し持ち直したみたいだ)



ティッピー(今時そのような男・・・会ってみたかったのう)フム



外国人女性「・・・でも、彼は仕事の都合で付き合っていたその女性を本当に愛し始めたみたいで、」



外国人女性「2年前に離れ離れになった後も、忘れることができなかったみたい」



タカヒロ「・・・その離れ離れになった理由というのは・・・」



外国人女性「・・・仕事上のトラブルよ」



タカヒロ(やはりか・・・)



ティッピー(どれだけデンジャラスな世界にいるんじゃこいつらは!?)



タカヒロ「・・・あなたが、彼のその女性への気持ちに気付いたきっかけは・・・」



外国人女性「・・・数ヶ月前、彼女が日本で亡くなったニュースが入った時よ」



外国人女性「その時の彼は、正直見ていられなかったわ」



タカヒロ「・・・」



外国人女性「・・・それから彼は、私達仲間にも心を閉ざすようになった・・・」



外国人女性「単独行動が多くなって、結果的にそれで救われたこともあったけど、」



外国人女性「最後はそれがあだになって、ひとり殺されてしまったのよ・・・」



外国人女性「その一件さえも、私達は『仕事の都合』で黙認しなければならなかった・・・」



外国人女性「彼もそれを承知で、上司の引き止めにも応じず1人で現場へ向かったのよ」



外国人女性「・・・でもだからって、黙って行くことなかったじゃない!」グス



外国人女性「私達に一言いってくれても良かったじゃないのよォ!!!」



タカヒロ「・・・」アアアアア…



ティッピー「・・・」ウウ…



ヴウウウウウ・・・ ヴウウウウ・・・ ヴウウウウ・・・



タカヒロ「電話が鳴っているようですが・・・」



外国人女性「グス・・・ええ、ごめんなさい取り乱しちゃって」パカ



タカヒロ「いえ、それは構いませんが「え、ウソ!?」



外国人女性「今朝から6件も未読メールが溜まってるわ!ずっとセンターで留まりっぱなしだったのね!!」ピッピッ



タカヒロ「・・・」モウ、ドレダケチョウシワルイノヨコノケイタイ!



タカヒロ「・・・でしたらお客様」



タカヒロ「携帯を買い換えられてはいかがでしょうか?」



外国人女性「・・・ええ、それも考えていたけれど・・・」



タカヒロ「そのついでに、番号も一新されてみては?悪い思い出を払拭するためにも」



タカヒロ「同僚の方やお知り合いには一時的に迷惑を掛けることになるでしょうが、それでもあなた自信の心機一転の機会には換えられないかと・・・」



外国人女性「・・・」



タカヒロ「・・・もちろん、決めるのはお客様ですが・・・」



外国人女性「・・・ええ、そうさせてもらうわ。いい加減、この携帯にはうんざりしていたし」



外国人女性「・・・そうね、吹っ切らないと、命を掛けた彼に申し訳ないわね!」フン!



外国人女性「Thank You,Master!!今日は景気づけに飲み明かすわよ、もう1本!!」ビシッ



タカヒロ「元気になられたようで安心しました、ですが飲みすぎにはご注意ください」ゴソ



カタイコトイウンジャナイワヨー アシタ、オシゴトナノデハ? マアソウダケドサー



ティッピー「・・・やれやれ、これはこれで面倒臭いのぉ」フゥ






~数時間後~



zzzzz・・・ zzzzz・・・・・



ティッピー「・・・あれほど気をつけろと言ったのに、酔い潰れて寝てしまいおったわい」



タカヒロ「まあ、それだけ色んなものが溜まっていたということだろう。発散できて良かったじゃないか」



タカヒロ(とは言え、懐の拳銃といい、さっきの話といい、どれだけの修羅場を潜り抜けているんだ・・・)



ティッピー「・・・そうじゃ!今のうちに持ち物を調べて、この女の身元を割り出してくれる!!」ピョン!



タカヒロ「あ、父さんダメだよそんな事しちゃ!」



ティッピー「何を言っておるか!アメ公とはいえ、この日本で拳銃持っとるヤツを見逃すわけにはいかんじゃろうが!!」グイグイ



タカヒロ「ああ、そんなに上着を引っ張っても何も出てこないよ父さん・・・」



ポロッ パサ



ティッピー「ほれ!何か落ちて来よったわい!!」フンス



タカヒロ「威張ることじゃないよ父さん。それにしても、この人もなんて無用心なんだ・・・」



ティッピー「・・・どうやらパスケースのようじゃのう・・・」ヒョイ



タカヒロ「とりあえず、後で謝っておかないと・・・」チラ・・・



タカヒロ(ん?・・・これは・・・)






~翌日・天々座邸~



リゼの父「・・・FBIか・・・」



タカヒロ「ああ、米国外ではオシント(合法的資料捜査)しかできない彼らがなぜ、この日本にいるのか・・・」



リゼの父「しかも拳銃まで持って・・・よっぽど、日本警察に隠して捜査したい何かがあるとみえる」



タカヒロ「そういえば、酔い潰れた彼女を迎えに来たドイツ系の仲間にさんざん釘を刺されたな。『我々の事は内密にお願いします』と・・・」



リゼの父「まぁそれだけ日本語が堪能なスタッフばかり送り込んでるんなら、手荒い真似をするつもりはないんじゃないか?」



タカヒロ「・・・そうだな、その彼もとても申し訳なさそう顔をしていたし」



リゼの父「・・・それにしても、あの『シルバーブレット』がやられたか・・・」



タカヒロ「知っているのか?」



リゼの父「ああ、俺達現役の中じゃ有名だ。ビュロウにとんでもないスナイパーが現れたってな」



タカヒロ「そのやり手を下す連中・・・一体何者なんだ・・・」



リゼの父「そう言えば、その女捜査官から連絡はあったのか?」



タカヒロ「・・・ああ、一応仲間の彼に店の番号を伝えてあるが、まだ連絡はないな」



タカヒロ「まあ携帯の調子が悪いみたいだし、問題が解決したら掛けてくるだろう」



リゼの父「じゃあ、その時は俺にも連絡してくれ」



タカヒロ「・・・何故だ?」



リゼの父「何、一生の頼み事だ」



リゼの父「・・・その捜査官の携帯番号を教えてくれないか?」




~Fin~



<1作目>



後書き

というわけで2作目のゲストは、コナン世界のFBI中最弱(!?)の烙印を押されてしまった方、ジョディ・スターリング捜査官です。
・・・まあこれ思いついたのは、9羽の千夜婆からですが(清川さんといい一城さんといいごちうさすげぇ)。
思いついた時点で、赤井さん『死亡』から木馬荘事件の間までと決めていました。
おかげですっきり纏まって、スムーズに書けたと思います。
・・・ちなみに今回、リゼパパにはオチとして犠牲になってもらいました(笑)。
まあ、絶対こんな人じゃないってのは分かってるんだけどね!ちょっとお近づきになりたいってなだけだろうけどね!!
・・・こういうキャラ崩壊が嫌いな方、ホントにごめんなさい。


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