ラブライブ!×Battle Spirits Original Stage
ラブライブ!とBattleSpiritsのクロスオーバー作品。
ラブライブ!もバトスピも好きです。
ですが多少キャラに違和感を感じたりするかもしれません。
バトル中、手札やコアの数がおかしくね?と思うこともあるかと思いますが、温かい目で見守ってください。
穂乃果「いっくよー!ゲートオープン!!」
8人「…………?」
穂乃果「もーっ!みんなノリが悪いよ!」
8人「……?」
穂乃果「もう一回いくよ!ゲートオープン!」
海未「いや、わかりませんよ。なんなんです?それは?」
凛「なにかの掛け声かにゃー?」
花陽「も、もしかして私の知らないアイドルグループ?」
希「新しく開店したお店?」
穂乃果「みんななに言ってるの?これだよっ!こーれっ!」
ドンッ
ことり「カード?の束?」
真姫「なにこれ意味わかんない」
絵里「黒いカード?トランプ?」
希「タロットカードでは無さそうやね」
絵里「あら、でも黒いのは裏側だけで表には絵が描いてあるわ。それに文字も。ええと、ブレイドラ?黄色い鳥?怪獣かしら?なんだか可愛いわね。こっちは色が違うのね。ペンタン……可愛いペンギンの絵よ」
にこ「あぁ、なんだ。思い出したわ。バトスピじゃないの、これ」
7人「バトスピ?」
にこ「バトルスピリッツっていう、トレーディングカードゲームの一つよ。バトルスピリッツ、略してバトスピとかBSとかって呼び方もするわね。それでもって、バトスピでバトルする人たちのことをカードバトラーって呼ぶんだけどね。カードゲームとしての歴史は浅いけど、アニメやマンガなんかの他媒体でも広く取り上げられて、中でもアニメ作品で声を当てた声優さんも、興味を持ってバトスピを始める人もいるらしいわ」
穂乃果「パンテーラさんとか、クラッキー君とかだね」
海未「誰ですか」
ことり「そういえばお店に来たお客さんが、テーブルにカードを広げて遊んでるのを見たことあるかも」
凛「ニコちゃん詳しいね。やってたの?」
にこ「今は他局だけど、ニチアサでやってたときに妹たちとね。で、穂乃果。これどうしたのよ?」
穂乃果「え?アニメで見ておもしろそうだったから、みんなを誘って穂乃果もやりたいなーって思って。昨日秋葉原のお店で買ってきたの」
海未「また唐突な……。カードゲームのルールなんて覚えられるのですか?トランプとは違うんですよ」
真姫「この年になってそんな子どもっぽいこと出来ないわよ。私はパス」
にこ「あっれぇ?真姫ちゃんてば知らないのぉ?バトスピは国外にも広く流通してるしー、今では子どもだけじゃなく大人だってプレイしてるニコー」
真姫「単純なカードゲーム自体が幼稚だからイヤって言ってるの」
穂乃果「それは違うよ真姫ちゃん!!」
真姫「ヴェエ!?」
穂乃果「バトスピが他のカードゲームと一線を画すもの……」
花陽「あ、あの穂乃果ちゃんが一線を画すなんて言葉を……」
絵里「よほどのめり込んでるのね」
穂乃果「それはこのコア!」
希「青い石?なんかスピリチュアルな輝きやね」
穂乃果「これはコアって呼ばれるバトスピの重要アイテム。これがカードバトラーの命!」
真姫「命って……大げさすぎるわよ」
にこ「あながちそうでもないのよ。このコアはスピリット……いわゆるモンスターの召喚や強化なんかに使われることがメインに、それとは別にこのコア5個がカードバトラーのライフになって、ライフが0になったら負けちゃうんだから」
穂乃果「このコアは各ターンに一つずつ自分と相手に増えていく。コアの使い方が勝負の局面を大きく左右するんだよ!更にデッキ、手札、フィールドのスピリットの数にも上限は無い!まさに戦略無限大!」
海未「穂乃果……あなたさては勉強もせずにこのバトスピとやらに熱中しましたね……」
ことり「でも、なんだかおもしろそうだよね」
穂乃果「でしょ!?というわけで二週間後にトーナメント式のバトスピμ'sチャンピオンシップを開くから、みんなカードを集めてデッキを組んでおいてね♪細かいルールはバトスピwikiを見てね。みんなのLINEにURL送っておくから。それじゃーねー♪」
凛「行っちゃったにゃー」
ことり「穂乃果ちゃん、ハマったらとことんハマっちゃうから」
バタン‼
真姫「戻ってきたわね」
絵里「穂乃果、忘れ物?」
穂乃果「言い忘れてた!ただ勝負するのも面白くないから、優勝者にはなんでも一つだけ願い事を叶える権利をプレゼントー♪ってことで!じゃ!」
8人「…………」
8人「…………はぁっ!?」
海未「穂乃果……明らかに先に始めた自分が有利なことを見越してあんなことを言いましたね……」
花陽「穂乃果ちゃんらしいけど…………」
絵里「まあ、なんにせよ……」
希「やるからには負けられへんよね?」
にこ「真姫ちゃん♪帰りに一緒にカード買いに行こーニコー♪」
真姫「べっ、別にいいけど……」
凛「あー、凛も行きたいにゃー♪」
海未「では、私たちも行きましょうかことり」
ことり「うんっ♪」
8人(なんでも願い事を…………
――――秋葉原カードショップ――――
海未「色んな種類のカードがあるのですね。赤、青、黄、緑、紫、白……色が複数あるカードもあるみたいです」
にこ「属性ごとに色分けされて、それぞれの色に特徴があるわ。たとえば赤属性だと攻撃力が高め、青属性はクセがある玄人好みの効果が多くて、黄属性はマジックに関係した効果が多いわ。緑は効果でコアを増やした速攻のバトルが得意で、紫は逆に相手のコアを減らして妨害するのに長けてる。白属性は鉄壁の防御が持ち味よ。あくまでも一例だけど」
絵里「スピリット、ネクサス、マジック、ブレイヴ、アルティメット……これは?」
にこ「スピリットはバトスピの基本となるモンスターよ。ネクサスは自分に有利な状況を作り出すフィールドってとこかしらね。マジックは自分を補助したり相手を妨害したりするカード、ブレイヴは条件にあったスピリット、アルティメットに合体させて強化する装備カード。アルティメットはスピリットの上位互換みたいなものだけど、スピリットに比べて召喚条件が難しかったりするから使い勝手が難しいわ。その分効果は絶大で、バトルの流れを大きく左右するわ」
凛「うえぇ……なんだか難しい……」
にこ「こんなのまだまだ序ノ口よ。コスト、軽減シンボル、回復、疲労、バースト、フラッシュタイミング、ソウルコア、効果だって属性ごとの固有効果と、属性に共通した効果とあるし。バトスピのいやらしいところが、効果の記述が言葉遊びかってくらいわかりづらいものが多いのよね」
花陽「お、覚えられるかなぁ……」
にこ「カード全部の効果なんて覚えてるやつなんかいないわよ。バトスピは戦略無限大をテーマにしてるだけあって、システムが年々複雑になっていくの。でもまあ、最初は自分に合いそうな色でデッキを組むのがいいんじゃない?好きなカードの絵で組むとか。ピンときたカードをキーカードにしてメインにしたり。そこからルールを見ながらバトルを進行すれば覚えやすいわよ」
ことり「自分に合いそうな色かあ……」
希「デッキを組む色は一色だけなん?ニコっち~」
にこ「単色でも混色でもOKよ。ただ最近だと単色デッキを使ってるバトラーは少ないんじゃない?同じ色の方がコンボは決めやすいけど、戦略が単調になっちゃって読まれやすいから」
真姫「ニコちゃんが昔やってた頃は、どんなカードを使ってたの?」
にこ「ん、えーっとねー……これ。このガラスケースに入ってる黄色いやつ」
真姫「[超新星アイドル]ノア・フルール……なんていうか、予想を裏切らないわね……」
にこ「このブースターパックが出たとき、運命を感じたのよね~♪なんか~♪ニコをモデルに作ったんじゃないのかな~なんて思ったり~♪ほら~この子もニコみたいに可愛い……って聞きなさいよ!このカードかなりレアなんだからね!」
凛「かよちんは何色にするー?凛は赤とか強そうかなーって思うんだけど」
絵里「凛、何色を使うかは秘密にしておいた方がいいんじゃないかしら?じゃないと対策を立てられちゃうわよ」
凛「はっ!?そっかー、そうだよねー」
花陽「私は見た目が可愛いカードがいいかなー……なんて」
ことり「この黄色いカードにはそういうの多いよね。天使さんとか妖精さんとか♪今度の衣装はこういうのをモチーフにしてみようかな~♪」
海未「赤はドラゴンや恐竜、白はロボット、緑は虫に動物、黄色は天使や妖精、紫は悪魔、青は巨人といったところでしょうか?なんとも統一性の無い世界観です」
絵里「カードの下に書かれてるフレーバーテキストを読んでみれば、バトスピの世界観がよくわかるみたいよ。バトスピwikiにまとめページがあったわ」
希「ウチは何色にしよっかなー?」
にこ「あんたは紫一択って感じがするんだけど。腹黒いし」
希「そんなこと言うニコっちには、スペシャルなわしわしをごちそうしてあげるよー?」
にこ「ひいっ!?」
絵里「あら?これは?」
にこ「ん?ああ、バトスピタワーね。バトスピカードダスのガチャガチャが上下に繋がってるものをそう呼ぶのよ。ここにあるのは初期の古いものから新しいものまであるみたいだけど」
絵里「ハラショー。なんだかおもしろそう!回してみようかしら♪」
にこ「たまに回してXレアが出ると嬉しいのよね。パックで買うのとはまた違って」
絵里「あら……?なんだかキレイなカードが出たわよ?」
にこ「ホント?なになに?どんなカードよ?」
絵里「ふふっ、ひーみーつ♪なんだか強そうだし、私の切り札にするわ♪」
にこ「安直な……じゃあ、ニコも回すニコ♪」
絵里「なにかいいのは出た?」
にこ「…………」
絵里「なるほど、レアが入ってないときもあるのね……。レア入りとレア無しを交互にセットすることによってよりお金を使わせようというカード会社の戦略ね」
にこ「必ずしもそうなってるとは限らないけどね。はあ、もう一回回そーっと。……え、なにこれ誤植?印刷ミス?ちょっと調べて…………」
絵里「どうしたの?」
にこ「……ふふ……ふっふっふ…………アーハッハッハー!!やっぱり私は大銀河宇宙No.1アイドルね!ニコの最強のキースピリットはこれで決まりよ!」
絵里「よくわからないけど、いいカードを引いたのね……」
希「ウチはどうしよっかなぁ……ん?このカード…………なんや運命を感じるなぁ」
花陽「希ちゃんがそういうと……なんか意味深だね……」
希「スピリチュアルやろ?うん、決めた。ウチはこの子をデッキに組むことにするわ」
花陽「私はどうしよう……」
希「悩んだときは、直感で選んでみるんも大事やと思うよ?」
花陽「直感で……」
希「おお……花陽ちゃんの目付きがまるでご飯を前にしているときのように鋭く……」
花陽「決めました!」
希「おお!早いな!」
花陽「このカードを切り札にデッキを組みます!」
希「トーナメントで花陽ちゃんと当たるん楽しみやわぁ♪」
凛「どーしよっかなー」
海未「まだどの色にしようか迷っているのですか?」
凛「海未ちゃんは決めたの?」
海未「ええ、穂乃果に送られたサイトを参考に、私にあった属性でデッキを組むことにしました」
凛「海未ちゃんは白とか似合いそうだにゃー。なんか機械みたいに頭カッチカチだし」
海未「トーナメントであなたと当たった際は完膚なきまでに叩き潰しますのでそのつもりで」
凛「んー……よし!カードダスを回して一番上にあったカードの色でデッキを組むにゃー!」
海未「って……そんな決め方でいいんですか!?せめてレアカードの方に合わせたら――――」
凛「にゃー!!」
海未「聞いてませんね……まったく……凛らしいと言いますか……さて、私も自分のカードを探さなくては……真剣に臨まないと、穂乃果はおろか他のメンバーにも足元を掬われかねませんからね」
海未「私に勝利をもたらすこのカードで……必ず……」
凛「一番上にあったの広告カードだったんだけど、どうしたらいい?」
真姫「まったく……めんどくさい……」
ことり「そう言いつつも真剣にカードを選ぶ真姫ちゃん、可愛い♪」
真姫「だって勝負だもん。勝負には負けたくないわ。もちろんことりにだって勝つわよ」
ことり「ことりだって負けないよ♪」
真姫「……イマイチ本気が見えないわね。そういうとこが、ことりの怖いところよね」
ことり「エヘヘ~♪」
真姫「ことりは決まったの?」
ことり「うん♪決まったよ、ことりのキーカード。これで優勝狙っちゃう♪」
真姫「なんとなくことりとは当たりたくないわね。私も自分に合ったカード探さないと」
ことり「真姫ちゃんにはこの属性が似合うと思うんだけどな」
真姫「これ……?」
ことり「うん、なんだか真姫ちゃんみたいだと思わない?」
真姫「…………たしかに、そうかも」
それぞれが自身のキーカードを選び、研磨を重ね……
――――――――
ことり「このマジックは必須かなぁ。それにこのカードも……あんまりデッキを増やすと上手く回らないよね……難しいなあ……」
――――――――
海未「なるほど、このようなコンボが……ではこのカードでさらに強固なものに出来そうですね」
――――――――
花陽「アタックしたら疲労……こんなに強そうなスピリットさんたちも、頑張ったら疲れちゃうんですね……お疲れさまです」
――――――――
凛「コストが5だからコアを……あぁ!軽減シンボル忘れてたぁ……計算難しいよぉ……このスピリットを召喚して……次にこれ……って順番逆だにゃあー!!」
――――――――
真姫「よし……これで完璧ね。我ながら見事なバランスのデッキだわ。子どもの遊びに興味は無いけど、やるからには優勝よ」
――――――――
にこ「フフーン♪やっぱりニコにはこういうカードが似合うわね~♪優勝したらどんなお願いしようかな~♪」
――――――――
希「カードが選んだカードで組んだスピリチュアルデッキ♪死角は見当たらんね♪」
――――――――
絵里「~♪頼りにしてるわよ、相棒♪」チュッ
――――――――
穂乃果「……やっぱり、これかな」
雪穂「お姉ちゃーん?ご飯だよー」
穂乃果「え?あ、うん」
雪穂「もー。まだデッキ組んでるの?お姉ちゃんのデッキ強いんだから、それ以上改良の余地は……って、なに?このカード……」
穂乃果「ああ!ダメダメ!これは穂乃果の大切な……」
雪穂「……?」
――――――――
そして、二週間
――――音ノ木坂学園――――
穂乃果「みんなー!盛り上がってるかーい!?」
イェーーー!!
穂乃果「今日というこの日が新たな伝説の一ページになる。歴史的瞬間に立ち会える幸せを噛みしめようね!!私、選手兼司会進行を務めさせていただきます、高坂穂乃果と申します!」
キャーー!!
穂乃果「ありがとー!!さっそくだけど準備はいいかーい!?」
イェーーー!!!
穂乃果「それじゃーバトスピμ'sチャンピオンシップ、開幕だぁー!!!合言葉はぁ!?」
穂乃果「ゲートオープン!!」
界放ーーーー!!!!
穂乃果「うぅ~!気持ちいい!やっぱりバトスピはこうでないと!この二週間みんな特訓したんだよね!穂乃果も負けないよー!!」
海未「あなた、ちゃんと勉強もしたんでしょうね?」
穂乃果「それじゃールールを説明するよー!」
海未「聞きなさい。そして待ちなさい。いくつか確認したいことがあります」
穂乃果「もーなにさ?」
海未「この衣装はなんですか?それに何故校庭にこんな特設ステージが建てられているのですか!何故こんなにギャラリーがいるのですか!!」
キャーキャー!!
穂乃果「もー海未ちゃんてばテンション上がっちゃって~♪気持ちはわかるけど落ち着いて♪これはバトスピの代名詞!バトルフォーム!!……風の衣装だよ!もちろん提供はことりちゃんです」
ことり「がんばりました♪」
にこ「やーん♪ニコってばバトルフォームもカーワイー♪」
真姫「メンバーそれぞれの色を基調にデザインはみんな違うのね。胸元の五個のコアがオシャレだわ」
絵里「みんなとバトスピのスタートは一緒なのに、衣装まで作ってたの?大丈夫?」
ことり「雰囲気を出した方が盛り上がるかなって♪ここまで大事だとは思ってなかったけど……。でも、二週間みっちり特訓したから心配しないで」
穂乃果「ありがとう♪ことりちゃん♪」
ことり「エヘヘ~♪」
海未「……………………」
穂乃果「このステージは今回のバトスピμ'sチャンピオンシップ開催につき、理事長のご厚意で用意していただいたよ!!コアの移動やスピリットの回復などを自動で処理してくれる優れもの!!」
理事長「マジカル理事長です。皆さん、今日は思い切りバトスピを楽しんでくださいね」
希「理事長……バトスピ好きなんかな?あんなフリフリな衣装着て……」
絵里「ハラショー……」
凛「ちょっと寒くないかにゃー」
ことり「お願い。何も言わないで」
穂乃果「そして今回の目玉はなんといっても!スピリットが実体化して闘うバトルフィールドシステム!現実には影響の無い超リアルな立体CGが穂乃果たちの目の前で激しくバトルを繰り広げるんだよ!!こんな風に!おいで、ブレイドラ!」
キュイ!キューイ!
ことり「わぁ、可愛い!♪」
海未「スゴいですね……」
穂乃果「バトルフィールドシステムの開発者神モブ組に、盛大な拍手を!」
イェーーー!!!
凛「凛たちが知らなかっただけで、バトスピ熱ってスゴいんだね」
花陽「うん……」
穂乃果「ちなみにバトルの模様はライブ中継で全国に放送されるよ!みんなファイトだよっ!!」
海未「当の私たちの理解が追いついていないのですが……」
穂乃果「またまた~♪ちょっとワクワクしてるんじゃないの~?」
海未「なっ!……そ、そんなことは……ないです……よ?」
穂乃果「バトルは変則トーナメント制。くじで当たったペア同士がバトルして勝った方が次に進む勝ち抜き方式。一回戦はA、B、C、Dブロックの四試合!一人はシードで二回戦ね。二回戦に勝ち上がったらまたくじ引きをするよ」
希「つまりAブロックと、Bブロックで勝ち上がった人同士が必ずしもバトルするってわけやないんやね」
穂乃果「その通り!そこでくじから外れた人はシード。そこからは決勝まで同じように進むよ」
花陽「運が良ければなにもせずに決勝まで進むこともあるんだね」
希「運ならウチの独壇場や」
にこ「あんたは余ったくじでいいんじゃない?」
穂乃果「バトルはライフ5個のスタンダードルール。ライフが0になったり、自分のスタートステップに自分のデッキが0になったてたら負け。みんなルールは覚えたかなー?」
真姫「穂乃果に心配されるなんてね」
凛「凛はかよちんと一緒に覚えたよー」
穂乃果「よーし!それじゃーさっそくペア決めだよ!ここに九枚のカードがあります。同じ組み合わせを引いたペアで一回戦を執り行いまーす!」
にこ「ここまで凝ってるのに、そこはアナログなのね」
穂乃果「ぶー、だって八百長とか出来レースとか言われるのヤだもん。穂乃果は正々堂々とバトルを楽しみたいんだよ!」
にこ「一回戦であんたとバトルになったらコテンパンににのしてやるわ」
ことり「誰と当たるかドキドキするね」
海未「みんなほぼ初心者同士で実力が拮抗しているでしょうから、気軽に引けばいいのでは?」
穂乃果「みんなカード持った?せーので引くよ。せーのっ!」
絵里「私はAよ」
希「ウチはCや」
にこ「Dニコー♪」
真姫「Bね」
海未「Dです」
ことり「Cだよ」
凛「Aにゃー」
花陽「B……」
穂乃果「あー、穂乃果がシードかー……いっぱいバトルしたかったのにー」
ことり「……ということは」
希「ことりちゃんはウチとやね。負けへんよ~♪」
ことり「うんっ♪よろしくね、希ちゃん♪」
凛「絵里ちゃんとかぁ……手強そうだにゃー……」
絵里「お手柔らかにね♪」
花陽「よ、よろしくね真姫ちゃん」
真姫「まあ、気軽にやりましょ」
にこ「手加減はしないわよ、海未」
海未「のぞむところです」
穂乃果「いいなあ~みんな盛り上がってて」
穂乃果「それでは参りましょう一回戦!第一試合!雪国の女帝、絵里ちゃん対、荒ぶる野生児、凛ちゃん!」
絵里「誰が雪国の女帝よ」
凛「凛、野生児?」
穂乃果「異名があった方が盛り上がるかなって」
絵里「まあいいわ。それじゃあ始めましょうか、凛」
凛「やるにゃー!」
えりりん「ゲートオープン!界放!」
真姫「毎回やるのこれ」
絵里「先攻は私ね。スタートステップ、ドローステップ、メインステップ(以降スキップ)。ランマー・ゴレムを二体召喚。一体はLv2よ。ターンエンド」
凛「いっくにゃー!凛はネクサス、星空の冠をLv2で配置してターンエンドだよ」
ことり「絵里ちゃんは青、凛ちゃんは黄色かあ」
にこ「なんていうか似合うわね二人とも。特に凛は、自分と同じ名前のネクサスを使うなんて洒落てるじゃない。このLv2効果は青属性の絵里には厳しいわね」
絵里「なるほどね。じゃあ私は、ランマー・ゴレムのLvを1にダウンするわ。そしてロック・ゴレムを二体召喚よ」
凛「四体のスピリット……」
絵里「アタックステップ!ロック・ゴレムでアタック!ロック・ゴレムの粉砕の効果!デッキを上から合計一枚破棄!」
凛「にゃ!?デッキからカードが飛んだー!?」
希「これが青属性の粉砕やね。Lvと同じ枚数のデッキを破棄する効果……」
真姫「それだけじゃない。アタックは続いてる。凛にブロッカーはいないから……」
凛「にゃー!ライフで受けるにゃ!」
凛ライフ5→4
絵里「ハラショー!ライフが砕ける様はキラキラしてキレイね♪ここからデッキが減っていく恐怖を味あわせてあげる。あなたはもう、処刑台への階段を上り始めたわ♪」
希「あんな台詞どこで覚えたんや」
にこ「あいつバトル漫画とか読ませたら絶対中二をこじらせるタイプよね」
穂乃果「海未ちゃんみたいだね」
海未「穂乃果?」
凛「ちょっと寒くないかにゃ?星空の冠Lv1の効果!ライフ減少につきデッキを上から一枚オープンにゃ!カチカチウサギ、コスト2以下だからコストを支払わずに召喚!」
絵里「ターンエンド。運も実力……フフ、やるじゃない?凛。あなたは優勝したらみんなにどんなお願いをするの?」
凛「え?ルール覚えるのに夢中で考えるの忘れてた。うーん……そうだなぁ……みんなで一緒に一日ラーメン食べ歩きなんて楽しそうだよね♪凛のオススメのお店に連れて行っちゃうにゃ♪」
絵里「いや、自分がアイドルだってこと忘れてるわよ。カロリー計算とんでもないことになるじゃない……みんな揃って海未考案の地獄のダイエットをする羽目になってもいいの?」
凛「それはダメだね!!じゃあね~、一週間みんな凛みたいに、言葉の最後ににゃーってつけて過ごしてもらおうかな♪学校でもプライベートでも♪」
絵里「さっきよりハードルが上がったわよ!?」
凛「きっとみんな可愛いにゃー♪」
絵里「ハラショー……」
凛「そーゆー絵里ちゃんはどんなお願いするのー?」
絵里「そうね……私に勝てたら……教えてあげてもいいわ♪」
凛「にゃー!!負けないよ、絵里ちゃん!凛だってやっちゃうもんね!見せてあげる!凛のキースピリット!『星の河を渡る光の幻獣王、未来を駈ける可能性の使者!麒麟星獣リーン』召喚にゃー!」
にこ「また名前繋がり!?でもネタに走ってるわけじゃないわね。麒麟星獣リーン……あんなカードを入れてるなんて」
海未「合体条件を無視することの出来るスピリット……凛はブレイヴ使いというわけですか」
真姫「ねえ、あの前口上には誰も何も言わないの?あとなんか色々エフェクトかかってたけど」
穂乃果「キースピリットの召喚のときには自分で考えた言葉を叫んで、振りを付けるのがバトスピのお約束だよ。CG演出はもちろん神モブ組が」
凛「さらに手札から夢幻の天剣トワイライト・ファンタジアを召喚!召喚時効果でリザーブのコアをライフに置いて回復!リーンに合体(ブレイヴ)にゃ!リーンはLv2、BPは9000!」
凛ライフ3→4
絵里「ライフを回復……黄属性ならではの効果ね」
凛「いくよ絵里ちゃん!いくよ、リーン!アタック!」
絵里「くっ……ライフで受けるわ!」
凛「合体スピリットはダブルシンボルだよ!トワイライト・ファンタジアの効果!ボイドからライフにコアを一つ置くにゃ!」
凛ライフ4→5
絵里ライフ5→3
凛「ターンエンド!」
ことり「凛ちゃんが逆転した!」
花陽「すごい!」
海未「絵里の判断は当然ですね。あのままブロックしていたら、トワイライト・ファンタジアの回復効果を前にイタズラにブロッカーを減らしただけですから」
希「夢幻の天剣トワイライト・ファンタジア。相手のスピリットにブロックされれば回復して、ブロックされなければライフが増える厄介なブレイヴや。それに麒麟星獣リーン……闇の黄なるソードブレイヴを合体させた凛ちゃんがここからどんなブレイヴを使ってバトルを展開するのか、エリチもこのまま何もしないわけがないやろうから、これからが見物やね」
穂乃果「みんな二週間でバトスピにハマってくれて嬉しいよ!」
にこ「毎日バトスピのDVD見せられたら、そりゃそうなるわよ」
絵里「それじゃ、私はマジックハンマーを使うわ。デッキを上から五枚破棄」
凛「五枚破棄は痛いよ~……にゃあ……シユウにヒメネコがぁ……」
絵里「あら、ラッキー。主力ブレイヴを破棄出来たわ。でもまだよ。もう一枚マジックハンマーを使用するわね」
凛「また五枚破棄!?凛のデッキがぁ……。あ、でも!破棄したカードの中にミノガメンがあった!ミノガメンはデッキからトラッシュに破棄されたとき、コストを支払わずに召喚出来る!おいで、ミノガメン!Lvは1!」
絵里「運がいいのはお互い様ってわけね。ターンエンドよ」
穂乃果「凛ちゃんのフィールドにスピリットが揃ってきたね」
花陽「でも、破棄されたカードも多いよ……。その中の何枚かは凛ちゃんのキーカードもあっただろうし……」
ことり「絵里ちゃんはまだキースピリットを出してない。この間に凛ちゃんがどれだけ攻められるかどうかだね」
凛「凛はレイキを召喚!リーンをLv3に!いっけー!リーン!!フラッシュタイミング、エンジェルストライク!相手のスピリット一体をBP-5000!ロック・ゴレムを指定!エンジェルストライクでBPが0になったスピリットは破壊されるよ!」
絵里「スピリット一体を破壊しただけでいい気にならないことね。リーンのアタックはライフで受けるわ!」
凛「トワイライト・ファンタジアの効果でライフにコアを置くよ」
凛ライフ5→6
絵里ライフ3→1
凛「ここでアタックしても絵里ちゃんのライフは削れない……ターンエンド」
絵里「フフ、やるわね。ここまで追い詰められるとは、正直予想していなかった……でも、私だってここで終わるつもりはないわ!来なさい、魔剣使いのクローヴィス!召喚時効果で星空の冠を破壊!そしてデッキから七枚破棄!」
凛「七枚も!?うぅ……デッキがどんどん減っていくにゃ……」
絵里「まだよ……凛、今度は私が見せてあげる。これが……私が手に入れたキースピリットよ!『均衡を司る青き巨人よ、神の名の下、世界に保たれた調停を!天秤造神リブラ・ゴレム!』召喚!!不足コストはランマー・ゴレム二体から確保よ!」
穂乃果「十二宮Xレア!!」
ことり「これが絵里ちゃんのキースピリット……」
真姫「十二宮Xレアって?」
海未「黄道十二宮の星座を冠した十二体のスピリットのことです。天秤座を司るのが、あの天秤造神リブラ・ゴレム」
希「多分、自分の星座やからっていう理由で気に入ったんやろうな……」
花陽「でも、効果は強力です……!」
絵里「さらに……バーストセット!ターンエンド」
凛「バースト……」
絵里「あら?怖じ気づいたの?」
凛「そんなことないよ!勝つのは凛だもん!!よし、導化姫トリックスターを召喚!」
絵里「クスッ。凛のそういうまっすぐなところ、私好きよ」
海未「まさか……あのバースト……!」
凛「トリックスターの召喚時効果!トラッシュの星空の冠を手札に戻すよ!星空の冠のLv2効果があれば、リブラ・ゴレムの動きは封じたも同然にゃ!」
絵里「たしかにそうね……でも、たったそれだけで私を止められるなんて、思わないことね!」
凛「!?」
絵里「相手スピリットの召喚時効果が発揮したことでバースト発動!『鉄の覇王サイゴード・ゴレム!荒ぶる鉄拳で大地を震撼させなさい!』」
海未「やはり青のヒーローXレア、サイゴード・ゴレム……!」
花陽「凛ちゃん!」
絵里「サイゴード・ゴレムのバースト効果!召喚時効果を発揮したスピリットのコストだけ、デッキを上から破棄!トリックスターのコストは7……よって七枚破棄よ!」
凛「またデッキを……大天使イスフィール……サンダーブランチ、エンジェルストライク……それに……ッ!!」
絵里「あら……どうやらここにきて、運命の女神は私にほほえんだようね」
穂乃果「サイゴード・ゴレムの効果で、凛ちゃんのマジック……シンフォニックバーストが破棄された!」
真姫「来るわね」
絵里「バーストカードが破棄されたことで、サイゴード・ゴレムを召喚よ!!」
凛「凛のターンなのに逆に追い詰められてる……あと少しなのに……ターンエンドにゃ……」
希「これは仕方ないなあ……」
ことり「デッキ破壊は一種の暴力だもんね。対抗手段がない限り防ぐことも出来ないし。クローヴィスで星空の冠を破壊されたのが大きいね」
海未「この展開は絵里に分があったとしか言いようがありません。そしておそらくはこのターンで……」
絵里「リブラ・ゴレムをLv3に。ロックゴレムのコアを移動してサイゴード・ゴレムをLv2に。さあ、行くわ!リブラ・ゴレムでアタック!粉砕!三枚破棄!」
凛「カチカチウサギが破棄された……」
絵里「スピリットが破棄されたこの瞬間リブラ・ゴレムは回復……でも安心して。回復状態のリブラ・ゴレムのアタックではライフは減らないから」
凛「ライフで受けるにゃ!」
絵里「もう一度リブラ・ゴレム!粉砕の一撃!三枚破棄!」
凛「神帝獣スフィン・クロス……凶獣トウテツ……」
絵里「スピリットが破棄されたことで回復!」
凛「……ッ!ライフにゃ!」
ことり「ここまで二十枚以上が破棄された……もう凛ちゃんには後がない……」
真姫「デッキ破壊……なんて強力な効果なの……」
花陽「凛ちゃんのデッキがバランス良く回ってたのが、逆に凛ちゃんを追いつめた……スピリットもマジックもブレイヴも均等だったからこそ、スピリットの破棄はほぼ確実になっちゃってたんだね……」
絵里「残り僅かなデッキも、この一撃で消えるわ……。楽しかったわよ……凛」
凛「……次は負けないよ、絵里ちゃん!」
絵里「ええ、いつでもかかってきなさい。鉄の覇王サイゴード・ゴレムでアタック!大粉砕発揮!!Lv2×5、合計十枚破棄!!」
凛「カチカチウサギでブロック!!カチカチウサギの破壊時効果で…………ドローできるカードは無いね……」
絵里「最後までライフを守ろうとする心意気……嫌いじゃないわ。……ターンエンド!」
凛「デッキアウト………凛の……負けにゃ……」
絵里「ダスヴィダーニャ、凛」
穂乃果「決まったー!!第一試合、勝者は圧倒的なデッキ破壊で凛ちゃんを制したーぅ絵里ちゃんだぁー!!」
イェェェーーー!!!
絵里「ハラショー!」
凛「うぅ……悔しいにゃー……」
花陽「よしよし、頑張ったね凛ちゃん」
希「年下にも容赦ないんやねぇ、エリチは」
絵里「これが勝負の世界の非情なところよ」
ことり「ライフは減らないのに負けちゃうなんて、デッキ破壊って怖いね」
海未「絵里は強敵ですね。きっと、あれが絵里の本気では無いのでしょうけれど」
真姫「ていうか、バトルのときの熱いテンションはなんなの?あーいう風にしないとダメなの?」
にこ「つっこんだら負けよ」
穂乃果「それじゃー第二試合いっくよー!ほかほかご飯花陽ちゃん!対するは髪の毛くるくる真姫ちゃーん!!イェー!」
イェーーー!!!
花陽「ほ、ほかほかご飯……?嬉しいけど……」
真姫「異名じゃなくてただの特徴とクセじゃない!」
穂乃果「お気になさらず!」
花陽「や、やろっか……真姫ちゃん」
真姫「仕方ないわね……」
まきぱな「ゲートオープン。界放」
真姫「先攻は私ね……マジック、ダブルドローでデッキからカードを二枚ドロー。バーストセットしてターンエンドよ」
ことり「手札を増やしてきたね」
絵里「伏せられたバーストが気になるところね。花陽はどう出るのかしら」
花陽「えっと……私はネクサス、賢者の樹の実を配置してターンエンド」
真姫「賢者の樹の実……緑属性特有のコアブーストね。おもしろいわ。じゃあ、私はオードランを二体召喚よ。更にマジック、双翼乱舞で二枚ドロー」
花陽「またドロー……真姫ちゃんは赤属性使いなんだね……」
真姫「フフ、行くわよ花陽。オードラン二体でアタック」
花陽「ライフで受けるよ」
花陽ライフ5→3
花陽「あうぅ……賢者の樹の実の効果で、ボイドからコア二個をリザーブに……」
真姫「ターンエンド」
花陽「私のターンだね。コロコーンを一体召喚。更にダンデラビット二体を召喚です!ダンデラビットの効果でボイドからリザーブにコアを……更に自分の系統 星魂を持つスピリットにコアを乗せます」
凛「一気にコアが四つ!」
穂乃果「くる……花陽ちゃんの……キースピリット……!」
海未「穂乃果、あなたとにかく楽しいんですね?」
花陽「私は!…………えっと……召喚の口上って言わなきゃダメ……?」
穂乃果「ダメー♪」
花陽「うぅ……恥ずかしい……けど……!『あ、嵐を切り裂く百の刃を携えた、大盛りご飯のように大きな白い虎さん!剣王獣ビャク・ガロウ!』Lv2で召喚です!」
真姫「剣王獣ビャク・ガロウ……!」
にこ「緑を代表するスピリットの一つね。なかなか強敵だわ。でも、それより……」
希「大盛りご飯……」
海未「嵐を切り裂く……とかを入れただけに余計にスベっているようにも思えてしまいますね……」
ことり「可愛い♪」
凛「凛はこっちのかよちんも好きだよー♪」
花陽「はわわわわ…………もう花陽のライフは0です……」
真姫「なんで勝手に自滅してるのよ」
花陽「……こ、この恥ずかしさは真姫ちゃんに勝って忘れます!賢者の樹の実をLv2にアップ!アタックステップだよ!ビャク・ガロウでアタック!」
真姫「急にやる気になっても、この真姫ちゃんは簡単にはやられてあげないんだから!ライフで受けるわ!」
真姫ライフ5→4
真姫「ライフ減少によりバーストが発動するわ!………………~ッ!」
にこ「真姫のノリノリ召喚パフォーマンス……プフッ」
真姫「うるさいわね!!やればいいんでしょ!!もう!!見るがいいわ!この私が選んであげたカードをね!終わらないパーティーを始めるわよ!『紅蓮の一太刀で、世界を私色に染め上げなさい!爆炎の覇王ロード・ドラゴン・バゼル!』召喚よ!」
花陽「真姫ちゃん……カッコいい……じゃなかった!ロード・ドラゴン・バゼル……真姫ちゃんのデッキがバーストデッキなら、ライフ減少のバースト発動条件は少しでも無くしておいた方がいいよね……」
真姫「もう終わり?まだ花陽のアタックステップよ」
花陽「っ……コロコーン、ダンデラビット二体でアタックです!」
希「ブロッカーを無くしてアタックなんてやるやん♪」
絵里「ええ、それも賢者の樹の実があるからこそね」
真姫「コロコーンのアタックは、ロードドラゴン・バゼルでブロックするわ!」
真姫ライフ4→2
花陽「ターンエンドです。このとき賢者の樹の実のLv2効果で私のスピリットは回復するよ」
真姫「コアブーストに回復……本当に厄介なネクサスね。花陽……それでも私が勝つけどね」
花陽「……!」
真姫「バーストセット!ロード・ドラゴン・バゼルをLv3に、さらに『英雄龍ロード・ドラゴンを召喚よ!私の勝利へのロードを切り開きなさい!!』」
穂乃果「場を固めてきたね」
海未「このタイミングでセットしたバースト……あれはブラフでしょうか……それとも……」
ことり「バーストは仕掛けただけで相手に心理的プレッシャーを与えるから、花陽ちゃんは気が気じゃないはず」
絵里「真姫のことだから、きっとロード・ドラゴン・バゼルの効果を活かしたバーストには違いないわ」
にこ「あんたらかなりバトスピ好きになってるでしょ」
真姫「アタックよ!ロード・ドラゴン・バゼル!ロード・ドラゴン・バゼルのアタック時効果、自分のバーストをオープン!爆烈十紋刃!バースト条件がスピリット/ブレイヴの召喚時効果発揮後のため、爆烈十紋刃を発動!ダンデラビット一体と賢者の樹の実を破壊するわ!ロード・ドラゴン・バゼルはLv3効果、自分のバーストが発動したことで回復!さらにロード・ドラゴンの効果で、発動したバーストのコストが5以下のため、BP9000以下のスピリット一体を破壊よ!ビャク・ガロウの命はもらったわ!」
花陽「させない!フラッシュタイミング!カシオペアシール!ビャク・ガロウのBPをプラス3000!BPは12000!」
真姫「やるじゃない!なら二体目のダンデラビットを破壊するまでよ!そしてロード・ドラゴン・バゼルのアタックは続いてるわ!」
花陽「ビャク・ガロウでブロック!」
真姫「BPはお互い12000!でも、私が相討ちなんてさせるはずないじゃない!」
花陽「えっ!?」
真姫「マジック!リベレイションオーラ!アタックしている自分のスピリットにBPプラス2000!そしてオードラン一体のコアを使ってマジック、爆覇炎神剣を発動!系統覇皇をもつロード・ドラゴン・バゼルがBPを比べ相手のスピリットだけを破壊したとき、ロード・ドラゴン・バゼルのシンボルの数だけ相手のライフをリザーブに置くわ!ビャク・ガロウを切り裂きなさい!!」
花陽「ビャク・ガロウ!!」
真姫「爆覇炎神剣の効果でライフをもらうわよ!」
花陽ライフ3→2
真姫「これで残りのライフはお互い2。私のフィールドには、まだロード・ドラゴンとオードランが一体……これで決まりよ」
海未「圧倒的な赤の攻撃力。スピリットのみならずライフをも奪うとは。まさに怒濤の烈火」
ことり「ここまでかな……」
にこ「よくやったけどね。ビャク・ガロウをバーストで制した真姫ちゃんの方が上手だったってことかしら」
凛「……まだだよ。かよちんはまだ終わらない!かよちんにはまだ、あの切り札があるんだから!」
絵里「切り札……?」
真姫「行くわよ。オードラン!」
花陽「……フラッシュ……タイミング!」
真姫「!」
花陽「マッハジーをLv2で神速召喚!ブロックです!オードランを撃破!」
真姫「オードラン……ターンエンドよ。そうよね……緑にはまだ神速……フラッシュタイミングで召喚することが出来るっていう奥の手があることを忘れてたわ。まさか花陽がそんな悪あがきをするなんてね」
花陽「諦めちゃダメなんだって、μ'sのみんなに教えてもらったからね」
真姫「最後まで勝負はわからないってわけ?おもしろいわ!」
花陽「…………不思議な気持ちだよ……私がこんなに負けず嫌いだって、初めて知った。こんな機会が無かったら一生知ることもなかったかもしれない。負けたくない……ううん、勝ちたい!」
真姫「そうね。私もそうかも。それが……先輩禁止のμ'sの中で、やっぱりあなたと凛は同じ一年生だから、なおさらそれを感じるわ」
花陽「ドローステップ!リフレッシュステップ!メインステップ!…………行くよ、真姫ちゃん!!『虎は地に伏せて尚立ち上がる!心に宿す信念の牙!新たな力を得てフィールドを駆け巡って!召喚!アルティメット・ビャク・ガロウ!!!』Lv5!!!」
真姫「!!?」
にこ「アルティメット・ビャク・ガロウ!!」
海未「ビャク・ガロウがアルティメットとなって甦った……」
穂乃果「すごいすごいすごい!!すごいよ花陽ちゃん!!」
真姫「アルティメット……こんなタイミングで……」
花陽「手札にあるこのブレイヴカードは、アルティメットを召喚することでコストを支払わずに召喚出来る!『地球神剣ガイアノホコ!生きとし生ける命の鼓動をアルティメット・ビャク・ガロウに!!』合体!アタック!アルティメットトリガー!ロックオン!」
真姫「ッ!コスト4、シップウドラゴンよ!」
花陽「ヒット!系統剣獣を持つスピリット/アルティメットの数だけ、真姫ちゃんのスピリットを疲労させるよ!ロード・ドラゴンは疲労状態に!」
真姫「ロード・ドラゴン!……く……手札にはもう……この状況を打破できるカードは無い……ここまでね……」
花陽「真姫ちゃん……」
真姫「なによこんな子どもの遊び、なんて思ってたけどね……案外楽しいじゃない。……最後の方はわりと本気だったわよ」
花陽「……また、バトルしようね」
真姫「ええ。次は私はもっともっと強くなってる。花陽よりもね。このライフは未来の私への先行投資としてあなたにあげるわ」
花陽「うんっ!アルティメット・ビャク・ガロウ!」
真姫「ああ……なんだか不思議……この感じ。負けるって、こんなに悔しかったのね」
穂乃果「白熱の第二試合、勝者はー!花陽ちゃんだー!!」
フゥゥゥゥーーーー!!!
凛「やったにゃー!!あの真姫ちゃんをやっつけてかよちんは次へと進むんだにゃー!!」
花陽「えへへ、凛ちゃんくすぐったいよ」
真姫「ちょっと凛、それじゃ私が負けて嬉しいみたいじゃない」
ことり「まあまあ、真姫ちゃんも強かったよ♪」
絵里「そうね。強いて二人の差を挙げるなら、勝利への執念ってところかしら。花陽の方が、より勝ちたいって思いが強かった。だからカードがそれに応えたのよ♪」
にこ「なによその少年マンガみたいなの」
海未「わからなくもありませんが」
希「さてと、ほな……次はウチやね」
穂乃果「おぉーっと!!早くもやる気のスピリチュアルクイーン希ちゃん!!」
ことり「負けないよ、希ちゃん♪」
穂乃果「対するスイートハートことりちゃんも意気込みは充分だー!!二人とも、アーユーレディ~?」
ことのぞ「ゲートオープン!界放!」
希「まずはウチのターンやね。デモ・ボーンをLv2スモークロコを一体召喚。ターンエンドや」
ことり「希ちゃんは紫属性かぁ……じゃあ、ことりはネクサス光の聖剣を配置するね。ターンエンドだよ」
希「対紫用の白カード……抜け目無いなあ、ことりちゃん。全色に対抗策を用意してあるん?」
ことり「エヘヘ~♪やるからには本気でやらないとね♪」
希「ほんならウチはネクロウを召喚。そんでもってバーストセットや」
ことり「ことりはノーザンベアード二体を召喚するよ。それとことりもバーストセット♪」
希「ウチの呪撃にコアブーストのブロッカーで対応する気?」
ことり「さあ、どうだろうね」
希「ほんま、ことりちゃんはよく読まれへんわ」
ことり「希ちゃんこそだよぉ……」
穂乃果「希ちゃんは紫の呪撃デッキ、ことりちゃんは防御の白属性デッキ……」
海未「希はことりが装甲持ちのスピリットを出す前に攻めたいところでしょうけれど、紫属性の欠点は攻撃力の低さ……呪撃だけに頼った戦法では自分のスピリットも残りませんから一進一退です」
絵里「そのためのバーストなんじゃない?あの希が何も考えなしに呪撃デッキを組んだとも考えにくいわ」
希「シキツルを召喚。召喚時効果でドローするよ。ネクサス、魔星輝く古戦場を配置や。ターンエンド」
ことり「キグナ・スワンを一体召喚。ネクサス、万本槍の古戦場を配置。ターンエンド♪」
真姫「硬直状態じゃない」
花陽「動けないんじゃないかな……?希ちゃんは呪撃スピリットとドロー強化スピリット、それにネクサスでフィールドを固めてる。だけど決め手に欠けるから今は動けない」
海未「そうですね。希の決め手があるとすれば、あのバースト……しかしことりも同じくフィールドを固めることに徹しているためバーストが発動しない。ことりのデッキが上手く回っていないのか……それともわかった上で何もしないのか……ことりのバーストはスピリット/ブレイヴの召喚時効果発揮後でないとするなら、ライフ減少かアタック時がバースト発動のカギ……」
絵里「あるいは召喚時効果発揮がカギだけれど、あえて発動しなかったとも考えられるわ。高度な探り合いね……まるでお互いがお互いの仕掛けた地雷源に立っているよう」
凛「でもこのまま何もしないわけにはいかないにゃ」
穂乃果「あの二人が何もしないなんて考えられない」
にこ「この緊張はすぐに解けることになるでしょうね……」
希「なんや、さっきまでとは打って変わって静かなバトルやね」
ことり「いつでも攻めてきていいんだよ?希ちゃんの呪撃、ことりが受けてあげる♪」
希「自身があるみたいやね。ほな、ぼちぼち行かせてもらおうかな。この子がお腹をすかせて口を開けとるからね。『……紫の深淵をさまよう亡霊、悪鬼羅刹を束ねる地獄の盟主!魔界七将ベルゼビート!』Lv2で召喚や!」
絵里「希が動いた!」
にこ「魔界七将!呪撃の覇者ね!」
希「さぁ……始めるで、ことりちゃん。デモボーンでアタック!」
ことり「万本槍の古戦場の効果で一枚ドロー。お願い、ノーザンベアード。ノーザンベアードのブロック時効果でコアを増やすよ♪Lv2にアップ」
希「魔星輝く古戦場の効果で一枚ドロー。デモ・ボーンは破壊されるけど、呪撃の効果でノーザンベアードは道連れや」
ことり「呪撃の本領発揮……かな?でも焦って攻めたから、ベルゼビートの召喚時効果、トラッシュの呪撃を持つスピリットを召喚する効果は発揮されなかったね。呪撃の覇者の名前が泣いちゃうよ?」
希「いつまで余裕綽々か見物やん?ネクロウ、アタック
」
ことり「万本槍の古戦場の効果で一枚ドロー。ノーザンベアードでブロック。コアをリザーブへ」
希「魔星輝く古戦場の効果でドロー。さらに呪撃でノーザンベアードを破壊!スモークロコ一体でアタック!」
ことり「ライフで受けるよ」
ことりライフ5→4
ことり「ベルゼビートはアタックしないんだね♪ことりのライフはまだ尽きてないよ?」
希「慌てなくても、ちゃんともらってあげるよ。ことりちゃんのライフ全部ね」
ことり「そう……」
花陽「な、なんだか怖いです……」
絵里「なんなのこの異様な雰囲気……」
海未「互いに牽制しあっているということでしょうか?」
真姫「腹のうちが読めないわね」
ことり「さて、そろそろことりも見せちゃいます♪ライフ減少によりバースト発動♪『白銀に聳えし龍神、生者よ、愚者よ、永久に凍てつけ。未来永劫に光は訪れない。召喚、アルティメット・グレイザー』」
希「なんや、ちゃんとやる気なんやん。ターンエンド」
ことり「当然だよ♪ことりには、負けられない理由があるからね」
海未「……………………」
ことり「イグア・バギーを三体召喚、バーストセット。アルティメット・グレイザーをLv4にしてターンエンド」
希「アルティメット・グレイザーを召喚して尚消極的なんやね。そんなんじゃ、ウチには勝てへんよ?」
真姫「たしかに、アルティメットグレイザーのアタックでアルティメットトリガーを発動すれば、残ったスモークロコとシキツル手札に戻せて、ライフも削れたのに」
にこ「グレイザーのトリガーはバトルしたときに発動するのよ。希はきっとそれをわかってる。でもそれでも希のライフは削りきれない。あいつが何を狙ってるのかはわからないけど、やっぱりネックはあのバースト……ことりも警戒してるのよ」
海未「はたしてそうでしょうか」
にこ「?……どういうこと?」
海未「幼なじみだからわかるんです。私には、全てがことりの手のひらの上の出来事のような気がしてなりません」
穂乃果「同じ幼なじみの穂乃果にはまったくわからないよ?」
真姫「少し黙ってればいいんじゃない?」
希「なにを狙ってるのかわかんないけど、手を出さなきゃ負けちゃうよ」
ことり「ご心配なく♪」
希「……ほなら、遠慮なく行かせてもらうわ!ベルゼビートのLvを1に!転召!!」
花陽「転召!?」
凛「なんかすっごいにゃー!」
海未「スピリットの上のコアを指定された場所に置くことで、更なるスピリットの召喚を行う転召……ベルゼビートからの転召……考えられるとするならば、最強の魔界七将」
にこ「希のやつ、ガラにもなく熱くなってるじゃない」
絵里「ことりを本気にさせたいんじゃない?希らしいわよね」
希「『天地を覆う終わりなき暗黒!冥府の闇を喰らう魔神!魔界七将アスモディオス』をLv2で召喚や!!」
ことり「わぁ♪」
希「召喚時効果!ことりちゃんのスピリット全てからコア二個を外すよ!これでことりちゃんのフィールドには、アルティメット・グレイザー一体!さらにアスモディオスはベルゼビートから転召したとき、相手の手札を四枚破棄する!」
ことり「手札が無くなったくらいで、ことりは怯まないよ希ちゃん」
希「その減らず口もここまでや。アスモディオス、アタック!!」
ことり「万本槍の古戦場の効果でドロー。ほら、手札が増えた♪アスモディオスの攻撃はライフで受けるね♪」
ことりライフ4→2
真姫「はぁ!?なんでアルティメット・グレイザーでブロックしなかったの!?」
海未「たしかに、アルティメット・グレイザーならBPで上回ってアスモディオスを倒せました。そうしなかったのは……」
絵里「余裕……なわけないわよね。あのことりが、そんないやらしい戦い方をするとも思えない」
穂乃果「それならコアを確保したかったか……」
花陽「希ちゃんのバーストが自分のスピリットの破壊をカギに発動するから……?」
にこ「攻めてるのは希のはずなのに……なんでこんなにざわつくの……」
ことり「ライフ減少によりバースト発動だよ。絶甲氷盾。ライフを一つ回復して、フラッシュ効果でバトルステップを終了するね♪」
ことりライフ2→3
希「ええよ。どのみちもうアタックするつもりはなかったし。それよりこのまま何もしないなら、ウチの勝ちだよ」
ことり「それはないよ」
希「!?」
ことり「勝つのは……ことりだよ。メインステップ……希ちゃん、少しだけ見せてあげる。ことりの本気……『万象を平伏させる翼、正邪混濁を宿す黒き皇(すめらぎ)。黒皇機獣ダークネス・グリフォン』 Lv2で召喚」
希「ダークネス・グリフォン……!そんなカードまで持っとったんやね……」
ことり「召喚時効果、相手のスピリット二体を手札に戻すよ。アスモディオス、スモークロコを手札に」
希「くっ!アスモディオスを……!」
ことり「さらに万本槍の古戦場の紫シンボルでダークネス・グリフォンの連鎖(ラッシュ)紫を発揮。デッキからカードを二枚ドロー。ターンエンド」
希「大型スピリットとアルティメットを並べてアタック無しなんて……随分な余裕やん……!」
ことり「……余裕……そんなのなかったよ?希ちゃんは強いもん。希ちゃんのアスモディオスを手札に戻して一安心してるところ。次はそのバーストかな?ここまで発動してないってことは、ライフ減少かアタックかスピリット破壊で発動するバーストなんだよね?きっとそれが希ちゃんの切り札だって思ったから、まずは目の前のベルゼビートとアスモディオスをなんとかしようって思ったの。始まったときからずっと組み立ててたよ。このバトルを」
希「なんや……最初から本気やったんやね……!甘く見てたのはウチやったわけか」
ことり「たとえどんな相手でも、どんなカードを使ってきてもことりは負けない」
希「負けられない理由ってやつ?なになに?教えて~♪」
ことり「この勝負が終わったら教えてあげる♪」
希「……勝利は譲らないよ」
ことり「それじゃ、決着つけよっか」
にこ「なんだかガチ勢の雰囲気なんだけど……」
絵里「ハラショー!闘いの中で映える希は美しいわね!」
にこ「黙っててくれるポンコツ。アスモディオスを手札に戻されて、希に手はあるのかしら」
希「スモークロコ、ネクロウを召喚!そして、『暗黒より飛来せし死神の鎌!北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン』召喚!」
ことり「紫のジーク……!」
希「ジーク・アポロドラゴンの召喚時効果!手札のブレイヴカード一枚をコストを支払わずに召喚する!『十二宮より外れし邪神の力!蛇帝星鎧ブレイヴピオーズ!』。ブレイヴピオーズをジーク・アポロドラゴンに合体!!Lv2、BPは13000!!ターンエンド!!」
穂乃果「今度は合体スピリット!!蛇使い座のブレイヴだ!」
海未「ブレイヴピオーズの効果はアルティメット・グレイザーに通用しなかったとはいえ、なんて戦略の幅……」
花陽「低コストスピリットでブロッカーも増やして……希ちゃんの布陣はそう簡単に崩せないよ」
ことり「ドローステップ。……!」
希「何か……引いたみたいね……」
ことり「うん。これで、ことりの勝ちが決まったよ」
希「ハッタリよ」
ことり「そう思うなら見せてあげる。ことりの翼はフィールドを切り裂くよ。ことりは白夜の宝剣ミッドナイト・サン、そして『月の女神様、あなたの羽をことりにください!月光神剣ウィングオブルナ』を召喚!ミッドナイト・サンをダークネス・グリフォンに合体!!Lv3に!!ウィングオブルナをアルティメット・グレイザーに合体!!Lv5に!!」
希「!?」
絵里「希を上回るブレイヴ!!」
にこ「無条件に連鎖(ラッシュ)を発動する闇の白きソードブレイヴ、白夜の宝剣ミッドナイト・サン!それに月光神剣ウィングオブルナ……!!あのカードは!!」
ことり「いくよ希ちゃん!アルティメット・グレイザーでアタック!!」
希「ついにアタックしたね!魔星輝く古戦場の効果でドロー!受けて立つよ!スモークロコでブロック!」
ことり「万本槍の古戦場の効果でドロー。そしてウイングオブルナのアタック時効果、相手のバーストを破棄!!さらに相手のスピリット一体、ジーク・アポロドラゴンをデッキの上に戻す!!」
希「!?……バーストが破棄されたうえに、ジーク・アポロドラゴンまで……!!ブレイヴピオーズはフィールドに残すよ!」
ことり「呪の覇王カオティック・セイメイ……警戒しておいてよかったよ♪希ちゃんにピッタリのキーカードだね」
希「……お褒めに預り嬉しいわ」
ことり「アルティメット・グレイザーのアタックは、まだ続いてるよ。バトル時効果、アルティメットトリガー!ロックオン!」
希「ジーク・アポロドラゴン……コスト……6!」
ことり「ヒット!ネクロウを手札に戻してスモークロコは破壊!」
希「スモークロコの破壊時効果で一枚ドロー……!」
ことり「ターンエンド。次で決めるよ」
海未「希のフィールドが……たった一回のアタックでブレイヴピオーズを残したのみ……」
穂乃果「アルティメットトリガーで希ちゃんのジーク・アポロドラゴンはトラッシュに送られた。高度な戦略だね 」
凛「白属性……おそるべしにゃ……」
真姫「むしろこの場合、おそるべきはことりだと思うけど…」
絵里「希……」
にこ「キースピリットをことごとく破られ、呪撃も通じない……希が起死回生のカードを引かない限り、希に勝ち目は無いわ。いえ……おそらく……」
希「ドローステップ……!……アハハ……どうやらまだ、運命に見放されてはいないみたいよ!」
ことり「!!」
希「ネクロウ召喚!……いくよ、ことりちゃん!『高潔なる紫の王、アルティメット・アーサー!!金色の聖剣で、混迷の時代に光を灯せ!!』」
穂乃果「アルティメット・アーサー!!」
海未「なんという……」
ことり「一番厄介なのは、希ちゃんの引きの強さだったね……!」
希「スピリチュアルでしょ?アルティメット・アーサー!!アタック!!アルティメットトリガー!ロックオン!」
真姫「これが決まれば!」
ことり「ホーク・ブレイカー、コスト5……!」
凛「アルティメット・グレイザーは……!!」
希「ヒット!アルティメット・グレイザーは重装甲……アルティメットの効果までは防げないよ!アルティメット・グレイザー、破壊!」
ことり「万本槍の古戦場の効果でドロー。ライフで受ける……ありがとう、アルティメット・グレイザー。破壊したのがスピリットだったら、ことりのライフを削れたのにね」
ことりライフ3→2
希「それでもアルティメット・グレイザーを倒したことは大きい」
ことり「ウィングオブルナはフィールドに残すよ」
希「うん……そして、ネクロウでアタック!」
ことり「万本槍の古戦場の効果でドロー。ライフで受けるよ!」
ことりライフ2→1
ことり「追い詰められちゃった」
希「でも、諦めた顔はしてないよ?ターンエンド」
ことり「えへへ、わかる?まだことりには、とっておきのカードが……あるんだよ。ドローステップ、メインステップ。『……月下に冴える純白のライオン、大地を鳴動させることりのナイト♪獅機龍神ストライクヴルム・レオ!!』Lv3で召喚だよ!!」
凛「獅子座の十二宮Xレアだ!!」
海未「ストライクヴルム・レオ……ことり……あなた……」
ことり「そして、『聖女の祈りを星天の地へ!獅子星鎧レオブレイヴ』を召喚!ストライクヴルム・レオに合体!」
希「裏十二宮ブレイヴ!二体のライオンが一つになった……!」
ことり「ストライクヴルム・レオ、アタック!!ストライクヴルム・レオのアタック時効果で、白のシンボルを一つ加える!トリプルシンボルだよ!」
希「古戦場の効果でドロー!ライフで受ける!」
希ライフ5→2
ことり「これで決めるね!お願い、ダークネス・グリフォン!!ダークネス・グリフォンの連鎖(ラッシュ)発揮!ネクロウのコアを除去!!」
希「古戦場の効果でドロー…………ウチの負け……やね……強いなあ、ことりちゃんは……。ライフで受けてあげる!!」
ことり「希ちゃんも強かったよ♪またバトルしたいな♪」
希「ウチは遠慮したいなぁ……」
穂乃果「うおぉぉぉ!!!怒濤の攻めと守りの応酬の末、勝ったのは~ことりちゃんだぁ!!!二人ともスッゴいバトルだったよ!!!」
ワアァァァァーー!!!
真姫「テンション高すぎ……それにしても、希は何故ストライクヴルム・レオをネクロウでブロックしなかったの?あそこでブロックしてれば次のターンまで耐えられたんじゃない?」
にこ「何言ってるのよ。レオブレイヴを合体させてたでしょ?レオブレイヴは相手のLv3以下のスピリットかアルティメットが疲労したとき回復する効果があるのよ」
絵里「ミッドナイト・サンと合体したダークネス・グリフォンにも紫の連鎖でコア除去効果が付与されるから、ストライクヴルム・レオにレオブレイヴを合体させた時点で、ことりの勝利はほぼ決まっていたわ」
希「ウチにもう少し運があれば、逆転できるカードが引けてたかもしれんのになー。優勝してみんなで焼肉行きたかったわー」
海未「いえ、充分運はありましたよ……」
穂乃果「それじゃー一回戦最後のバトルを始めよっか!!」
イェーーー!!!
穂乃果「ラストを飾るのは孤高の大和撫子、園田海未!!そして~!魅惑の妖精、矢澤にこ~!!」
海未「別に孤高ではありませんが」
にこ「みんな~♪ニコのバトルでぇ~みんなのハートときめかせちゃうよ~♪」
凛「なんか寒くないかにゃー」
にこ「ぬわんですってぇ!?」
穂乃果「二人とも準備はいいかーい?」
海未「まったく……穂乃果には毎度振り回されっぱなしです……」
にこ「あんたもそれを楽しんでるクチだと思ったけど、違ったの?」
海未「やるからには負けたくない。当然の感情です」
にこ「負けたくないんじゃなくて、優勝したいって素直に言えばいいじゃないの。あんたも狙ってるんでしょ?優勝の特典」
海未「なんでも願いを叶える権利……ですか。そうですね。まあ、それなりには」
にこ「あんたはみんなに何を叶えてもらうの?ニコは~♪次のライブのセンターかな~♪」
海未「ニコらしいですね。私はそうですね……みんなで登山にでも行きたいです。普段の練習の量を増やすのも悪くありませんね」
にこ「それがあんたの本音なら、それでいいんじゃない?」
海未「……………………」
にこ「わかりやすいわね。海未のそういうバカ正直なところは嫌いじゃないわ」
海未「年上ぶらないでください」
にこ「年上よ!いいから始めるわよ!」
うみにこ「ゲートオープン!界放!!」
真姫「始まったわね。これで次の試合に進む最後の一人が決まる」
花陽「海未ちゃんもニコちゃんも強そう……」
凛「かよちんだって負けてないよ♪」
ことり「……個人的には……ここで海未ちゃんには負けておいてほしいんだけどな……」
絵里「……?ことり、何か言った?」
ことり「ううん、なんにも♪」
希「……………………」
海未「参ります。ランマー・ゴレムを召喚。ネクサス、未完成の古代戦艦:羅針盤を配置。バーストセットし、ターンエンドです」
にこ「ニコのターンね。ムゲンドラを二体召喚。ターンエンドよ」
真姫「ムゲンドラ……赤と白を併せ持つスピリットね」
ことり「可愛いっ♪」
花陽「ニコちゃんは赤と白の混色デッキなのかな……?」
凛「対する海未ちゃんは青属性。絵里ちゃんと同じだね」
絵里「?……ああ、そうね」
凛「?」
希「未完成の古代戦艦:羅針盤。トラッシュから手札へのバックを防ぐネクサスやね。ニコっちの戦略を少しでも減らそうとするあたり、海未ちゃんらしいなあ」
海未「アタック無しとは、いやに慎重じゃないですか。ニコらしくない」
にこ「あんた相手よ?いやでも慎重になるわよ」
海未「評価してくれるのはありがたいですが。ネクサス、俊星流れるコロッセオを配置してターンエンドです」
にこ「次はニコのマジックを制限するネクサス……着実にニコの手は狭められてるわね。いくらネクサスを並べたところで、私は負けないけど。マジック、ブレイヴドロー!デッキから二枚ドローして、デッキを上から三枚オープン!その中にあるブレイヴカード一枚を手札に加えて、残ったカードはデッキの上に戻すわ。極星剣機ポーラ・キャリバーを手札に加えてターンエンド」
海未「マジック、ストロングドロー。三枚ドロー。その後二枚手札を破棄します。ターンエンド」
にこ「ネクサス、神焔の高天ヶ原を配置。ターンエンド」
海未「またアタック無しとは。いささか拍子抜けです。それにしても、やはり赤と白の混色ですか。攻撃と防御を手堅くする磐石の編成。攻略するのが楽しみです。ネクサス、海底に眠りし古代都市を配置。ターンエンド」
絵里「次は青のコアブーストネクサス……海未らしい理詰めのバトル展開ね」
穂乃果「二人とも動かない。自分のフィールドと手札を固めてるところかな」
真姫「何もしないのはじれったいわね」
希「お互いタイミングを図ってるようにも見えるね。どんどん空気が張り積めていく」
にこ「そんな安い挑発に乗ると思ってんの?」
海未「十二分に思っていますが?」
にこ「ブレないわね……マジック、三札之術。デッキから二枚ドローして、さらに一枚オープン!赤のスピリットのとき手札に加えるわ。爆炎の覇王ロード・ドラゴン・バゼルよ」
海未「爆炎の覇王ロード・ドラゴン・バゼル……真姫と同じヒーローデッキというわけですか」
にこ「下手な勘繰りは自分を危ぶめるわよ。バーストセット!ターンエンド」
花陽「真姫ちゃんと同じロード・ドラゴン・バゼル……」
真姫「ニコちゃんたら……」
凛「真姫ちゃん顔ニヤけてるにゃ~」
真姫「ニヤけてない!」
海未「いつまで手札を固めるつもりですか?ご自慢の赤の攻撃力はどうしました、ニコ。ムゲンドラが退屈そうに遊んでいますよ」
にこ「そういうあんたも、ネクサスの配置しかしてないじゃない。ニコが本気出したらすぐにバトルが終わっちゃうでしょ?ファンサービスも大切にしないとね♪ファンのみんなは、ニコのカワイ~♪ところをいっぱい見たいんだから♪」
海未「では、ニコのファンの方々には申し訳ないことをしてしまいますね。ニコの敗北する姿を見せてしまうのですから」
にこ「いつまでケンカ売るつもり?いくら挑発しても乗らないわよ」
海未「わかっていますよ。あなたの性格は。これは私自身を奮い立たせるためのものにすぎません。争い事は……好きではないので。ネクサス、サファイアの城壁を配置。戦竜エルギニアスを召喚し、マジック、レイジングシーを発動。このターン、自分のスピリットを一体を、そのスピリットが持つ最高Lvとして扱います。さらにエルギニアスを赤として扱うことで連鎖(ラッシュ)を発揮。デッキから一枚ドローです。ターンエンド」
にこ「また……エルギニアスをLvアップしてもアタックしない……なにを考えてんのよ、あんた」
海未「聞こえませんでしたか?ターンエンドです、ニコ」
にこ「……いいわよ。あんたがこのまま何もしないってんなら、荒ぶる灼熱の炎で焼き焦がしてやるわ!」
穂乃果「……なにか来る。バゼル……いや、違う」
絵里「感じるわ……心を燃やす熱い波動を……」
希「なんなん?二人とも?バトスピにのめり込むとそうなるん?なあ?」
ことり「あはは……」
にこ「『現れろ!海を焼き尽くす鋼の龍王!アルティメット・ジークフリーデンの勇姿に惚れてみなさい!!』」
花陽「アルティメット!!」
真姫「先に仕掛けたのはニコちゃんね」
穂乃果「かぁっこいい!!アルティメット・ジークフリーデン!!召喚パフォーマンスはゼロのパクリだけど!!」
にこ「うるっさいわよ穂乃果!!灼熱のゼロ、カッコよかったのよ!!」
花陽「閃光のゼロでーす……」
絵里「我は白銀のゼロが」
凛「凛はよくわからないにゃー」
にこ「黙ってなさいよ外野!」
海未「一気に騒がしくなりましたね。アルティメット・ジークフリーデン……赤の真価を発揮する攻撃型アルティメット……ロード・ドラゴン・バゼルも警戒しなければいけないところを、厄介なものを召喚してくれましたね」
にこ「そう言う割りには慌てた様子を見せないわね」
海未「ええ。勝つのは私なので」
にこ「言ってなさい。アタックステップ!行きなさい!アルティメット・ジークフリーデン!撃ち抜け!アルティメットトリガー!」
海未「秘剣燕返……コスト4」
にこ「ヒット!ヒットしたコスト1につき一体、相手のBP10000以下のスピリットを破壊するわ!戦竜エルギニアスを破壊!!消え失せなさい!」
海未「させませんよ、ニコ。私がアルティメット相手になんの対策もしていないとでも?手札からトリガーカウンター!マジック、スワロウテイルを発動!」
にこ「トリガーカウンター!?」
凛「かよちん、トリガーカウンターってなんだっけ?」
花陽「対アルティメット用のカードだよ。アルティメットトリガーがヒットしたとき、アルティメットが効果を発揮するよりも前にカードの効果を発揮するの」
希「トリガーカウンター自体に数は少ないけど、アルティメット対策に必ずと言っていいほど、トリガーカウンターの採用率は高いんや。海未ちゃんのスワロウテイル、あれは」
海未「ヒットしたカードが青のカードのとき、このターン相手のアルティメットの効果は一切発揮しません」
にこ「アルティメット・ジークフリーデンの破壊効果が消された……!」
海未「こうなっては、さしものアルティメットもBPが高いだけのスピリットと大差ありませんね。アルティメット・ジークフリーデンのアタックは、ライフで受けましょう」
海未ライフ5→4
にこ「ふん、ライフを削れたならいいわよ。次こそアルティメット・ジークフリーデンの怖さを思い知らせてやるわ!」
海未「さて、それはどうでしょうか。ライフ減少でバースト発動。マジック、ディクタトールレギオン。自分のネクサス一つにボイドからコアを二つ置き、さらにフラッシュ効果を発揮し相手のバーストをオープン」
にこ「なっ!?」
海未「そのバーストがスピリットカードならば破棄します」
にこ「……爆氷の覇王……ロード・ドラゴン・グレイザーよ」
ことり「グレイザー……バゼルじゃない」
穂乃果「どうやらバゼルは、まだニコちゃんの手札にあるみたいだね」
海未「死角からの奇襲ならず、ですね」
にこ「憎たらしいったらないわね。ターンエンドよ」
海未「では、私は青海童子、星海獣シー・サーペンダーを召喚。系統 異合を持つシー・サーペンダーの召喚により、海底に眠りし古代都市の効果でコアを一つ増やします。マジック、レイジングシー。シー・サーペンダーを最高Lvとして扱い、エルギニアスを赤として扱うことで連鎖を発揮。一枚ドローです。そしてマジック、マントラドロー。自分はデッキから三枚ドローし、その後手札二枚を破棄しなければなりません。しかしカード名に明王、または童子と入っている自分のスピリットにソウルコアが置かれているとき、 この効果で破棄する手札の枚数を一枚減らすことが出来ます。私のフィールドには、ソウルコアの置かれた青海童子が。よって破棄枚数を減らします。バーストセット」
絵里「ドローとコアブースト……静かに……でも着実に自分の戦略を固めてる」
真姫「まるでゆっくりと押し寄せる波のよう」
凛「なんか凛、震えが……」
花陽「わかるよ凛ちゃん。なんだか……この静けさが怖い……」
海未「バーストも無いようですので、ここで一度アタックをしてみましょう。シー・サーペンダー、行きなさい!」
にこ「ようやく来たわね。ライフで受けるわよ!」
にこライフ5→4
海未「ターンエンドです」
にこ「いいわね、やっとバトルらしくなってきたわ!」
海未「ニコ……バトルは楽しいですか?」
にこ「……は?」
海未「楽しんでくれていますか?」
にこ「……なによ」
海未「私は胸が張り裂けそうです。一度向き合えばどちらかが勝ち、どちらかが負ける。バトルの終わりを迎えるのが心苦しいです」
ことり「……………………」
にこ「なにを言い出すかと思えば。人生なんてバトルの連続でしょ。誰かが勝って、誰かが負けて。私たちがこうしてる今も、世界のどこかで勝負をしてる人たちがいるわ。あんたと私みたいにね」
海未「……………………」
にこ「海未、あんたも今まで弓道の試合でたくさんの勝ち負けを見て、体感してきたんじゃないの?私たちのラブライブだって、全てのスクールアイドルたちの戦いだったじゃない。私たちはそれを勝ち抜いてきた。今さらこんなバトルに、いったいなにを思うってのよ」
海未「……………………」
にこ「戦いから目を背けるなんてらしくないわね。戦いたくないなら降参しなさい。負け犬は指をくわえて、ニコの優勝を見守るがい 海未「させませんよ」
にこ「ッ!?……なによ、急に……この気迫……」
希「……なんや」
ことり「海未ちゃん……」
海未「優勝だけは誰にも譲れません。絵里にも、花陽にも、ことりにも、穂乃果にも……絶対に」
にこ「そんなにまでして叶えたい願いって、いったいなんなわけ?」
海未「答える気はありません。それに……いずれはわかることです。……これが、最初で最後のチャンスかもしれませんから」
にこ「なにを……」
海未「さあ、ニコのターンですよ」
にこ「…………まあいいわ。どれだけ凄んでも、ニコのアルティメット・ジークフリーデンの前には敵わない。メインステップ、バーストセット!シャムシーザーを召喚。行くわよ!……ええと、なんだっけ?」
真姫「?」
にこ「あぁ、思い出した。『紅蓮の一太刀で、世界を私色に染め上げなさい!爆炎の覇王ロード・ドラゴン・バゼル!』召喚よ!」
真姫「ちょっとニコちゃん!!」
絵里「これは恥ずかしいわね」
海未「ここでバゼルですか。アルティメット・ジークフリーデンだけでも脅威だというのに。少々手厳しくはないですか?」
にこ「あんた相手に油断なんかしないわよ」
海未「その評価はありがたく受けましょう」
にこ「神焔の高天ヶ原をLv2にアップして、アタックステップ!今度こそ、あんたの力を見せてやりなさい!アルティメット・ジークフリーデン!アタック!アルティメットトリガー!ロックオン!」
海未「蒼海の大剣メイルシュトロム……コストは6です」
にこ「ヒット!さあ、ニコの魅力にハートを焦がしなさい!」
海未「お断りします。トリガーカウンター、スワロウテイル!」
にこ「なんですって!?」
穂乃果「二枚目!!」
花陽「またアルティメット・ジークフリーデンの効果が消えた……」
海未「二枚目は無いとでも?追撃のフラッシュタイミング、マジック、インペリアルバースト!コスト4以下のムゲンドラ一体を破壊し、エルギニアスの赤シンボルで連鎖を発揮。相手のネクサスを破壊!!神焔の高天ヶ原を破壊します!」
にこ「くっ……アルティメット・ジークフリーデンを止めただけじゃなく、スピリットとネクサスまで……」
海未「神焔の高天ヶ原は後々厄介になると思いましたので。アルティメット・ジークフリーデンのアタックは、慎んでライフで受けましょう」
海未ライフ4→3
にこ「フルアタックでもライフは削りきれない……ターンエンドよ」
凛「ニコちゃんの方が優勢……じゃないの?」
希「スピリットの戦力差ならそうやね。ニコっちのフィールドには、ムゲンドラ、シャムシーザー、ロード・ドラゴン・バゼルに、アルティメット・ジークフリーデンの火力の高い布陣。それにバーストがセットされてる」
絵里「海未のフィールドには、エルギニアスに青海童子、シー・サーペンダー。それと未完成の古代戦艦:羅針盤、俊星流れるコロッセオ、海底に眠りし古代都市、サファイアの城壁のネクサス四つ。ニコと同じくバーストがセットされてるわ」
花陽「ライフは削れてる……けど、実質ニコちゃんは何もさせてもらえない……」
ことり「ニコちゃんの方が優勢……なのに、バトルの流れを支配してるのは海未ちゃん」
真姫「海未はあれだけネクサスを増やして、何を狙ってるのかしら」
穂乃果「わからない。でも、海未ちゃんが動くとしたら……二発目のアルティメットトリガーを封じられてニコちゃんが動揺してる今だよ」
海未「そろそろ、参りましょうか。巨神創成の瞬間に刮目なさい。『神が造りし命の彫像!古代より世を見守る誉れ高き審問者!神造巨兵オリハルコン・ゴレム!!』召喚です!」
にこ「ようやく来たわね……手加減は終わりってわけ?」
海未「手加減?なにか勘違いしているようですが、ニコ相手にそんな慢心もおこがましい。待っていたのです。アルティメット・ジークフリーデンを伏す、このカードを」
にこ「!?」
海未「系統 異合を持つオリハルコン・ゴレムの召喚により、コアを増やします。そして……『命の螺旋を絶つ一撃必殺の毒の槍!天蠍星鎧ブレイヴスコーピオン!』召喚!」
ことり「蠍座の裏十二宮ブレイヴ」
花陽「対アルティメットの青カードです!」
海未「ブレイヴスコーピオンの召喚時効果、相手はコストの最も低い自身のアルティメット一体を破壊しなければなりません。どうぞ、選択を」
にこ「選択って……アルティメット・ジークフリーデンしかいないじゃない……ッ!ごめんなさい、アルティメット・ジークフリーデン……」
海未「まだバゼルがいるではありませんか。落胆するには早いですよ。オリハルコン・ゴレムにブレイヴスコーピオンを合体し、Lv2に。ダブルシンボル、BP12000!」
にこ「来なさいよ……海未!」
海未「無論、そうします。あなたがそのバーストを発動させようとも」
にこ「!?」
海未「気付いていないとでも?ニコ、あなたはロード・ドラゴン・バゼルを召喚したにも関わらず、Lvも上げずアタックもしなかった。いえ、むしろアルティメット・ジークフリーデンの存在の陰に隠そうとすらしていたようにも見えました。そうしたのは、ロード・ドラゴン・バゼルのLv2、3のアタック時効果であるバースト発動を行う必要が無かったから。現にブレイヴスコーピオンの召喚時効果が発揮されてもバーストは発動しませんでしたしね」
にこ「あっれぇ?発動させなかったとは考えないの~?」
海未「それはないでしょう。アルティメット・ジークフリーデンというキーカードが破壊されて、なんのアクションも無いとは到底思えません」
にこ「くっ……」
海未「先に破壊した神焔の高天ヶ原も、万が一バゼルが破壊されたとき復活するように用意していたネクサスでしょう。自分のライフを減少させることで、破壊されたバゼルをフィールドに戻す。そして、ライフが減少することでそのバーストは発動する……そうでしょう?ニコ」
絵里「ニコの思考と戦略を看破するなんて、海未……」
凛「さすがにゃ~……」
花陽「海未ちゃんが本領を発揮してきた……ニコちゃんはどう出るんだろう……」
にこ「よくもまあ、そこまで読めたものね……あんたにはもう、これが何なのか察しがついてるってわけ?」
海未「ええ。答え合わせと参りましょう。オリハルコン・ゴレム、アタック!アタック時効果、粉砕!オリハルコン・ゴレムのアタック時、粉砕の効果で破棄する枚数を、自分の青のシンボル一つにつき、プラス一枚とします。私のフィールドには青のシンボルが計十個。Lv2の粉砕で、デッキを上から十二枚破棄!」
にこ「一気に十二枚…………!!……ルナテック・ストライクヴルム……!」
真姫「なるほど、ネクサスを増やしたのはシンボルを増やしつつ、オリハルコン・ゴレムの強襲を発揮させるための布石だったわけね」
希「ネクサスは青の定石やからね。相手の行動を制限し、自身を補助する……海未ちゃんは完全にフィールドを味方につけてる。それにくわえて月光神龍が、その輝きを見せる前にトラッシュに送られた」
穂乃果「合体スピリット一体で戦況を圧倒的有利に変えた!スゴいよ海未ちゃん!スゴいよオリハルコン・ゴレム!」
ことり「……ホントにそれだけなの?海未ちゃん……」
海未「白の主力が潰えましたか。オリハルコン・ゴレムの強襲を発動!ネクサス一つを疲労させることで、オリハルコン・ゴレムは回復!」
にこ「オリハルコン・ゴレムの強襲は2。オリハルコン・ゴレムはあと一回回復する……ライフで受けるわ!!」
にこライフ4→2
海未「さあ、見せてください。美しくも雄々しき龍の王を」
にこ「あんたね……舐めるのも大概にしなさいよ!いいわよ……見るがいいわ!!あんたが呼び起こしたものの巨大さにおののきなさい!!ライフ減少によりバースト発動……バースト転召!!」
真姫「バースト転召!このためにバゼルをLv1にしていたのね!」
絵里「海未が予想していたのは……いえ、確信していたのはこれだったのね。ニコ……」
にこ「『赤と白の交わるとき、大いなる双色の龍が勝鬨の雄叫びをあげる!超覇王ロード・ドラゴン・セイバー!!ニコを勝利へと導きなさい!!』Lv2!!」
海未「やはり、セイバーでしたか」
にこ「ちっ……ムカつくわね。その全てを見透かしたような眼……召喚時効果よ!自分のフィールド、リザーブからコアを移動して自分のライフが5になるまで好きにコアを置くことができるわ!」
にこライフ2→5
海未「赤における稀少なライフ回復効果。目に出来て光栄です。またすぐに、奪ってみせます。もう一度進撃なさい、オリハルコン・ゴレム!粉砕で十二枚破棄!そして強襲で回復!」
にこ「またデッキを……!ッこれ以上はデッキもライフもあげないわよ!!ロード・ドラゴン・セイバー!オリハルコン・ゴレムを叩き潰しなさい!」
穂乃果「オリハルコン・ゴレムのBPは12000!」
ことり「ロード・ドラゴン・セイバーは13000」
凛「このままじゃ、オリハルコン・ゴレムは!」
にこ「いっけぇぇぇーーー!!!」
海未「フラッシュタイミング!オリオンパワー!BPプラス3000!」
にこ「!!」
花陽「マジック!やっぱり持ってた!」
絵里「まだよ!セイバーはここから力を上げる!」
にこ「ロード・ドラゴン・セイバーのバトル時効果よ!自分のライフのコア一つをセイバーに置くことで、BPプラス5000!BP18000よ!!」
海未「それくらいでのぼせないでください!!フラッシュタイミング!!」
にこ「まだ……!!」
海未「ストロングドロー!BPをプラス3000です!」
凛「BPが並んだにゃ!!」
希「相討ちや!!」
にこ「オリハルコン・ゴレム、破壊……!セイバー……」
海未「ありがとうございます、オリハルコン・ゴレム。あなたは勇敢でしたよ。ブレイヴスコーピオンは回復状態でフィールドに残しましょう。さすがは青の世界の代表格といったところです。残り少ないデッキに酷ですが、スピリット破壊によりバースト発動。退魔絶刀角!デッキを五枚破棄です!」
にこ「ぐっ……!!」
希「そうか。……海未ちゃんは最初からこれを狙ってたんか」
穂乃果「セイバーの効果を見越して、BP勝負では勝てないって最初から判断して、デッキ破壊の代償にオリハルコン・ゴレムを破壊させたんだね。スピリット破壊で発動するバースト、退魔絶刀角でさらにデッキを破壊するのも計算に入れて」
真姫「ニコちゃんには焦りがあった。ライフを5にしてなかったら、セイバーはLv3になってオリハルコン・ゴレムを倒すことが出来た。デッキ破壊の焦燥、海未はニコちゃんの心も読んだっていうの……?」
ことり「これが青属性の真価だね。ライフとデッキアウト、二通りの方法で勝利を狙える多様性。やっぱり、海未ちゃん相手にはどっちも守って戦わないとダメかな」
真姫「ことり?何か言った?」
ことり「ううん♪なんにも?♪」
海未「まだ手は緩めません。僅かな可能性さえも詰んでみせます。青海童子でアタック!粉砕!」
にこ「シャムシーザーでブロック!」
海未「これであと三枚。ターンエンドです」
にこ「……………………」
海未「ニコ、そのままターンエンドを重ねてくれれば私も気が楽です。どうですか、私に勝ちを譲っていただけませんか」
にこ「なに言っ……」
海未「次のセンターを希望するなら、私はニコを推しましょう。ニコの魅力を全面に押し出した歌詞も書きます。それよりももっと、私にとっての優勝は価値があるのです」
にこ「……………………」
海未「どうか…………」
にこ「………………わよ」
海未「……………………」
にこ「…………んじゃないわよ」
海未「ニコ……」
にこ「舐めんじゃないわよ!!センターは誰かに押し付けられてなるお飾りじゃない!!自分の実力で勝ち取って、始めてステージの真ん中で輝けるのよ!あんたが何を望んでるのかなんて知らないけど、ホントに欲しいものなら、勝ってその手で掴み取りなさい!!!」
海未「……胸に沁みますね。あなたの言葉は。失言でした。すみません、ニコ。……ですが、たったそれだけのデッキで何が出来ると言うんですか」
にこ「ここで諦めるのはガラじゃないわ。ダテに大銀河宇宙No.1アイドル名乗ってるわけじゃないのよ!!……ドローステップ!!」
絵里「起死回生のカードが、あのデッキに眠っているとするなら……まだ、ニコの勝利の可能性は残ってるわ」
希「感じるよ、ニコっちのパワー。沸き上がる炎のようなパワーや」
真姫「なにそれ……意味、わかんなくもないけど……」
にこ「ムゲンドラを召喚。…………海未」
海未「!」
にこ「祈りなさい。せめて一撃で終われるように」
海未「なんですか……このプレッシャー……スピリットたちが、震えている……?」
にこ「本物の神の姿を見なさい。『赤き力の体現者!!理を超越する絶対神!紅蓮の豪腕で世界を制しなさい!!六絶神 剛力のドラグ・マグナ!!!』Lv3で召喚!!」
海未「ニコ……あなた……!!」
花陽「六絶神!!Xレアを越えたXレアです!」
ことり「XXレア……これがニコちゃんのキースピリット」
穂乃果「あの、絶対なる幻龍神アマテラス・ドラゴンと同じ赤の絶晶神。ニコちゃんがあんなカードを持っていたなんて……!」
真姫「ニコちゃんが、バトルの流れを引き戻した!」
にこ「さらに極星剣機ポーラ・キャリバーを召喚してドラグ・マグナに合体!アタックステップ!ドラグ・マグナでアタック!!ドラグ・マグナの効果、自分の赤のスピリットがアタックしたとき、このターンドラグ・マグナのBPをプラス10000!Lv2、3効果、ドラグ・マグナのアタック時、自分の赤のスピリット一体のBPをプラス10000!!ドラグ・マグナのBPをアップさせて、BP41000!!」
海未「っ!」
にこ「俊星流れるコロッセオのLvを2にしておかなかったのはミスね!」
凛「赤属性らしいBPアップ効果……でも、桁が違うにゃ……」
希「それだけやない。ドラグ・マグナにはまだ……!」
にこ「そして、ドラグ・マグナLv3効果!!自分のアタックステップ、自分のBP30000以上のスピリット全てのシンボルを、赤のトリプルシンボルにする!ドラグ・マグナは合体してるからクアドラプルシンボルよ!!」
ことり「クアドラプルシンボル……!」
穂乃果「海未ちゃんのライフは残り3!」
絵里「スピリットでブロックするしかないわ!」
にこ「フラッシュタイミング!マジック、サジッタフレイム!BP5000までスピリットを破壊するわ!戦竜エルギニアス、星海獣シー・サーペンダーを破壊!」
海未「ここでドラグ・マグナをブレイヴスコーピオンでブロックすれば、青海童子は残ります!次のターンで青海童子がアタックすることで粉砕が発揮し、ニコのデッキは尽きますよ!」
にこ「だからなによ!!さぁ、どう受けるの!!」
海未「……!ブレイヴスコーピオン!ドラグ・マグナをブロックです!」
にこ「ムゲンドラ二体でアタック!」
海未「ライフで受けます!!」
海未ライフ3→1
海未「これで青海童子は残りました。私の勝ちです!」
にこ「フラッシュタイミング!マジック、リブートコード!」
海未「ここで……回復のマジック!?」
にこ「ニコのスピリット全てを回復!そして、合体スピリットはもう一度アタック出来る!ドラグ・マグナ!!」
海未「ッ!!青海童子でブロックです!!」
にこ「青海童子破壊。ターンエンド!!海未……勝つのは私よ!!」
真姫「ドラグ・マグナ一体が、海未の流れを断ち切った」
凛「にゃー……次のターンで海未ちゃんがブロッカーを召喚出来なかったら、それだけでニコちゃんの勝ちが決まるよ」
希「ううん。ニコっちがさらにスピリットを召喚することも考えると……」
絵里「絶望的ね。海未もここまでかしら。青属性の使い手同士バトルしてみたかったけど、どうやら叶わないわね」
花陽「でもでも、海未ちゃん強かったよ……!オリハルコン・ゴレムのデッキ破壊、スゴかった……!」
穂乃果「海未ちゃん……」
ことり「でも、勝つのは海未ちゃんかな」
6人「!!!?」
穂乃果「こ、ことりちゃん……?」
希「……………………」
真姫「なんでそう言い切れるのよ。この状況が見えてないの?」
絵里「どういうこと?ことり」
ことり「うん。多分、海未ちゃんはまだキースピリットを出してないから」
花陽「オリハルコン・ゴレムは……キースピリットじゃなかった……?」
ことり「なんて、ことりの勝手な想像だけど♪穂乃果ちゃんみたいに、雰囲気を盛り上げようかなって♪」
凛「なんだあ、ビックリしたにゃ~」
花陽「本当だよ、ことりちゃん……」
ことり「ふふっ♪」
ことり「でも、ここで何も無いなら……海未ちゃんには『資格』は無いってことだよ。ね?海未ちゃん」
海未「緑鳥童子を二体召喚……マントラドローで三枚ドローし、緑鳥童子にソウルコアが置かれていることで破棄枚数を減らし一枚破棄。もう一枚、マントラドロー。ナイト・ゴーンを二体召喚。海底に眠りし古代都市の効果で、系統 異合を持つナイト・ゴーンを召喚したことでボイドからコアを。俊星流れるコロッセオをLv2に。バーストセット……ターンエンドです」
にこ「ドロー。これでデッキはあと二枚……あんたを倒すには充分すぎるわね。ネクサス、尖岩渓谷の大地を配置!そして、『純血の白き龍。穢れた大地を浄化しなさい!月光龍ストライク・ジークヴルム!』尖岩渓谷の大地の効果で、スピリットの召喚にソウルコアを使用したとき、相手のネクサス一つを破壊するわ!俊星流れるコロッセオを破壊!これでドラグ・マグナを封じることは出来なくなったわね」
海未「くっ…………!!」
にこ「いくらスピリットを並べても無意味よ!全部薙ぎ払ってやるわ!ポーラ・キャリバーをストライク・ジークヴルムに合体させて、行くわ!アタックステップ!フルアタックよ!!」
海未「スピリットたち……お願いします……!」
にこ「ほーらターンエンドよ。次のターンで決めるわ。せいぜい残ったライフの輝きを噛みしめることね」
海未「ドローステップ…………ニコ」
にこ「なに?命乞いでもするの?聞かないけど」
海未「自分を奮い立たせるためとはいえ、ニコには数々の非礼を投げ掛けました。本当に申し訳ありません」
にこ「謝罪は殊勝な心掛けだけど、それでお情けをちょうだいなんて甘い考え、通じると思ってる?」
海未「お情けなんて。私は非礼を詫びただけにすぎません。むしろ感謝の気持ちでいっぱいです。私はオリハルコン・ゴレムでデッキを破壊したことで、勝利を目前に浮かれ慢心しました。その一瞬の綻びが、油断とこのような事態を招いたのでしょう。ここで躓くようなら、優勝など夢物語。私が目指すものは遠く叶わない。だから、ありがとうございますニコ。あなたとのバトルは、私を戒め、律することの出来るいい機会となりました」
にこ「バカ正直っていうか、一周回って本物のバカね。そういうのは勝った奴の言葉でしょ。それとも、ここから逆転する自信があるのかしら」
海未「自信?……確信ですよ。勝つのは私です。……いざ、証明を」
穂乃果「まさか、海未ちゃん……」
真姫「来るっていうの?こんな追い詰められた状況で」
ことり「それでこそ海未ちゃんだよ」
海未「『大海に揺らめく一輪の花!後光招来!!咲き誇りなさい、蓮華王センジュ!!!』」
花陽「蓮華王センジュ!」
絵里「青の崇高な起導者!これが、海未のキースピリット!!」
凛「キレーだにゃ~……」
ことり「ほら、やっぱり♪」
希「……………………」
にこ「んっとに……憎たらしいほど劇的じゃない!海未!!」
海未「さらに、大倶梨伽羅を召喚しセンジュに合体……行きます。アタックステップ!蓮華王センジュ!あなたの力を見せるのです!起導を発揮!S(ソウル)バースト!!マジック、観音千撃掌!!」
穂乃果「出た!Sバースト!スピリットの上のソウルコアをトラッシュに置くことで発動する次世代型バースト!」
凛「これがセンジュの力なんだね!」
希「いや、センジュの秘められた力はここからや!」
海未「相手の合体しているブレイヴすべてを破壊!極星剣機ポーラ・キャリバーを破壊し、コスト6以下の月光龍ストライク・ジークヴルムを破壊します!さらにコストを支払うことでフラッシュ効果を発揮!系統 闘神を持つ自分のスピリット一体を回復させ、このターンの間、そのスピリットが持つ最高Lvとして扱います!センジュはLv3!!」
にこ「ストライク・ジークヴルム!!っの……!!」
海未「そしてSバーストを発動させたことでセンジュの更なる力を解放します!バースト発動後、コスト合計10まで相手のスピリットを破壊!!ムゲンドラ二体!そして、泡沫と消えなさい!!赤き力の神よ!!慈悲深き如来の一撫でに!!!」
にこ「ドラグ・マグナ!!」
海未「蓮華王センジュ、Lv2、3アタック時効果!このスピリットに、自分のネクサスの数だけ青のシンボルを与えます!私のフィールドには四つのネクサス……センジュと大倶梨伽羅の合体スピリットと合わせて六つのシンボル!つまり……」
穂乃果「セクスタプルシンボル!一撃必殺のアタックだ!」
絵里「バトスピにおいても稀有な領域。海未の才能はその領域に容易く足を踏み入れるというの!?」
ことり「海未ちゃんなら不思議じゃないよ♪」
凛「まあ、あの海未ちゃんだし……」
ことり「しっかり見せてもらったよ♪……海未ちゃんの力」
希「なんや、敵意が剥き出しやで。ことりちゃん」
ことり「エヘヘ♪しー……だよ♪希ちゃん♪」
にこ「……はぁ。ここまで力の差を痛感させられるとむしろスッキリするわね」
海未「ニコ……」
にこ「ニコには自信があった。あんたに勝つ自信が。あと一歩まで追い詰められて、追い詰めて……でも届かなかった。悔しさはもちろんある。でも、それ以上にギリギリのバトルを楽しめた。……海未」
海未「はい」
にこ「勝ちなさいよ。優勝して願いを叶えてみせなさい。あんたの強さは、大銀河宇宙No.1アイドル、このニコニーが保証してあげるわ」
海未「はい。ニコ、ありがとうございました。いいバトルでした」
にこ「…………ふん。いい言葉よね、それ」
穂乃果「決まったぁ!!荒れ狂う爆炎を鎮めバトルに終わりの刻をもたらしたのは、セクスタプルシンボルの一撃にニコちゃんのライフを奪い取ったぁ!!ぅ海未ちゃーーーん!!!!」
キャアァァァァァ!!!
希「よお頑張ったで、ニコっち」
にこ「頭撫でるな!」
凛「よしよし」
にこ「ちょっと!!」
穂乃果「さあ、ここに二回戦に進む五人の戦士が出揃ったよ!まずは絵里ちゃん!!」
絵里「フフッ♪」
穂乃果「花陽ちゃん!」
花陽「が、頑張ります……!」
穂乃果「ことりちゃん!」
ことり「はあーい♪」
穂乃果「海未ちゃん!」
海未「ええ」
穂乃果「そしてシードで繰り上がったこの私、高坂穂乃果!この五人で二回戦を争うよ!次に戦うのは誰か!さあ、戦士たちよ!この五枚のカードを引くのだ!!」
真姫「なにキャラなのよ、あなた……」
穂乃果「みんなせーの!で引くよ。せーのっ!!」
花陽「Aです」
絵里「Bよ」
海未「シードですか……」
ことり「ことりはA♪」
穂乃果「B!やったぁ!!やっとバトルだぁ!!」
希「一回戦は花陽ちゃん対ことりちゃんや」
にこ「二回戦は穂乃果対絵里ね」
凛「面白い組み合わせだね。バトルが楽しみにゃ~!」
花陽「ことりちゃんと……うぅ……勝てるかなぁ……」
ことり「そんなに緊張しないで♪花陽ちゃんだって一回戦を勝ち上がったんだから♪」
花陽「う、うん……!」
絵里「穂乃果、手加減はしないわよ♪」
穂乃果「当然だよ!!全力でやらなきゃバトルじゃないもん!!」
海未「では、私はみんなのバトルを見て研究させていただくとしましょうか」
穂乃果「二回戦開始は一時間後!それまで休憩ね♪バトラーのみんな、デッキを調節して次に備えてね♪観客のみんな~!休憩のお供に出張版穂むらのおまんじゅうをよろしく~♪」
――――自販機前――――
海未「ふぅ……バトスピとは案外疲れるのですね……。休憩がてら飲み物とでも思いましたが……バトルフォームということを忘れていました……財布が……」
???「~♪」
海未「はぁ……仕方ありません。一度部室に戻って……」
???「えいっ♪」
ピトッ
海未「はひゃう!!?」
???「クスクス♪はひゃう!だって♪首にペットボトルつけただけで、そんなにビックリしなくてもいいのに♪」
海未「…………ことり」
ことり「のど渇いてたんでしょ?あげる♪」
海未「……どうも」
ことり「今って時間ある?ちょっとお話しようよ。そこのベンチに座って」
ことり「準決勝進出おめでとう、海未ちゃん♪」
海未「ことりこそおめでとうございます」
ことり「ありがとう♪スゴかったね、オリハルコン・ゴレム。デッキ破壊を極めた造兵。それに蓮華王センジュ。セクスタプルシンボルなんてビックリだよね。ブロック出来ないとアタック一回で負けちゃうんだよ?ソウルコアを使いこなしたバトル……海未ちゃんは強敵だね♪」
海未「ことりのバトルも圧巻でしたよ。コアブーストとドローで回転率を上げた、鉄壁の防御力とバウンスを以て相手を制圧する、超攻撃型白デッキ。アルティメット・グレイザーに黒王機獣ダークネス・グリフォン……それに、獅機龍神ストライクヴルム・レオ…………あれは、意識して入れたカードですよね?」
ことり「やっぱりわかっちゃう?」
海未「ええ、まあ。きっと本人は十二宮Xレアカッコいいくらいにしか思っていないのでしょうが」
ことり「そうだよねぇ~…………海未ちゃん」
海未「ことり」
ことり「好きなんだよね、穂乃果ちゃんのこと」
海未「好きなんですよね、穂乃果のこと」
ことり「……あんなに可愛い幼なじみだもんね~」
海未「仕方ありませんよね。あんなに可愛い笑顔をずっと近くで見続けてきたんですから」
ことり「穂乃果ちゃんに好きってアピールしても気付かない鈍感なところがたまらないよね♪」
海未「何気ない仕草やフワリとした匂いも最高です」
ことり「…………優勝したら穂乃果ちゃんに付き合ってってお願いする。……海未ちゃんもそう?」
海未「ええ。ですが、所詮は身内のゲームの範疇。いや、いささか規模は大きくなっていましたが……優勝特典が絶対の権限を持つわけではありません。それは重々承知しています。……言うなれば、きっかけが欲しかったのかもしれません。穂乃果に告白するきっかけが。それに……」
ことり「ことりのこと、気にしてくれてたんだよね」
海未「……それはことりもでしょう。私たち三人の関係が崩れるのを恐れて穂乃果へ思いを伝えることをしなかった。それが今回、穂乃果がバトスピを提案したのを機に思い立った……純粋な力比べなら、わだかまりも無く穂乃果へ思いを伝えられると……」
ことり「うん。……はーあ、カードゲームに頼っちゃうなんて、ことりたちは勇気が無かったね~」
海未「まったくです。勇気のreasonが聞いて呆れます」
ことり「穂乃果ちゃんは優しいから、きっと受け入れてくれる……なんて、甘いこと思っちゃうよねぇ。……………………負けないよ?海未ちゃん。……穂乃果ちゃんはあげない。ことりの方が穂乃果ちゃんを好きだから」
海未「私以上に穂乃果を愛してる者などいません。ことり、あなたに穂乃果は渡しません」
ことり「~♪宣戦布告だね♪これで本気で戦えるよ」
海未「先のことを考えすぎると、目の前の一勝を落としますよ。花陽は強敵です。せいぜい足元を掬われないことですね」
ことり「うん♪それじゃ、またあとで♪」
希「なるほどなあ……」
――――――――
ことり「~♪~♪~♪誰が相手でも負けないよ海未ちゃん……ことりはまだ、本当の切り札を見せてないんだから♪」
――――――――
海未「勝者と敗者……得られる者と得られぬ者…………ことり、穂乃果だけは……たとえあなたでも譲りません。この思いは誰にも止められないのですから」
――――――――
穂乃果「さぁーー!!皆さまお待たせいたしました!!これよりバトスピμ'sチャンピオンシップ二回戦をはっじめーるよー!!」
イェェェェェェェ!!!
穂乃果「第一試合!紫の闇を白き輝きで照らした乙女!おやつにされたい系女子No.1!南ことりちゃーん!!」
ことり「ことりの~おやつにしちゃうぞ~♪」
穂乃果「続いて~!赤き爆炎を緑の烈風で掻き消した聖女!おやつにしたい系女子No.1!小泉花陽ちゃーん!!」
花陽「だ、誰か助けて~!!」
穂乃果「勝って準決勝に進むのははたしてどちらか!!二人とも~!!準備は出来てるか~!!」
ことり「うんっ!」
花陽「はいっ!」
穂乃果「いざ登らん!ステージへ!」
にこ「統一しなさいよ、その脈絡のないMC」
花陽「うぅ……やっぱり緊張する……ライブとは違う緊張感だよ……」
ことり「……………………」
花陽「そうだ……人って字を手のひらに書いて……よし……こ……め……ゴクン…………米じゃないです!」
ことり「……………………」
花陽「うぅ……まだ緊張が……ことりちゃんは緊張してないの?」
ことり「……………………」
花陽「?……ことりちゃん?」
ことり「ゴメンね、かよちゃん」
花陽「……?」
――――――――
海未「デッキを組み直していたら遅くなってしまいました。もうバトルは始まっている頃ですね」
海未「どのような展開でバトルは進んでいるのでしょう。花陽のコアブーストは攻略し難いものがありますからね。ことりも迂闊には攻められないはずです。ことりならまずは様子見のバーストで場を固めつつ、同じようにコアブーストで対抗する手堅い戦略を執るはず」
海未「……?それにしても静かですね。先ほどまで耳をつんざくような歓声が響いていたのですが。バトルが膠着状態に入ったのでしょうか。どちらかが攻めあぐねているのか、または手札事故でも起きているのか……なんにせよ急ぎましょう。バトスピは一瞬一瞬で形成が逆転するゲームですからね」
海未「緑属性対白属性。どちらが勝ち上がっても激戦は必定。しかとこの目で二人のバトルを見届けなければなりません。さて、戦局はどのよう…………に……」
――――――――
ことり「……………………」
花陽「……………………」
5人「……………………」
ことり「…………♪」
穂乃果「…………しょ、勝者…………ことり……ちゃん」
海未「なっ―――――!!?」
ことり「フフッ♪」
海未「まさか…………まさか、もうバトルが終わったのですか!?」
真姫「……ええ」
海未「そんなバカな!早すぎます!!いったい何ターンで!!」
希「2ターン……花陽ちゃんがターンを終えて、ことりちゃんがターンを迎えたと思った……まさに一瞬だった」
海未「たったの2ターン!?」
にこ「01ウィニー……バトスピにおける最も有名なワンターンキルよ。コスト0と1の低コストスピリットを並べてアタックをかける超速攻戦術。……01ウィニー自体はそれほど珍しい代物じゃないわ。……でも」
絵里「……………………あのスピリットは」
海未「……?スピリット……?………………!!」
ことり「海未ちゃん……見てくれたかな?」
海未「フィールドを掌握するかのような巨大な姿……身が震えるほどの神々しさ……この威圧感……ニコとのバトルでも感じた覚えがあります……これは……」
にこ「……白の絶晶神……六絶神 鉄壁のクロム・リゼルファー」
海未「クロム・リゼルファー……ドラグ・マグナと同じ六絶神が……三体……ことり、あなたはまだ底を見せてはいないということですか」
凛「白のXXレア……それにキグナ・スワンとガドファント……かよちんのライフがあっという間に0にゃ~……」
真姫「花陽は賢者の樹の実を配置してコアブーストを徹底するつもりだった。でも、きっと手札に神速スピリットはいなかったのね。ライフを減らされコアを増やしてもスピリットがいないのなら無用の長物」
希「それに加えてフラッシュで発揮するマジックが無かった、あるいはスピリットを疲労させるような効果のマジックが無かったのね」
絵里「バーストもね。緑属性の弱点、ドロー不足の回転力の低さが露骨に表れたみたい」
にこ「過ぎたことあれこれ言っても仕方ないでしょ。今回は花陽に運が無かっただけよ。いえ、ことりに運が向いたのかもしれない。手札に恵まれないなんて、カードゲームをやる上で避けては通れない道でしょ」
花陽「あうぅ……負けちゃった……。優勝したらみんなでおにぎりパーティーするつもりだったのに……」
ことり「ゴメンね?今度、ことりがおにぎり作ってきてあげるから」
花陽「ぜひ!!」
ことり「あと二勝……あと二勝で……」
ことり「…………!!♪」
海未「ことり……!」
凛「海未ちゃんに向かって指を指してる?」
希「宣戦布告……かな?」
凛「珍しいにゃ~。ことりちゃんがあんなことするなんて」
希「よっぽど優勝したいんやろうなぁ~」
海未「……………………」
真姫「……なんにせよ、これで準決勝進出者二人が決まったわね。ことり、そしてシードの海未」
にこ「いいわけ?挑発されっぱなしで」
海未「……いいでしょう、ことり。あなたは私がこの手で地に落としてみせます。覚悟なさい!全力で相手をしてあげます!!」
希「楽しみやね、二人がバトルするのが」
絵里「そうね……………………って」
穂乃果「みんな私と絵里ちゃんのバトルのこと忘れてるでしょー!!」
7人「あ」
穂乃果「もう!!ずっと待ってたんだからね!!やっとバトルだーってスタンバイしてたら、海未ちゃんとことりちゃんで火花散らしてさー!」
絵里「だいたい、二回戦が終わったらまた組み合わせが変わるんだからことりと海未が対決することがないかもしれないじゃない」
海未「す、すみません……つい熱くなって」
穂乃果「まったく!プンプンだよ!」
絵里「まあ何はともあれ。穂乃果、ついに来たわね。私たちのバトルの刻が」
穂乃果「うん!早くバトルしたくてたまらなかったよ!」
絵里「ざわつくのよ。私のスピリットたちが。穂乃果、あなたを倒したいってね」
穂乃果「負けないよ。絵里ちゃん!」
真姫「別にいいけど、穂乃果がバトルしてる間、司会はどうするのよ。穂乃果がやってたときも、そんなに意味は無かったけれど」
にこ「しょーがないわねー。この私があんたたちのバトルを盛り上げて――――――――」
「その必要はないわ!!!」
凛「にゃあ!?」
ことり「……誰?」
「ここから先は!!」
「私たちに!!」
「任せなさい!!」
海未「いったいどこから……」
花陽「み、見て!!」
希「ヘリコプター?」
真姫「ヴェエ!?誰か飛び降りたわよ!!」
にこ「あ、パラシュート……」
絵里「ステージに降りた……って、あの人たちは……」
にこ「ぬわぁ!!?」
花陽「ぴゃあ!!?あ、ああああ……あの方々はぁ……!!!」
ツバサ「ふぅ……お待たせ♪」
にこぱな「あ、A-RISEだぁーーーー!!!」
キャアァァァァァァーーーーーー!!!!
穂乃果「さあ、バトスピμ'sチャンピオンシップ!スペシャルゲスト、A-RISEの皆さんでーす!!」
ツバサ「ギャラクシーツバサよ!セクシー!?」
NO!!ギャラクシー!!
ツバサ「フフ、ありがとう♪」
英玲奈「暗黒戦士英玲奈だ」
あんじゅ「ジャスティスあんじゅよ。戦いなさい!光よ!闇よ!あなたたちの宿命はバトルスピリッツにあるわ!」
真姫「なんでこんなにノリノリなのよ……」
英玲奈「我々もバトスピが好きだからな」
花陽「はわぁ……A-RISEの皆さんもバトルフォーム風の衣装だぁ……可愛い~……」
あんじゅ「前にツバサに頼まれて作ったのよ♪」
ツバサ「あなたたちのバトル、見させてもらったわ。熱い魂のぶつかり合い……私の魂もたぎったわ!」
海未「見させてもらったって……まさか、ずっと待機していたのですか?」
穂乃果「本当は私がバトルするときに変わってもらう予定だったんだけど、ほら……私一回戦はシードだったから」
ことり「A-RISEを待機させるって……穂乃果ちゃん……」
にこ「どんだけ図太い神経してんのよ!」
穂乃果「アハハ……」
ツバサ「さあ!改めてここに次なるバトルの開幕を宣言しましょう!フィールドに舞いなさい!女神たち!一回戦をデッキ破壊で勝ち抜いた青の精鋭!フィールドに極寒の嵐を巻き起こすか!絢瀬絵里!!」
絵里「ハラショー!!」
ツバサ「対するは未だその実力未知数!デッキに秘められた可能性という名の輝きが勝利への道を照らすか!高坂穂乃果!!」
穂乃果「イッエェーイ!!」
希「さすがA-RISEやね。MCもなんのそのや」
凛「さっきまでの穂乃果ちゃんのMCはなんだったのかにゃー」
真姫「茶番でしょ」
穂乃果「待ちに待ったこの瞬間!いくよ!絵里ちゃん!」
絵里「ええ!」
ほのえり「ゲートオープン!!」
穂乃果「きゃいほーーーー///」
絵里「界放!!って、ええ!!?」
このSSへのコメント