ラビットハウスの珍客~完全版~
完結作・「ラビットハウスの珍客」をひとつに繋げたドM推奨版。
書き換えるたびに原稿も修正していますが、分割版と違う部分があればご指摘ください。
~ラビットハウス~
タカヒロ「・・・済まない、どうしても外せない用事が入ってしまってね」
チノ「大丈夫です。今日はお客さん少ないですし、ココアさんと2人でもやっていけます」
ココア「リゼちゃんも遅れるけど来るって言ってたしね!任せてください!!」
タカヒロ「そうか、安心して出掛けられそうだ」
ココア「はい!」
チノ「・・・ココアさんが自信満々だと一番不安なんですけどね」ボソ
ココア「チノちゃん、なにか言った?」キョトン
チノ「・・・何でもありません」プイ
タカヒロ「はは。じゃ、行って来るよ。よほどのことがあったら、電話を掛けて来るんだよ」カラン・・・
タカヒロ(2人をよろしくな、父さん)パチッ
ティッピー(任せておけ息子よ!)フンッ
カランカラン・・・
ココア「・・・さ~て!張り切ってやるよ!!」ドンッ!
チノ「何ですかその効果音は」
ココア「・・・その前にぃ~」ニィ
チノ「・・・嫌な予感が「チ~ノちゃ~ん♪」ダキッ
チノ「・・・やっぱり」スリスリ
ココア「~定期的にチノちゃん成分を補給しないと、ココアお姉ちゃんは倒れてしまうのだぁ~!」スリスリ
チノ「・・・もう、ココアさんはしょうがないココアさんです」
ティッピー(んな事しとらんで仕事せんか仕事)
カランカラン・・・
ティッピー「ほれ言ってる間にお客がきたぞい!」
チノ「仕事しますよココアさん」スッ
ココア「あああああちのちゃああああああん!!!」ガーン
《①~とにかく『面倒な』客~》
ココチノ「いらっしゃいませー!」
野々村竜太郎「・・・・・・」
スッ
ティッピー(面倒そうな客が来たのう・・・)ジト
ココア「・・・どうしようチノちゃん、何か話しかけづらい雰囲気だね」
チノ「何言ってるんですか、注文とらないといけないでしょ。私が行ってきます」スッ
ティッピー(さすがわしの孫じゃ!)
野々村「・・・・・・」
チノ「いらっしゃいませ。ご注文はいかがなさいますか?」
野々村「・・・・・・はい?」
チノ「(え、聞こえなかったのかな・・・)ご、ご注文は・・・」
野々村「・・・アメリカンをお願いします」
チノ「・・・かしこまりました、すぐにお持ちします」トト
チノ(ほっ、揉め事にならなくて良かった)ドキドキ
ココア「頑張ったねチノちゃん!」ナデナデ
チノ「・・・こんなの当たり前です、早くコーヒーセット出してください」
チノ「・・・お待たせいたしました、アメリカンです」カチャ
野々村「・・・どうも」
ココア「おつかれさまチノちゃん♪」
チノ「・・・ちょっと緊張しました」
ティッピー「コーヒー一杯だけじゃし、直に出て行くじゃろ」ボソ
ティッピー(・・・暗いというよりも、何か『やばい』気がするんじゃよな・・・)
野々村「・・・・・・」サーッ
ココア「すごい砂糖を入れてるね。もう3本目だよ」
チノ「ミルクもけっこう入れてます。かなりの甘党ですね」
野々村「・・・・・・」カチャッ
ズズ・・・
野々村「・・・う・・・」
ココア(『う』!?)
チノ(ひょっとしてコーヒーが不味かったんじゃ・・・)アセアセ
ティッピー「はっ!・・・これはまずい!!!」
ココア「え?」
チノ「どういう事ですかおじいちゃん!」
ココア「おじいちゃん?」
野々村「ゥオゥウア゛アアアアアアアアアアアアアーーーゥアン!」
チノ「~~~~~~~!?」
ココア「いきなりどうしたのあの人!?」
ティッピー「予想が的中したわい!とんだハズレくじじゃ!!」
ココア「っていうか腹話術してる場合じゃないでしょチノちゃん!!」
チノ「そっちの心配ですか!?」
コーヒーナンデデー!ドンナ入れ方デモ!オンナジヤオンナジヤオモデェー!ンァッ↑ハッハッハッハーwwwwwwア゛ン!!
このコーヒーンフンフンッハ アアアアアアアアア↑↑↑アァン!!!!!!アゥッアゥオゥウア゛アアアアアアアアアアアアアーーーゥアン!コノコーヒァゥァゥ……ア゛ー!
コデバ… ウッ…ヴマイ!コーヒーはぁ…グズッ…豆のみンドゥッハッハッハッハッハアアアアァァ↑豆のみンゥッハー↑グズッ豆のみな らずぅう!!イレガダ…入れ方の問題やないですかぁ…
入れ方次第でッヘッヘエエェエェエエイ↑↑↑↑ア゛ァアン!!!
チノ「・・・泣きながらコーヒーの感想言ってるようですね」
チノ(とりあえず不味かったわけじゃなくて良かった・・・)ホッ
ココア「おかしい人なのかな?」
ティッピー「ええい!さっきからやかましい!コーヒーの感想くらい静かに言わんかい!!」
野々村「アダダニハワカラナイデショウネ エ!」
ティッピー「いやここの初代店主なんだけど!!?」
ココア「どういうことティッピー!!?」
チノ「ココアさんは気にしないで下さい」
~飲み終わるまで泣き叫び続けて数分後・・・~
チノ「・・・アメリカン1杯で400円になります」
野々村「・・・・・・」チャリン
チノ「ちょうどいただきます・・・レシートです」スッ
野々村「・・・・・・あの・・・」
チノ「な、何でしょう!?」ビクッ
野々村「・・・取り乱してしまい申し訳ありませんでした」
チノ「あ、いえ・・・」
カランカラン・・・
ティッピー「・・・やれやれ、せいせいしたわい・・・」
ココア「数分間が長く感じたね~」
チノ「・・・相手するこっちの身にもなってください・・・」
ティッピー「まあしかし、これ以上ああいう厄介な客が来ることはないじゃろう」
チノ「・・・だといいんですけどね」
ココア「まあまあ、もうすぐリゼちゃんも来るし、大丈夫だよ!」
チノ「もう!他人事だと思って・・・」プクッ
カランカラン・・・
ココア「あ、お客さんだよ!いらっしゃいませ~!」
プラシド・ドミンゴ『お、なかなかいい雰囲気の店だね』
ホセ・カレーラス『言っただろ?何回も来日してるけど、一度入ってみたかったんだよね』
ルチアーノ・パヴァロッティ(デディベア)『お、バーもやってるのか。なあ、ここ夜になったら貸し切りにしない?腹いっぱい食って酒飲みたいよね』
ココチノ「」
ドミンゴ『口も無いのにどうやって飲み食いするんだ?あ、このテーブル『3人』ね』
ココチノ(どうしよう、外国の人来ちゃった(来ちゃいました)~!!)
《②~とにかく『凄い』客~》
ドミンゴ『・・・しかし、突然電話を掛けてきて『ジャパンで会おう』なんて言うから何かと思ったら』
ドミンゴ『未だに信じられないよ・・・奇跡だね』
カレーラス『俺もいきなりデディベアが喋りだしたときはびっくりしたよ』
パヴァロッティ(デディベア)『何だ、そんなに俺が『帰ってきた』のが不服かプラシド?』
ドミンゴ『何を言ってるんだ、俺達はもう和解したじゃないか』
ドミンゴ『それに俺は最後に会ったとき、きちんと別れを告げられなかったのを後悔していたんだ。もう一度会えて嬉しいよ』
パヴァロッティ(デディベア)『・・・そうか・・・俺も嬉しいよ』シミジミ
カレーラス『ところで、ジャパンはいい選択だっただろう?こっちじゃA○Bっていうのが流行ってて、マスコミはもう俺達への関心は薄いみたいだからね』
ドミンゴ『ああ。おかげで静かに過ごせる』
ワイワイガヤガヤ・・・
ティッピー(とにかく良く喋るのぉ・・・)
ティッピー(それに引き換え・・・)
ココチノ「」ガクブルガクブル
ティッピー(ここは自分らのホームじゃというのに、情けないのう)
ココア「(チノちゃんもう一回ジャンケンだよ!)」ワナワナ
チノ「(何言ってるんですかもう5対3でココアさん負けてるんです、さあ行ってきてください)」ガタガタ
ココア「(いやまだだよ、もしかしたらこれから3連勝するかもしれないじゃん!!)」ワナワナ
チノ「(どんな屁理屈ですか!?)」ガタガタ
ドミンゴ『それにしても、あのルチアーノが一番小柄なホセの膝に乗っかっているのが滑稽だよね』
カレーラス『昔だったら逆だったのにな』HAHAHA
パヴァロッティ(デディベア)『そろそろ机の上に乗せてくれ、前が見えない』
カレーラス『これでいいかい?』ヒョイ
パヴァロッティ(デディベア)『うん、良い眺めだ。女の子が見える』
カレーラス『おいおい。・・・そういえば注文取りに来るの遅いね』
ドミンゴ『そうだな、ちょっと呼んでみるか』
Excuse me!
チノ「ほら呼ばれてますよ『街の国際バリスタ弁護士』への第一歩ですさあ行ってきてください」グイ
ココア「それ関係あるの『国際』ってとこだけだよね!?チノちゃんの薄情者ー!!」
三大テノール「・・・・・・」
ココア(どうしようすごい優しそうだけど視線が全くブレないよプレッシャー半端ないよあと何でデディベア!?)バクバク
ドミンゴ『・・・注文を取ってもらっていいかな?』
ココア「(うわ何て言ってるのかわからないよ!!)え、え~っと・・・」
ココア「び、ビーフ オア フィッシュ?」
三大テノール「・・・・・・?」
ココア「・・・・・・」
ココア(や、やっちゃったー!!!)ガビーン
チノ(何やってるんですかココアさんそれ飛行機の中で聞くことです)アワワ
チノ(仕方ないここは助け舟を・・・)サッ
チノ「ココアさん、メニュー見て指差してもらってください、それで通じるはずですから」ボソ・・・
ココア「ありがとうチノちゃ~ん、持つべきものは妹だよ~」パカ
※昼のメニューには日本語しか書いていませんでした。
ココチノ「・・・・・・」ダラダラ
ココチノ(詰んだあああああ!!!)ズガーン!
ココア「どうしようこれじゃ注文取れないよおおおおお!!」ワタワタ
チノ「落ち着いてくださいココアさん策はきっとあります逃げちゃダメです逃げちゃダメです逃げちゃダメです・・・」ブツブツ・・・
三大テノール「・・・・・・」
カレーラス『・・・ひょっとして、彼女達は英語が分からないんじゃないか?』
ドミンゴ『ああ成程。ジャパンでは外国語教育が遅れているとは聞いていたけどね』
パヴァロッティ(デディベア)『だからジャポネーゼにはいい歌手が少ないのか』 ※自身も英語以外は得意ではありません。
カランカラン・・・
リゼ「遅くなってすまない!店は大丈夫か?」
チノ「リゼさん・・・」
リゼ「・・・ん?どうした??」
ダダッ
ココア「リゼちゃーん!!待ってたよぉ~!!!」ダキッ
リゼ「いきなりどうしたんだココア!?(そんなに私がいなくて寂しかったのか?///)」
チノ「・・・」チラッ
三大テノール「・・・・・・」ニコッ
リゼ(ああ、なるほど・・・)
リゼ「・・・大丈夫だココア、私に任せてくれ」スッ
ココア「リゼちゃん・・・」グスッ
リゼ「チノ、きれいなエプロンはあるか?」コツコツ
チノ「はい、カウンターの裏にあります」タタッ
リゼ「ここで手を洗わせてもらうぞ、コートはここに置いてもいいか?」ヌギッ
チノ「大丈夫です。エプロンここに置いておきますね」スッ
リゼ「ありがとう。ココア!あの人達が来てからどれくらい経つ?」ジャー
ココア「うーん、ジャンケンでけっこうあいこになったから5分以上は経ってるかな・・・」
リゼ「許容範囲はオーバーしているな・・・分かった、すぐ行く!」キュッ!
ココア「・・・リゼちゃん、ごめんね?」
リゼ「いや、私が来るまでよく保(も)たせてくれたよ。二人ともよく頑張った」
ココア「リゼちゃん・・・」ウルウル・・・
チノ「・・・ありがとうございますリゼさん、後はお願いします」ペコ
リゼ「おう、任せておけ!」ビシッ
コツコツ・・・
リゼ『・・・大変お待たせして申し訳ありませんでした、ここからは私が応対させていただきます』ペコ
ドミンゴ『いや、すぐに気付かなかった私達も悪かった。申し訳ないと彼女達に伝えてくれ』ニコ
リゼ『ありがとうございます・・・ご注文はいかがなさいますか?』
ドミンゴ『ここにはランチを食べに来たんだ。メニューにある食べ物を人数分、そこのデディベアにも同じものをお願いするよ』
リゼ(デディベアの分も!?どういう事だ!?てかチョコンと座ってるし!!)
デディベア「 Ciao 」チョコン
リゼ(喋った!!?)
ドミンゴ『・・・気にしないでくれ、あと飲み物は食後にしたい』コツン Auch!
リゼ『かしこまりました・・・お飲み物は何になさいますか?』
三大テノール「「「 Espresso 」」」
ワイワイガヤガヤ・・・
チノ「・・・古いエスプレッソマシーンがウチにあって安心しました・・・」ゴシゴシ
ティッピー「たまに頼むヤツがいるんで裏メニューで出していた時があったんじゃ。今はそんな客もいなくなったがの・・・」
チノ「それにしても、エスプレッソが食後の飲み物なんて初めて知りました」キュッキュッ
ティッピー「ヤツらにとっての習慣じゃ。おかげでマシンを洗う時間も確保できたがな」
ティッピー「あと豆はコロンビアあたりを出してやれ、ヤツらの故郷の味じゃ」
チノ「・・・あの人達の出身がわかるんですか?」
ティッピー「わしも言葉までは分からんが英語のなまりでなんとなく分かる」
ティッピー「・・・いい機会じゃ、ヤツらを良く見ておけ、色々と面白いと思うぞ」
チノ「はい」ゴト
ティッピー(今回は『イタリア人』とスペイン人で助かったのぉ、他の国のモンならこうはいかんかったぞい)
ココア「リゼちゃん!パンケーキできたよ!」
リゼ「わかった!取りに行くからお盆に乗せてカウンターに置いておいてくれ!」
ココア「は~い!」ゴト
三大テノールと話すリゼ
ココア(リゼちゃん、かっこいい~!)キラキラ
チノ「・・・ココアさん、次ケーキお願いします」ガチャッ
ココア「・・・あ、うん!分かってるよチノちゃん!」タタッ
~ケーキを出し終えて~
リゼ「・・・ふう」
チノ「お疲れさまですリゼさん。これ、汗拭き用のタオルです」スッ
リゼ「ありがとう」
チノ「大急ぎでナポリタンを作った後ずっと接客でしたからね。まさにフル稼働です」
ココア「サンドイッチはココアが一手に引き受けてくれたからな、ホント助かったよ」フキフキ
ココア「えへへ~」
チノ「パン作りに関してはココアさんの右に出るものはいませんね。・・・そういえばリゼさん、あの人たちは一体何者なんですか?」
リゼ「ああ、どうも聞いた話だと2人とも『歌手』らしい」
リゼ「左の小柄な人がホセさんで右の背の高い人がプラシドさん。あと1人の3人で『The Three Tenors』っていうユニットとしても活動していたんだって」 注)カレーラスでも170センチ
ティッピー(『三人のテノール』か・・・聞いたことがあるのう・・・)
ココア「でも今来ているのは2人だけだよ?」
リゼ「・・・残念ながらあともう1人・ルチアーノさんは8年前に他界してしまったらしい」 ※ちなみにパヴァロッティで184センチ。意外なことに187センチのドミンゴより低い
ココア「そうなんだ・・・」ウルウル
ティッピー(・・・いや、感動しているところ悪いが・・・)チラ
パヴァロッティ(デディベア)「 Bene 」
ティッピー(ルチアーノ、今ここにいるぞい)
チノ「ちなみにあのデディベアは何なんですか?喋るみたいですし・・・」
リゼ「ああ、ホセさんの持ち物で、会話プログラムが入ってるらしいな。『アイボアイボ』言ってたけど、ありゃ分かってないな」
チノ「そうですか・・・」
ティッピー「・・・さて、そろそろエスプレッソを入れる準備をせんとな」
ジョボボボボ・・・
チノ「・・・すごく濃い匂いです」
リゼ「ああ、こんなの飲んだことないよ」
ココア「苦そう~」
チノ「・・・用意できました、リゼさんお願いします」カチャ
リゼ「了解!」
ドミンゴ『・・・そう言えば、『うさぎになったバリスタ』は知ってる?』
カレーラス『それなら俺も読んだよ。同じ作者の『カフェインファイター』も良かったね』
パヴァロッティ(デディベア)『何それ、俺ついていけないんだけど』
カレーラス『今度見せてやるよ。映画にもなってるから、ウチで一緒に観よう』
ドミンゴ『あと噂じゃ、作者はこの街に住んでるらしいね』
カレーラス『ぜひ会ってみたいよね』
リゼ『お待たせしました、食後のエスプレッソでございます』カチャ
ドミンゴ『少し聞きたいんだけど、アオヤマ・ブルーマウンテンという作家がこの街に住んでいるというのは本当かい?』
リゼ『ええ、ウチにも時々いらっしゃいますよ!』
ドミンゴ『そうなのか!でも今日は来ていないみたいだね』
リゼ『そうですね、毎日いらっしゃる訳ではないので・・・』
カレーラス『残念だよ、会えたらぜひサインをいただきたかった』
リゼ『本人が来たら伝えておきます。きっと喜ぶと思いますよ』
デディベア(すごい俺空気)
リゼ『・・・ご注文の品は以上ですね、ではごゆっくりどうぞ』ペコ
ドミンゴ『ここまでどうもありがとう』ニコッ
サー
チノ「・・・本場では砂糖を入れて飲むんですね」シラナカッタ
カチャカチャ
ココア「ホセさんはミルクも入れたよ!」
チノ「勉強になります」カキカキ
カレーラス『・・・さて、落ち着いたところで』
ドミンゴ『ルチアーノとの再会を祝して』
2人『乾杯』チン!
リゼ「?」
ズズ・・・
ティッピー(それにしても、食べ物の臭いが充満しとるのぉ)
ティッピー「・・・チノ、空気の入れ替えをしておくれ」
チノ「わかりました」タタ・・・
ココア「私も手伝うよチノちゃん!」タタッ
ガチャ ガチャ
サワ・・・
カレーラス『・・・いい風だ』
ドミンゴ『ああ、ヴェネツィアを思い出す』
パヴァロッティ(デディベア)『・・・・・・』
Ma n'atu sole cchiu bello i ne.
'O sole mio sta nfonte a te!
ティッピー「い、いきなり何じゃ!!?」
チノ「びっくりしました・・・」ドキドキ
ココア「あのデディベア歌も歌えるんだね!!」
リゼ「いや驚く所そこじゃないだろ!!」
'O sole, 'O sole mio,
ドミンゴ・カレーラス『・・・・・・』ハァ
sta nfronte a te,
sta nfro~~~~~~nte a te~~~~~~~~~~~~!
パヴァロッティ(デディベア)『何だお前らハモりかよ』
カレーラス『いきなりはもうムリだよ』
ドミンゴ『俺に至っては今バリトンだし』
カレーラス『死んで肉体から解放されたお前とは違うんだよ』ハハッ
パヴァロッティ(デディベア)『いいぜ~喉の調子は気にしなくていいし、体も軽い』HAHAHA
リゼ「!!?」
ドミンゴ『今日は心地良いランチタイムだったよ』
リゼ『そこまで言っていただいて恐縮です』
ドミンゴ『カードは使えるかな?』スッ
リゼ『はい、こちらでお支払いですね(やっぱり凄いな・・・)』ピッ
ココア「・・・ねえねえリゼちゃん、1つ聞いてもらっていいかな?」
リゼ「なんだ?あまり失礼なこと聞くなよ」
ココア「プラシドさんとホセさん、いくつなのかな~って」
リゼ「・・・まあ、それくらいなら良いんじゃないか、聞いてみるよ」
リゼ通訳中・・・
リゼ「・・・・・・」
ココア「・・・どうだったリゼちゃん?」
リゼ「・・・プラシドさんが74歳、ホセさんが69歳だって。ルチアーノさんは71歳で亡くなったそうだ」
ココア「うそ!!?ぜんぜん見えないよ!!!」
ティッピー「そんなバカな!!?わしが死んだときより若く見える!!!」ガーン
チノ(おじいちゃんがショック受けてます!)
ドミンゴ『・・・日本語は分からないけど、彼女達が驚いているのは分かるよ』ニッ
HAHAHAHAHA・・・
カレーラス『ではこれでおいとまするよ』カラン・・・
リゼ『はい、またのお越しをお待ちしております!』
ドミンゴ『・・・本当にいい店だ、ジャパンに来た時のランチはここにするよ』
カレーラス『・・・プラシドの方がこの店を気に入ってしまったらしい』HAHAHA
カレーラス『でも、本当に最高のランチタイムだった、ありがとう』
パヴァロッティ(デディベア)「 Grazie 」
リゼ『~///私も皆さんとお話できて楽しかったです!ありがとうございます!!』
カレーラス・ドミンゴ『・・・』ニコ
カランカラン・・・
ココチノリゼ「「「ありがとうございました~!!!」」」
三大テノール『・・・・・・』コクッ
「「「 ド ウ モ ア リ ガ ト ウ 」」」
カランカラン・・・
ココア「・・・最初は大変だったけど・・・」
チノ「・・・とても気持ち良いお客さんでしたね」
リゼ「言葉の壁なんて脆いもんさ!打ち解けてしまえばみんな友達だよ!!」
チノ「・・・でも私は、最後まで皆さんと距離を置きっぱなしでした」
ココア「これから少しずつ慣れて行こっ!私も協力するから!」ニコッ
チノ「ココアさん・・・」
リゼ(良かった、2人とも異文化交流に前向きになってくれて・・・)
カランカラン・・・
青山ブルーマウンテン「こんにちは~」
ココア「あ!青山さん!!」
チノ「・・・本当に僅差でしたね・・・」
リゼ「そこで外国の方と会いませんでしたか?」
青山「ええ、少しお話をしていました」カランカラン・・・
ココア「へ~、どんな?」
青山「・・・背の高い方が、『お美しい方ですね』、と言ってくださいました~」テレテレ
ココチノリゼ(((・・・プラシドさん、お歳を召してなおナンパ!!?)))ドーン
~今までにあった事を説明~
青山「・・・そうですか~あのお2人は私の本を読んでいてくださったのですね~」
リゼ「海外の人にまで読まれていて凄いですね青山さん!」
青山「ゆっくりお話できず、本当に残念です~」
チノ「大丈夫です。ここを気に入ってくださったので、きっとまた会えますよ」
ココア「そうだよ青山さん!それまでに新しい本出して2人に読んでもらお!」
青山「そうですね~でも、」
青山「ここに来たのは、作品のアイディアが尽きてしまったからなのですよ・・・」ズーン
ココチノリゼ(((ああ、突いてはいけないところを突いてしまった・・・)))
カランカラン・・・
リゼ「あ、いらっしゃいませー!」
《③~とにかく『熱い』客~》
リゼ「お1人様ですか?」
松岡修造「少し急ぎなんだ。メニューをくれるかい?」
リゼ「はい、こちらになります」スッ
修造「ありがとう」
ココア「どうして急いでるんだろうね?」
リゼ「・・・仕事の合間に昼食とかじゃないですか?」
パカ パチッ! ココチノ(早っ!!!)
修造「ナポリタン、食後にオリジナルブレンドをあっつあつで!!」
リゼ「はい、わかりました!」アセ
ココア「・・・メニュー閉じるまで2秒なかったよね?」
青山「決断の早い人ですね~」
ジュージュー・・・
リゼ「・・・お待たせしました、ナポリタンです」ゴトッ
修造「・・・では、いただきます!!」パチ!
ココア「手を合わせるのも全力!!」
リゼ「・・・熱血なオーラが出てます」オオオ
ガツガツ ムシャムシャ
ココア「食べるのも早いね~、がっついてるよ!!」
チノ「でも、しっかり咀嚼しています、所作もきれいです」
リゼ「意外と高貴な所の生まれなのかもしれないな」
ティッピー「・・・そうこうしてる内に食べ終わるぞい、コーヒーを用意しないと・・・」
ココア「じゃあ私がやるよ!あっつあつだよね?」
リゼ「こぼすんじゃないぞココア」
ココア「お待たせしました、食後のコーヒーです!」コトッ
修造「元気が良いね君!気に入ったよ!」
ココア「えへへ~///」
チノ「ココアさん、早く戻ってきてください」チョイチョイ
ココア「あ、は~い!」タタッ
リゼ「それにしても・・・」チラッ
モヤモヤモヤ~
リゼ「・・・あんなに湯気をたててるコーヒー見たことないぞ」
チノ「いくらなんでも熱すぎじゃないですか?」
ココア「そうかなぁ~」
チノ「一度自分で飲んでみたらいいです」ジト
修造「・・・・・・」ジーッ
チノ「・・・ほら、いくら『あっつあつ』で注文してもこれはさすがに・・・」
修造「もっと熱くなれよ・・・」
チノ「・・・・・・え?」
熱い豆燃やしてけよ、コーヒー熱くなった時が、本当の自分(味)に出会えるんだ
リゼ「・・・何言ってるんだこの人は!?」ゾワ
ティッピー「コーヒーに向かって語りかけてるぞい!」
だからこそ!
もっと!!熱くなれよおおおおおおおお!!!!!!!!
リゼ「はいいっ!!?」ビクゥ!
ティッピー「いったいどういう事じゃ!?」アゼン
チノ「どうやらコーヒーに対して声援を送っているようですね・・・」ビクビク
ココア「ほらあ、あれでよかったんだよチノちゃん!」
リゼ「いや、信じたくないがあれでも足りなかったんだよ!!」
青山「すごい迫力でしたね~」
修造「頑張れ頑張れできるできる絶対できる頑張れもっとやれるってやれる気持ちの問題だ頑張れ頑張れそこだ!そこで諦めるな絶対に頑張れ積極的にポジティブに頑張る頑張るペ○ングだって頑張ってるんだから!」
リゼ「なんでペ○ング!?」
ティッピー「多分作るときに熱湯を注ぐからじゃろう。あと販売中止的な意味と語呂の問題で」
修造「ほら君達も何をぼーっとしているんだ!このコーヒーに熱い声援をおくるんだ!!」
リゼ「ええっ!!?」
チノ「そんな今仕事中ですし「そこだいけ頑張れよっしゃいいよサイコーだよおおお!!!」オー!
チノリゼ「ココア(さん)!!?」
チノ「どうしましょうココアさんがあっちに行ってしまったらもう私達も参加確定です・・・」
リゼ「あ~もう!どうしてこんな時まで積極的なんだ!?」
修造ココア「「さあ君達(みんな)も一緒に!!!」」バッ
チノリゼ「「え、えーと・・・」」
ガ、ガンバレー・・・
修造ココア「「声が小さいぞ何だそれは!!!???」」クワッ
チノリゼ「「ううう・・・」」
ガンバレー ガンバレー モットダモット! ガンバレーガンバレー! ヨシソノイキダ!
ティッピー(今だけはうさぎで良かったわい。しかし、暑苦しい・・・)モヤモヤ・・・
青山「暖房要らずでいいですね~」アセカキカキ
~10分後~
修造「・・・よし!こんなもんだろ!!」ハァハァ
チノリゼ「や、やっと終わった~」グッタリ
ココア「いい汗かいたね~」ゼェゼェ
リゼ「いやお前が乗っからなかったらここまでならなかったんだよ!!」←どうあってもこうなってました
修造「さて、頑張った『お前』を飲むと・・・」カチャ
修造「・・・冷めてる・・・」
リゼ「・・・そりゃそうだろうな、かれこれ10分間放置していたんだから」ハァ
ココア「そんな・・・頑張ったのに・・・」ウル
修造「・・・でも、これはこれで美味い」グビ
リゼ「結局何でもいいんじゃないか!!!」ズバーン!
ココア「1050円になりま~す!」
修造「2千円からで」スッ
ココア「950円のお返しで~す!」ドウゾ
修造「おお!君は僕に負けない早さを持っているね!!」
ココア「えへへ~」
リゼ「いや、あれくらい大したことないだろ」アキレ
チノ「それでもココアさんの計算能力は侮れないですからね・・・」
カランカラン・・・
修造「とても美味しかった、ありがとう!!」
ココア「ありがとうございました~!!」ニコッ
カランカラン・・・
リゼ「・・・もう一声たりとも出ないよ・・・」
チノ「あの2人、どこかで血が繋がっているんじゃないでしょうか・・・」
ココア「もう!若いのが情けない!!」フンッ!
チノ「ココアさんだって若者です!」
青山「お疲れさまでした~」ヒョッコリ
リゼ「・・・青山さんは巻き込まれなくて良かったですね・・・」 ※多少ヤケ気味
青山「あの方のおかげでいい汗をかけたのでお肌ツルツルです~それに、」ツヤツヤ
青山「・・・新しい小説のアイディアが浮かびました、一石二鳥ですね~」
チノ「・・・そうですか良かったですね、でも風邪ひかないように注意してください」
カランカラン・・・
タカヒロ「ただいま、留守の間変わったことは・・・」
ココア「おかえりなさーい!!」 チノリゼ「(お帰りなさ~い)」
タカヒロ「・・・今日は大変だったようだね、みんなお疲れさま」カランカラン・・・
青山「みなさんとても頑張っていましたよ~、お客さんもとても喜んでいました」
タカヒロ「そうか。娘達を見守ってくれてありがとう」
タカヒロ「・・・さて、私にも話を聞かせてくれるかい?さぞ楽しい1日だったろう」
ティッピー(・・・わしにとっちゃ疲れたの一言で済むがのう)ヤレヤレ
リゼ「・・・そうだな。何だかんだ振り返れば、」
チノ「・・・思い出になることばかりでしたね・・・」
ココア「うん!今日すごく楽しかったね!!」エヘッ
・・・ジャア、コーヒーデモイレテユックリキコウカ ワーイ! アリガトウゴザイマス フフッ、ワタシモマゼテモラッテイイデスカ?・・・
おしまいっ!
<続編>
いかがでしたでしょうか?
繋げて見ると、一連の流れがわかると思います。とはいえ、分割版でも面白く『なる』ようにはしていますが・・・
引き続き、ご意見・評価お待ちしています。
存命のドミンゴ・カレーラスに『Daydream Cafe』を歌ってもらいたい・・・
このSSへのコメント